投稿者: BrancPort税理士法人

  • 気になる飲食店経営者の平均年収は?【収入をアップさせるためのコツを紹介】

    気になる飲食店経営者の平均年収は?【収入をアップさせるためのコツを紹介】

    • 飲食店を開業する予定だけど、経営者の収入はどうやって決める?
    • 脱サラして飲食店を経営したい!業種別の平均年収がどれくらいになるのか知りたい
    • 飲食ビジネスにおいて、収入の安定アップもしくは安定させるためのコツはある?

    飲食店経営は自由度が高く独自のアイデアで勝負ができ、直接顧客の喜びを感じることができるとても魅力的な職業です。しかし、経営状況によって収入の変動があるため飲食店を開業する夢と現実の狭間で今一歩踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に今までの安定したサラリーマン生活を過ごしてきた方にとって、大きな決断となるでしょう。そこで今回は飲食店経営者の業態別平均年収や収入をアップさせるためのコツなどを解説していきます。是非参考にしてみてください。

    1.飲食店経営者の収入はどうやって決める?

    将来は自分のお店を持ちたい、あるいはサラリーマン生活から憧れだった飲食店の経営を目指しているという方が多くいらっしゃいます。毎月決まった給料によって安定している生活から自分が経営者に変わると、年収は営業利益によって変わります。ここで気になるのが経営者としての収入です。売上によって変動のある収入はいったいどのように決めていけばいいのかみていきましょう。

    ①営業利益は毎月の売上に対して変動費・固定費といったシンプルな構造(計算)で求められます。先ずは毎月の売上目標を決めましょう。その売上に対してどれくらいの経費がかかるのか予想します。

    • 経費とは⇒変動費の原価・人件費(アルバイトやパート)・水道光熱費・その他経費・固定費の家賃・人件費(正社員)

    経費を削ることは難しいですが、経営者本人がお店で稼働することで人件費を削れるので、その分利益に上乗せできます。営業利益を上げるための工夫はで積極的に検討しましょう。

    ②飲食店経営者の収入は売上の10%が平均です。

    • 売上-人件費(30%)+材料費(30%)+家賃(10%)+水道光熱費他(10%)+借入返済(10%)=オーナーの収入

    ※人件費や材料費は変動費のため、ばらつきがあります。

    経営者の年収は上記のような数式を見て分かるように、当然売上がアップすれば経営者の収入は高くなります。
    例えば年収1,000万円を稼ぐためには、年商1億円が必要になります。ただし1店舗で月商840万円は厳しいため、もう1店舗を増やし2店舗にして、各店舗の月商420万円×2店舗(=年商840万円)の年商にすれば年収1,000万円も可能になります。年収1,000万円を目指すためには、複数の店舗経営を検討するのもいいかもしれません。ただし、1店舗目を成功させた後に多店舗展開を視野に入れてみることにしましょう。

    2.飲食店の業態別平均年収

    ここでは飲食店の業種別平均年収を紹介します。

    • 居酒屋経営:300万~2,500万円
    • バー経営:300万円前後
    • レストラン経営:400万~600万円
    • カフェ経営:200~800万円
    • ラーメン店経営:800万円前後

    以上が業態別の平均年収ですが、飲食店経営者の全体の平均年収は約560万~620万円です。
    居酒屋で年収のばらつきがあるのは、1店舗だけの経営と複数店舗経営の違いによるものです。カフェ店舗の大きな差はフランチャイズ経営をしているケースと個人経営で行っているためです。ラーメン店は顧客の回転率もよく、夜遅くまで営業してアルコールも提供していることが多いので注文が多く、売上も上がるので高い年収が見込まれます。その他、地域などによる収入の差もみられます。

    3.収入を増やすためのポイント

    飲食店経営者の平均年収は600万円前後だと先述しましたが、実は約7割が赤字経営だというデータがあります。そして赤字経営の平均年収は300万円程度で、黒字経営の約半分です。せっかく夢を持って開業したのに赤字が続き、年収が下がってしまうのはとても残念なことですね。開業当初(2~3年)は年収が減ることを覚悟していても、いつまでも売上の伸び悩みによって収入が上がらないことはつらいですね。ここでは、収入を増やすためのコツを紹介していきたいと思います。

    3.1 経費(人件費・宣伝費等)の再確認

    先ず、人件費については経営者本人をシフトにいれてしまうことです。自らがお店に立ち働くことで、従業員を雇わなくて済みます。よって、営業利益の割合が高くなり、1人分の人件費が自分の収入になるため年収アップに繋がるのでとても有効的です。また、広告宣伝を行った時は効果を確認しておきましょう。宣伝がきちんとターゲット層に伝わることで、宣伝直後でも来店客が増えると予想されます。集客率が低ければ宣伝効果が表れていないと考えられます。
    また、売上に対して費用をどのくらい使えるか広告予算を決めておきましょう。中途半端に広告宣伝をしかけると、集客も中途半端に終わってしまう可能性があります。通常、飲食店の広告宣伝費は売上額の3%~10%が相場となっています。例えば月300万円の売上がある場合、3%の宣伝費用をかけると9万円使えます。もし広告宣伝が売上に繋がらない場合は、費用をかけた宣伝などはストップする、もしくは他の施策に切り替えることを検討してみましょう。そうすることで、必要のない経費を削ることができます。

    3.2 立地やコンセプトの見直し

    経営が思わしくない状態が続く場合は、立地による原因でも少なくありません。もしくはお客様が入店しにくい入り口(わかりづらいなど)などです。立地は開業時に決めた場所なのでなかなか変えられません。料理の味やサービスの質を上げたり、集客できるような宣伝方法を取り組むなどの施策を検討します。立地条件や店内の構造が完璧でなくても他に出来ることの工夫で集客に繋がり売上向上に期待が持てることも多々あります。
    また、ターゲット層のニーズに合ってなければ来店はありません。
    今一度コンセプトにブレはないか見直しが必要です。お店の“ウリ”を表現し、お客様にその良さに気付いてもらわなければなりません。顧客が求めているものを提供するためには、メニューやサービス、店内の雰囲気作りのリニューアルを検討してみることも大切です。

    3.3 テイクアウト・デリバリーサービスを設ける

    テイクアウトやデリバリーサービスはお客様が店内を利用としないため、座席数や回転率を気にする必要はありません。オフィス街の忙しいランチ時などは店内と同じメニューで店頭販売をすれば追加売上となるので効果的です。
    また、デリバリーサービスについては人手が足りないので懸念されてしまいがちですが、ウーバーイーツや出前館などといった配達代行サービスを利用することで人件費追加の心配はいりません。商圏の拡大といった注文によるメリットが大きな効果をもたらしてくれます。

    さいごに

    飲食店を開業する際、自店を継続させて安定した収入で生活ができるのだろうかと不安に思うのは当然なことです。開業前にしっかり事業計画を立て、リスクを最小限に抑えることが必要です。自分が目指す飲食店を軌道に乗せ、売上と同時に年収をアップさせることで、飲食店の経営者となった決断が良かったと思えることでしょう。

  • 【飲食店の経営者必見】繁盛している飲食店はリピーターが多い!

    【飲食店の経営者必見】繁盛している飲食店はリピーターが多い!

    飲食店にとって新規顧客の開拓も大切ですが、それ以上にリピーターの存在はとても貴重です。初めてお店に来たお客様が再来する確率は、多くで40%程度だと言われています。半分以上の人は最初の来店で終わってしまうことが多いのが現実です。一度だけの来店客で終わらせないためは、お客様が何を求めているのか、そしてお店側が何を提供すればいいのかを理解することが大切です。今回は飲食店においてリピーターを確保するための施策などを紹介したいと思います。是非ご参考にしてください。

    1.飲食店にとってリピーターはなぜ必要?

    リピーターが多い飲食店は安定的に経営を行っている傾向が見られます。なぜリピーターが経営の安定(アップ)に繋がるのか、そしてリピートしてもらうことがなぜ必要なのか解説していきます。売上は、次のような構造(式)から成り立っていることを知ることで、リピーターが貴重な存在だと理解できます。

    売上 = 顧客 × 客単価 × リピート回数


    売上をアップするには、顧客とリピート客(回数)を増やしながら客単価の値上げもしなければなりません。もし売上を2倍にしたい場合、下記のような方法ではどうでしょうか。

    • 新規顧客の2倍増⇒集客のために広告宣伝などのコストをかける
    • 客単価の2倍増⇒全ての価格の値上げをする。もしくはお客様に注文数を増やしてもらい、より高い価格のものを注文してもらう。


    以上のよう方法で、いきなり2倍の売上アップをさせるのは容易ではありません。もちろん新規顧客を増やすための施策は大切ですが、コストがかかります。また、料理の価格を値上げすることによって逆に客足が遠のく場合があります。では、リピート回数を増やすとどうでしょうか。売上の80%に対してリピーターが20%ほど占めていると言われています。また、新規顧客を獲得するには、既存客の5倍のコストがかかります。よってリピート客は5分の1のコストで済み、既存客は一度来店し、少ないコストで継続的なリピートしてくれる可能性が高いということになります。既に、認知しているお客様を大切にし、お店のファンとなってくれるような施策を考えたほうが売上アップへの近道になるでしょう。

    2.リピートする店・リピートしない店

    飲食店の価値は、お客様の期待値を超えるほど満足感を得てリピートしてくれる可能性が高くなります。初めての来店客がその飲食店に対して価値を見いだせるかどうかは、期待に応える料理の味や価格、サービスの品質、雰囲気(居心地)などで決まります。リピート率が高いお店がどのような特徴があるのか知ることも大切です。一方、お店に対してネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。また、お店側で何の印象も残せていない理由で、忘れられてしまうこともあります。お客様に良い印象を与え、忘れられないようなお店作りをする努力も必要です。では、リピートするお店またはリピートしないお店とはどのような理由が影響しているのかみてみましょう。

    <リピートする理由>

    • 料理やドリンクの味のこだわりを感じ、満足感が得られた。
    • 飲食代が想定内の金額。お店の料理・サービスなどが金額に見合っていた。
    • 次回来店のための割引券やワインボトル1本無料券などのプレゼントをされた。
    • スタッフの接客に好感が持てた。

    顧客に対して料理の内容へのこだわりを感じさせ、想定以上の料金を使わせないという満足感を与え、そして他店にはないサービスによる特別感を与えることがリピートの動機だと思われます。

    <リピートしない理由>

    • 料理の値段が高すぎる。料理が美味しくない。
    • 接客態度が悪い。オーダーを取りに来ないもしくは料理の待ち時間が長い。
    • 店舗までのアクセスが悪い

    以上のような料理が美味しくない、接客が悪いなどの理由で再来店がないことはとても残念です。悪い印象ではなく、良い印象を与えるお店作りを心掛けることが大切です。

    3.常連客を獲得するための施策

    常連客を獲得するためには、紙タイプのポイントカードやチラシなど多少コストがかかるものもあれば、スマホやパソコンがあれば無料でお店のアプローチが可能なものもあります。どちらの方法で宣伝をするかはお店次第ですが、顧客の目に留まるようなPRをしなければ新規顧客になるのも困難です。常連客の定着率を高めるためには、集客PRの継続と同時にリピーターの集客のためのアプローチもしなければなりません。そこで、新規顧客から継続的に再来店してくれるリピーター獲得のための施策を紹介します。

    3.1 特別な日に特典を付けたダイレクトメール

    ダイレクトメールはどちらかというとリピーターの集客をするための手法が多いです。何らかの理由で足が遠のいてしまったお客様に、誕生日やクリスマスなどの特別の日にキャンペーンやプレゼントなどの特典を付けてDMを送ると再来の可能性が高いです。お客様が足を運ばなくなる理由は、意外と「なんとなく」というこが多いので、思い出してもらうためにDMを送って再来店のきっかけ作りをしてみましょう。

    3.2 SNSアプローチ

    SNSは集客に最も有効な手段です。FacebookやTwitter、Instagramなどがありますが、最近ではline@を活用するユーザーが多いため、積極的に取り入れて情報発信をしているケースもあります。いずれもアカウント開設が無料で導入コストがかかりません。SNSツールの特徴は複数の顧客へ同時に情報発信ができるという利便性があります。メインのユーザー層が様々なので店舗のターゲット層に適した情報発信をするのも良いでしょう。特にLine@は友達登録をしたくれた顧客にメッセージを一斉送信ができるので非常に便利です。新メニュー情報の一斉発信や、ポイントカード機能も搭載しているので再来店を促すのに役に立ちます。(ただし、Line@は登録や利用が無料のフリープランから、より広範な機能で高頻度に利用できる有料プランもあります)

    3.3 クーポン券を配布

    初めて来店したお客様が次に使いたくなるような魅力的なクーポン券を利用するのも一つの方法です。リピートしたくなるクーポン券の例を紹介します。

    • 例えば3種のメニューにそれぞれ半額割引クーポン券を3枚発行し、会計時にお客様に渡す。または3種のうち1枚無料、2枚○○円割引などのクーポン券。
    • お友達を紹介すると特典クーポン券
    • 2回目来店で「○○%割引」、間を空けて5日目で「ボトル1本無料」と再来店を繋げるクーポン券を発行する。
    • お店のメルマガに登録してもらい、メールでの割引クーポンを配信する

    以上のように次回の来店に繋げてリピート回数を増やすためのクーポン券を取り入れてみてはいかがでしょうか。

    さいごに

    飲食店においてのリピーターが、貴重な存在であることを理解していただけたでしょうか。一度の来店から常連客になってくれるためには、新規顧客の集客方法よりワンランク上の工夫を考えなければなりません。常連客の定着率を高めるには、飲食店は料理の味へのこだわりはもちろん、人との繋がりで成り立っている部分もあります。顧客のニーズを理解し、心地よい接客で満足感を与えられる“また行きたくなる店”を目指してみましょう。

  • 【飲食店開業に必要な資格】食品衛生責任者の資格取得方法と注意点

    【飲食店開業に必要な資格】食品衛生責任者の資格取得方法と注意点

    • 飲食店を開業する際に必要な資格を教えてほしい。
    • 食品衛生責任者の資格取得方法を知りたい。
    • 食品衛生責任者の資格取得後の注意点は?また、取得するとどんな利点がある?

    食品衛生責任者の資格について、上記のような悩みや疑問をお持ちの方が多くいらっしゃいます。飲食店を開業するにあたり、食品衛生責任者はお店に1人いれば運営が可能です。国家資格ではありますが、決して難しいわけではなく講習をきちんと受講していれば取得が可能です。
    この記事では、飲食業に携わる人に必要となる食品衛生責任者の資格について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

    1.食品衛生責任者とは?

    食品衛生責任者とは、飲食店や食品を扱う販売店、食品製造施設など営業許可施設ごとに1人専任の設置が義務付けられています。たとえば、チェーン展開している飲食店で全店舗を取りまとめる1人の責任者が資格を取得すればいいのではなく、営業許可が下りた各店舗に1人の食品衛生責任者の資格保持者が必要となります。ただし、調理師や栄養士、製菓衛生師などの資格をお持ちの方は受講が免除されます。食品衛生責任者とは、どのような役割が与えられているのか幾つかまとめてみました。

    • 各施設において食中毒や食品衛生法違反などを起こさないように管理を行う
    • 従業員の健康管理を行い、体調不良があった者には休暇の指示をする
    • 調理場の設備等の点検や食材の保管場所での衛生面のチェックを行う
    • トイレなどの清掃チェック表(衛生管理票)を作成する

    衛生面のチェック業務は飲食店にとって基本です。もし衛生チェックを怠って、お店で食中毒が発生してしまったら営業停止となってしまいます。そうならないためにも有資格者が正確な衛生管理を行うことが重要です。

    2.食品衛生責任者の資格取得方法

    資格の取得方法は、各都道府県の食品衛生協会が主催する「食品衛生責任者資格取得養成講習会」を受講することで取ることができます。
    ご参考まで⇒一般社団法人東京都食品衛生協会

    ・受講資格者:年齢は17歳以上(高校生除く)であれば受講可能です。また、外国人の方は
    日本語の読み、書き、会話ができ特別永住者証明者をお持ちの方であれば、受講は可能
    です。

    ・養成講習会申し込み:食品衛生責任者養成講習会は定期的に月数回ほど開催しており、
    会場も複数あるので自分の受けやすい場所を探し受講すると良いでしょう。尚、多く場
    合が郵送または直接窓口の申し込みになっており、先着順となるので定員に達し次第締
    めきりとなります。申し込みをする際には残席を問い合わせてから申し込むと良いでし
    ょう。

    ・受講費:一律10,000円で、当日会場で納めます。

    ・受講内容:衛生法規(2時間)、公衆衛生学(1時間)、食品衛生学(3時間)の3つの科
    目で合計約6時間
    となります。最後に小テストも含まれていますが、この講習はきちん
    と受講していれば、ほとんど回答できる内容です。

    ・受講が免除される:管理栄養士や調理師、食品衛生管理者などの有資格者は受講が免除
    されます。(自分が免除の対象になるか判断し兼ねる場合は、食品衛生協会に問い合わせ
    してみましょう)

    1日の養成講習が終了すると食品衛生責任者手帳が交付されます。
    講習終了後に食品衛生責任者手帳が交付され、これが食品衛生責任者修了書になります。

    3.食品衛生責任者の資格取得後の注意点

    晴れて食品衛生責任者の資格を取得したものの、証明書を紛失してしまったあるいは破損してしまったなんてこともよく耳にします。ここでは取得後の注意点などを解説していきます。

    3.1 受講修了書を紛失または破損した

    食品衛生責任者手帳(受講修了書)を紛失あるいは破損してしまった場合は、再交付申請が必要です。
    手帳には個人の番号が記載してありますが、何らかの理由で再発行が必要になった時にその番号が求められるので控えておきましょう。また、再交付の手数料、送料として2,100円の費用と現住所が記載されている運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーが必要になります。
    申請方法の詳細はこちらまで⇒受講修了書再交付(東京都食品衛生協会のHP)

    3.2 食品衛生責任者の変更または記載事項の変更

    店舗で働いていた資格取得者が退職して新たに責任者になったあるいは氏名が変更したなどの場合は以下の手続きが必要となります。

    ○食品衛生責任者が変更した場合
    新しく食品衛生責任者に変更する場合は、責任者となる方の資格証明書(調理師免許、食品衛生責任者受講修了証明書など。写し可)を持参の上、保健所へ提出します。

    ○記載事項の変更(氏名等変更)した場合
    氏名の変更は戸籍抄本と手帳を用意し、自分が受講した協会へ申請します。その他の事項変更・訂正などは、その事実を証明できる書類と手帳を用意して受講した協会へ申請します。変更手数料は自治体によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

    3.3 食品衛生責任者の更新は必要?

    食品衛生責任者の資格は有効期限を設けていないため更新は不要です。
    一度取得したら永久的に有効です。ただし自治体によっては、定期的に行われる実務講習の参加が義務付けられているので、事前に確認しておきましょう。

    4.食品衛生責任者は重宝される

    飲食店の開業以外に食品に携わる企業に就職を希望する場合、食品衛生責任者の資格保持者は歓迎されることが多いので、事前に資格を取るのも一つの方法です。製菓、食品製造など業態問わず、食に関わる職場であれば保持者は有利です。外食産業にとっては大切な人材で、資格の有無によって給与などの待遇に影響を与えることもあります。1日の講習で永久的に資格保持者となるので、知識を身に付けるためのも一度講習を受講してみるのも良いでしょう。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回の記事は食品衛生責任者の資格について解説しました。
    食品衛生責任者は1日の講習を受講すれば取得できる資格です。食を扱う仕事の価値は、料理の提供だけではなく、食の安全・安心といった衛生面にも深く関わっています。是非“食のプロ”として知識も得られる食品衛生責任者の資格を取ってみてはいかがでしょうか。

  • リピート率アップのためのポイントカード【飲食店の運用方法】

    リピート率アップのためのポイントカード【飲食店の運用方法】

    • リピーターを増やすためにポイントカードは導入したほうがいいの?
    • ポイントカードの種類は?どのタイプを導入したらいいのか分からない。
    • ポイントカードで得られる効果とは?

    このような悩み・疑問をお持ちの飲食店の経営者も多いのではないでしょうか。
    大手チェーン店から個人経営のお店まで、ポイントカードを設けている飲食店が数多くあります。飲食店にとって常連客が多ければ多いほど経営が安定すると言われています。その常連客となってくれるまでが難しく、飲食店にとっては課題の一つです。課題をクリアするためには、お店側でお客様がリピートしてくれる仕組みをつくらなければなりません。ポイントカードはその仕組みの役割を果たしてくれていると考えられます。

    1.ポイントカードの役割・目的

    ポイントカードとは、会計時に飲食代をポイントに換算しカードに記録させ、決められた来店回数まで貯まったら特典が得られるというサービスです。
    以下のような役割・目的で導入されています。

    ①再来店の促進
    ポイントカードの付与による特典やサービスに付加価値を付け、顧客が価値のあるものだと感じれば、最大の目的でもあるリピートに繋がります。

    ②客単価の向上
    通常のポイント付与ではなく、例えば「5のつく日」、「雨の日」などの特定日を設定し、その日に来店するとポイントの還元率を高くします。そうすることによって目的でもある顧客の利用頻度が増し、客単価の向上にも繋がります。

    ③競合店との差別化
    自店向けポイントカードに限ってですが、珍しい特典方法やユニークなサービスなどアイデア次第他店との差別化を図れるようになります。ポイントカードは集客の目的でもあり、役割も果たしてくれます。

    2.ポイントカードの種類

    ポイントカードの種類は、「自店舗のポイントカード」と大手企業が手がける「共通ポイントカード」の2つがあります。それぞれのポイントカードの特徴やサービスは異なりますが、再来店促進の目的は変わりません。

    2.1 自店舗のポイントカード

    自店舗のポイントカードは他店では利用できないため、独自のオリジナルカードを自由に作成することができます。デザインやポイント還元、付与方法で他店との差別化を図ることができ、顧客に大きな期待感・満足感を与えるような仕組みをつくることができます。ポイントカードのタイプは紙とリライトカードなどがあります。

    ・紙タイプのカード
    紙タイプのカードは、多くの飲食店で手軽に導入できるポイント(スタンプ)カードです。名刺代わりとして渡すこともできます。費用は2つ折りのダブルタイプで500枚25,000円から、シングルタイプは500枚20,000円が相場です。サイズは名刺ほどの大きさで、お財布に入るのでかさばらないのが魅力的です。

    ・リライトカード
    リライトカードとは、その都度ポイントを書き換えしてくれるカードです。お店にある専用機械にカードを通すと、情報が更新されます。1枚で300~500回までのリライトができるカードタイプがあるため、初期費用は専用機械とカードの枚数分を用意すればランニングコストは抑えられます。(初期費用の相場:機械120,000円~、カード1枚80円~)カードサイズは紙タイプと同じなのでかさばりません。専用機械にカードを通すと自動的に顧客(実績)データがパソコンに転送されるので、顧客情報管理もできます。

    2.2 共通ポイントカード

    共通ポイントカードは飲食店に限らず、加盟している店舗であれば利用できる認知度が高いカードです。代表的なのが「Tポイントカード」、「Pontaカード」、「dポイントカード」などです。提携店舗やインターネットでカードの発行ができます。また、スマホにアプリをダウンロードすることもでき、アプリをお店のバーコードで読み取ることでポイントが貯まるという仕組みになっています。共通カードは加盟店全体で顧客を囲い込もうとする集客戦略のひとつですが、飲食店のポータルサイト(ぐるなびなどのグルメサイト)で店舗を紹介してくれるといった共通ポイントカードの提携会社のバップアップも受けられるメリットがあります。顧客情報はポイントカードの各運営会社が「会員の所在地」「リピート率」「利用ポイント状況」「購入単価」を月単位で加盟店に知らせてくれます。顧客情報は限られていますが、顧客ニーズを把握した販促活動が可能です。ただし、注意点として継続的な費用が必要になり、店舗独自の方法で還元ができないため他店との差別化を図ることは困難です。

    2.3 デジタルポイントカード

    紙やプラスチックなどによるポイントカード以外にスマホによるポイントカードも今注目を浴びています。その中でも代表的なのがLINEでお店のポイントが貯められる「LINEショップカード」です。店舗側が用意したQRコード(ポイント付与用)にお客様が読みとることでポイントを付与するという仕組みです。お客様が貯めたポイントに対してニーズにあった特典を提供すると良いでしょう。デジタルのポイントカードはコスト削減にもなり、お客様が持ち運ぶ手間がなくなり、紛失も防ぐという利点があります。

    3.ポイントカードの運用方法と効果

    ポイントカードを導入することによって、いったいどんな効果が得られるのでしょうか。また、どのように運用していけばいいのかみていきましょう。

    3.1 リピート率が上がる

    お客様のニーズに応えることがリピーターの獲得に繋がります。そのためにはポイント回数のサイクルや特典内容のバリエーションを改善していくことも必要です。例えばボーナスポイントを設けたり、誕生日月には「お食事1品割引」、「ドリンク無料」などといった工夫です。そうすることによってお客様が特別なお店となって次第に利用頻度も高くなり、お店のリピーターになります。

    3.2 顧客の心理的効果を利用する

    ポイントカードのゴールが近付けば、人は最後の意気込みとしてモチベーションが高くなります。例えば下記のように①ゼロから始まるポイントカードと、②既にサービスで2個貯まっているところから始めるポイントカードがあるとします。残りの獲得するためのポイント数4個はどちらも同じですが、2通りのポイントカードをお客様に渡した時、既に2つポイントを獲得してある②のほうの完成度が高いという検証結果が得られています。いかにも自分が通ってきた証だと錯覚したような最後の意気込みに繋がっているようです。このような顧客の心理を動かす工夫をしたことによって得られる効果はとても大きいです。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。ポイントカードはリピートしてもらえれば売上向上や集客の獲得に繋がります。店舗の規模や運用方針によって明確なタイプのポイントカードを選び、目的に応じた運用ができれば効果の期待は多いにあります。そしてポイント還元がお客様にとって来店目的に応じたメリットであることをお店側がアピールをして、リピートしてもらうことがとても重要です。

  • 飲食店の成功は立地が関係している【好立地条件の探し方を解説】

    飲食店の成功は立地が関係している【好立地条件の探し方を解説】

    飲食店開業において経営成功のカギを握るのは約7割が立地で決まるといわているほど、出店場所はとても重要です。ただし、自分が希望とする立地場所が見つかったとしても、その場所で良い物件がなかなか見つからない飲食店の開業は「立地が経営成功のカギを握っている」と言われているほど出店場所はとても重要です。自分が希望とする立地に必ずしも良い物件があるとは限らないということがあります。また、その逆で良い物件を見つけたとしても自分が狙っているターゲット層がいないなど立地条件に満たない問題もあります。そのように考えると開業までの道のりが長いと嘆いてしまいたくなりますね。この記事では飲食店経営が成功に導くために良い立地選びのポイント、物件のタイプなどを解説していきます。開業を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

    1.飲食店の立地の種類

    飲食店の開業時に、先ず考えてほしいのが立地条件です。立地を考える上で、希望としている業態やターゲット層を満たしている場所を選ぶことが重要です。
    下記の出店場所がありますが、どのよう特徴があるのかみていきましょう。

    • 繁華街・駅前
    • 住宅街・商店街
    • オフィス街
    • 商業施設内
    • 裏通り(路地裏)

    ●繁華街・駅前
    繁華街や駅前は人が集まる場所なのでターゲット層も幅広く見られ、飲食店のニーズが高いです。ただし保証金や家賃が高いことが多いので場所選びは慎重に行いましょう。

    ●住宅街・商店街
    住宅街は基本的に地元のお客様をメインとしています。高級住宅街やファミリー層が多い場所などによってターゲット層や業態、価格などが変わってきます。また、固定客を確保することがお店を継続させていくポイントとなります。

    ●オフィス街
    サラリーマンやOLをターゲットとしているので土日祝を休みにすることが多いです。また、ランチや仕事帰りのサラリーマンの需要が多く集客に期待が持てますが、競合店が多いため差別化を図ることが重要です。

    ●商業施設内
    主に百貨店や複合施設、映画館、テーマパーク施設などです。商業施設の多くはフードコートや飲食店専門フロアを設けているため集客数が多く見られます。施設内で同じ業種のお店が入っていることは少なく、特に百貨店の価格はやや高めに設定しています。営業時間などは商業施設に合わせなくてはなりません。

    ●裏通り (路地裏)
    隠れ家的なお店として独特な個性によって顧客に響くものがあれば成功率は高いです。家賃も比較的安いですが、お店の存在を知ってもらうための秘策が必要です。

    上記以外でも立地はありますが、自店がどのようなお店にしたいかで変わってきます。
    先ずは、物件のデータを絞って現地に足を運ぶことが大切です。そこから感じ取れる空気に触れてみましょう。

    2.お店のコンセプトを具体化にする方法

    店舗の物件選びは、100%希望通りの物件を見つけることは非常に難しいです。
    先ずは希望通りの事業計画やコンセプトを作り、どのようなお店にしたいかをしっかり固めてから物件を探すことが重要です。コンセプトを作成する際、よくビジネスの新規事業を計画的に進める時に活用している「5W2H」を飲食店で当てはめて考えてみるのもよいでしょう。(5W2Hは、ビジネスで用いられる5W1Hに1つHを足したものです)

    • Why⇒なぜ?何のためにお店を開業するのか
    • Who⇒誰に?メインターゲットとなる年代、性別などの客層をイメージする
    • Where⇒どこで?どんな場所でどんな物件にするか
    • When⇒いつ?営業時間の設定と定休日を決める
    • What⇒どんな?業態や業種を決め、料理やメニューのイメージを考える
    • How⇒どうやって?どんな方法で料理の提供やサービスをするか
    • How Much⇒いくらで?客単価や売上目標を決める

    以上の項目をひとつずつ自分が作りたいお店のイメージをメモに書き出してみましょう。アイデアがたくさん浮かび上がったら全てを書き出し、最後に自分のやりたいことと顧客のニーズに合ったお店を照らし合わせながら絞り込み、需要と供給が一致するようになればコンセプトが具体化されます。その後、具体化されたコンセプトに見合った立地と物件を探してみると新たなお店のイメージが湧いてきます。

    3.立地選びのポイント

    立地が飲食店を経営していく上で、とても重要だと理解していただけたと思います。コンセプトが出店する地域の雰囲気と合っているか、選定した立地にターゲットとなるお客様が来店してくれるかなど様々な観点から調査をしなければなりません。ここではお店を出店する際の立地選びのポイントを解説します。

    3.1 お店の業態によって立地条件は変わる

    飲食店の良い立地条件とは、業態によって変わります。たとえばラーメンのように回転率を重視する飲食店であれば、日中に通行人が多い場所を選ぶことによって見込み客の来店も期待できます。逆に客単価重視したレストランやダイニングバーなどのように来店客の滞在時間を長くして注文数を増やし売上を伸ばす目的であれば、人通りのある道から一本離れた静かな裏通りのほうが適していると言えます。このように業態によって立地条件を満たしているのが好立地といえます。
    どのようなタイプのお店を目指すかで立地条件が以下のように変わります。

    • 客単価重視である程度の長時間滞在であれば駅から離れた静かな場所
    • 回転率を上げたい場合は人通りの多い路面店
    • ランチ重視や日祝を休日にする場合はオフィス街
    • 常連客重視であれば大通りから離れた隠れ家的(住宅街)な場所

    3.2 ターゲット層に見合った場所

    お店を出店する場所にターゲットとする人が集まっていることも好条件の立地と言えます。たとえば地元住民をメインターゲットにして地域に根ざした飲食店を目指すのであれば、商店街や住宅街を重点に場所を探し、サラリーマンやOLをターゲットにするならビジネス街に絞るという、それぞれお店のターゲット層に見合った立地を探すのがポイントです。立地を決める前には、どのような人が集まっているのか必ず下調べは必要です。

    3.3 出店する立地の調査

    出店場所を決めたら、実際に足を運んで現地調査をしましょう。その立地にはどのような飲食店が出店しているのか、また店舗周辺のターゲット層の確認などを把握しておくことが大切です。
    以下、現地調査で確認すべきポイントをいくつかあげてみました。

    • 看板の位置と見やすさや、入口付近の装飾、お店の外観による入店のしやすさ
    • 店舗周辺のターゲットとする人通りのチェック、昼と夜・平日と休日などの時間帯による通行量の調査
    • 立地周辺の雰囲気がコンセプトに合っているか、お店の場所は駅に近いか
    • 競合店が集中している場所での出店を希望とする場合、直接店舗に足を運び、提供している料理の味やメニュー、サービスなど、どんなスタイルのお店なのかを確認する

    以上のような調査を確認することで、適切な準備ができます。

    4.物件のタイプを選ぶ

    飲食店を出店する際の物件探しとして、居抜き物件やスケルトン物件があります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。開業資金も考慮した上で、居抜き物件とスケルトン物件のどちらかを選択するのもよいでしょう。

    4.1 居抜き物件

    居抜き物件とは前のお店が使用していた内装設備や厨房設備、什器、備品などが残っている状態で退去した物件のことをいいます。そのまま使用できるので大幅にコストが抑えられるのが大きなメリットです。業態によっては前のお店のお客様がそのまま引き継いて来店してくれる可能性があります。
    ただし、居抜き物件は設備や什器などを前借主から買い取る費用として造作譲渡料がかかります。残った設備などが故障した場合、撤去費用や設置費用がかかり二重払いになってしまうというデメリットもあります。またレイアウトの制限があり、大幅な変更は難しいということも覚えておきましょう。

    4.2 スケルトン物件

    スケルトン物件とは、内装や設備すべてが撤去され柱や天井、床など構造のみの状態のことをいいます。メリットはゼロからお店作りができ、明確なコンセプトを持つことでオリジナリティーのある内装が可能で、店内のレイアウトも自由に決められます。一方デメリットは内装などの費用がかかり、ゼロから工事を始めるので工事完了までの時間がかかるということです。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は飲食店の立地探し・物件タイプについて解説しました。
    飲食店で成功するには立地条件が整い、そして良い賃貸条件の物件であることがかなりの割合を占めています。まずはお店づくりにおいての基礎となるコンセプトを固め、それに見合った立地・物件選びをすることが重要です。立地と物件が確定すると、お店のイメージがグンと膨らみ、成功イメージもよりつかみ易くなることでしょう。

  • 独立して飲食店を開業したい方必見~必要な費用から資金調達まで~

    独立して飲食店を開業したい方必見~必要な費用から資金調達まで~

    飲食店で働いて数年が経ち、いつかは独立して自分のお店を持ちたいという夢をお持ちの方が多いのではないでしょうか。飲食店は比較的参入しやすい業界といわれていますが、開業資金にはどれぐらい必要なのか、どのような方法で資金調達をしたらいいのか分からないという方もいらっしゃいます。これからお店を持ちたいという方のために、開業に必要な費用や資金調達の方法などを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

    1.店舗開業に必要な費用

    先ず、開業に必要な費用は大きく分けて物件取得に関する費用、店舗設備費用、運転資金の3つになります。もちろんお店の形態や規模、出店する場所によって、大きく金額は変わってきます。今回は、飲食店の開業において、これらの大きな費用と運転資金に着目していきたいと思います。

    1.1 物件取得費用

    物件取得費用とは、店舗の物件を契約する際に必要な費用のことです。

    ■保証金(敷金):店舗物件を借りるときに最も大きなコストが保証金ですが、賃料の6~12 ヶ月が相場です。貸主が賃料の滞納や過失による損傷などの修繕費を担保の目的のため金銭を預かります。保証金は賃貸借の解約時に償却分を差し引いた金額が返還されます。ほとんどの賃貸借契約書に『保証金の償却年○%を除き返還』、『解約時償却分○ヶ月分』という表示がされているので、契約時に確認しておきましょう。

    ■礼金:契約時にオーナーに支払うお金で、賃料の1~2ヶ月分です。礼金は貸主へのお礼として差し出すお金なので一度支払ったら戻りません。

    ■仲介手数料:物件紹介業者に支払う手数料で、賃料の1ヶ月分程度です。

    ■造作譲渡料:前の店舗の内装や設備をそのまま使用できる居抜き物件で、前の借主に譲
    渡代金を支払います。料金は内装や設備などの状態や経過年数によって変動があります。

    ■前家賃:契約日からその翌月分までの賃料を前払いとして支払うのが一般的です。

    1.2 店舗設備費用

    店舗設備費用は、店舗の内外装や厨房機器、備品などにかかる費用です。ただし、居抜きの場合は内装や厨房機器などの状態によってそのまま使用できることもあるので、費用を抑えることができます。

    ■内(外)装工事費:店舗の内装工事費の平均は1坪約30~50万円(厨房機器は別)が多いですが、大きな店舗にしたい場合は、工事面積が広ければ広いほど坪単価が低くなるというスケールメリットを十分生かすことができます。(ただし10坪程度の狭小店舗は工事費の坪単価が高くなってしまいます。)
    また、外装は主に外壁による工事が大部分を占めています。塗装やサイディング、正面(出入り口)などの外装工事が一般的ですが、相場は100~200万円ぐらいと考えておくと良いでしょう。

    ■看板工事費:看板は外装工事に含まれていますが、自分でデザインして入稿できる方は製作費を抑えられます。デザイン、工事を業者に依頼すると、50万円ぐらいかかります。

    ■厨房機器:業態や新品・中古、規模によって異なりますが、厨房内のガス設備工事、換気、空調設備工事、その他の厨房機器本体の冷蔵庫やガスコンロなどの費用がかかります。目安として全体で100~250万円ぐらいかかります。

    ■デザイ設計:内外装工事と一緒にする場合がありますが、相場は35~70万円程度です。

    ■備品や販売促進費:備品は食器やユニフォーム、販促費はチラシやグルメサイト掲載などにかかる費用です。(販促費は一般的に売上額の5%前後がベストだと言われています。)

    ■人材費用:開業するにあたって人材募集にかかる費用です。

    1.3 運転資金

    運転資金は日々運営していくうえで、必要な資金のことです。運転資金の内訳は仕入れ代、人件費(従業員の給与)、家賃、広告費、水道光熱費などです。飲食店を開業してから半年間は利益が無くてもお店を継続させていくことを考慮し、目安として6カ月分の運転資金を準備しておくことが理想的です。

    店舗の坪数や業態によって金額は異なりますが、店舗を借りる時の保証金なども含め飲食店を開業するには約1,000万円の資金が必要となります。

    2. 資金調達の方法

    開業資金は1,000万円の用意が必要だと前述しました。すべて自己資金で用意ができればいいのですが、半数以上の人が金融機関で融資を受けています。ここでは、開業時に必要となる調達方法を紹介したいと思います。

    2.1 日本政策金融公庫

    日本政策金融公庫は、飲食店を開業する際に多くの経営者が利用しています。国のお金を運営する金融としているため、起業における融資にとても積極的です。民間銀行からの融資は非常に難しいのですが、日本政策金融公庫は融資が受けられる可能性が高いです。
    また、以下の利点がありますので参考にしてください。

    • 金利が安い
    • 無担保、無保証で融資
    • 日本政策金融公庫から融資を受けて経営が成功すると銀行からの信用が得られる
    • 申し込みから1ヶ月ほどで融資が実行される
    • 返済期間が長い

    なお、日本政策金融公庫の審査は開業のための自己資金、創業計画書などを提出し、個別面談による審査で融資が受けられるか判断されます。
    詳しくは⇒日本政策金融公庫

    2.2 助成金や補助金

    助成金や補助金は、国や地方自治体から受給されるため地域活性化や雇用促進を目的としている返済義務がない資金支援制度です。ただし注意しなければならないのが、融資とは異なり、助成金と補助金は前払いではなく後払いです。申請して要件を満たしても約1年後の支給になります。
    助成金:必要な書類を提出して要件にクリアすれば受給できます。支給額は一律で定められてことが多いです。ご参考まで⇒厚生労働省 業務改善助成金
    補助金:審査と要件の2つを満たさなければと採用されません。支給額は支出金に対する割合から算出される上限が定められています。ご参考まで⇒地域創造的起業補助金事務局

    2.3 共同経営

    飲食店を複数人で運営していくことを共同経営といいます。1人より同じ目標や価値観をもった者同士が資金を出し合うことによって大きな投資になります。お互い同じ夢を持っているので仲間意識も強くなり固い結束ができます。しかし、お店の利益がでている間はお互いの波長も合い意見も出しやすいのですが、売上が下がった場合はお互いの意思の食い違いなどが生じやすくなってしまいます。共同経営は信頼関係で成り立っています。その関係を持続させるには十分なコミュニケーションをとり、お互い尊重し合うことが大切です。

    2.4 民間の金融機関

    民間の銀行からの融資は、過去の経営実績がないと難しいため、飲食店の開業融資としてはあまり適していないのが事実です。ただし、信用金庫や信用組合などは預金口座を長く持っていると、融資の相談にのってくれるというケースもあります。

    2.5 保証協会の融資

    金融機関から借入する際に公的な保証人として「東京信用保証協会」が資金調達のアシストをしてくれます。つまり、銀行から融資を受ける際に融資金額の保証をしてくれるという資金調達の支援を目的としています。また、保証協会を利用している事業の発展・成長をしていくためのサポートを目指しています。
    ただし、信用保証協会の保証により銀行から融資を受けた場合、信用保証料を支払う必要があります。例えば、経営が何らかの理由で返済が困難になったとき、保証協会が金融機関に返済金額を立て替えるということになりますが、このようなケースにあった場合の補てん、経費等、信用保証制度を運営する上で信用保証料が費用に充てられます。保証協会を利用している事業の発展・成長をしていくためのサポートを目指しています。

    3.事業計画書を作ろう

    飲食店を開業する際、事業計画書は大きな役割を果たします。なぜ必要かというと、大きく分けて2つあります。ひとつは融資の審査などに必要な説明資料で、返済できるかなどを慎重に検討します。もうひとつは、事業計画書を作成することによって、将来を明確にするための経営指針になります。
    記入する内容は幾つかありますが、プロフィール、お店の事業内容、予定している販売先と仕入れ先、必要な資金と調達方法、月毎の支収計画、ビジネスモデル図などを詳しく分かりやすく作成することです。
    日本政策金融公庫が提供している『創業計画書記入例』の洋風居酒屋が参考になります。
    日本政策金融公庫HP

    あわせて読んでおきたい記事
    飲食店開業を成功する為の店舗コンセプトと事業計画書作成を1から解説

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は飲食店開業にあたって必要な費用や資金調達方法などを解説しました。開業には多額な資金が必要のため、融資を受ける方が多くいらっしゃいます。そのためには事業計画書を用意しなければなりません。全ては開業し経営を成功させるための準備です。準備期間は最低でも開業予定の1年ぐらい前から始めることをお勧めします。多くの資金と準備期間がかかりますが、想いを形にするため何をどれくらい必要か把握しておくことが、開業の近道ではないでしょうか。

  • 個人事業主から法人設立へ~飲食店に必要な印鑑を準備しよう~

    個人事業主から法人設立へ~飲食店に必要な印鑑を準備しよう~

    個人事業主で飲食店を開業してから数年が経ち、売上も除々に上がりそろそろ法人にしようかと考えている飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか。法人で設立すると法務局へ登記に関する書類や税務署へ提出する法人設立届出書などの各書類に印艦を押印する必要があります。印艦はさまざまな場面で役割を果たしますが、使い分けができるように最低3つあれば十分といわれています。今回は法人化する際に必要な印艦について解説していきます。

    1.印艦の種類

    飲食店が法人設立した際に印艦の準備をします。法人設立時の提出書類から日常業務に必要となるもの、それぞれ使い分けておくためにも3~4つの準備することをお勧めします。

    • 実印(会社実印、法人実印、代表者印)
    • 銀行印(銀行開設の届出印、金融機関届出印)
    • 社印(請求書、領収書などに押印する角印)
    • ゴム印(必要に応じて)

    最低限の準備が必要な印艦は、実印、銀行印、社印の3つです。それぞれの利用目的や効力も違うので、押印する人がどのシチュエーションでどの印艦が必要なのか把握しておくことが大切です。

    2.印艦の用途

    法人の飲食店を開業すると、様々な場面で印艦が必要となりますが、それぞれ印艦の使用目的や用途について曖昧だということはよくあります。そこで事業を行っていく上で、それぞれの印艦の用途について解説していきたいと思います。

    2.1 実印

    法務局へ登記申請をする際に必要となるのが実印です。法務局でこの印艦を登録すると印艦証明書を取ることができます。印艦登録をした印艦は法人の実印として、法律的な効力を持ちます。なお、印艦証明書を取得するには「印艦カード」が必要になります。管轄の法務局で「印艦カード交付申請書」を提出すれば発行してもらえます。その際には設立登記するときに登録した印艦も必要となりますので一緒に持参してください。

    実印だけで銀行の口座開設や契約書などの押印はすべてまかなえます。しかし、実印1本で済ますとセキュリティ面で大きなトラブルを引き起こしてしまう可能性があるため、銀行印と実印は別々に作っておいたほうが良いでしょう。

    実印(代表者印)の大きさは登記上の制限があり、「1辺の長さが1cmを超え3cm以内に収まるもの」と定められています。印影は一般的に円状の二重になっており、外側の円は社名が入り、内側には役職名(代表取締役など)が入っています。文字の制限はなくアルファベットやカタカナの社名であっても、漢字やひらがなに変換する必要はなく、そのままの文字で印艦を作成しても問題はありません。

    2.2 銀行印

    銀行印は銀行で口座開設をする際に必要となる印艦です。ATMの引き出しは利用限度額があるため窓口での現金引き出しや口座振替の支払いを申し込むときにも必要となります。他に住所変更や取引支店の変更、社名変更など金融機関に届出している内容変更の際に銀行印が求められます。前述したように実印を銀行印として使用することも可能ですが、万が一実印が紛失あるいは盗難などにあった場合、お金の管理ができなくなってしまいます。銀行印は金銭に関わる大切な印艦なので、用途に応じてしっかりと使い分けしましょう。

    2.3 社印

    社印は日常業務でよく使用され、請求書や領収書などを発行する際に押印します。飲食店で領収書に社印(角印)が押印していますが、これは店舗の認印になります。ただし、押印の手間がかかるようであれば領収書に社印(角印)を印刷しても問題はありません。

    2.4 その他

    住所・店舗名(会社名)・電話番号などを記載しなくてはならない領収書や請求書に書く手間を省くためゴム印を作成します。ゴム印は日常業務の効率を向上させるためにも役立ちます。

    3.印艦の保管方法

    印艦の用途を理解した上で、それぞれしっかりと保管しなければなりません。
    ここでは、実印と銀行印の保管方法と保管場所をご紹介します。

    <実印>
    実印と印艦証明書もしくは印艦カードは一緒に保管していないでしょうか。実印は法的効力をもっているので、とても重要な印艦です。特に実印と印艦証明書は2つのセットで大きな効力を発揮します。もし盗難にあった場合、印艦証明書を見れば一緒にあった印艦は実印だとすぐ分かってしまいます。悪用リスク軽減のためにも必ず実印と印艦証明書は別に保管しましょう。できれば実印は銀行の貸金庫での保管をお勧めします。ただし費用が発生するので、各金融機関の貸金庫利用料金を比較して店舗に見合った貸金庫を利用するとよいでしょう。

    <銀行印>
    銀行印と通帳を一緒に保管するのは避けましょう。実印と同じように他の書類と一緒に保管して万が一銀行印と通帳が持ち出されてしまったら簡単に口座からの引き出しができてしまうからです。セキュリティ面を考え、銀行印を保管するために小さめの金庫を用意することをお勧めします。また、実印も銀行印も単独で保管しておきましょう。
    ※銀行印ではなくダミーの印艦を通帳と一緒にしまっておくという方法もあります。もしも盗難になった時のことを考えて逆手にとった方法です。

    4.代表者印(実印)が紛失した場合

    代表者印は印鑑の中で最も重要な役割を果たしています。会社設立の際に登記申請書に捺印するのが体表者印となります。法務局では登録できる印鑑のサイズの規定があり、「1辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるもの」とされています。代表者印を作る際は、規定通りに作るように注意しましょう。

    万が一代表者印を紛失しまった際には、新しい実印を登録するため速やかに管轄の法務局に手続きを行いましょう。これを「改印届」言います。
    代表者の実印と印鑑証明書(3か月以内に取得したもの)を法務局へ提出します。また、印鑑カードを紛失しまった場合は代表者印を持参して法務局で再発行の手続きを行います。

    5.法人設立における印鑑届出は任意に

    法人設立の際に法務局で印鑑届出を行っていましたが、2021年2月15日よりオンラインで登記申請を行う場合は印鑑が任意となりました。つまり、印鑑を登録しなくても法人(会社)設立が可能ということです。
    これからの時代の流れに沿った印鑑廃止という動きに合わせていると言ってもよいでしょう。
    (出典参照:法務省より「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)」)
    しかし、金融機関で融資を受けるなどの際は実印が必要となります。実印で押印という場面はまだ多いので、現時点を考えると従来通り印鑑届出を行うことをおすすめします。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は法人印艦の種類や用途、保管方法を解説しました。
    目的に応じてそれぞれの印艦を作成し、役割を果たすわけですが、特に実印の保管場所には十分注意しなければなりません。印艦を管理している経営者は運用ルールを明確にし、管理の強化を図ることが大切です。

  • 飲食店で働くアルバイトの源泉徴収も必要です【源泉徴収のしくみ】

    飲食店で働くアルバイトの源泉徴収も必要です【源泉徴収のしくみ】

    • 経営する飲食店でアルバイトを雇っているが源泉徴票の発行は必要?
    • 飲食店で働くパート・アルバイトにも源泉徴収は関係ある?
    • 外注で仕事を依頼した個人事業主に対しての源泉徴収はどうすればいい?

    税金に関するルールは複雑なイメージがあり、上記のような疑問を持っている方がいらっしゃいます。多くの飲食店がアルバイトやパートを雇用しています。毎月継続して給与を支払っている以上、源泉徴収することは正社員と変わりありません。しかし、個人経営の飲食店の場合は、従業員の有無によって源泉徴収が変わってきます。
    今回は源泉徴収について詳しく解説します。

    1.源泉徴収とは?

    源泉徴収とは、給与支払者が従業員の給与から予め税金(所得税)を天引きし、国に納めるというシステムです。雇われている従業員がそれぞれ個人で所得税を納付するとなると、税務署が膨大な量となり手間がかかってしまうので、給与支払者が従業員のかわりに納めるルールが採用されています。給与支払者が従業員への給料・賞与を支払った報酬から源泉徴収した所得税は給与支払日の翌月10日までに管轄する税務署へ支払います。

    従業員に給与を支払う場合は源泉徴収義務者になるので、払わないでいるとペナルティとして納付しなければならい納税額の10%分課税されます。これを「不納付加算税」といいます。なお、税務署から指摘される前に自ら納付する場合は5%になります。その他「延滞税」といった納期期限から遅れた分に対してかかる税金もあるので注意しましょう。 

    また、経営者が従業員以外に外注(個人事業主)で仕事を依頼したとき、報酬を受ける者の
    源泉徴収は必要になります。下記のような報酬を支払った場合に源泉徴収が必要です。

    • 税理士、弁護士、司法書士等の専門家の士業への報酬、料金
    • ホテルや旅館などで宴会において、客の接待をしたときに派遣された(バンケット)ホステス、コンパニオン等に支払う報酬

    2.個人事業主の源泉徴収義務者

    源泉徴収義務者とは、従業員等の給与や報酬から所得税を差し引いて、国へ納税する義務がある事業者のことをいいます。⇒No.2502 源泉徴収義務者とは
    法人であれば、給料の支払者となるので源泉徴収義務者となりますが、個人事業主でも支払う費用によっては源泉徴収義務者に該当する場合と、該当しない場合があります。

    <源泉徴収義務者に該当する>
    • 個人事業主でも正社員、アルバイト、パートなどの従業員を雇用し給与を払っている
    • 青色事業専業者への給与や退職金などを支払う
    • 事業の手伝いを家族がしていて給与などを支払う
    <源泉徴収義務者に該当しない>
    • 従業員を雇っておらず、弁護士や、税理士などへ報酬や料金だけを支払っている
    • 常時2人以下で家事使用人だけに給与を支払う

    なお、飲食店を開業し従業員を雇用する場合は「給与支払事務所等の開設届出書」を所轄する税務署に提出しなければなりません。(国税庁のWebサイト)
    源泉徴収に関する大切な届出書なので、覚えておくとよいでしょう。

    3.アルバイト、パートの源泉徴収・源泉徴収票の発行

    <アルバイト、パートの源泉徴収>

    アルバイトの月給が88,000円以上あった場合は源泉徴収され、88,000円未満の場合は源泉徴収されません。働き方に変動が多いアルバイトは、所得税がかかる月とかからない月があります。年収103万円を超えた場合は所得税を支払う義務があり、もし親や配偶者の扶養家族になっていた場合は扶養から抜けなければなりません。逆に103万円未満の場合は源泉徴収する必要はありません。ただし、年間103万円を超えなくても、1年間の間で88,000円以上の収入があった月が一回でもあれば、その月は源泉徴収されます。そのような場合は、年末調整あるいは自身で確定申告を行った際、払い過ぎた税金が戻ります。

    <源泉徴収票の発行>

    源泉徴収票とは、会社から1年間支払われた給与・賞与などの総支給額から所得税を差し引いた金額が記載された証明書のことです。一般的には12~1月に従業員へ交付します。正社員だけに限らず、アルバイトやパート、日雇い労働者にも源泉徴収票を発行する義務があり交付しなければなりません。アルバイトは、年の途中で辞めてしまうことが多いので、その際は退職した日から1カ月以内に源泉徴収票を発行し、退職者に交付するように心がけてください。源泉徴収票は退職者が確定申告や再就職した時などに必要です。

    4.源泉徴収票の再発行・保管期間

    源泉徴収票は給与や賞与の支給金額、所得税の控除金額、源泉徴収額などが記載されている大切な書類です。源泉徴収票は従業員に交付した後も必要に応じて使用する場面があるので、紙で保管している場合は間違えて破棄しないよう取り扱いに十分注意しましょう。

    <源泉徴収票の再発行>

    源泉徴収票は大切な書類とは知っていても年に一度だけ交付され、しかも使う機会が限られているので「うっかりして無くしてしまった」という従業員もいるかと思います。もし従業員から紛失してしまったという申し出があった場合、再発行は可能です。給与支払者は源泉徴収票の交付が義務づけられている以上、面倒でも再発行を応じなくてはなりません。

    <源泉徴収票の保管期間>

    税に関する書類については、法律で定められた保存期間があります。源泉徴収票の保存期間は7年間と定められており、また、退職者の源泉徴収票についても在職中と同じく保存しておくことが必要です。前述したように、万が一従業員や退職者から源泉徴収票を紛失したため再発行の依頼をされたとき、保存期間内であれば再発行は可能となります。いざ必要になった時の為にも、きちんと7年間は保存し無くさないように決まった場所で大切に保管をしておきましょう。

    さいごに

    従業員を雇用すると、ほとんど給与から所得税を天引きすることが必要です。その他、仕事を依頼した相手が個人で報酬を受け取る場合でも源泉徴収は必要です。また、個人事業主の飲食店でも従業員を雇うか、もしくは1人だけでお店の事業を行っているかで源泉徴収義務者としての立場が変わります。
    今回はさまざまな角度からみみた源泉徴収について解説をしました。複雑な源泉徴収を正しく納税するためにも、基礎知識を理解しておくことが大切です。

  • 領収書に貼る収入印紙の必要性とは?消費税との関係も交えて解説

    領収書に貼る収入印紙の必要性とは?消費税との関係も交えて解説

    • 領収書を作成した時、なぜ収入印紙が必要なの?
    • 領収書に貼る収入印紙の金額がわからない。

    こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
    飲食店で働いていれば、会計時に「領収書をください」とお客様からよく言われ、手書きの領収書を渡すことがあるかと思います。そこで気になるのが領収書に収入印紙を貼付することです。しかも領収書に記載する金額によって、貼る印紙代も変わってきます。今回は、収入印紙に関する役割やルールについて解説をしていきます。

    1.収入印紙とは

    収入印紙とは「印紙税」という税金のことで、国が収入となる税金を徴収するため政府が法律に基づいて発行した証票のことです。印紙税の納税義務者は、文書(契約書等)や領収書などの作成者になります。その作成者が課税対象となる文書や領収書に定められた金額の収入印紙を貼り付け、消印(割印)をして納付するという仕組みになっています。ちなみに押印の目的は、印紙の偽造や再利用を防ぐためです。課税の対象となる領収書に印紙を貼っただけで、消印(割印)がないと印紙税の納付を怠ったとみなされるので注意が必要です。収入印紙は郵便局や法務局で購入でき、200円などの額面が小さいものはコンビニエンスストアや書店でも購入可能です。必要となった場合に備えて、まとめて数枚程度の購入をしておくとよいでしょう。

    2.領収書の金額によって印紙代が異なる

    領収書に記載する受取金額によって、収入印紙の金額は異なります。 
    領収書の金額が5万円以上の場合は、課税対象となり収入印紙が必要です
    5万円未満の場合は、非課税なので収入印紙は必要ありません。

    領収書の金額による収入印紙代は以下の通りとなっています。

    領収書の金額収入印紙代
    5万円未満非課税
    5万円以上~100万円以下200円
    100万円超え~200万円以下400円
    200万円超え~300万円以下600円
    300万円超え~500万円以下1,000円
    500万円超え~1,000万円以下2,000円
    (以下省略)

    <消費税と収入印紙>
    ここで注意しておきたいのが領収書の記載方法です。通常、印紙の課税対象は消費税を除いた売上金額です。例えば、税込の売上金額5万円のみ(税抜45,455円、消費税4,545円)を領収書に記載した場合、消費税を明記していなので200円の収入印紙の貼付が必要となります。しかし、領収書の内訳欄に消費税額4,545円を明記すると、税抜き金額45,455円の取引があったとみなされ、収入印紙の貼付は必要ありません。領収書に消費税額を明記することで印紙税の金額も大きく変わります。また、内訳に消費税を明記することで、二重課税防止にも繋がります。
    ※以下の課税文書(領収書)について参考にしてください
    参考:国税庁HP:「No.7124 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額」

    3.収入印紙を貼らないとどうなる?

    飲食店でお客様から領収書の発行を依頼されることはよくありますが、あわてて収入印紙を貼らずに渡してしまったというケースがよくみられます。これは残念ながら税金を納めなかったということで脱税になってしまいます。罰則として、領収書の発行側で本来貼付するはずだった印紙代の3倍の金額を納めなくてはならない場合もあります。一方、領収書を受け取った側は、印紙の貼付がなくても領収書の効力がなくなるといった問題はありません。もちろん再発行して印紙を貼ってもらう必要もありません。

    4.領収書に収入印紙が必要または不要なケース

    文書や領収書に貼ることが多い収入印紙ですが、領収金額よって貼付する必要があるとき以外に不要なケースもあるのでみていきましょう。

    4.1 領収書の再発行

    通常、領収書の紛失などの理由でお客様から再発行の依頼があったときは原則として拒否できます。しかし、再発行を強く要請され、お客様との関係性を考慮した上で応じるといったケースもあります。その際、再発行であっても金額が課税対象である以上、あらためて収入印紙を貼る必要があります。領収書は再発行でも金銭の取引である証拠に変わりありません。領収書の二重発行を防ぐためにも、必ず領収書には「再発行」と記載しましょう。

    4.2 クレジットカード払い

    クレジットカードを使用した場合は、直接現金でのやり取りは発生しません。信用取引となるので課税対象の5万円以上であっても収入印紙を貼る必要はありません。

    4.3 電子データ

    PDFなどの電子データによる領収書は、課税対象の金額であっても収入印紙を貼る必要はありません。たとえ、FAXやメールで受け取って領収書をプリントアウトしたものでも収入印紙は不要です。電子データは実際に文書が交付されないため、課税文書は存在しません。よって、印紙税の課税原因は発生しないということです。

    さいごに

    領収書の金額によって収入印紙代が細かいルールで定められています。何気なく貼っていた収入印紙も基礎知識を理解しておくことで、お客様への対応で悩むこともなく、領収金額を記載するときに迷いが生じることもないかと思います。また、領収書を作成する時は、内訳の消費税を明記することを従業員にも徹底してもらうとよいでしょう。節税効果も高まります。その際、課税対象金額には収入印紙を貼付した後、消印(割印)をしてはじめて納税することになるので、押印も忘れずに行いましょう。

  • 税務調査の目的とは?【飲食店で調べられるポイントを解説】

    税務調査の目的とは?【飲食店で調べられるポイントを解説】

    飲食店は、現金商売のため資金繰りが比較的楽な業界でもあり、新規参入がしやすいと言われています。仮にクレジットカード払いによる売掛金が発生しても、クレジット会社を通すので未払いリスクの問題はありません。しかし、この現金商売が「ドンブリ勘定」となって、後の税金上の問題が生じてしまうことがあります。
    飲食店の税務調査は、現金売上による帳簿などに漏れがないかなどの調査が軸となります。今回は、飲食店における税務調査でチェックされるポイントや調査対象となりやすい飲食店などを解説します。 

    1.税務調査の目的

    税務調査とは、国税庁の管轄下にある税務署などの組織が税金を正しく収めているか帳簿の確認をするための調査のことで、納税者の牽制を目的としています。ほとんどの会社は税務調査が入ると、身構えてしまうことが多いかと思いますが、普段から帳簿を正確につけて税金を納めていれば何も問題はありません。しかし、意図せず複雑な税制のもとでミスによる申告漏れをしてしまったという場合は税務調査によって正さなくてはなりません。事実と異なった申告が確認されれば追徴課税が発生し、金銭の負担が生じてしまいます。普段から顧問の税理士と打ち合わせをしてミスなどがあった場合には、予め訂正しておくことが調査の対策にもなります。

    2.税務調査はどのようにやって来る?

    税務調査の時期は明確な決まりはありませんが、例えば3月決算の企業には7月頃から書類審査が始まり、訪問での調査は9~11月頃に行われることが多いです。
    ただし、飲食店は、事前通知をあえて行わないケースが多いようです。いわゆる抜き打ち調査ですが、その理由として飲食店は現金商売なので取引の実態が掴みづらいことと、事前に調査通知をすればお店側で対策をとられてしまうからです。
    抜き打ち調査の他に、税務調査員が客を装ってお店に調査しに来ることもあります。その際、調査員はレジ周辺の席を希望することが多く、お金の管理状況(会計の仕方)をチェックします。また、帰り際に自分の飲食代のレシートもしっかり受け取り、後の調査でジャーナルに入力されているかを確認します。

    3.飲食店の調査で見られるポイント

    飲食店の税務調査は規模にもよりますが約2日間をかけて行われ、日々の現金の出し入れに最も注目しています。調査員として聞きたい質問が何気ない会話に含まれ、上手に聞き出すことがありますので、対応には注意しましょう。ここでは、税務調査においてのチェックポイントを幾つか解説します。

    3.1 売上管理

    無通知で税務調査員が来訪したときは、売上の管理状況を調べます。

    • レジのロールペーパー(売上記録)と売上金額が合致しているか
    • 営業前の釣銭+当日の売上業者などへの支払い金=売上金額になっているか
    • 売上日計表とロールペーパーが一致しているか

    レジに入っているお金(釣銭以外)と伝票(売上計上額)の合計は通常一致します。クレジットカード払いの分は当然未収入金なので、そういった要因は除いても金額が合わないとなると調査員の目に留まります。また、伝要を誤って捨ててしまったとき、レジを通さなければ大丈夫だと思いがちですが、これは脱税になってしまいます。

    3.2 人件費

    調査員が人件費について見るポイントがあり、架空人件費の計上をしていないかのチェックをします。架空人件費とは、存在していない従業員に給料を支払ったことにして人件費を計上することで経費を水増しする脱税のことです。人件費をチェックする際の資料として「源泉徴収簿」や「給与台帳」、「タイムカード」などをみます。
    その他、給料が現金支給の場合、上記3点の資料の確認に加えて従業員本人にちゃんと支払われているか調べることもあります。現金渡しの場合は、できれば受領簿(従業員の受領印やサインをもらう)で証明できるようなものを作成するとよいでしょう。

    3.3 在庫棚卸し

    税務調査では棚卸しについても調査します。期末の在庫は利益や税金に影響します。期末月に材料を大量に仕入れているのに期末時点で在庫が少ないと必ず指摘されます。期末月で来期分までの材料を仕入れると経費が増加し利益が抑えられるからです。つまり、利益を圧縮するために来期分までの材料を購入していないかのチェックが入ります。

    3.4 外注費

    外注費は税務調査に入るポイントとして以下の項目が挙げられます。

    • 架空の請求書はないか、外注費の水増しをして税金を軽減させていないか
    • 給与(報酬)扱いの支払いが外注費にしていないか
    • 外注費のなかで源泉所得税預かりに漏れはないか

    以上の項目は必ず調査が入ります。特に外注費の水増しや架空請求書などは、厳しく調査が入るため不正があった場合は見つかる可能性が高いです。報酬として支払う場合は先方からの請求書は必ず保管をしておきましょう。

    3.5 その他(まかない)

    ほとんどの飲食店は、昼と夜の通し勤務がある場合は従業員に「まかない」を付けていることが多いかと思います。本来「まかない」は無駄になってしまった食材を有効利用できるのでお店側でもメリットがあり、従業員にとってもありがたいのですが、実は税務調査で『現物給与』に該当すると指摘される可能性があります。従業員は無料もしくは著しく低価格で食事の支給を受けたと見なされてしまうことです。これを『給与の現物支給』といいます。この「まかない」の処理が適切になっているか税務調査で指摘されることが多いので、給与として課税されないように注意をすることが必要です。課税されるかの指針は国税庁HP(タックスアンサー No.2594食事を支給したとき)を参考にしてみてください。

    4.税務調査の対象となりやすい飲食店

    税務調査の対象となりやすい飲食店(企業)がありますが、どのような理由で対象になるのかみていきましょう。

    • 売上・仕入れ、外注が急に伸びた或いは減った
    • 同業社に比べ多額の経費がある
    • 納税額が大幅に増えた(黒字決算)
    • 広告宣伝が派手になる
    • 売上が急激に上がった
    • 原価率の変動が大きい
    • 過去の税務調査で不正がみられた
    • 不正のあった会社と取引がある

    幾つか取り上げた上記のうち、ひとつでも該当するものがあった場合は、早めに改善をしておく必要があります。特に売上などの大きな変動があったときには調査の対象になりやすいので注意しましょう。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は税務調査で見られるポイントから調査の対象になりやすい飲食店を解説しました。現金商売である飲食店はお金の出し入れを軸に税務調査が入りますが、その他調査員から思いかけもない細かい質問をされます。そのようなときの対応として顧問税理士のサポートは欠かせません。更に普段からミスのないようにさまざまなアドバイスもしてくれます。もちろん顧問税理士がいない場合でも、税務調査のみの対応可能な税理士もいるので、相談してみるのもよいでしょう。いずれにしても健全な経営を心掛け、税務調査がいつ来てもいいようにしっかりと準備をしておくことが大切です。