飲食店開業を成功する為の店舗コンセプトと事業計画書作成を1から解説

「初めての飲食店開業は不安だ。どのように準備すればいいのだろう?」と悩んでいる方へ

  • 飲食店開業するのにまずは何からはじめればいいの?
  • 飲食店を成功するためのポイントとは?
  • 飲食店開業までのスケジュールを知りたい。

と疑問を抱えている方の悩みを解決できる記事になっています。
この記事では、開業10年経っても生き残れる飲食店のコンセプトと事業計画書作成のテクニックを紹介します。

この記事を読み終えれば、飲食店開業に向けて楽しみになるくらいにレベルアップしていますよ!

開業を決意したら半年位前からしっかりとスケジュールを立てて準備を始める必要があります。以下の表は飲食店を開業するまでの逆算したスケジュールです。しっかりスケジュール管理していきましょう!

飲食店開業までのスケジュール
時 期内 容
開業しよと思ったら・お店のコンセプトを検討する
・事業計画書を作成する
開業5ヶ月前・店舗用物件探し
開業3ヶ月前・料理/メニューの開発
開業2ヶ月前・資金調達/借入
・店舗内外装設計/施工
・厨房設備購入
開業1ヶ月前・什器/備品購入
・従業員採用/教育
・各種届出/手続き
開業1週間前・プレオープン
開業スタート・お店オープン!

2.飲食店のコンセプトの作り方を解説

2.1 飲食店のコンセプトとは?

飲食店開業の最重要事項は「お店のコンセプトを明確にすること!」です。
飲食店開業の成功率を高めるためには「戦略を練る」=「コンセプト作成」が必要です。コンセプトさえ決まっていれば、「店名は?」「立地は?」「内装は?」「価格は?」「雇い入れる従業員は?」など、頭を悩ませ迷走することはありません。

2.2 飲食店のコンセプトは「5W1H」に沿って考える!

コンセプト作りは、5W1Hに沿って考えるのが基本です。
「なぜ・だれに・なにを・どこで・いつ・どうやって」お客様に提供するか考えていきましょう!

Why なぜ (創業目的/目標/夢)
まずは、なぜ自分がその業態の飲食店を開業したいのか、などの理由の部分を考えてみましょう。いろいろ考えすぎて頭が痛くなりますが、この作業は重要になります。自分が納得できる・自信を持てるお店を作ることができれば、それがお客様にも伝わります。お客様が来店する「理由」になると思いますので、しっかり深堀していきましょう!

Who だれに (ターゲット顧客)
メインとなるターゲット層を設定します。具体的にメインとなるターゲット層を設定することでより良いお店になっていきます。ターゲットを設定する際は「若い女性」「働く男性」というものだけでなく、「20代後半でOLをしていて、○○が好きな女性」「毎日ランチは外食をする企業に勤める男性」といったように、具体的に考えるとイメージが付きやすくなります。具体的なイメージを決めることが大切です。

What なにを (商品/メニュー)
レストラン・カフェ・ラーメン店・専門店などのおおまかな業態が決まっていれば、次にどんな商品を提供するのかを考えます。定番人気のメニューはもちろん、お店独自のメニューを開発することは飲食店成功の秘訣です。お店の原価率や世の中のトレンドなどをリサーチしつつ、考えていきましょう。お店に行くことでお客様は何を得られるか?を考え出しましょう。

Where どこで (立地)
立地条件は、飲食店においてとても重要な項目ですので慎重に考えましょう。しっかりとしたコンセプトがあってもお店の雰囲気に合っていない場所や、人が気付かない場所で開業してもお客様は集まりません。メインターゲット層や時間帯を考慮して、よりお客様を得られる場所を探しましょう。ただし、駅を1つにしぼるとキケンです。理想の物件は、なかなか見つからないのが現実だからです。数カ所で探すことをおススメします。

When いつ (営業時間/開業時期)
どの時間帯をメインに営業するのか営業時間を決めましょう。ターゲット層を設定した時に決めた「お客様が訪れる時間帯」をメインにお店の営業時間を考えます。会社帰りなのか?結婚式などの二次会か?帰宅前にちょっと立ち寄るお店?など。飲食店の場合は仕込みや準備の時間も考慮しなければなりません。自分はもちろん、スタッフを雇う際は労働時間が増えすぎないように調節することも大切です。

How どうやって(接客/サービス)
接客方法や広告方法を考えます。接客におけるお店のルールを決めたり、お店の雰囲気に合わせたスタッフの振る舞いはどんなものが良いか、を考えましょう。メインターゲット層に受けの良い接客方法が何なのかリサーチしておきましょう。また、お店の看板を使ったりインターネットを使ったり、様々な媒体でお店を宣伝する広告方法も考えなければなりません。広告にはお金がかかるので、予算を考えながらお店に合った広告方法を探しましょう。メインターゲット層がよく訪れそうな場所でチラシを配ったり、看板を設置するなど、ここでもメインターゲット層を意識して考えることが大切です

2.3 飲食店のコンセプト作り具体例3つ紹介

では具体的に5W1Hに沿ってコンセプト作りの例を3つ紹介します。
初心者にもわかりやすく

①国産ワインと創作和食のレストラン
②天然酵母パンのカフェ
③和食屋

のコンセプトを5W1Hに沿って紹介します。

具体例①国産ワインと創作和食のレストラン
Why
(なぜ)
国産のワインの美味しさを知ってもらいたい、国産ワインに合う創作和食を知ってもらいたい
Who
(誰に)
ワイン好きな20代前半~30代のサラリーマンやOL、和食好きな外国人観光客
What
(何を)
国産にこだわったワインとそれに合う創作和食、外国人観光客向けに日本を意識した料理
Where
(どこで)
渋谷、表参道、原宿など渋谷を中心としたエリア
When
(いつ)
18時~23時
How
(どうやって)
外国人観光客向けの口コミサイトなどへ掲載、メニューも多言語用意し外国人観光客が入りやすい仕様にする
具体例②天然酵母パンのカフェ
Why
(なぜ)
天然酵母パンの美味しさを知ってもらいたい
旬の無農薬野菜の魅力を伝えたい
Who
(誰に)
30代~40代の小さい子供がいる主婦
What
(何を)
天然酵母パンで作った無農薬野菜のサンドイッチ
Where
(どこで)
三軒茶屋から二子玉川までの田園都市線
When
(いつ)
10時~19時
How
(どうやって)
赤ちゃんや小さい子供に優しいアットホームな接客、小さい子供が遊べるキッズスペースを作る
具体例③和食屋
Why
(なぜ)
和食の魅力を伝えたい
日本のお米の美味しさを改めて気づいてほしい
Who
(誰に)
毎日ランチを外食する企業に勤める男性
会社帰りに立ち寄る近隣の企業に勤める男性
What
(何を)
炊き立てご飯と旬の野菜のおかず、焼き魚、和のおかず
Where
(どこで)
恵比寿、目黒、五反田の山手線中心
When
(いつ)
11時30分~21時
How
(どうやって)
短いランチタイムに素早く料理を提供する
忙しいビジネスマンにホッとしてもらう空間をつくる

3.資金調達をしよう!事業計画書の書き方のポイント解説!

飲食店開業する際には、たくさんの開業資金が必要になります。ここでは開業時に必要な資金調達方法を詳しく説明します。また、融資(資金調達)を受けるために必要な「事業計画書」の書き方も詳しく説明します。

3.1 必要な開業資金調達方法を解説!

資金の調達には様々な方法がありますが、優先順位は以下となります。

優先順位1.:親族や友人から借りる。
優先順位2.:日本政策金融公庫から融資を受ける。
優先順位3.:地方銀行・信用金庫を通しての各自治体からの制度融資を受ける。

まずは、親族や友人から借りることを考えてください。その後に銀行から借りることを考えます。ここでは、飲食店開業時に最もポピュラーに利用されている「日本政策金融公庫」のメリット3つと、融資申請する手順を説明します。

メリット1:無担保・無保証人、代表者保証も不要
創業融資という商品は無担保・無保証人となっています。
また、代表者保証も必要ありません。

メリット2:融資実行までのスピートが早い
日本政策金融公庫で融資申込みから融資実行までは1ヵ月~1.5ヵ月程度です。
優先順位3の融資を利用する場合、融資実行までに2ヵ月~3ヵ月程度かかります。

メリット3:固定金利なので資金計画が立てやすい
日本政策金融公庫の融資は固定金利※1となり、融資申込時の金利のまま変わることがありません。金利変動※2を考慮する必要がありませんので、資金計画が立てやすくなります。
※1固定金利 金利、返済額が最初から最後まで変わらない
※2金利変動 返済の途中に市場の金利に連動して金利や返済額が見直される

【融資申請の手順】

ステップ1:申込書類の作成
申込には次の書類が必要となります。

  • 借入申込書
    公庫所定の借入申込書です。
    代表者名や会社名、所在地、借入希望額、借入希望日、家族構成などを記載します。借入申込書は公庫各支店窓口でもらうか、ホームページからダウンロードもできます。
  • 創業計画書(事業計画書)
  • 定款の写し(法人の場合)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • お金の使い途に設備資金がある場合は見積書
    内装工事の施工会社や設備導入予定の会社からもらいます。
  • 身分証明書(運転免許証等)
  • 個人または法人の通帳
  • 住宅ローン、車のローンなどの返済予定表
  • 印かん

ステップ2:申込書類の提出、面談
公庫のホームページから自分の開業する地域を管轄している支店を調べ、該当する支店に電話をしてください。その後、日本政策金融公庫より、面談時の持ち物の案内が郵送されます。必要な書類などを揃えて指定された日時に支店を訪問します。面談は、創業計画書にかかれた事業計画の中味のチェックが中心に行われます。質問に対して的確に答えられるようにしておきましょう。
面談のあとに、事務所や店舗の実地調査がほとんどの場合、行われます。
また、追加資料の提出が必要なこともあります。

ステップ3:結果の連絡
面談をして、書類をすべて提出してから1週間~10日後くらいに、融資審査が通過したかどうか結果が電話で連絡があります。ダメな場合でも、電話で連絡があります。
申し込んだ金額が満額借りることができなくても、減額した金額で融資される場合もあります。

ステップ4:融資実行
合格後、1週間~2週間ほどで、融資が実行され、指定された銀行口座に入金されます。月々の返済や利息もその口座から引き落とされます。

以上が、申請手順の流れになります。
しっかり準備すれば、融資は受けられます。
ただし、ご自身で融資手続きを進めていると、融資審査が通過しない場合も多く、借りられる額も減額されていることがほとんどです。
どのようにすれば、希望額を借りられるのかを融資のプロ(税理士等)に相談してみることをおススメします。

3.2 事業計画書とは?

改めて「事業計画書を作る」と聞いて、「コンセプトをしっかり決めていれば必要ないのでは?」と思うかもしれません。事業計画書を書く目的は2つあります。
1つは金融機関などから資金の調達をする際に必要な説明資料としての役割があります。金融機関は事業計画書を見て、出店にはいくら必要で、貸したお金を返せるかどうかを判断します。
※3-4必要な開業資金調達方法を解説!参照
もう1つは、開業しようとしているお店が本当に実現できるのか、利益を上げる事ができるのか、全ての事業内容を把握し、事業を順調に進めるための道標としての役割です。また、開業後も事業計画書を確認しながら順調に進んでいるか、何が足りないかを確認するツールになります。

3.3 事業計画書(創業計画書)の書き方

事業計画書を書く理由がわかりましたか?次はいよいよ「事業計画書」を書いてみましょう!事業計画書を書くには「日本政策金融公庫」が提供している事業計画書記入例がとても参考になります。事業計画書のフォーマットは日本政策金融公庫からダウンロードする事ができます。事業計画書フォーマットに沿って記載の内容を解説していきます。
【日本政策金融公庫「創業計画書記入例(洋風居酒屋)】

基本的に『事業計画書』に記載の必要がある項目は以下の⑧つです。

① 創業の動機
飲食店を開業させる動機(理由)も書く必要があります。前記で作ったコンセプトをそのまま書くだけです。その際に書いておきたいのが今までの経験や新しく開店させるお店に対する熱意です。特に資金を調達する際には、利益が出るかどうかの採算ももちろん重視されますが、それと同じくらいに経験や熱意を見られることもあります。

② 経営者の略歴等
飲食店の経営者となる創業者の経歴を書きます。基本的には、働き出してからの経歴でよいとされています。年月日など、間違えいがないよう注意しましょう。

③ 取引商品・サービス
開業する飲食店で提供する主なメニューの内容を簡単に書きます。また売上シェアには、書いた商品とサービスが全体の売上見込みに占める割合を記入して下さい。セールスポイントは、具体的にどんなお客様をターゲットにしているのか、お店のアピールポイントを書きます。例えば、最近では会員制のお店が流行っていますが、そうようなお店のアピールポイントがあるのであれば書きましょう。

④ 取引先・取引関係等
取引先は飲食店の場合、お客様になりますので「一般顧客」「一般個人」と書きます。「シェア」は全体の売上高に対するその顧客に対する売上高の割合を書きます。仕入先とは、販売する商品や加工する原材料などを仕入れる取引先を書きます。支払条件とは、一般的に「○日締めの○日支払」といい、仕入先や業者に対する請求書の計算期間の末日を「○日締め」、その請求書の支払期日を「○日支払」といいます。

⑤ 従業員
ここには、創業融資を受けるお店の人員数を記入します。
記入する人数の対象者は、実際にお店に従事している人を対象に記載してください。

⑥ お借入の状況
個人事業の場合は創業者、法人の場合は代表者の個人の借入状況を記入します。
お店に関連しない借入のみという事ですので、現時点においてすでにお店用の借入やビジネスローンがあっても、ここには記載しないでください。
あくまで、お店の事業外の借入である、住宅ローンや自動車ローン、その他事業に関連しない借入を記入します。
⑦ 必要な資金と調達方法
「設備資金」と「運転資金」を記入します。全ての資金を自分でまかなえるなら書く必要はありません。しかし飲食店の開業にはすくなくとも1,000万円程度必要と言われています。資金の調達が必要な場合は、まずはどこで借りるのか。銀行なのか、親類や友人から借りるのか。そして必要な資金のうち、いくら借りる必要があるかを記載する必要があります

⑧ 事業の見通し(月平均)
最後に開業後の見通しについて書きます。開業当初と軌道に乗った後(約1年後)とに分けて、それぞれきちんと計算して記入します。
月の売上高、仕入高、経費(人件費、家賃、支払利息、その他)を算出し、利益を出します。

これで、事業計画書は完成です。少しややこしいですが、一つ一つ考えていけば難しい事はありません。自分が飲食店を長く経営していく事を考えて、無理のない開業計画、経営計画をたてましょう。

3.4 飲食店開業にはどのくらい資金が必要?

事業計画書を作るにあたり必要な飲食店開業資金の詳細を説明します。
飲食店開業際にかかる費用の大きなものとしては、以下の2つです。

・店舗物件取得に関する費用
・店舗投資(内外装工事や備品の購入など)に関する費用

それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

店舗物件取得に関する費用一覧
保証金(敷金)平均して賃料の10ヶ月分が相場です。(一般的に6~12ヶ月の間が多い)退去時に返ってくるお金ですが、通常は償却額(※1)が設定されており、それを差し引いた金額が退去後に返金されます。契約前によく確認しましょう。
礼金主に関東地方の習慣で、契約時に物件オーナーに支払うお金です。返還されません。 賃料の0~2ヶ月分が相場です。
仲介手数料不動産業者に支払う手数料です。賃料の1ヶ月分が相場です。
造作譲渡費「居抜き」と言って、前の店舗の内装や設備をそのまま受け継ぐ場合は、前の借主にその譲渡代金を支払うことになります。金額は内装や什器の状態、経過年数などによって様々です。
前家賃契約日からその翌月分までの賃料を最初に支払うのが一般的です。
(契約月は日割計算)

※1 償却額とは、賃貸物件の退去時に、入居の際に支払った敷金や保証金のうち、返却されない金銭を「償却金」という。償却金として預かった金額から未払いの家賃や物件の原状回復の費用等を差し引いて返却する。

店舗投資(内外装工事や備品の購入など)に関する費用一覧
厨房機器費厨房機器の購入にかかる費用です。
看板施工費店舗の看板の施工費です。
内装/設計費店舗の内装の設計/施工費です。
レ ジレジの導入費用です。
採用費従業員募集費用です。
広告費チラシの作成、グルメサイト掲載などの販売促進にかかる費用です。
備品費食器やユニフォームなどの備品に購入費です。
開店前経費開店前の研修費や、足りない物品の購入などの諸経費です。

加えて開業してから一定期間(3ヶ月~半年)の運転資金も用意しておく必要があります。独立開業当初は収益が予測できません。最低限でもあなたが生活できる程度の生活資金と収益が少ないまたは無い場合でも飲食店を維持できるだけの資金が必要となります。このように必要な費用を書き出していくと、予想以上に多くの資金が必要になってくることが理解できるのではないでしょうか。

さいごに

飲食店開業においてコンセプトの大切さ、そして事業計画書の作り方や考え方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
コンセプトはお店の「軸」のようなものです。ご自分の納得飲食店経営成功のために、余裕をもったスケジュールをたて、心構えをし、良いスタートをきりましょう!