飲食店経営でマイナンバーの管理は必要?ガイドラインを詳しく解説

  • 「アルバイトの多い飲食店でもマイナンバー管理する必要ある?」
  • 「マイナンバーの取り扱いをどうしたらいいかわからない」
  • 「従業員にマイナンバー提示を拒否されたらどう対応すればいい?」

飲食店経営においてマイナンバーの管理は本当に必要なのか?と疑問がある方の声を多く聞きます。
今回は、飲食店経営でマイナンバーの取り扱い方法や安全に管理するガイドラインを解説していきます。ぜひ参考にして下さい。

1.マイナンバーとは?

マイナンバーの正式名称は「個人番号」といい、住民票を持つ国民一人ひとりに割り当てられる12桁の番号のことをいいます。
マイナンバー制度は、税金の申告や社会保険の手続き、公的な給付や年金の受給など、さまざまな行政手続きや社会保障制度において活用されています。
マイナンバーは、氏名、住所、生年月日、性別、などの個人情報と関連付けられており、個人情報保護の観点から厳重に管理されるべき情報です。
飲食店経営において適切な取り扱いとセキュリティ対策を行う責任があります。

2.従業員のマイナンバーを管理する必要ある?

マイナンバーは法律に基づく個人番号であり、飲食店経営において法的に定められたルールを守る義務があります。アルバイトやパートタイムの多い飲食店であってもマイナンバーを管理する責任が求められます。
具体的にマイナンバーが必要な場面は、以下の通りです。

マイナンバーが必要な場面

  • 給与から税金納入の手続き
  • 年末調整の書類提出の手続き
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)加入の手続き
  • 雇用保険加入の手続き
  • 労災保険加入の手続き

このような手続きのために従業員からマイナンバーを収集し、保管する必要があります。

3.飲食店が行うマイナンバー管理の流れ

3.1 マイナンバーの収集

マイナンバーの提供を求める場合、利用目的を明確にし、それが合法的に必要な理由であることを従業員本人に説明する必要があります。
利用目的とは、前に述べた「マイナンバーが必要な場面」になります。
また、収集したマイナンバーが正確な情報であることも確認する必要があります。マイナンバーカードやマイナンバー通知を提示してもらい本人確認するようにしましょう。

3.2 マイナンバーの保管

収集したマイナンバーや個人情報は、セキュリティー対策を考慮して保管します。情報漏洩や不正アクスルを防止するために、物理的な保管(施錠されたファイルやキャビネットなど)やデジタルセキュリティ(パスワードや暗号化など)を導入するといいでしょう。

3.3 マイナンバーの破棄

従業員が退職し、マイナンバーの個人情報が不要になった場合は、マイナンバーに記載された個人情報を全て破棄する必要があります。
ただし、法律で一定期間保存が定められている書類に関しては期間が経過してから破棄します。
また、破棄する際には、情報漏洩を防ぐために適切な方法でデータを破棄します。

4.マイナンバーを安全に管理するガイドライン

①セキュリティ対策に取り組む
マイナンバーは個人の重要な情報であるため、セキュリティ対策に取り組むことが重要です。
物理的なアクセス制限、データの暗号化、パスワードポリシーの導入など、セキュリティ対策を実施することが大切です。

②アクセス制限と権限管理
マイナンバーへのアクセス権限を制限し、限られた従業員のみがアクセスできるようにします。

③従業員に個人情報漏洩のリスクを認識してもらう
従業員にマイナンバーの重要性や適切な取り扱い方法についての研修を行います。
従業員が個人情報保護の重要性を理解し、情報漏洩や不正利用した場合のリスクを認識することが大切です。

④個人データの保管と廃棄
収集したマイナンバーを適切に保管し、不要になった場合は適切な方法で廃棄します。
データを暗号化したり、物理的な破棄手順を確立することで、情報漏洩を防止します。

⑤業務を外部専門家に委託する
マイナンバーの安全な管理について専門的な知識を持つ法律家(弁護士、行政書士、税理士)や情報セキュリティの専門家に委託することも可能です。

5.マイナンバー提出を拒否された場合はどうしたらいい?

マイナンバー(個人番号)を保護するために必要かつ適切な安全管理措置が必要です。
個人情報保護委員会が定める「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」

①基本方針の策定
事業者がマイナンバー等の適正な取り扱いに取り組むために基本方針を作成する。

②人的安全管理措置
マイナンバーを取り扱う担当者の教育と監督をする。

③物理的安全管理措置
マイナンバーを取り扱う区域の管理、パソコン等の盗難等の防止、パソコン等の取扱いにおける漏えい等の防止、個人番号の削除、パソコン等の廃棄方法の管理。

④技術的安全管理措置
アクセス制御、アクセス者の識別と認証、外部からの不正アクセス等の防止、情報漏えい等の防止に取り組む。

⑤組織的安全管理措置
組織体制の整備、取扱規程等に基づく運用、取扱状況を確認する手段の整備、情報漏えい等事案に対応する体制の整備、取扱状況の把握及び安全管理措置の見直しをする。

⑥取扱規程等の策定
マイナンバー等の具体的な取扱いを定める取扱規程、担当者、責任者を明確にする。

さいごに

いかがでしたか?飲食店経営でマイナンバーの管理は重要であるということがご理解頂けたかと思います。飲食店で働くアルバイトは、入れ替わりが激しいため、マイナンバーを取り扱う機会が多くなります。マイナンバーの管理は慎重に取組む必要があります。
この記事を参考にマイナンバー管理対策をしっかり行い、実行可能な仕組みを構築していきましょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人