飲食店の営業時間・定休日はどう決める?【ポイントを押さえた設定方法を解説】

飲食店を開業する際に決めるべきことが多々ありますが、営業時間と定休日の設定に悩む店舗も多いのではないでしょうか。どのように決めればいいのか分からない、あるいは適当に決めてしまうというお店も少なくありません。営業時間と定休日の決め方には売上を大きく左右するほど重要な要素が含まれています。

本記事では、ポイントを押さえた営業時間や定休日の設定方法、そして注意点などを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.業種・業態別と立地による営業時間と定休日

一般的に飲食店は、お店に適した営業時間や定休日を決めています。多くの飲食店が業種・業態、そしてターゲット層や立地を検討し、売上・集客に効果的な営業時間や定休日を設定しています。ここでは、業種・様態や立地条件によって変わる営業時間と定休日はどのように設定しているのかみていきます。

● カフェ
カフェでモーニングを始める場合は、6時もしくは7時開店が望ましいでしょう。夜にアルコールを提供する場合は22時ぐらいまで営業します。モーニングと夜のアルコール提供をしない場合は午前11時から20時ぐらいまで営業していることが多く、ランチタイムで「ウリ」にしたセットメニューを提供しています。繁華街にあるカフェはお酒を飲んだ後にコーヒーを飲まれるお客様が多いため、22時ごろまで営業しています。また、お休みについては年中無休が多く、スタッフはシフト制で稼働し休みも交代で取得しています。ビジネス街の場合は企業の休日と合わせて土日祝を定休日にしています。

● ラーメン店・蕎麦屋
一般的にラーメン店や蕎麦屋の営業時間はランチタイムの11時から14時頃まで営業した後、休憩時間を挟み夕方17時から21時頃まで営業しています。特に回転率が高いと言われているラーメン店は、ピークタイムである昼(11時30分~14時)、夜(18時~20時)で、集中的に売上を上げています。また、スープの仕込みに時間を要するため営業時間は8時間程度で他の業種より短くなっています。ビジネス街に出店しているラーメン店や蕎麦屋はカフェと同じように会社の休日に合わせて休業にしています。繁華街のラーメン店や蕎麦屋は同業者が自店を閉めた後に入店されることを想定して深夜まで営業しているお店が多くあります。お休みに関しては年中無休で営業していることが多く、スタッフはシフト制で働きながら交代で休みを取得しています。

● ダイニングバー・居酒屋
ダイニングバーは18時頃に開店した後、21時~23時ごろまでがピークタイムです。ピークを過ぎても来店されるお客様がいるので25時まで営業しているお店が多いです。居酒屋は17時から23時または24時までが多く、ビジネス街ではランチ営業した後に休憩を挟み夕方から営業しています。繁華街の居酒屋は深夜0時過ぎもしくは早朝5時まで営業していることもあります。
ここで注意しなければならないのが、深夜0時以降も営業する場合は「深夜酒類提供飲食店営業」の届出書を公安委員会に提出しなければなりません。
ビジネス街の居酒屋は土日祝の定休日が多く、住宅街や郊外にある居酒屋は来客数が最も減少する月曜日をお休みにしていることが多いです。

● テイクアウトや移動販売
飲食店の営業と併用してテイクアウトを導入している場合、お店の開店時間と同時にランチタイムのラストオーダーまで販売しています。また、ランチタイムだけではなく夕方以降(17時~19時頃まで)も数量限定で販売しているお店もあります。ランチタイムのサラリーマンやOLをターゲットとしているビジネス街で出店する移動販売は、11時30分~14時まで販売して、無くなり次第終了というパターンが多いです。また、夕飯の支度をする主婦層をターゲットにした住宅街では16時~19時まで販売しています。

ビジネス街でのテイクアウト販売は、土日祝のお休みが多いのですが、状況に応じて土曜日だけテイクアウトを行っているお店もあります。移動販売は基本的に毎日出店することはありません。自分の都合によってお休みしたり、人の往来の多い週末イベントのみに出店することも可能です。休みに関しては非常に自由度の高い働き方です。

2.ポイントを押さえた営業時間の決め方

飲食店の営業時間を決めるうえでのポイントは、ターゲット層の来店動機や集中する時間帯などの動向を把握し分析する必要があります。つまり利益に繋がる時間帯は必ず営業をしなければならない、来客数が減少している時間帯をどうするかということです。たとえばアイドルタイムにお店を営業していてもお客様の入店がなければ売上に繋がらず、人件費や光熱費といった経費の方が多くなってしまいます。お店の宣伝目的で営業している飲食店もありますが、赤字が続くようであれば営業時間の見直しをした方が良いでしょう。
最適な営業時間を決めるポイントは以下の通りです。

  • 1時間単位で入店客数、満席になる時間帯、売上を記録する
  • 売上に繋がる時間帯を予測する 
  • 立地によってお客様の動向が違うため、ターゲット層の動きを観察する
  • 赤字になる時間帯は営業しない、もしくは開店と閉店の時間を変更するなどの見直しも必要

お客様の動向を知ることが営業時間を決めるポイントです。入店数が少ない時間でも人件費や光熱費などはかかるので開店、閉店時間を変更する、もしくはスタッフを減らすなどの状況に応じて調整することをお勧めします。

3.効果的な定休日の決め方

大手外食チェーンはスタッフを複数抱えているためシフト制を導入し、交代で休みをとりながら年中無休で営業しています。しかし、個人店の場合は忙しい時間帯や曜日だけアルバイトを雇っていることが多いので、ほとんどのお店は定休日を決めています。その定休日を何曜日にしたらいいのか悩まれている方も少なくありません。営業時間と同じように定休日を決める際に押さえておきたいポイントが幾つかあります。

①立地を考える
先述したようにビジネス街は土日祝のお休みが多いので合わせたほうが良いでしょう。ただし、土曜日はランチ営業のみしているお店も少なくありません。土曜に出社している企業もしくは休日出勤をしている人も見かけるので営業しているようです。繁華街や住宅街などは週末および日曜祝日は飲食店にとって多忙な曜日なので営業しています。土日で食材を使い切った後の月曜日もしくは火曜日に休むことが多いです。

②定休日は曜日で決める。
不定休もしくは「1」の付く日がお休みと決めているお店もありますが、お客様はお休みを曜日で覚えていることが多いです。常連客は定休日を決めなくても把握していることが多いのですが、数回だけ来店したお客様には覚えてもらえなくなる可能性があります。その結果、他の店を選んでしまうかもしれません。

③お店に適した曜日を定休日に
忙しかった土日を乗り越えた翌日の月曜日を定休日にしているお店が多いですが、ハッピーマンデー制度の振り替えによって祝日が月曜になる場合は、その日だけ営業して翌日の火曜日に休業する飲食店もあります。お店のオープン当初は定休日を決めず1か月程度ターゲット層の動向を観察しながら仕入れ先の都合やアルバイトの確保、メニューの組み合わせなどを考慮した後に適した曜日の定休日を決めても良いでしょう。また、定休日を決めた後に不都合が生じた場合は変更することをお勧めします。ただし、変更する際には最低でも1か月前にSNSなどで告知するようにしましょう。

4.営業時間と定休日を決める時の注意点

飲食店の営業時間と定休日を決める際のポイントを解説しましたが、ここでは注意点をみていきます。

【営業時間を設定するときの注意点】
営業時間を決める際に気をつけるべきことは「売上」と「費用」を考えることです。収入と支出のバランスを優先的に検討しても良いほど重要な要素が含まれています。お店が混雑する時間帯は売上が見込めるのでスタッフを増員させて、更に回転率を上げる方向へと施策を行う必要があります。来店客が見込めない時間帯は「クローズ」もしくは「ランチ営業のみ」など思い切って変更することも大切です。お店を開けているだけでも人件費や光熱費はかかるので、経費削減するためです。営業時間が長ければ売上が見込めるということではないので時間設定をするときには十分注意しましょう。

【定休日を設定するときの注意点】
個人店にとっては、可能な限りお店を開けていたいという経営者が多いのではないでしょうか。しかし自身の体力の限界もあり、従業員を雇っている場合は最低でも月4日以上の休日を与えるといった労働基準法に従わなければなりません。労働環境を改善することでスタッフの仕事へのモチベーションが高くなります。飲食店だから休日はない(少ない)とういう発想は持たないように注意しましょう。

食材の仕入れ先である市場の定休日にも注意しましょう。例えば東京都中央卸売場は日曜祝日がお休みですが、その他3~4回程度の水曜日が休業となっています。そのため、仕入れ先の休業に合わせてお店を定休日にする方法もあります。また、ビジネス街での飲食店は連休が多いため食材の保存方法に注意が必要です。特に夏場の食材は腐敗の進行が早いため食材ロスになってしまいます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は飲食店における営業時間と定休日の設定方法を解説しました。決めるポイントは立地とターゲット層、そして業種・業態などあらゆる状況を考慮に入れることです。オープン当初の1か月程度はテスト期間のつもりで、さまざまな状況を分析したうえで適した営業時間と定休日を決めると良いでしょう。

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この記事を書いた人

広田 淳