飲食店で提供するノンアルコール飲料~需要拡大につき各種を紹介~

近年、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の発令に伴い、飲食店で酒類の提供を終日自粛が要請されています。そんな中、今まで酒類を提供していた飲食店が注目しているのがノンアルコール飲料です。今回はアルコールが飲めなくてもお酒と同じように美味しく飲める、そして選ぶ時の楽しさなどを紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.ノンアルコール飲料とは

お酒が苦手な人や運転をする時などは、多く人が飲食店の来店時にはノンアルコールドリンクを注文されています。しかし、本当にノンアルコールを飲んだ時の運転は可能(アルコールゼロ?)なのでしょうか。また、気になる糖質やカロリーは、実際のところ健康にどう影響を与えているのでしょうか?ここでは、ノンアルコールとは、どんな飲み物なのかを探ってみたいと思います。

1.1 アルコールはゼロ?

日本では、アルコール分1%未満のものがノンアルコールと法的に認められています。
酒造メーカー各社が作るノンアルコール飲料は、アルコール0.00%ものが多いのですが、微量に入っているものもあります。例えば、ホッピーはアルコールが0.8%含まれています。アルコール分1%未満であっても大量に飲んでしまうと、飲酒運転と判断されることがあります。たとえばホッピーの場合、下記の計算式でどれぐらい飲んだら飲酒運転となってしまうのかが分かります。

★飲酒量(ml)計算式⇒血中濃度×指数×体重÷アルコール度数
ホッピーを飲んだ場合⇒アルコール度数0.8%、飲んだ人の体重60kgとする
指数とは体重1㎏あたりの平均血液量(=833ml)
血中アルコール濃度0.03%(0.3mg/ml)をベースに計算⇒ ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.6合のアルコールを飲んだときの血中アルコール濃度は0.02~0.04%
★0.03(%)×833×60(kg)÷0.8(%)=1,874.25(ml)

上記のように、1.8Lも飲めば血中アルコール濃度が0.03%(アルコール濃度は0.15mg)となることが分かります。
(※呼気検査でアルコール濃度が0.15mg以上あった場合は飲酒運転となります。)
ノンアルコールとはいえ、飲み過ぎると酒気帯び運転になる可能性があるということです。
運転する時は0.00%ノンアルコール飲料飲むようにしましょう。

1.2 気になる糖質やカロリー?

各飲料メーカーでビールや酎ハイ、ワインなどたくさんのノンアルコール商品を販売しています。糖質ゼロやカロリーゼロ、人口甘味料不使用の無添加など、健康やダイエットに気を使った商品が多数あります。但し、気をつけなければならないのがカロリー・糖質ゼロであっても、ノンアルコールビールなどを飲むと甘さを感じます。この甘さはノンカロリーの人工甘味料を使用しているからです。糖ではない人工甘味料が体内に入ると余計に糖質の高い食べ物を摂取するようになり、食欲増進に繋がる可能性があるので気をつけましょう。

2. ノンアルコール各種を紹介

飲食店で提供できるノンアルコール飲料は、たくさんの種類の商品があります。ただ、その商品をそのまま提供するのではなく、アレンジすることでお客様を楽しませることができます。ノンアルコール飲料で集客に繋げるためにも、提供方法を検討しなければなりません。

2.1 ノンアルコールカクテル『モクテル』

『モクテル』とは、「似せた・真似た」という意味で、「モック」と「カクテル」を組み合わせた名前です。イギリスで流行したノンアルコールカクテルのことで、日本でも話題になっています。カクテル用のグラスにジュースなどを混ぜてミントや果物を添えるなどして目で楽しみながら新感覚ノンアルコール味を満喫できます。

モクテルはノンアルコールジンやウィスキータイプなど様々なバリエーションの商品で作られます。その中でもNEMA(アルコール0.00%)は日本初のノンアルコールジンです。独特な木の香りやバラの香りとスパイシーさがあるのが特徴です。
その他、Fever Treeも天然素材にこだわったプレミアムミキサー(割り材)で、お酒を引きたてるだけでなくソフトドリンクとして美味しくいただけます。アルコール0.00%で無添加・保存料ゼロでバラから抽出したボタニカルウォーター(トニック)が好評です。Fever Treeの材料やレシピなども紹介されているので、モクテル作りの参考にしていただければと思います。

2.2 ノンアルコールビール

ノンアルコール飲料で最も注目されているのは、ビールではないでしょうか。約9割の人が、以前のノンアルコールビールに比べて美味しくなったと好評です。そのため、ビール飲用者が日常生活の中で、休肝日としてノンアルコールビールを飲まれる人が増加しています。また、最近ではアルコールフリー生樽(ノンアルコールビールテイスト飲料)を導入している飲食店が多く、スッキリとした味わいが高い評価を得ています。ノンアルコールビールにジュースや炭酸で割っても美味しくいただけます。

●レッドアイ
グラスに1対1でトマトジュースとノンアルコールビールをグラスに注ぎます。ポイントはトマトジュースを先に注いだ後にノンアルコールビールを入れ、かき混ぜないことです。トマトスライス3~4枚とスライスレモン1枚を入れると見栄のパフォーマンスが高まり、程よく酸味がでて美味しくなります。

●フルーツビネガー割
ノンアルコールビール・・・200ml
蜂蜜とフルーツビネガー・・・各小さじ1~2杯
グラスに氷を入れ、蜂蜜とフルーツビネガーを入れた後、ノンアルコールビールを注いでかき混ぜて完成です。酸味と甘さがさっぱりとしたビールにマッチしています。

2.3 ノンアルコールワイン

ノンアルコールワインの作り方は、2つの方法があります。

①通常のワインを作る工程の後に、アルコールを除去する方法を使用しているものが最も多いといわれています。風味と香りがしっかりしているため、本物のワインを飲んでいるような味わいを楽しめます。

②アルコールを最初から作らないように発酵を途中で止める(アルコールを生成させない)方法は、ブドウジュースのように「果汁」が強く感じられます。しかし、酸味や深みがあるものや辛口のスッキリしたものが多いので人気があります。

ノンアルコールワインを飲む時でも料理と一緒に楽しみたいですね。アルコール入りワインと同じく種類も赤・白・スパークリング・ロゼなどがありますが、料理と合わせることでワインにより近い味わいになります。

シャトー勝沼 カツヌマグレープ⇒ノンアルコールのワインテイスト飲料です。香り高く、ワインの風味を崩さず、さまざまな工夫を凝らして作られた商品です。和洋中すべての料理に合うことで定評があります。

デュク・ドゥ・モンタ―ニュ⇒本格的なスパークリングワインと思わせる香りとコクがあり、レストランやホテルでも使用されている実力派ノンアルコールです。

3. ノンアルコール飲料の魅力

近年では、ノンアルコール飲料が「定番としての飲み物」と定着しているため、各メーカーがさまざまな商品のバリエーションを増やし、更に新たな需要拡大に応えようとしています。今や世界各国でノンアルコールドリンクが定着化しつつあり、バーや社交の場で楽しむ人が増えています。日本国内でも需要が高まっていて、レストランや居酒屋などの飲食店ではノンアルコールドリンクのメニューが豊富にあります。人気が高まっている理由は、近年のコロナ禍のため酒提供自粛によるものだけではなく、健康志向の増加と各メーカーの研究開発における改良のため、ノンアルコール飲料が美味しくなってきていることが挙げられます。

普段からアルコールを飲まれる方でも、いつもとは違ったモクテルやビールなどの味を楽しんでみてはいかがでしょうか。モクテルに微量のアルコールを加えて味を楽しむということができます。また、アルコールを飲み過ぎている人が2杯目にノンアルコール飲料を選ぶというように控えるための飲み方もできます。
飲み方はそれぞれ自由ですが、何といっても本格的な味わい、香りなどはノンアルコールドリンクでも十分に楽しめるのが魅力的です。

さいごに

いかがでしたでしょう。今回はノンアルコール飲料の需要の高まりとともに、提供する側の飲食店(作る・魅せる)、またはお客様にとっての楽しみ方(見る・選ぶ)などをご紹介しました。食材を使って料理するように、バリエーション豊富なノンアルコール飲料の中から、独自のアレンジによって他店との差別化を図れることができればと思います。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人