美容室で指名される理由とは?~指名料からメリット・デメリットまで~

美容サロンでの指名は初めてというお客様、或いは2回目以降も指名無しで来店されるお客様がいらっしゃいます。指名をしない理由は、指名料がかかることやスタイリストへのこだわりがないなど様々ありますが、指名をすることでお客様や美容師が得られる利点はたくさんあります。この記事では、指名によるメリット・デメリット、そして給料に関係する指名料と歩合制などについて解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.美容サロンの指名制度制について

指名制度は、美容室に通うお客様の髪質や好みのスタイルなどを熟知した上で施術するので、より良いものを提供することができます。お客様にとっても全て知り尽くした美容師から施術をしてもらうため安心して通えるのでとても良いシステムです。

お客様の担当を変更したことで美容師の技術を再認識したという方もいらっしゃいます。例えば、長年指名をしていた美容師が転勤もしくは退職に伴い担当が変わり、そのままそのスタイリストで指名を続けたというケースがあります。また、ワンランク上のトップスタイリストが担当し、今までのホスピタリティや技術の違いを感じ指名料が高くなっても価値があると思い、担当の継続をしているケースもあります。お客様が指名して満足をしてもらうため、そして離客を避けお店の売上を持続的に確保させていくためにも必要な制度ではないでしょうか。もちろんフリーを希望されるお客様もいらっしゃいますが、定期的に来店していることに変わりはないので無理に指名選択をしてもらう必要はありません。ただし、指名をしてもらうような仕組みづくりをすることも大切です。

2.給料に反映される指名料・歩合制とは?

指名料はスタイリストを指名することでお客様が支払う仕組みになっています。ここで気になる指名料はどれくらい給料に反映されるのか、また指名によって収入が増える歩合制の仕組みなどを解説します。

2.1 一部歩合制(固定給+歩合給)

固定給とは毎月決まった金額が支払われる給料形態のことで、ある一定時間(期間)働いた対価として一定額の賃金が支給されます。この中には住宅手当や資格手当などが含まれ、残業手当(法定労働時間の範囲内)も上乗せされていることがあります。歩合給は個人の働きの成果や業績に応じて報酬が支払われます。指名料はこの歩合の部分に入ります。アシスタント時代は、当然ながらお客様に指名をもらうことが難しいので歩合給はありません。スタイリストになると指名をもらえることが多くなり、歩合給が加算されます。
加算される歩合率は美容サロンによって異なりますが、指名客による売上総額の20%~30%が相場です。指名客が増えることで、収入アップが期待されるということになります。

2.2 完全歩合制

完全歩合制は固定給のように決まった給料ではなく、仕事の成果に応じた分だけ報酬として支払われる仕組みになっています。また、完全歩合制は雇用関係の間柄では成り立たないと法律で決まっているため、美容師として働くには「業務委託」と「面貸し」のいずれかになります。

「業務委託」
美容室で働きますが、雇用関係ではなく場所と名前を借りて「業務委託契約」を結ぶことになります。個人事業主として働き、還元率は指名されると売上の50%~80%、フリー客になると40%が相場になります。サロンの名前を借りられるので「○○サロンのスタイリスト」という肩書を使うことで、お客様が付いて指名してもらえる可能性が高くなります。

「面貸し」
面貸しは「ミラーレンタル」とも呼ばれ、サロンの1席だけ場所を借りて施術をするシステムです。指名料ではなく、売上に応じて一定額の報酬が支給されます。還元率の相場は売上の45%~65%ですが、経験によっては正社員より高い人もいます。成人式や結婚式のために施術を受けたいというお客様をメインにした短期集中型で働くには、とても適したシステムです。ただし、レンタルとして場所を借りているので設備費などの支払いは発生します。

2.3 ランク制度による指名

ランク制度とは、美容師の経験などによって相応のランクに振り分けて報酬に差をつけるというシステムです。例えば、スタイリスト4,000円、トップスタイリスト4,500円、ディレクター5,500円など担当別に分けて指名料を含んだ料金に差をつけることです。お客様がランク指名を選択し、更に個人の指名がある場合は指名料が加算される場合があります。大きな利点は、ランク別に報酬を振り分けると目指すところが見えてくるのでモチベーションの向上に繋がります。また、お客様にとっても選ぶ基準になるので安心して美容師を選択することができます。

3.指名制度のメリット・デメリット

指名制度を導入している大手の美容サロンが多くありますが、そこにはお客様や美容師にとってそれぞれのメリット・デメリットが存在します。

では、お客様と美容師にとってどのようなメリットがあるのかみていきましょう。
<お客様にとってのメリット>
・決まったスタイリストに任せられるので安心感が得られる、信頼関係が築きやすい
・1から説明しなくても好みのスタイルを分かってくれている
・髪質にあったスタイルの提案をしてくれる、細部にわたって説明してくれる
・毎回同じスタイリストなので会話がしやすく、髪の悩みの相談もしやすい

<美容師にとってのメリット>
・指名をとるためのモチベーションが上がる
・お客様との信頼関係が築きやすく、責任感もより強くなる
・指名料がキャリアによって反映されるので、技術を磨くため向上心が強くなる
・指名が多くなると給料に反映される

お客様と美容師の共通のメリットは、信頼関係が築きやすいということです。お客様は信頼しているからこそ確かな技術が得られると感じ、そして満足してもらうことで美容師のクオリティが高くなり給料に反映されます。


次にデメリットですが、どんな影響があるのかみていきます。
<お客様にとってのデメリット>
・指名したにもかかわらず、仕上がりが満足いかなかった
・美容師のスキルが上がると同時に指名料が高くなる(美容室による)
・マンネリ化しやすく接客が雑になる、担当の変更依頼がしにくい

<美容師にとってのデメリット>
・指名が少ないと、モチベーションダウンに繋がってしまう
・スタッフ間の競争が激しくなり、店内での人間関係がギクシャクする心配

お客様にとってのデメリットは担当美容師への信頼感はあるものの、サービス・接客において雑になったと感じてしまうことが見受けられます。長年指名客として来店しているのに手を抜いていると思われてはとても残念なことです。そうなるとお客様が離れてしまうので十分に注意しましょう。一方で、美容師はメンタルの部分に良くない影響を受けやすくなります。デメリットをメリットに変えるためにはポジティブ思考になることも一つの方法です。

4.新規指名を増やし継続してもらうには

1人でも多く指名をしてもらえれば、収入のアップに繋がることが分かりました。美容室に来店されるお客様は誰もが新規顧客です。どのように新規のお客様から指名され、1回で終わらせないためにはどうすれば良いのか解説します。

新規のお客様から指名を増やすためには、第一印象が決め手です。次のポイントを押さえると良いでしょう。

①身なりを清潔に保ち、ヘアスタイルにも気を使う
②出来るだけ笑顔や話し方(言葉使い等)で好印象を与える
③カウセリングを完璧にこなし、お客様に適切なアドバイスをする

新規のお客様は自分が思っている以上、2回目も来店するかしないかを冷静に判断します。判断の基準は、技術力はもちろんコミュニケーション・ホスピタリティです。コミュニケーションは人と人との対話ですが身だしなみなども含まれており、コミュニケーションの一環としてホスピタリティは必要不可欠です。お店の雰囲気と担当した美容師に対して80%の満足を得てもらえればリピートが期待され、更に指名してもらう可能性が多いにあります。

では、初めての指名から継続してもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

①他の美容師にはない、お客様にとって代え難い存在(美容師)になる
②お客様の「こうしたい」「なりたい」を叶え続けること
③「おまかせ」ができるぐらいの信頼、安心感を与える

指名を継続してもらうには、この美容師ならではの技術や信頼が必要です。来店客が引っ越し等の理由で通えなくなった以外は、生涯顧客で指名してほしいものですね。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は美容師の指名制度について解説しました。お客様や美容師にとっての指名制は、メリット・デメリットが異なる部分があります。美容師は、多くの指名をもらい続けることで給料に反映され、自信に繋がります。また、場合によっては業務委託や面貸しなどの歩合制などの働き方もあり、これもまた収入アップが期待されます。個人の技術と接客のスキルを磨き続け、指名客にとってお気に入りのスタイリストになるように心がけると良いでしょう。

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この記事を書いた人

広田 淳