新規顧客から固定客になるには理由がある~美容サロンで行うべきこと~

  • 「数回の来店だけで、固定客として定まらない」
  • 「質の高いお客様のリピート率が低く、どうしたら高くなるのか知りたい」
  • 「美容サロンの固定客の作り方を教えてほしい」

どの業界でも店舗運営していくなかで、必ずと言っていいほど固定客を獲得するためにさまざまな施策を立てています。しかしながら、上記のようなお悩みを抱えている美容サロンの経営者が多くいらっしゃいます。初めて来店したお客様は全て新規顧客です。そういう意味では、お客様のスタートラインは全て一緒ですね。ただし、新規顧客から来店頻度を上げ、固定客として継続してもらうことは安易ではありません。
今回は美容サロンにおいて、固定客化の重要性から固定客の作り方などを解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

1.固定客化の重要性

既存顧客が多いということは、新規顧客を獲得するための時間やコストに費やすことを考えると既に信頼関係もできており、効率的なのはご承知の通りかと思います。
ここで、固定客がどれだけ重要なのか数字(による法則)で示す内容に注目していきたいと思います。

<2:8の法則>
2:8の法則はパレートの法則(イタリアの経済学者が発見した法則)とも呼ばれ、顧客全体の2割である優良顧客が売上全体の8割を占めているという法則です。つまり、2割の最良顧客を生み出すことで8割の売上が維持できるということです。優良顧客とは、店舗の売上に大きく貢献してくれる顧客で、特別な存在であることです。ただし、優良顧客にするには、全ての顧客を平等に扱うのではなく差別化を図り、育成もしなくてはいけません。たとえばクオリティの高いアプローチで1人あたりの施術料や商品の購入金額を増加させるといった育成計画を立てることです。

<1:5の法則>
1:5の法則は、新規顧客の獲得のためにかかるコストが既存顧客の再利用を促すためのコストの5倍はかかるという法則です。新規顧客の獲得より既存顧客の方が商品を購入する時にグレードアップしてもらいやすく利益率も上がります。よって既存顧客との関係性の構築が如何に重要かということです。

上記のような法則を知っていれば経営に対する視点を把握することができます。新規顧客の獲得も大切ですが、優良顧客として固定客化にすることの重要性が分かります。

2.信頼関係を築く接客

美容サロンは美容室やネイルサロン、エステサロンなどが挙げられます。すべての業種は確かな技術力が必要ですが、お客様との信頼関係を築き上げていくことも大切です。信頼関係を築くために、相手の心を動かすにはどうしたらいいのか考えてみましょう。基本的な挨拶などのマナーに加え、お客様に対してそれぞれの対応を行うことで関係性を高めることができます。

・常に笑顔で、会話する時は目を見て話す
・お客様が求めていることを素早く察知する
・商品やサービスの提案を行い、納得していただけること
・お客様の悩みや質問に対して的確な回答がする


以上のような項目を実行し続けていけば、お客様も信頼して来店頻度が高くなります。
ここで注意しておきたいのが、お客様は対応してくれているスタッフの態度や口調などから、売上だけのための接客なのかわかります。お客様のニーズを考えて真摯に向き合って接客をすることで信頼が生まれ、良好な関係を築くことができます。

3.リピートする・リピートしない理由

固定客になっていただくには、一度来店してくれたお客様が引き続き来店してもらわなければなりません。新規顧客になった時点で再来店するどうかの決め手があるはずです。なぜならリピートする・しないには理由があるからです。そこでリピートしてくれる店舗とリピートしてくれない店舗の違いはどこにあるのか調べてみました。
※下記は20~40代(女性)を中心にヘアサロン利用客による回答順位 です。

◆リピートする理由

①料 金料金がお手頃で満足、料金が技術と見合っている
②接 客丁寧で接客態度に好感が持てる、一度の来店なのに覚えていてくれた
③技 術技術が確かで安心感がある、自分が求めているスタイルへの理解がある
④立 地家または駅から近い
⑤仕上がりイメージ通りの仕上がりで満足、イメージ以上の仕上がりに好感度UP

◆リピートしない理由

①仕上がりイメージ以下の仕上がり、伝えた通りの仕上がりが違う
②接 客上目線での接客、顧客によって接客態度が違う、言葉使いや態度が悪い
③技 術技術力が低い、コミュニケーションばかりに気をとられ技術が乏しい
④時 間待ち時間が長い、手際が悪い
⑤会 話おしゃべりが多く疲れる、テンションが高くてついていけない

以上のような理由がお客様のリピートの有無を左右しています。どちらも技術は3位ですが、上位に接客が挙げられています。技術力が高くても接客に不快感を持つと技術の不信感が高まる傾向にあるようです。技術力があるのは当然ですが、失客しないためには接客力を磨くことがもっとも重要だと言えるでしょう。

4.固定客を作る方法

毎月の利益確保のためにサロン経営者にとっては、お客様の来店頻度を増やすためにどうしたら良いが大きな課題です。施策を考えて実施しても成果がなければ何もなりません。ここで、固定客になっていただくための仕組みづくりを紹介していきたいと思います。

(1)固定客となるようなターゲット層を設定する
ターゲットの多様化により、層を絞れなくなってはコンセプトが曖昧になってしまいます。顧客となる属性(年齢や所得)・価値観・ニーズと悩みの3つを具体的に絞ってターゲット層を設定してみましょう。そうすることで店舗の価値を見出すことができ、お客様が望むお店となり固定客として変わっていくことでしょう。

(2)付加価値による差別化が必要
固定客となっていただくには、競合店にはないサービスや商品、施術などによる顧客満足度の向上に繋げなければなりません。他店にはないアプローチを取り入れてみましょう。

(3)継続的なアプローチ
2,3度の来店客でも、お店の存在を覚えてもらっている方がより効果的です。そのためにはDMやSNSなどは継続的にアプローチしていくことが必要です。来店が途切れたお客様が年一度の誕生日にDMをくれたことがきっかで、久しぶりに行くようになり固定客となったという例もあります。もちろんアプローチだけではなく、フォロー活動もあってこその固定化です。

(4)経営者または担当スタッフとの相性
固定客になっていただくには、メリットがあるからです。例えば、お客様が「自分が伝えたいことが通じている」、「自分と会話のテンポが合い、価値観が合う」、「的確なアドバイスをしてくれる」などの相性が良いと感じれば通い続けてもらえます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。固定客化させるためにリピートする理由・リピートしない理由を把握した上で店舗改善に取り組んでみることも必要です。そして「また行きたいサロン」と思っていただけるようなお店つくりを心掛けましょう。お客様と良好な関係を築き、期待以上の満足感を与えることができれば固定客となる可能性が大いにあります。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人