美容師の離職率が高い原因とは?美容師が定着する職場を作る方法を解説

  • 「時間をかけて育てたのに、すぐに辞めてしまうのはなぜ?」
  • 「技術を身につけたスタイリストは、顧客を連れて独立してしまう。」
  • 「スタッフが働きやすい環境をつくりたい。」


このようなお悩みや疑問を抱えている美容サロン経営者の声を多く聞きます。美容業界は、スタッフ不足が深刻な問題です。なぜ美容師は、離職率が高いのか?長く続けられる人はどんな人?働きやすい美容サロンの特徴とは?など、詳しく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、ご自分の経営する美容サロンの離職原因が明確になり、今後の働きやすい環境つくりがイメージできるでしょう。ぜひご参考にしてください。

1.美容師の離職率は高い?

美容師の離職率は、1年以内の離職率が50%、3年以内の離職率が80%ほど、10年以内の離職率は90%と他の職業よりも非常に高いです。国家試験を取得し、憧れの美容師として就職できたのに、すぐに退職を考えてしまう原因はどこにあるのでしょう?せっかく時間をかけて育てたのに、すぐに辞めてしまっては、経営者としても悲しいですよね。この問題を解決するには、離職率が高い原因を明確にし、マネージメントすることが重要です。

2.美容師の離職率が高い原因とは?

美容師の離職する理由の中で、最も多い原因を5つを解説していきます。

離職原因1:給与が低い

離職のきっかけの一番の原因が「給与が低い」といわれています。美容師(理容師も含む)の年収は、その年により異なりますが平均300万円程度です。一般企業の平均年収が400万円程度ですので、美容師の収入は高いとはいえません。

離職原因2:休みが少ない

一般企業の月の平均休日数は8日(週休2日)に比べ、美容師の月の平均休日数は、6~7日といわれています。休日であっても勉強会や講習会、カットモデル探しなどに時間をとられてしまうことが多く、更に休日が少なくなってしまいます。また、就業規則に「有給あり」と記載されているサロンも多くありますが、サロン内で人手が足りていない状況下では有給休暇も取りづらいというのが現状です。

離職原因3:長時間勤務

一般的な美容師の労働時間はとても長いです。人気の美容サロンだと、1日中予約があるため、朝から閉店時間まで、休憩時間も少ない日が多いです。アシスタント時期は、閉店後に掃除やお店で個人練習をすることもあるので、15時間以上美容サロンにいるという人も少なくありません。
プライベートの時間がとりにくいというのが現状です。

離職原因4:体力的・精神的ストレス

美容師は一日立ち仕事で、シャンプーなどの時には腰を曲げたり、かがんだりと、慢性的な腰痛を抱えている人も少なくありません。シャンプーやヘアカラー剤などによって手荒れしたり、長時間ハサミを使用することにより腱鞘炎になってしまうこともあります。また、美容サロンはサービス業であるため、お客様との接客や、職場の狭い人間関係などにストレスを抱え、悩んでしまうという人も多いです。

離職原因5:業界イメージと現実とのギャップ

華やかな美容ファッション業界に憧れて、美容師になったものの、いざ働き始めると想像していた世界と違う、と退職を考えてしまう人も少なくありません。

3.美容師が長続きする美容サロンの特徴とは?

美容師の離職率が高いといわれていますが、退職することなく楽しく働き続けている職場もあります。離職率が高い美容サロンと、長続きしている美容サロンの違いはなんでしょう?スタッフが長く働き続けられる美容サロンの特徴4つを解説します。

特徴1:人材育成のカリキュラム、将来のビジョンを明確化する

  • アシスタントからスタイリストになる期間はどのくらいか?
  • 昇格・昇給のタイミングはいつか?
  • 将来どのくらい給与が上がるのか?

など、将来が見えないとう不安から離職につながる場合も多いようです。研修制度、昇格制度などの将来のビジョンがしっかりわかる人材育成カリキュラムを作りましょう。スタッフが目標を持ち、働くモチベーションが上がります。

特徴2:労働条件を整える

個人サロン経営の多くは、社会保険が備わっていないのが現状であり、離職率が高い原因の1つです。労働条件を整えることは、スタッフを大切にしているかどうかの指標になります。福利厚生、社会保険加入、手当支給などの労働条件を見直してみましょう。とはいえ、労働条件をすぐに全て改善するのは難しいと思います。スタッフが安心して長く働ける環境を徐々に整えていきましょう。

特徴3:良好な人間関係をつくる

あなたのサロンは、店長やスタッフ同士のコミュニケーションは十分に取れていますか?
業務の中での小さな疑問や悩みを解消できないまま溜め込んでしまうと、大きなストレスに繋がります。何でも気軽に相談できる環境づくりが必要です。時には業務とは関係ないスタッフ同士の親睦の場を設けるのもとても効果的です。スタッフ同士で相談しあったり、励ましあったりすることでお店の雰囲気は良くなり、それはお客様にも伝わります。

特徴4:経営者が積極的に学び続ける姿勢を見せる

美容業界は日々流行りや技術が変化しています。経営者は常に最新の情報を収集し、最新の技術を学び続けることが大切です。経営者が自ら積極的に研修会やセミナーに参加することにより、下で働くスタッフのモチベーションアップに繋がります。

さいごに

いかがでしたか?
美容師の離職率が高い原因がご理解頂けたかと思います。
この問題を解決するには、美容院側の環境を改善する必要があります。
スタッフが活き活きと楽しそうに働いているお店は雰囲気が良く、お客様の満足度の高いサロンです。スタッフが働きやすい職場つくりをすることによって、自然と離職率を下げていくことができるでしょう。

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この記事を書いた人

BrancPort税理士法人