トリミングで使用する必須アイテムとは!道具選びのポイントとメンテナンス方法

ペットを飼っている人が増えてきている昨今。その影響でトリミングサロンの需要が増加していることもあり、独立開業を目指している方が多いのではないでしょうか。トリマーとして活躍している方であればトリミング道具の使い方などは把握していますが、実際にどのような選び方をしたら良いのか迷ってしまうという、という声も聞かれます。

ここでは、トリミングサロンの開業において必要なアイテムと選び方、そして大切な道具のメンテナンス方法などを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.トリミングサロンで心がけること

飼い主から大切な犬をお預かりしたサロンでは、トリミングを行う際に何を心がければ良いのでしょうか。トリミングは見た目をキレイにするのはもちろんですが、健康面・衛生面で良い状態を保つことも目的とされています。しかし、トリミング嫌いなペットがサロンに連れられてきたことでストレスを抱え、吠えたり暴れたりすることもあります。そうなると簡単にペットの状態を診ることはできません。

トリミングが苦手なペットの身体に直接触れる道具を使うことで、更に恐怖を感じてしまうこともあります。後半に道具の選定などを紹介しますが、特にハサミで毛のカットをする時は注意を怠らないようにしなければなりません。ハサミは一歩間違えると危険を伴うので十分気を付けることが必要です。
また、今までペットを自宅で簡単にお手入れをしていたが、限界を感じてサロンに連れて行くようになったという飼い主の方もいらっしゃいます。その場合、知らない人や場所に慣れていないペットは攻撃的になったり、今まで使用していた道具の違いで恐怖を感じてしまうことも多々あるようです。
このように知らない人や場所、トリミング道具への抵抗を感じているペットも少なくありません。まずは、人やサロン(場所)、道具への恐怖心(抵抗)を取り除いてあげることが大切です。やさしく話しかけてあげるなどしてリラックスさせて、ペットとトリマーの信頼関係を作り上げるようにすることで、トリミングの施術や道具に対しても安心感を抱くことになるでしょう。

2.トリミングに揃えておきたい道具と選ぶポイント

トリミングサロンを経営するにあたり、大切なペットをお預かりする際には心身ともにストレスや負担のかからない施術をするため、用途に応じた質の高い道具を選びたいですね。

ここでは、トリミングサロンに最低限揃えておきたい道具や選び方のポイントなどを紹介していきます。

2.1 ペット用ブラシは用途に合わせる

ブラッシングは最初に行いますが、犬や猫の毛の汚れを取り除いたり、ダニ・ノミなどの寄生予防、抜け毛となる毛を落とすためなどに必要です。種類は幾つかありますが、一般的に使われている以下のブラシ(櫛)を選ぶと良いです。

  • スリッカーブラシ:毛玉や抜け毛を取り除いたりする必須アイテムです。ピン(針金)部分が固いものと柔らかいもの(丸い)があり、犬種・描種による身体の大きさ、長毛、短毛などといった違いがあるので、それぞれ使い分けるようにしましょう。
  • コーム:コームは顔まわりといった細かい部分やシャンプー後の毛を整えるための仕上げに使用します。また、長い被毛のもつれを解く役割のある櫛です。粗目と細目が一体化になっているものが多く、粗いほうで毛をほぐして細いほうで整えます。トリマー自身の持ちやすさを考慮して選ぶほか、用途の使いやすさも考えて選ぶと良いでしょう。
  • ピンブラシ:毛のもつれ予防やホコリ、抜け毛を取り除くときに最適なブラシです。また、ピン(針金)が長く柔らかいものはマッサージ効果もあります。長毛の犬などに適してるので、毛の処理がしやすいものを選びます。

2.2 ペット用シャンプー&リンスはタイプ別に使い分け

長毛・短毛の犬猫がいますが、シャンプーはタイプ別に分けると良いです。

  • 犬と猫の専用シャンプーまたは犬猫兼用シャンプー:猫は弱酸性、犬はアルカリ性のため、PHが異なります。これらを重視してシャンプーの成分によって決めると良いでしょう。注意点として、犬用シャンプーの方がより刺激が強いため、猫に使用するとトラブルを引き起こす可能性があります。ただし、犬猫兼用シャンプーもあるので使い分けしないというサロンではこちらをお勧めします。
  • 保湿(美容)シャンプーと薬用シャンプー:長毛のペットには保湿成分が多く含まれている保湿(美容)シャンプーをお勧めします。短毛のペットは保湿シャンプーを使用すると、ベタつく可能性があるのでさっぱり感がでる薬用シャンプーが向いています。

2.3 ドライヤー・BOXドライヤー

ペットのシャンプー後に使うドライヤーですが、ハンディタイプとスタンド型の二通りあります。ハンディタイプは足など風のあてにくい細かい部位を乾かす時に使用し、スタンド型は胴体(全身)をブラッシングしながら使用します。
選定ポイントは以下のことを中心に検討してみてください。

  • 低温で乾燥スピードの速さ:ペットにストレスを与えないぐらいの温度、風量を選びましょう。また、出来るだけたくさんの風量が出て乾燥スピードの速さを考慮に入れましょう
  • ドライヤーをあてたときのペットの状態を考える:音や風邪に敏感な犬もいるため、音量や冷風・温風、そして風量のやさしさを確認します。
  • 使い勝手の良さ:トリマーが使用して重くないか、ペットの毛が絡みにくいかなどを確認します。

2.4 カットに必要なハサミ・バリカン

犬や猫は毛の質が違うことがあるので専用バサミとして5~6本用意して使い分けをします。以下のようなハサミがありますが、種類はカット技法にあわせたりしましょう。

  • スキバサミ:毛の量を減らすときや全体をふんわり仕上げたい時に使います。使いやすさはもちろんですが、スキ率40%程度のものを中心に選ぶと良いでしょう。
  • カットバサミ(仕上げバサミ):主にボディラインやシッポのラインを最後の仕上げとして整えるハサミです。手に収まる大きさ・持ちやすさ、カットのしやすさ、フィット感で選びましょう。
  • バリカン:バリカンはコードレスとコード付きタイプがあります。主にお腹や背中周りなど広い範囲をカットします。刃の長さが3~5mm程度のもが犬の毛はカットしやすいです。また、選び方のひとつとして刃の長さを調整できるもの、アタッチメント付きのものなどもあります。 
  • ボブバサミ:ミニバサミとも呼ばれ、仕上げバサミに比べると短く犬のひげカットや耳の細部などに使用します。使い心地が楽なもの、手のフィット感を優先的に選ぶと良いです。

2.5 細部まできれいにする爪切りや耳掃除道具

大型犬、小型犬、猫などの爪は形や硬さ、大きさ、長さなど異なります。次の2点に注意して選びましょう。

  • 犬猫、大型小型によって使い分ける(ギロチンタイプ・ニッパータイプ・ハサミなど)
  • 切りやすさや削りやすさ:耳掃除に用意するアイテムはガーゼ・コットン、綿棒、イヤークリーナーなども必要になります。 

3.トリミング道具のメンテナンス方法

トリミング道具のなかで一番注意が必要なのがハサミやバリカンです。
特に錆びや汚れが付着しやすく、繊細な道具なので出来れば施術後の度にお手入れを行うと良いでしょう。ここではメンテナンス方法を紹介します。

〈ハサミ〉

  • ティッシュもしくはシザーセーム革で一本ずつ刃元から刃先に沿って付着した毛や汚れを取り除きます。
  • 次にシザー専用オイルを少量(1~2滴)刃全体に垂らします。
  • ティッシュやタオルで余分なオイルをしっかりふき取ります。(オイルはベタつくので1週間に1回程度)


〈バリカン〉

  • バリカンの刃に付着した毛や汚れをブラシなどで除去します。(※ティッシュはちぎれやすく微粒子の異物が入ると動きが鈍くなるので使用しないようにしましょう)
  • 刃を外し、更に①と同じように細かい部分まで汚れを取り除きます。
  • 再び刃を本体に取り付け、洗浄液できれいにします。
  • 全体にいきわたった洗浄液が乾いたら、バリカン専用のオイルを刃の先から全体に数滴注油します。

さいごに

いかがでしたか。今回はトリミングサロンで使用する最低限必要な道具とその選び方を紹介しました。犬や猫などはそれぞれ種類が異なるため、道具を使い分けるようにきちんとした選択をすることが大切です。そうすることでペットへの負担も軽減されて心地よいトリミングを体験できます。また、メンテナンスはこまめに行うことも大切です。
道具は最適なものを選び、上手に活用することでトリミングへの楽しさが倍増することでしょう!

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人