美容院の値上げはリスクが伴う?失客を避けるための対策を知れば値上げも怖くない!

近年、食料品やエネルギー価格等の高騰が続いています。それに伴い物価上昇が続くなか、美容業界においてもカラー剤やパーマ液の原材料の高騰につき値上げを検討している店舗も少なくありません。その一方で値上げすることで失客が懸念され、なかなか踏み切れないという美容院も多く存在しています。
今回は値上げによって客離れを防ぐための対策や注意点などを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.美容院の値上げは許容できる?

近年、生活必需品による価格の高騰につき消費者への負担は大きく影響しています。
美容院においても、冒頭でもお伝えした通りカラーヘア剤やパーマ液などに使う原材料、その他諸々にも影響を与えているため止むを得ず値上げを検討している美容院が増加傾向にあります。また、インフレの原因に限らず数年に一回のペースで料金見直しを行っている店舗も多いのではないでしょうか。いずれにせよ、料金改定時はどこの店舗も迷いが生じてしまうものです。
ここでは、常連客とリピーターが値上げする美容院を許容できる・できないはどこにあるのかみていきたいと思います。
下記は2022年6月に10代から50代の男女を対象に「行きつけの美容院が値上げした場合にはどうするか?」という質問をした結果です。

引用:ヘアログ美容院の許容度

美容院の値上げに対して「許容できる(58%)」「どちらとも言えない(35%)」「許容できない(7%)」という数字の結果となっています。それらの理由を挙げてみました。


〈許容できる理由〉

  • ◆長年通っているので今更変えたくない
  • ◆髪の状態やスタイルを知り尽くしているから、新たな美容師を探すことは考えられない

〈どちらとも言えない〉

  • ◆値上げの金額によっては美容院を変える可能性がある
  • ◆技術料としての値上げは仕方ないが、パーマやカラー剤の値上げした場合は検討する

〈許容できない〉

  • ◆家から近いということで通っているので、大幅に値上げしたら少し場所が遠い美容院でも相性が良ければ変えるつもり
  • ◆格安美容院も存在している時代、節約のためにも安くて満足できる美容院を探す

「許容できる」人の多くは仕方ないという回答ですが、担当美容師との信頼関係が築けている証かもしれません。
「どちらとも言えない」は値上げ料金によっては他の美容院を探すという意見が多く、「許容できない」は全体的に少ないのですが、節約したいという気持ちや美容院へのこだわりがないことが分かりました。

2.値上げで失客しないための対策

美容院の値上げで懸念されていることが失客です。
しかし、失客を防ぐ対策を把握しておくことで離れていくお客様を最小限に抑えられることができます。ここでは失客を防ぐための対策を紹介したいと思います。

2.1 料金改定の告知タイミングと方法

値上げをしたときには必ず前以てお知らせをします。告知せずこっそりと値上げをしてしまうとお客様は不信感を抱き、離れていく危険性があります。
タイミングは値上げする1か月前ぐらいに告知するのがベストな時期です。
料金改定の告知は以下の方法で行うと良いでしょう。

  • ホームページや書面(封書)にてお知らせします。書面は常連客に郵送しますが、内容としては「値上げの開始時期」「料金改定の理由」「日頃の感謝と今後の抱負」などを記載します。
  • 書面やホームページを見ていない可能性があるため、お客様の来店時に口頭でもう一度お知らせをします。
  • フロントに「料金改定のお知らせ」という張り紙を貼ります。

特に常連客にとって美容院(美容師)は特別な存在で、値上げは仕方ないと思われるお客様が意外と多いのです。丁寧に誠意をもって告知することで、不信感や嫌悪感を抱く人はいません。そのあとはお客様に委ねるという判断でも良いでしょう。

2.2 競合店のリサーチを行う

自店が値上げをする際、周辺の競合店も同じ動きを見せる可能性があります。
値上げの告知をする前に、ターゲット層やコンセプトがお店と同じような美容院のリサーチは行ったほうが良いです。
リサーチ方法は競合店のホームページやホットペッパービューティーなどに載っている単品メニューやセットコースなどの料金の情報をもとにチェックします。また、料金以外の割引サービスやクーポンなどの特典も見られるので非常に参考になります。他店をリサーチすることで値上げに対する課題や改善策を見出せる上、独自なりのサービスを提供するヒントが見えてくるかもしれません。

2.3 技術・サービスの価値を伝える

料金設定には顧客価値が伴います。顧客価値とは「お客様が商品やサービスに対して適正だと感じる価値」のことです。値上げをするということは、価格に見合った価値を上げなければなりません。値上げするとともに顧客満足度も上げていくことがポイントとなります。

  • 値上げ後にフォローする・・・値上げで損をしたと思わせないことが大切で、クーポンや特典を付けるなどしてお得感を見出させてあげます。
  • サービスで印象付ける・・・ドリンクやマッサージなどのサービスを行うことで印象良く映ります。また、美容院には雑誌がつきものですが、値上げする前に電子書籍サービスを導入するなどしてお客様に珍しい印象付けることです。(美容院にとっても雑誌購入代に比べコスパがいい)
  • 合店にはないメニューを作る・・・どこの美容院でも同じようなメニューを提供しているのが現状です。例えば「カット+カラー+メイクレッスン付」などお店のサービスに特化した他の店舗にないメニュー作りを心がけることでお客様は飽きることなく、リピートしてくれる可能性が高くなります。

3.値上げするときの注意点

失客を100%避けることが難しい値上げですが、抑えることはできます。
値上げの種類はいくつかあります。それらの種類によってお客様は美容院に行き続けるか否か決めているようです。
以下はそのような料金改定が失客数の少ない順となっています。

  • 一部の料金改定・・・メニュー料金全ての値上げではないので、あまり目立たず客離れは少ない。
  • 指名料の値上げ・・・長年の常連客は美容院を変える発想があまりないが、1,2度の来店客は変える可能性が高い
  • 費税などの便乗値上げ・・・消費税の引き上げなどによる便乗値上げは安易な計画と思われやすいため失客が多い

4.値上げで発想の転換も必要

美容院はお客様との信頼関係が大きく影響されています。なぜなら、ヘアスタイルや髪質の悩みなどの相談を信頼できる美容師がいる店舗を選択しているからです。
しかし、値上げを実施すれば失客するかもしれないというのはどのお店でも懸念されています。失客は避けられないとはいえ、ネガティブになることより以下のように発想の転換でポジティブに捉えることも大切です。

  • 料金改定後でも変わらずリピートしてくれるお客様もいることで信頼関係の再認識
  • 周囲に競合店が少ない、家や職場から近いだけでも顧客満足度が発生している
  • 値上げすることで、これまで以上にスキルやサービス向上が目覚める意識改革
  • 値上げ後は失客もしくは受け入れる顧客と二分されるが、新規顧客は値上げ後の料金が適正だと思ってくれる

お客様は美容師の技術やサービスを買って満足感を得ています。その満足感に見合った価値で料金改定をすることで、技術やサービスの向上を目指すことになります。
また、値上げ後は失客もしくは受け入れる顧客と二分されますが、美容院への満足度・信頼度の再認識することができます。

さいごに

値上げをしないという選択もありますが、経営の安定化を図るためには仕方のないことかもしれません。値上げするタイミングや失客防止策を適切に実施することで多くのお客様は受け入れてくれます。また、前向きに捉えることの大切で、店舗の価値も値上げに見合った美容院となっていくことが期待されます。「値上げ=失客」ばかりではなくいで一人ひとりの技術やサービスの成長の時期でもあるかもしれませんね。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人