美容師が出張する訪問美容は需要がある?独立・開業の始め方を解説!

  • 「訪問美容で独立したいのですが、何から始めたらいい?」
  • 「訪問美容だけで生活していくことは可能?」
  • 「サロン勤務の美容師と比べて給与や生活はどうなのか?」

このような疑問やお悩みを抱えている訪問美容開業を視野に入れている方が多くいらっしゃいます。この記事では、訪問美容で独立・開業の始め方のほか、訪問美容のメリットやデメリットなど、これから訪問美容を開業する方に向けて、詳しく解説していきます。訪問美容に興味がある方は、是非参考にしてください。

1.日本における訪問美容とは?

訪問美容とは、美容院に行くことが困難な方々のために、美容師、理容師が自宅や福祉施設などに訪問し、施術することをいいます。日本の法律では原則として、理容師、美容師は届出をした場所(理容室、美容室)以外でのサービス(施術)は禁止されていますが、以下の場合は例外として認められています。

【美容師法/理容師法 例外一覧】
  • 高齢や疾病などの理由で美容サロンに行くことが困難な方
  • 自宅において要介護者又は高齢者の介護を行っている方
  • 自宅において乳幼児の育児をしている方

厚生省HP参照 出張理容・出張美容の対象者について

今後更に少子高齢化が進む中で、訪問美容は注目されるマーケットとして大きな可能性を秘めています。

2.訪問美容で独立・開業の始め方

訪問美容は、美容師免許を取得していれば行うことができます。4つのStepに沿って解説していきます。

Step1:管轄の保健所へ申請手続きが必要か確認する

訪問先の市区町村により保健所に申請手続きが必要な場合があります。また、市区町村により、訪問美容のルールが異なります。訪問美容の施術で出来る事、出来ない事を確認する必要があります。開業前に訪問先の地域が管轄する自治体に必ず確認しましょう。

Step2:開業届の申請手続き

訪問美容で開業する際には、税務署に行き、開業届の申請手続きが必要です。
詳しくは関連記事をご参照下さい。
【【決定版】初心者でもわかる!会社設立の全手順徹底解説!3.税務署へ申請する開業届の基本の提出方法】

Step3:訪問美容に必要な道具を揃える

美容サロンで働いている美容師は、私物の道具以外は、美容サロンで揃っているものを共有することが多いですが、開業する場合、全ての道具を揃える必要があります。また、訪問先で施術を行うので、通常の美容道具/アイテムに加えて、準備しておいた方がいいものもあります。事前に確認しておく必要があります。

Step4:宣伝/広報活動を行う

保健所や税務署の申請手続きが終わりましたら、いよいよ訪問美容事業開始です。多くの方々に美容訪問サロンの存在を知ってもらいましょう。簡単なものでいいので、チラシやホームページの制作は必要です。訪問地域にある福祉施設に直接訪問し、挨拶にまわるというのも効果的な宣伝方法です。店舗がなく看板がないので、認知してもらうには時間が掛かります。積極的に宣伝活動を行いましょう。

3.訪問美容で独立するメリットとは?

メリット1:開業資金が低いので気軽に始められる

美容院を開店するには多額の開業資金が必要ですが、訪問美容は店舗を持たない為、低リスクで開業することができます。初めはカットのみからスタートし、訪問美容が軌道にのってきたらメニューを増やしていくなど、経営状況により設備投資を決められるのはメリットです。

メリット2:多様な働き方ができる

美容サロン店は営業時間が決まっているため、1日の拘束時間が長いです。それに比べ、訪問美容は、美容師側が自分でスケジュール管理できるので、自分のペースで働くことができます。

メリット3:少子高齢化により訪問美容の需要が増える

2016年 美容師・理容師法改正により、美容サロンへ行くことが困難な方も訪問美容の対象となりました。少子高齢化が進み、訪問美容は需要が増えるマーケットとして注目されています。

4.訪問美容で独立するデメリットとは?

デメリット1:経営が軌道にのるまでは収入が安定しない

どの職種にも同じことがいえるのですが、開業して事業が軌道にのるまでは収入が安定しません。訪問美容は店舗がなく看板がありませんので、地域の方に認知してもらえるようになるまで時間が掛かります。訪問美容は、自分でスケジュール管理できるというメリットがありますので、軌道にのるまでは、副業で収入を得ながらという方法もおすすめです。

デメリット2:毎回施術する環境が異なる

訪問美容は、毎回施術する環境が異なるため、玄関でカットすることもあれば、浴室でカットする場合もあり、臨機応変な対応が求められます。また、身体を自由に動かせない方や寝たきりの方などへの施術には、ある程度の専門知識が必要です。ヘルパーの資格を取得すれば、お客様へ安心感を与えられ、信頼度が高くなるでしょう。

デメリット3:料金支払いトラブル

訪問美容では、金銭に関わるトラブルが少なくありません。高齢者のお客様で痴呆症やご病気により意思疎通のコミュニケーションが難しい方などから依頼された場合、施術後に「お金がない」「お釣りをもらっていない」などといったケースもあります。お客様のご家族や介護士などの第三者に同席してもらうことでトラブルを防止できるでしょう。

さいごに

いかがでしたか?
訪問美容の始め方、メリットやデメリットがご理解頂けたかと思います。美容サロン店舗で働く美容師とは全く違う、美容師の「新しい働き方」が訪問美容です。日本では、少子高齢化社会が進み高齢者が増え、今後さらに需要があると予測されます。訪問美容は、将来性が高く、社会貢献にもなる、とてもやりがいのある働き方です。そして、始めるのに低リスクなのも魅力の1つです。訪問美容に興味を持ち、始めてみたい方は、できることから少しずつ始めてみましょう。夢に向けての成功の第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人