エステサロンの同意書について【免責同意書と概要書面・契約書の準備は必ず必要!】

エステサロンを経営するにあたり、必要となるのが「免責同意書」です。そして同時に準備しておかなければならないのが「概要書面」「契約書」です。お客様が署名した同意書があることによって、施術時に何らかのトラブルが生じた際に責任やクレームの対応が明確になります。これら3つの書類はトラブル回避に欠かせないので必ず準備をしておきましょう。しかし、免責同意書の作成は「複雑で難しそう」という方が多くいらっしゃいます。

今回は、エステサロンのおける「免責同意書」の作成方法や「概要書面」「契約書」の内容項目を詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.エステサロンの免責同意書の効力とは

エステサロン経営をするうえで準備しておくべき書類の一つが免責同意書です。施術をするにあたってお客様自らの身体状態について署名することでトラブルが生じた際に回避できる書類(同意書)となります。たとえば敏感肌のお客様に対して「肌の状態によっては赤みがでる」など明記した免責同意書に署名を頂いていれば、肌トラブルが発生してもサロン側は責任を追及できないことを示します。同意書を得ることで施術後に何らかのトラブルが発生しても施術者は責任を負う必要がないため、想定されるリスクは回避できる非常に重要な書類になります。

一方で、免責同意書の準備がなく施術後にトラブルが発生した場合はサロン側の責任になります。施術代の返金を求められたり、肌トラブルによる治療費が必要になった際には損害賠償を請求されたりするケースもあります。
そうなると多額な損失になり、信用問題にも関わるのでサロン側に大きな打撃を受けかねません。したがって安心・安全な経営を継続させていくためにも免責同意書は必ず準備しておくことをおすすめします。

2.同意書においての免責事項

ここではお客様の健康状態や肌状態、通院歴などを確認するため免責同意書に記入すべき一般的な項目を紹介します。なお、免責同意書のテンプレートを活用するのもひとつの手段ですが、参考にしながら作成してみてはいかがでしょうか。(免責事項によるフォーマット引用:bizocean

2.1 既往歴・通院歴事項

これまでに大きな病気にかかったことがあるか、そして現在通院しているかの確認をします。申告してもらうことで施術が可能かどうか判断することができます。病気の種類によっては施術をすることで悪化を招くこともあるので確認は必ず必要です。また、現在治療中の場合は主治医の許可が必要なケースもあります。

2.2 肌体質に関する事項

化粧品等はお客様の肌に直接触れるため肌体質に関する確認をします。

◆アレルギーの有無
化粧品や食べ物のアレルギーの有無を過去も含めて記入してもらいます。化粧品のアルコールや色素・香料などによる原因でアレルギーを発症しかねないので事前に確認します。また、アレルギー反応となってかゆみや湿疹などを引き起こすこともあるので注意しましょう。アレルギー体質の場合、原因となる原料が含まれていない化粧品を使用することをおすすめします。もしアレルギー源が含まれている場合は施術を行わないようにしましょう。

◆アトピー性皮膚炎や敏感肌・かぶれ
アトピー性皮膚炎や敏感肌も申告してもらいます。サロンで低刺激の化粧品を使用していても肌の状態によっては施術ができない場合があることを明記します。

2.3 施術当日の体調などを知るための事項

エステサロンで当日施術を受ける際に申告してもらわなければならない項目が幾つかあります。

◆飲酒の有無
アルコールは血流を促され体温が上がり赤みを生じる方もいます。少しの刺激でかゆみや湿疹の症状がでることもあるので、施術を行うと肌に大きなダメージを与えてしまいます。また、アルコールの作用によって感覚が鈍るので揉み返しの原因になり、施術後のトラブルを引き起こしかねないので、飲酒の有無は必ず明記しましょう。

◆妊娠中
現在妊娠している場合、エステ機器を使用してのボディ施術は胎児に影響を与えてしまう可能性があります。基本的に妊娠中の施術は機器だけは使用しない、もしくはお断りする旨を明記しておいたほうが良いでしょう。ただし、妊娠安定期に入り体調が優れている場合はオールハンドによるフェイシャルやフットケアなどは可能です。

◆体調不良による確認
施術当日に発熱で体調が優れないなどの症状がある場合は免疫力が低下しているため、施術を受けることで更なる悪化の可能性があります。体調不良の際は施術ができないことを明記します。また、怪我や火傷は皮膚の表面に刺激を与えることで傷口が深くなり化膿してしまうケースがあるので、患部を避けて行えない場合は施術をお断りする旨明記します。

2.4 未成年による事項

お客様が未成年の場合、サロン側では契約料金を払いきれないことを想定して親の同意書を提出していただいてから契約を結びます。そうすることで親が契約内容に同意したものとして扱うことができ、契約成立後の代金未回収といったトラブルを防ぐことができます。
同意書の内容に以下の記載をしておくと良いでしょう。

  • 親権者の同意を得ることで契約が成立する
  • 未成年者の場合は身分証明書を求めることがある

ただし、未成年でも親からのお小遣いやアルバイト代といった収入があり、支払える範囲内の料金であれば親の同意書は必要ありません。

3.概要書面・契約書も同時に必要

免責同意書は施術後に想定するトラブルを防ぐために必要となります。これに加え、契約を結ぶにあたり「特定商取引に関する法律(以下、特定商取引法)」によって定める内容であることが義務づけられています。エステサロンで1か月以上の施術、更に金額が5万円を超える契約の際に義務付けられている2つの書面「概要書面」と「契約書面」の交付が必要となります。
(出典:特定商取引法ガイド

エステサロン契約に伴い「概要書面」と「契約書面」の内容をお客様に伝えて同意を得るためにとても重要な交付書面となります。

  • 概要書面:契約を締決する前に契約内容を事前に説明時してから交付
  • 契約書:契約が成立した際に交付(契約内容を明確にした書面)

「概要書面に記載する項目」
①契約によるサービス内容

  • サービスの商品名(コース名)
  • 施術コースの回数、コース一回あたりの金額と総額(全て税込み)
  • 施術日数、コース全ての施術時間、1回あたりの施術時間

②施術商品に関連する商品の記入

  • 商品名(例:フェイシャル用化粧品やボディ用化粧品など)
  • 商品の種類と使用する内容量
  • 商品の単価と総額

③お支払いの見込み額

  • 各コースの料金と総額(全て税込み)

④お支払い方法・お支払い時期

  • 現金払い、クレジットカード等と支払い予定日

⑤契約解除について(クーリング・オフや中途解約など)
⑥契約者の署名、押印や契約日

「契約書に記載する項目」
①契約日と契約期間
②契約者情報

  • 氏名、生年月日、住所、連絡先、勤務先など

③サービスの商品名
④関連商品
⑤お支払い方法・お支払い時期
⑥契約解除について
※③~⑥は概要書面に準ずる
⑦サロン情報

  • サロン名、代表者名、押印、住所、電話番号、担当したスタッフ名

概要書面と契約書に記載する項目は丁寧にわかりやすく記載しましょう。また、特定商取引法に基づいて作成しますが、文字の色や大きさなども定められているので注意しましょう。

4.免責同意書・概要書面・契約書に関する注意事項

免責同意書は施術後に想定するトラブルを防ぐため、概要書面や契約書は契約条件、クーリング・オフなどに係る情報をお客様に提供した後、同意のもとで契約成立となった時に必要な書類です。これら3つの書類に必要な事項を全て明記したつもりでも内容が漏れているとトラブルの原因になります。ここで同意書等のチェックするポイントを紹介します

  • 特定商取引法に定められた事項を中心に全ての記載項目必ず確認する。
  • 記載してある内容が分かりづらい場合はお客様に説明する必要がある。
  • 書面は個人情報が記載されているので大切に保管する。デジタル化にすることで簡単に保管ができ、紛失を防ぐことができる。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回はエステサロンを経営するうえで準備が必要な免責同意書や概要書面、契約書について解説しました。これらの書類は契約者・施術者の両者にとってもトラブルを未然に防ぐ効力があります。また、施術者はサービスを受ける側の同意書があれば安心して施術ができます。ただし、同意書だけに頼るのではなく、カウセリングや対話によっての体調不良などの気づきも必要なことを理解しておきましょう。

この記事を書いた人

広田 淳