入りやすい美容院とは?~入店の決め手となる外観デザインのコツと注意点~

美容院に行くきっかけは、知人の紹介やネット検索、フリーペーパー、チラシなどさまざまありますが、街で偶然見かけたお店が気になって後日行ってみたという人もいらっしゃいます。偶然見つけて入店された人は、きっとお店に引き寄せられる「何か」があったのでしょう。その「何か」とは、お店の空気感や外観デザインなのかもしれません。
さて、美容院の第一印象で「入りやすい」「入りづらい」はどのように判断しているのでしょう。「何か」を探りながら入店しやすい外観について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.美容院の外観が意味するもの

美容院を開業するにあたって重視するポイントの一つが外観デザインです。お客様が「入店する」「入店しない」の判断は外観を見て決めることが多々あります。
美容院に入店するきっかけ(知るきっかけ)は下記の通り外観が大きな影響を与えています。

  • お店の雰囲気や外観を見て行きたいと思ったところに行く。
  • 美容院にお客さんが入っていたのを外から見て安心して入店できると思った。
  • ネット情報やチラシなどより、実際に自分の目で確かめたい。
  • 店内の様子を外から見たら清潔感があって入りやすい雰囲気だった。

外観は美容院の顔のように第一印象で決まるほど重要な部分です。お店のコンセプトを伝える手段として外観をデザインしていることが多いので、店内とのズレがないようにアピールをしなければなりません。
また、外観は視覚的なインパクトが強いため、集客を意識するデザインにすることでリピーターにも繋がります。

2.入りやすい外観の表現方法

入りやすいお店づくりとは、どのように表現していけばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは美容院の外観の表現方法を紹介します。

2.1 お店のコンセプトを伝える

入店しやすくするためには、コンセプトに基づいたお店の雰囲気を外観で表現しなければなりません。たとえば「ここに美容院を開業してみたので来てください」ではコンセプトが伝わりにくいですね。この場所にとりあえず美容院を開業しましたというような雑な表現では入店してくれません。どのような美容院であるか外観を見ただけで伝わるような工夫が必要です。そのためには明確なコンセプトを持ち、お店の方向性や特長などを極めることです。コンセプトに沿ったお店の世界観を表現していくことで他店と差別化を図ることができます。

2.2 店内の様子を見えるようにする

美容院の外装をガラス張りにして外から店内の様子が見えるような造りが、ここ10年ぐらいで多くなりました。なぜここまで多くなったのか、これには以下のようなお店側の狙いがあるようです。

  • 魅力的な店内の様子を見せることで宣伝効果に繋がる
  • お客様が多く入っていれば繁盛店としてのアピールができる
  • 窓が大きいため光が入って店内が明るくなり、開放的な空間を表現できる

お店側にとって店内の様子を見せることでアピール度を向上させているようです。
また、店内の雰囲気やどういう美容師が在職しているのかが分かるのでお客様にとっても安心材料になります。
しかし、お客様のなかには外から見えると「恥ずかしい」「抵抗がある」といった方もいらっしゃいます。それらを考慮する場合は全面ガラスにするのではなく、一部だけ大きな窓にするなどの外観づくりに心がけることも必要です。

2.3 良いイメージを与える

美容院のネットやSNSで公開していた写真を見て良い印象を受けたが、実際にお店の外観を見たら写真とイメージが違っていたというケースもあります。そうなると入店するのをためらってしまう可能性があります。ネットなどの情報が好印象でも最終的には美容院の外観などを見て入店するかどうか判断してしまうことが多いです。
特に初めて入店する美容院は緊張しているお客様が多いです。ネット公開の写真と同じように「この美容院なら任せても安心」「清潔感があってリラックスできそう」などのイメージを抱かせることが大切です。

3.目を引く外観デザインのコツ

外観のザインはお店のセンスや働くスタッフの人柄が出やすい場所でもあり、個性を表現できる要素が含まれています。まずは外観のテーマを決めることが重要です。外観のテーマが決まれば外観に使う色や素材、看板なども見極めることができます。そして、もう一つ大切なのが周囲の街並みと調和のとれたデザインにすることも必要です。ここでは、外観デザインをする上でどんなことに気をつけていけばいいのか解説します。

3.1 外壁の色や素材を意識する

第一印象で見る「色」は購買や入店のきっかけ作りとなる重要な役割を果たしています。また、心理的に大きな影響を与えます。美容院は「きれい」「清潔」「リラックス」などのイメージが強いので、派手な色は避けて白を基調としたシンプルな外観に仕上げると良いでしょう。そこにアクセントとしてお店のコンセプトに合ったワンポイントカラーを加えるとお洒落に早変わりして他店との差別化を図れることができます。
外壁の素材も色やコンセプトに合わせた素材を使うと良いです。たとえば温かみのあるお店作りを目指すのであれば木材を使い、スタイリッシュであれば金属系サイディング、コンクリートといったイメージに合った素材を選択するようにしましょう。また、耐震性や耐久性なども考慮した素材(材質)選びもとても重要です。

3.2 店頭に設置する看板

看板はお店の目印であり、集客ツールのひとつでもあります。
看板の種類は幾つかありますが、美容院でよく使われているのが下記の通りです。

  • ★袖看板・・・壁面に設置(突き出し)していることでお客様の目に留まり印象に残りやすいです。この看板だけでお店の存在をアピールできるので、店名だけの文字でシンプルにまとめると入店しやすくなります。
  • ★屋外壁面看板・・・建物の壁面に設置する看板で、遠目からでも店舗が「何のお店なのか」を明確に伝えられます。人通りの多い場所に使われることが多いため宣伝効果にも繋がります。
  • ★スタンド看板・・・車輪付きで移動可能な看板です。チラシやクーポンなどを設置できるタイプもあるので、お店のアピールに繋がります。

3.3 観葉植物を置く

店舗の入り口に観葉植物を置くことで、ゆったりとした雰囲気になりリラックス効果も得られます。また、看板の隣にグリーンを置くことで、それらが一体化してお店の入り口を目立たせてくれます。
多くの美容院が観葉植物を置いていますが、さまざまな役割を果たしています。

  • シンプルな外観でもグリーンひとつでおしゃれな空気演出が可能
  • お店の入り口付近に置くことでお客様の癒しやリラックス、安心感を与える
  • 空気清浄効果をもたらすため、キレイな空気を作り出せる

観葉植物は上記のような効果をもたらしてくれるので、ぜひおすすめします。スタッフが忙しく世話ができない場合はレンタル(定期便)もあるので活用してみては如何でしょうか。

4.外観作りで注意するべきこと

初めて美容院に入店する時は誰もが緊張しますね。なぜかというとカットやカラー、パーマの施術を受けた後は入店前の自分とは違うスタイルに変身するわけですから。
その緊張を和らげるためにも外観による安心感やリラックスを与えるデザインにすることが大切です。外観作りにおける注意点として以下2つを取り上げました。

〈外観と内装のギャップ〉
美容院がガラス張りで店内の様子が見えるとイメージが湧きやすいと先述しましたが、入店してみたら外から見た雰囲気と違っていたというケースもあります。外観は高級感のある美容院だったのに、店内では質素な素材で作られた壁紙やインテリア、そしてタオルが無造作に置かれていたなどが原因にあったようです。入店前の緊張を和らげるどころか不安を与えることになります。外観と内装のイメージがまったく異なると、お客様の再来店を逃してしまいます。外観と内装のギャップをなくし、統一感を持たせるように心がけましょう。

〈外観をガラス張りにする必要性〉
美容院は、一般的に土日祝や平日の夕方以降などが混雑します。よって平日の昼下がりは空席が多くなりがちで「お客さんが入らないお店」と外から見ると思われてしまいます。繁盛していない美容院はあまり行きたくなりません。特に大きい店舗の場合は空席が目立ってしまいます。ここでガラス張りにする意味を考えてみましょう。
外観がガラス張りだと施術を受けている自分の姿が外から見られます。居心地のいい美容院は誰もが好みます。「見られたくない」というお客様にとってはどうでしょう。居心地はあまり良くありませんね。
美容院はガラス張りでオープンなところが特長でもあるのですが、開業時の立地やコンセプトに合わせて外観デザインを検討するようにしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は入りやすい美容院の外観デザインを紹介しました。外観は新規顧客に繋がる第一印象や再来店を左右させるほど重要です。魅力的な外観でも顧客ニーズに応えていないと入店に繋がらない可能性もあります。ぜひお客様のニーズに応えながら入りやすい外観デザイン(店つくり)を検討してみては如何でしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人