飲食店の回転率・稼働率が売上を左右する【回転率を上げるためのポイントを紹介】

飲食店は売上目標を達成するために、さまざまな戦略を考えながら営業しています。その中でも売上に直結する回転率や稼働率を上げることで、どれだけの売上が伸ばせるか検討しています。しかし、中にはどうすれば回転率を上げることができるのか不安をお持ちの方もいらっしゃいます。ここでは、回転率や稼働率とはどのようなものなのか、そして回転率を上げるためにはどこにポイントを押さえればいいのか解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

1.飲食店の回転率・稼働率とは?

飲食店は回転率を上げることによって売上アップに繋がります。しかし回転数だけ多くても全ての座席が埋まっていなければ売上を伸ばすことは難しいです。ここで重要なのが「回転率」「稼働率」の両方を高めることですが、どちらか一方を独立して考えるのではなく一緒に検討していくことで売上アップに繋がるということです。
では、この「回転率」「稼働率」とはどのような意味をもたらしているのか、みていきましょう。

●回転率とは
回転率はお客様が営業時間内にどれだけ入れ替わったかを表す指針です。業態によって異なり、ラーメン店や蕎麦屋などは回転率が高くなりますが、Wifiが使える喫茶店などは長時間滞在する人が多いため回転率が低くなります。滞在時間が長い場合は客単価を上げる、昼と夜の業態を変えるなどの工夫をしないと売上アップに繋がりません。また、回転率を上げるためには「席数」と深く関わりのある稼働率も意識しなければなりません。

●稼働率とは
稼働率とは客席がどれくらい稼働しているかを表す指標のことです。つまり、テーブルが満席になった時に何%の席が使用されているか数値で表しています。一般的に70%以上あれば売上に繋がると言われていますが、稼働率は来店した客数(組数)が大きく関係しています。例えば4人席に2人組ばかりの来店客だとすると稼働率は低くなってしまいます。お店が満席状態で何回転しているかということも考えなければなりません。

2.飲食店の回転率・稼働率の計算式

飲食店は満席状態で回転率を上げることで売上アップに繋がります。そこで気になるのが回転率と稼働率の計算方法です。1日の売上を計算した時に回転率と稼働率の数値を把握することで売上予測もたてられやすくなります。先ずは稼働率の計算式からみていきましょう。

・稼働率=満席時の客数÷全客席数
飲食店は、満席=満卓でないことを理解しておきましょう。総席数のなかでも4人席に2人、2人席に1人で座っている場合もあるので、相席でない限り空席が発生してしまいます。例えば満席状態で40人、総席数50席であれば40(人)÷50(席)=0.8となり、稼働率は80%と高い数字になります。満席状態の数字が高いほど稼働率が高くなります。

次に回転率ですが、基本的な求め方は1日分の数値で出すことが多いです。

・回転率=1日の来店客数÷客席数
全部で20席ある飲食店で100人の来客数で例えると100(人)÷20(席)=5となり、1日5回転したということになります。

下記が売上数値を出す基本的な計算式です。

・売上=客数×客単価
これをもう少し掘り下げてみましょう。回転率が高いほど売上アップに繋がることが下記の計算式でわかります。

・売上=席数×客席稼働率×回転数(率)×客単価
売上を伸ばすためには、客単価が低いほど回転率を上げなければなりません。その一方で、客単価が高く注文数が増えれば利益を得ることができます。しかし注文数が多くても席数の半分以下しか来店客がいなければ売上アップは難しくなります。先ずは席数を70%以上埋まった状態で回転率を上げる工夫や配慮が必要となります。

3.飲食店の回転率を上げるポイント

売上に直結する回転率を上げるポイントは幾つかあります。ある程度の長時間滞在するお客様がいても対応できるように店内のレイアウトで座席を確保したり、ホールやキッチンのオペレーションを確認したりと、スピードに繋がる戦略を行うことで回転率に好影響を与えると考えられます。ここでは回転率を上げるためのポイントを紹介していきます。

3.1 料理提供・後片付けの時間短縮

回転率を上げるポイントは、お客様が注文してからの料理の提供時間を短縮することです。そのためには、注文後の料理提供をする順番を明確にし、調理工程を減らすなどの工夫が必要です。また、お客様の退店後の後片付けはスタッフ個々が違う作業をすることでスピードアップに繋がります。例えば一人がテーブルの食器などを下げ、もう一人が洗い物に専念するということです。また、食器やグラスを下げる際に、ドリンクの注文数が多い場合はグラスを優先するなどの工夫も大切です。

3.2 ホールとキッチンの連携を取る

ホールとキッチンの連携が取れていないと非効率でスピードが遅くなってしまいます。連携が取れていない原因のほとんどがコミュニケーション不足にあります。飲食店はホールが直接お客様に接しているため、司令塔としてキッチンに調理の依頼しながらお店を回しています。そのためキッチンはホールを100%信頼しています。しかし、キッチン側ではお客様の要望を「できること」と「できないこと」があり、そこで初めて注文をとったホールと会話を交わし、言い合いになってしまうといった無駄な時間が生じてしまいます。普段からコミュニケーションを取っていればルール化することもできていたでしょう。互いの立場をリスペクトしながら、コミュニケーションを取ることで時間短縮になり回転率のアップに繋がります。

3.3 メニューの記載で工夫する

飲食店の宣伝にも繋がる黒板におすすめメニューを紹介したり、メニュー表に定番料理を幾つか記載することで来店客に直接伝わり、選びやすくなります。特にメニュー表は、お客様が直ぐに探し出せるように料理のカテゴリー分けをしている飲食店が多いですが、写真を載せることで更に早く伝わりやすくなります。回転率を上げるためには注文する段階からスピードを意識してすると良いでしょう。また、ランチタイムの行列は並んでいるお客様の待ち時間を利用してメニュー表を見てもらい早めに注文を取るようにしましょう。そうすることでキッチンは着席後までの時間を考えた上で調理するので料理提供するまでの時間短縮ができて、料理の鮮度を失うこともありません。

3.4 テイクアウト導入

テイクアウトを導入することで、満席でもお客様に料理を提供できるので、回転率を気にすることはありません。特に席数が少ない飲食店はテイクアウトメニューの魅力を最大限に活かせば売上アップに繋がる可能性は十分にあります。ただし、準備したお弁当を売るだけであれば問題はないのですが、テイクアウト注文が入った時に調理する場合には注意が必要です。テイクアウトの調理を優先して店内のお客様の対応が遅くなっては結果として回転率が低くなり売上が変わらなくなってしまいます。店内とテイクアウトのバランスやスタッフのキャパシティを考えて対応することが重要と言えるでしょう。

4.回転率と稼働率・客単価の関係

回転率を上げることで売上アップに繋がりますが、ここに稼働率はもちろん客単価も深く関わっているため併せて考える必要があります。

回転率が上がっても客席が埋まっていないと稼働率が下がります。また席が全て埋まったとしても回転することなく長時間滞在しているお客様ばかりだと回転率が下がってしまいます。滞在時間が長いお客様が多いと、客単価を上げたワンランク上のメニューを提供する必要があります。ただし、客単価を安易に上げてしまうと数回来店したお客様が離れてしまう危険性もあるので注意しましょう。客単価を上げる前に注文数を増やしてもらう施策を考えることが先決かもれません。注文数が多ければ回転率が上がった状態と同じになります。回転率と稼働率、そして客単価の3つのバランスを検討していくことが重要と言えます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は飲食店の売上に左右する回転率を中心に稼働率・客単価について解説しました。特に回転率と稼働率は売上に大きく影響します。回転率を上げるポイントを紹介しましたが、一つだけ注意しておくべきことがあります。回転率を上げることばかりに集中しないことです。お客様の満足度を得て初めて回転率・稼働率が上がり、売上の数字が成果として表れることになるでしょう。

この記事を書いた人

広田 淳