【飲食店の騒音問題】開業前に知っておくべき防音対策とクレーム対応

飲食店では様々な音が溢れています。お客様や店舗スタッフの会話、BGM、食器の音などが入り混じっており、それらの音量は程度によって店内にいるお客様がストレスを感じ騒音を発していることもあります。また、飲食店形態や立地によっては、近隣から騒音の苦情を言われることも少なくありません。
これから飲食店の開業を検討している方は、お店と音との関係性、そして音がもたらす人への影響を考えてみてはいかがでしょうか。
今回は飲食店で騒音問題を避けるための予防策やクレームがあった場合の対処法、そして防音対策が必要な飲食店とはどういう状況にあるのか解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.飲食店開業時に考える音環境

人は近隣の生活音が騒音になると不快に感じストレスを溜め込み始めます。最悪の場合はクレームが発生し、対応次第では大問題となってしまう可能性があります。飲食店の開業時に考えなくてはならないのが、このような騒音クレームの問題回避です。そのためには騒音による悪影響を及ぼさないように注意する必要があります。
先ずは、開業を考えたときに以下のことに注意をしましょう。

  • 店舗開業時に立地を考える(住宅街などは営業時間帯や防音に注意を払う)
  • 住宅街で深夜まで営業する場合は出来る限り近隣住民とのコミュニケーションを図る
  • 新店舗の工事中は騒音が発生るため周りに迷惑がかかるので、近隣住民に開店による音の詫び挨拶を前もって行う
  • マンションの一階物件(上階に住民がいるマンションなど)を借りる場合、大家さんに上階情報などを伺う

主に住宅街や郊外など周辺が静かな場所では音が響くため目立つ傾向にあります。特にカラオケバーやライブハウスなど深夜まで営業する飲食店は騒音による苦情の発生が多いです。この場合は環境省による深夜騒音等の規制に従った営業時間・音響機器の使用時間などを制限する必要があります。(但し、地域によって異なります)

2.飲食店による騒音とは

飲食店に限らずアパレルショップやスーパーマーケットなど、あらゆる店舗でもBGM、店内にいる人の声、物を動かす音が発生しています。
これらの音には限界があり、過度な反響音・騒音には様々な悪影響を与え、問題を引き起こしてしまうことがあります。ここでは、どのような騒音が人々に影響を与えているのかみていきます。

2.1 店内にいるお客様が感じる音の影響

飲食店に来店されたお客様が感じている騒音ですが、どのような心理的影響を与えているのでしょうか。

①店内にいるお客様同士の話し声
特に居酒屋などでアルコールが入ると声が大きくなって店全体が騒がしくなり、同席している連れの声も聞き取れないほどになってしまうことがあります。大きな声でしゃべらなくてはならないストレスを感じる人が多くいらっしゃいます。特に酔って大声を出すお客様には「他のお客様もいらっしゃいますので」と軽く注意をしても良いでしょう。

②厨房の調理器具や食器の扱いによる音、スタッフの話し声
ホールと厨房は区分けをしなければなりませんが、殆どがスイングドアで全体が仕切られているわけではありません。したがって調理器具の雑音、食器を落とす音などはホール(客席)に伝わってしまいます。また、スタッフの姿は見えないが話し声・笑い声などはホールに聞こえてしまうことがあります。
このような雑音はお店側が注意することで、騒音によるお客様への悪影響は避けられます。

③BGMの音量や選別
BGMはお店のコンセプトに従った音楽を流すことが多いため、どのようなお店なのか入店前に判断ができるのでクレームを言うお客様はあまりいません。また、入店時に騒がしいと感じたら入口で引き返すケースが多いようです。
来店しようとしているお客様のためにもBGMの曲選別に気を使い、朝昼夕晩それぞれに合わせた音楽を流すと良いかもしれません。また、全時間帯にあった音量調整を行い、ボリューム目盛は固定しましょう。


お客様が飲食店に来店する目的は飲食をすることです。せっかく数多くある飲食店の中から選んで入店したお店が騒音によって不快にさせてしまってはイメージダウンに繋がります。全てのお客様が騒音と感じる訳ではありませんが、お店側は防音に配慮した心地よい店づくりを試みてはいかがでしょうか。

2.2 近隣住民に与えている騒音

飲食店にとって近隣による騒音被害の訴えは致命的といってもよいでしょう。
飲食店の形態はバーやカフェのような静かなお店もあれば居酒屋やカラオケスナックなど賑やかな店舗があります。
特に大人数で入店されやすい居酒屋などは酔って大声を発することもあるので住宅街では注意が必要です。

  • 会計後でもお客様が外で数人集まり、騒ぐことがある
  • テラス席で騒いでいる人の声
  • 防音対策を行っていないためカラオケなどの音が漏れる
  • 外の音は上に上がるほど反響されるためマンションやアパート住民に迷惑がかかる

近所・近隣に住む人たちは常連となってくれる方も多いので、良いイメージを持ってほしいものです。とはいえ、せっかく来店していただいているお客様にも楽しんでほしいですね。
そのためには、防音対策を行うことです。もし騒音による苦情を受けたら度々クレームが発生しないように直ちに解決策に取り組むことが重要です。

3.飲食店開業時の騒音予防策

ここでは飲食店を開業するにあたって、騒音による注意すべき点とその予防策を考えていきたいと思います。

①業務用エアコンの室外機や換気扇による騒動音が発生する場合
予防対策⇒エアコン(室外機)の汚れやホコリが溜まると騒音の発生原因にもなるので、こまめな掃除を心がけましょう。故障や経年劣化などによる不具合が生じ異音といった騒音が聞こえてくる場合があります。異音がした際には直ちに修理をするようにしましょう。また、室外機の設置場所は隣の住宅から離すと良いです。

②生演奏やカラオケがある飲食店を開業
予防対策⇒カラオケバーやライブハウスなどの飲食店は深夜営業が多いため音が漏れないように防音していることが多いです。もし防音していない場合は、夜23時から翌朝6時までの営業は原則として音響機器の使用は認められていません。音響機器を使用する際は設計段階で防音対策を検討することをお勧めします。

③飲食店の改装工事などの音が発生する場合
予防策⇒前述したように工事前は騒音が発生します。住宅街に開業する場合は工事の前の段階で近隣に挨拶しましょう。開業前に悪い印象だけは与えないように、良いイメージで地元のネットワークを活かす方法を検討すると良いです。

④居抜き店舗の劣化による騒音
居抜き物件で開業をする場合、設備機器などの劣化が原因で騒音に繋がることがあります。
たとえばドアが古くて開け閉めに音が出る、喚起ダクトのファンベルトの劣化が原因で異音を発するなどがあります。予防策としては、店内の設備機器などあらゆる箇所の点検をする必要があります。


飲食店の開業を検討する際には、立地環境や設備機器の調査する必要があります。騒音は思わぬところで発生してしまうことがあります。店舗の設計やデザインをする段階で減音効果のある遮音材・吸音材を用い、窓や壁などに使用することを検討しましょう。

4.騒音クレームによる対応

店舗の騒音対策に取り組んでいてもお店付近でお客様が酔って大声を上げていることでクレームを言われたというケースがあります。
クレームへの対応は経営者の対応(判断)に委ねられています。「自店での騒音ではない」など対応が適切でないとお店の印象や評判が悪くなってしまいます。店舗の至近距離である場合の苦情でも慎重に対応しましょう。
※店内での騒音は損害賠償を求める法的な手段で訴えられる可能性もあります。

では、騒音問題で苦情が発生した場合、どのような対応をとれば良いのかみていきましょう

  • 先ずは感情的にならないこと、被害の程度を理解し必ず詫びる
  • 騒音状況(音の種類や時間帯等)をよく聞き、記録をして残し改善策と講じておく
  • 店舗設計に問題がないか専門家と対策・見直しを図る
  • 深夜営業の場合は営業時間を再検討する。(主に音響機器を使用する場合)
  • 話し声・大声などによる騒音はトラブルにならないように来店客には優しく注意する。

思わぬところから騒音によるクレームが発生してしまうことがあります。
飲食店にとって一番避けたいのが営業停止処分に追い割られてしまうことです。クレームを受けた場合は必ず近隣の謝罪と今後の改善策としての取り組みを説明しましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。本来、音というのは楽しくもあるものですが、騒音になってしまうとストレスを与えてしまいます。騒音の予防は店舗設計の段階で対策を講じ、それでもクレームが発生した場合は謝罪と早期改善といった対応が必要です。開業に向けて居心地の良い空間と信頼を与える店づくりを目指すと良いでしょう。

この記事を書いた人

広田 淳