美容サロンの失客原因は何がきっかけ?【失客防止策と再来店の促進方法を解説】

美容サロンへ定期的に通っていた常連のお客様がある日を境に突然来なくなり、不安を感じたという経験はありませんか?「来店しなくなった理由が見当たらないのに何故?」と悩んでいる美容サロンの経営者や従業員が少なくありません。特に常連客が失客すると売上に大きく影響がでてきます。そこで今回は、失客原因と失客対策を解説していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

1.美容サロンを通い続けている常連と来店しなくなった常連

常連のお客様は施術をしてくれる担当者との間に信頼関係が構築されているので定期的に美容サロンを訪れくれます。また、家族や友人にお店を紹介してくれたり、SNS等でお店のプラスになるような店舗情報をアップするなど広報的な活動をしてくれたりもします。とても有難く貴重な存在です。しかし、そんな貴重な存在である常連客が突然来なくなったという話をもよく耳にします。
ここでは、「通い続けている常連」や「来店しなくなった常連」というきっかけがどこにあるのか知ってもらうために、アンケート調査の結果を紹介します。

<通い続けている常連>
理・美容室を通い続けている人がどのくらいいるのか調査を行った結果、女性が62.7%、男性が37.2%で、多くの女性が自分の通う美容室にこだわりを持っていることが利用に繋がっているようです。

上表の「通い続けている理由」では、男女合計で第一位が「技術に満足している」35.8%、次に「通いやすい」27.1%。「料金が安い」17.9%、「接客に満足」17.4%という結果になりました。その中でも男性の常連客は通いやすさ(34.5%)という利便性を優先しますが、女性は満足感(39.8%)を得ていることが通い続けている理由となっています。また、「好みのスタイルを知っている」「前回の会話を覚えている」「髪・頭皮などのアドバイスをしてくれる」なども通い続けている理由となっています。通い続けている理由は、お客様一人ひとりとしっかり向き合い丁寧に施術をしてくれているのが伝わっていると考えられるでしょう。

〈来店しなくなった常連〉
次に常連だったお客様が来店しなくなったきっかけを見てみると、男女ともに「美容室や美容師への不満」43%、「通っていた常連客の生活環境の変化など」38%、「担当の美容師の退職や移動」19%という結果になりました。また、来店しなくなったお客様の内「なんとなくお店を変えてみたくなった」という理由もあります。

(出典:ノーマリズム「ヘアログ

「美容院や美容師個人への不満」は、初来店時には丁寧に施術や接客をしていたが、通っているうちに担当美容師の言葉使いや接客が雑になったことが来店しなくなったきっかけだと考えられます。馴れ合い過ぎたことで担当美容師の間違った接客による結果です。
次に常連客や担当美容師の生活(仕事など)環境による変化は止むを得ないことですが、通い続けてもらえる工夫をすることも必要です。例えば担当美容師の他店移動などは、お客様が遠方でなければ移動先店舗を紹介するといったことも良いでしょう。
また、上記回答にはありませんが、来店しなくなったお客様の中で「なんとなく」という可もなく不可もなくという理由もあります。これは「マンネリ」「飽きた」という要素も含まれているとも考えられます。前回とは違うスタイルを提案するなど、常連のお客様にとって新しい発見を感じさせるような対応が必要です。

2.新規・常連のお客様の失客原因は違う

失客するパターンはさまざまですが、新規と常連のお客様の失客原因もそれぞれ違います。
では、何が原因で失客するのかをそれぞれみていきましょう。

●新規顧客の失客原因

新規のお客様はお店に対して期待を抱いて来店します。店内の雰囲気や清潔感なども大切ですが、お客様の再来店に繋がるかあるいは二度と来なくなるか決定付けるほど接客や技術は重要です。新規顧客の失客原因は以下のことが考えられます。

  • 美容室やネイルサロンの施術が思い通りの仕上がりでなかった(技術力がない)
  • 担当してくれたスタッフとの会話が弾まない
  • 接客態度がよくない(挨拶がない、そっけないなど)
  • 常連客との差をつける(常連との態度が違うなど)

特に女性の場合、こうなりたいという思いが強いためイメージ通りの仕上がりにならないと再来する確率が低くなってしまいます。また、美容サロンという接客業にも関わらず接客態度が悪いと失客する可能性は非常に高くなります。心のこもった気持ちの良い接客をすることで、また行ってみようと思ってくれます。

●常連客の失客原因

売上に貢献している常連のお客様の失客は、美容サロンにとって非常に痛手です。
失客の原因は意外と些細なことであるとも考えられます。

  • 料金が高い施術メニューを進めてくる
  • 扱いが雑になった(施術をアシスタントに任せるなど)
  • 毎回同じようなカウセリング(マンネリ化)
  • 予約がとれなくなった

常連客は担当する美容師やエステテシャンなどに全ての施術を受けたいのにアシスタントに任せてしまうことが増えると他のお店に変えたくなってしまいます。これは常連客に対する扱いが雑になったと思われるので十分注意しましょう。また、美容サロンへ通っていくうちに高額な施術メニューを進めてきて、しかも断ると態度が変わったなども失客の原因に繋がります。常連客と担当スタッフは信頼関係で繋がっているとも言えるので、単に高額な施術メニューを進めるのではなく、お客様にとって最適なメニューを進めるようにしましょう。そして断られた途端に態度を変えると今までの信頼感が崩れ、二度と来店しなくなります。お客様は些細な言動や行動の変化をも見逃しません。接客には十分注意しましょう。

3.失客したお客様を呼び戻す方法

失客して離れてしまった気持ちを変えてもらうのは非常に難しいことです。しかし冒頭にもお伝えした通り常連客のほとんどが売上に貢献しているため、そのまま放置しておくことはとても危険です。お客様が再来店してもらうためのアプローチは必ず必要です。失客期間は定期的に来店しているお客様は約6か月~1年と考えておいたほうが良いでしょう。特に定期的に来店される回数が少ないお客様に対しては、2~3年以上になるとお店を覚えていないこともあるので、なるべく早く呼び戻すためのアプローチをしましょう。
ここでは、呼び戻す方法を幾つか紹介したいと思います。

3.1 DMを使って手書きのハガキを出す

LINEや電子メールよりお客様の手元に残るようにハガキで送るようにしましょう。内容はあくまでもご無沙汰DMですが、再来店を促すような一言を手書きで添えるとお客様は思い出してまた行ってみようと思ってくれます。再来店に繋がるきっかけ作りをします。

3.2 期間限定で特典・特別メニュープレゼント

誕生日やクリスマスなどのイベントに関連付けて期間限定で特別メニューあるいは商品(ネイルやシャンプーなど)をプレゼントする旨を書いたDMを送ります。期間限定にする目的は、お客様の背中を押しながら誘導できる仕組みとなっているからです。また、お客様に特別感を与えることも大切です。個々のお客様の悩みなど記憶してあるカルテを見直し、その悩みを解消する内容のメニューをサービスすることです。そうすることでDMを受け取ったお客様は自分のことを特別に考えてくれたのだと思い、再来店してもらえる確率が高くなります。

4.失客しない美容サロンを目指そう

美容サロンへ行く目的はキレイになるためですが、加えて自分へのご褒美、日常から離れた心地よい時間を過ごしたいと思って来店します。お客様はキレイにしてくれるための技術を買っています。美容サロンは技術を売って、接客サービスという付加価値を付けます。その付加価値である接客や会話の些細な言葉・態度が思わしくないと感じることでお客様は離れてしまいます。未然に失客を防ぐためには以下の事柄に注意しましょう。

①待ち時間・施術時間
待ち時間がかかることで考えられるのは、前のお客様が予約の時間より大幅に遅れてしまうことが多いです。お店の予約が詰まっている場合は、遅れてしまう連絡があったお客様に対して予め〇分以上遅刻されると「ご希望メニューが受けられない」もしくは「お時間を頂く場合があると伝えることも必要です。そうすることで次に予約したお客様を待たせることなく施術ができます。

②接客・会話
美容サロンの常連のお客様と施術担当との間にはどうしても馴れ合いが生じます。しかし親しみを込めるつもりでも友達感覚のような会話口調はNGです。お客様によっては不愉快に思う方もいらっしゃいます。また、会話の内容はお客様の話が9割、自分は1割程度が一番良いと言われています。相手が自分の話に共感をもってもらえることの心地よさが生まれる割合です。話上手なスタッフへの魅力を感じる瞬間でもあります。

③担当スタッフが変わった時
今まで担当してくれた美容師やエステテシャンが諸事情により新しいスタッフに変わった時は注意が必要です。技術や接客などによっては思わしくなかったと失客する可能性も少なくありません。なるべく前任者と同等クラスのスタッフを担当にするようにしましょう。また、お客様による悩みや希望スタイル、会話の有無などの引継ぎはしておいたほうが良いです。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は美容サロンにおける失客原因から対策方法まで解説しました。失客を避けるためには技術力はもちろん重要ですが、会話(口調)や接客態度も大きなポイントになります。もし失客してしまった場合は、新規顧客を獲得する時と同じように呼び戻す対策を必ず行いましょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人