【決定版】初心者でもわかる!会社設立の全手順徹底解説!

1.はじめに

「会社を設立したい!」でも、何から手をつけていいのかわからない。
そんな悩みをお持ちではありませんか?
会社を設立するにあたって、決めなくてはならないことがたくさんあります。
しかし、どれも特別難しいことではありません。自分が会社を立ち上げて何をしたいのか、しっかりと目的を持っていれば、すべて手順に沿って進められます。
これから自分の会社を作りたい!と考えている方に、会社設立に関する必要な情報「会社設立の流れ」について徹底解説します。

2.会社設立の基礎知識徹底解説!

2.1 会社の種類「株式会社」と「合同会社」はどう違う?

会社の形態には4つの分類があります。「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」です。ここでは、会社形態の主流となっている「株式会社」と「合同会社」の違いについて説明します。

株式会社と合同会社のそれぞれの特徴
株式会社の場合合同会社の場合
会社名(商号)会社名に「株式会社」を入れる会社名に「合同会社」を入れる
社会的信頼度
社会的知名度
高いやや低い
出資者の呼び名株主社員
出資者の人数1名以上1名以上
最低必要な資本金1円以上1円以上
最低役員の数取締役員1名以上社員1名以上
役員の任期原則2年。
株式譲渡制限会社にすれば定款で10年まで伸長可能。
※1
無制限
重要事項の決定権株主総会社員の過半数
決算公告※2事業年度ごとに必要不要
利益の配分出資割合による定款で自由に決められる
株式(持分)自由(譲渡制限を設けることも可能)社員全員の同意が必要
株式の公開公開できる公開できない(株式がない)
組織変更合同会社に組織変更が可能株式会社に組織変更が可能
設立時の
定款認証手続き
必要不要

※1 株式譲渡制限会社とは、全ての株式の売買(譲渡)を制限(勝手に売買することを禁止)している株式会社のこと。

※2 決算報告とは、企業が事業年度を終えて決算により明らかになった経営成績、財政状態などを株主などに報告すること。

 

株式会社の特徴まとめ
株式会社は、社会的な知名度・信用度が高いことです。もっとも一般的な会社形態といえるでしょう。
また、株式会社の最大のメリットは、株を発行して一般からの出資を募ることができるというところです。また、株式上場(公開)をできるのも、株式会社だけです。
また、決算公告義務も存在し、会社の財務状態を定期的に開示することが義務付けられております。

合同会社の特徴まとめ
2006年に「会社法」の改正により、設立が可能になりました。有限会社に代わる会社形態として、今注目されているのが、合同会社です。
組織は、経営者と出資者が同一で、出資者全員が、有限責任社員として、会社の経営に携わります。合同会社のメリットは、設立コストの安さと簡便さです。
※「会社設立に必要な費用ってどれくらい?」参照。
しかしながら、知名度や信用度はまだまだ低く、信用を最重要視する企業間のやりとりに関しては、不便な側面もあるようです。

「どの会社形態が自分自身の商売にあっているかをしっかり考えてましょう。」

2.2 会社設立の⑤つのメリットとは?

①対外的な信用度を得る事ができます。
会社設立の一番のメリットは、「高い信頼度」を得る事ができます。会社相手でないと取引しない企業はたくさんあります。営業がうまくいっても、「会社の内部規則上、個人事業主の口座には振り込めない」と言われて、取引することができないという企業もたくさんあります。また、名刺を渡すときに「株式会社」の記載があれば、取引先の信頼度を得る事ができ、営業もしやすくなります。
同じような実績を持つ個人と法人を比べると、やはり法人のほうが信頼されるのが現状です。

②豊富な節税対策ができます。
個人と比較すると節税の選択肢が多くなります。
会社でも個人事業でも、利益が多ければ多いほど「節税対策」が必要になってきます。
会社設立すれば、会社だけに認められる節税対策を行うことができます。
個人では認められていない経費(例えば生命保険の保険料、寄付金など)が費用として計上できます。また、個人ではある程度制限されてしまう家族への給料も特別高額でなければ、自由に設定することができ、税金の分散が可能です。
節税対策は、会社を設立した経営者たちが「効果があった」と答える会社設立の最大のメリットです。

③前年以前の赤字分を翌年以降繰り越すことができます。
会社設立後の項目でも説明しますが、10年間欠損金(赤字)を繰り越すことが出来ます。利益が出た場合でも前年以前に赤字があった時は、前年以前の赤字分と利益を相殺ことができます。税金は利益に税率をかけて計算するので赤字分の相殺は税金を安くしてくれます。

④相続税がかからない
個人事業主が亡くなった場合、事業用に使用していた資産(不動産や車等)など、それらが全て個人の財産になり、相続税の課税対象になります。しかし会社を設立している場合でそれらの資産を会社所有としている時は、そもそも相続税の対象になりません。

⑤ 法人税等の負担は30%前後の税率
会社の法人税率は、一律23.2%と決まっています。規模の小さい会社では利益が800万円までは15%の税率が適用されるため、実際の税率はもう少し減ることになるでしょう。また、資本金が1億円以下の会社は、地方税は一部段階税率となる部分がありますが、年間利益が1,000万円の場合、法人税、住民税、事業税を合わせた実際の税率は、利益に対して約27%となります。年間利益が2,000万円の場合は実際の税率が約32%となりますが、年間利益が3,000万円の場合でも約34%、4,000万円で約35%、5,000万円で約36%とほとんど増えません。
これに対して、個人の税率は所得税、住民税、事業税などを合わせると最高で約61%にものぼります。たとえば年間所得が1,000万円の場合は所得税、住民税、事業税を合わせた税率は約30%にもなり、年間所得が2,000万円になると税率は約40%、年間所得が3,000万円で約45%、4,000万円で約48%、5,000万円で約50%にもなるのです。
この差を考えると、会社を設立して税金(法人税等)を払ったほうが、手元に残るお金が多くなります。(いずれも東京都の場合で試算しています)

2.3 会社設立の③つのデメリットとは?

①赤字でも払わなければならない税金があります。
法人化すると、毎年税務申告を行う際に、たとえ赤字であっても支払わなければならない税金があります。それが法人住民税の均等割です。毎年7万円はかかります。

②社会保険への加入が義務づけられています。
法人化すると、健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。
金額は給与額に応じて決まりますが、ほぼ給与額に比例します。また、この保険料は会社と本人が折半する形になります。会社の負担としては、従業員が増えれば増える程大きくなっていきます。
それに比べ、個人事業主の場合は、雇用する従業員が5人未満なら健康保険や厚生年金保険への加入は任意となっています。

③設立後にも必要な手続きが多く、時間と費用がかかります。
法人化することで事務負担は明らかに増加します。会計処理は会社法に則った形で処理を行う必要がありますし、申告書も所得税の確定申告とは異なり複雑になります。
具体的に会計処理及び法人税申告、社会保険や労働保険の手続き などの負担が出てきます。
「4.会社設立後にやるべきことは?」参照。

2.4 会社設立に必要な費用ってどのくらい?

会社設立を考えている方の為に、自分で全てやってみた場合の必要な費用を「株式会社」「合同会社」一覧し比較しました。その他、会社印鑑(代表印、銀行印など)を作る予算も必要です。

会社設立に最低必要な費用をまとめてみました。

株式会社の場合合同会社の場合
定款認証手数料50,000円
定款印紙代40,000円40,000円
定款謄本代およそ2,000円
(250円/ページ)
※1
登録免許税150,000円60,000円
登記事項証明書代1通600円1通600円
印鑑証明書代1通450円1通450円
合計243,050円101,050円

※1 定款謄本代は、1枚250円です。5枚の定款の場合、250円×8枚=2,000円、となります。
※  定款に関する説明は「会社設立に必要な「定款」とは?定款作成と定款認証手続きを解説」参照

3.会社設立の手続きや手順は?

3.1 会社設立前に決めておくべき5つのこと

①社名(商号)を決める
「商号」とは会社の名前です。基本的には、名前は自由に決めることができます。ここで注意しなければいけないことは、「同一住所に同一の商号がある場合は登記できない」という点です。事前に本店所在地を管轄している法務局で類似商号がないことを確認しておきましょう。
登記で使用できる文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字及び小文字)、アラビア数字と、一定の符号(「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点))のみとなります。また、株式会社であれば、前株(株式会社〇〇)にするか、後株(〇〇株式会社)にするか、といったことも決めます。(合同会社でも同じです。)
商号調査については、「本店所在地を管轄する登記所に設置された端末」またはインターネットで「オンライン登記情報検索サービス」を利用して商号調査を行います。

②会社の所在地を決定する
会社の住所のことです。賃貸物件の場合は、事業所として利用可能か契約を確認する必要があります。会社を設立する場所については特に制限がありません。そのため自宅や自宅兼事務所も、本店所在地とすることができます。

③資本金額を決定する
上記の「株式会社」と「合同会社」の比較表にもある通り、株式会社・合同会社ともに、資本金の額は「1円以上」であれば設立することが可能です。
しかし、例えば「資本金1円」の会社の登記簿謄本を取引先や銀行など第三者が見たとき、どのような印象を持つでしょうか?
「この会社は信用できる」とはきっと思わないでしょう。
会社を設立する手続きだけでも、株式会社の場合は最低25万円以上はかかります。資本金は多いに越したことはありませんが、最低でも、事業が軌道に乗るまでの期間(例えば、6ヵ月間)を持ちこたえられるぐらいの金額にするとよいでしょう。
なお、資本金1,000万円未満の会社は、消費税が最長で2期免除されるという税金の優遇を受けれらます。できれば節税対策の為に設立当初は資本金を1,000万円未満にしておくのが無難でしょう。

④実印(法人実印)の作成
登記手続きを行う際に、提出する申請書には会社の代表印を押印する必要があります。代表印は、登記申請を行う際に一緒に届出をしなければいけません。スピード作成などで印鑑を作ることも可能ですが、大切な会社の印鑑は、きちんとしたお店で作ることをおすすめします。きちんとしたお店は、できあがるまで時間がかかるケースも多いので、類似商号のチェックが完了すると同時に準備をはじめるようにしましょう。

⑤決算月を決定する
資本金が1,000万円未満の会社の場合は、設立第1期は消費税を申告して納める必要のない免税事業者となります。
したがって、免税の期間が長ければ長いほど節税となるので、会社設立日の前月の末日(一番長く免税の期間がとれる)を決算日とするのが一般的です。(例:会社設立日が4月5日の場合、3月31日を決算日とする)
なお、決算日は、会社設立後も、事業の実情に合わせて自由に変更ができます。

3.2 会社設立に必要な「定款」とは?定款作成と定款認証手続きを解説

定款とは会社名や所在地など、会社の基本原則をまとめたものです。「定款」には、
必ず記載すべき事項である「絶対的記載事項」があります。もし、この絶対的記載事項の記載がない場合には、定款全体が“無効”になってしまうので、十分な注意が必要です。公証役場は提出した定款が法的に問題ないか認証してくれます。

定款作成時の絶対的記載事項を説明します。

① 事業目的
定款に記載していないことを会社が事業として行ってはいけません。つまり、設立時に行わない事業だとしても、将来的に行う可能性がある場合には、前もって記載しておくことをおすすめします。ここがポイントです。
定款の目的の最後に、「前各号に付帯または関連する一切の事業」追加しておきましょう。すると、新しい業務を始める場合でも、目的に関連したものであれば定款を変更する必要がなくなります。

② 商号
いわゆる会社名です。株式会社を設立する際には、商号の中に「株式会社」という文字を入れなければなりません。前株か後株かは経営者の好みで自由に決めることができます。

③ 本店所在地
自宅を本店として定める際には注意が必要です。特に賃貸の場合です。契約書を確認して「法人不可」の記載があるかどうか、しっかりとチェックしましょう。定款には、都道府県、市町村、特別区(東京の23区)までを記載する必要があります。東京23区については区までの記載となります。もちろんすべての住所を記載することも可能です。

④ 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
株式会社の設立の際に記載するのは、「株数」ではありません。出資財産額、または出資最低額を記載します。つまり、確定している額ではなく、「その最低額」を決定すればいいのです。定款作成後、定款に記載した「発起人の出資額」のうち、一部のみしか出資の履行ができないようなケースでも設立が可能ということなのです。
株式登記申請時には、資本金の額を確定する必要があります。資本金の額、発行済株式の総数が、登記すべき事項となっています。

⑤ 発起人の氏名又は名称及び住所
株式会社設立の際には、「発起人」を必要とします。発起人は、設立手続きを実際に行う人です。定款に発起人として署名する必要があります。発起人の氏名・住所は、定款に必ず記載する必要があります。記載を欠いた際には、定款そのものが無効になります。発起人は、最低1株を引き受けて設立事務を行っていきます。つまり、発起人なしには、株式会社の設立は不可能です。発起人の氏名、住所とともに、発起人の引受株数の記載が必要です。

⑥ 発行可能株式総数
発行可能株式総数については、定款認証時に定めておく必要はありません。しかし、定款に定めていない場合には、会社の成立までに、定款を変更してその定めを設ける必要があります。設立時発行可能株式総数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ることはありません。ただし、非公開会社のケースを除きます。

定款認証電子定款も上手く活用しましょう!
ここまでの流れを踏まえた上で、定款の作成をしたら、次はその定款の記載が正しいものであるかどうかを第三者に証明してもらう必要があります。「定款の認証」です。会社の本店所在地を管轄する法務局に所属する「公証役場」にて行います。定款は、紙ベースだけでなく、PDFの電子定款で準備することも可能です。紙の定款認証には収入印紙代として4万円が必要ですが、電子定款では不要になります。インターネットやパソコンの環境が整っている人は、電子定款を活用することで安く認証を受けられます。

3.3 会社設立時の資本金の支払いの仕方を解説

定款の認証を終えてから、資本金を預金口座に振込むことになります。
資本金の払込は次のような流れで進められます。

1.資本金は「振込」の必要があるため、自分名義の口座に自分名義で振込みます。
2.通帳の表紙と1ページ目、振込をしたページのコピーを取ります。
3.払込証明書を作成します。2のコピーと一緒に綴ります。
4.3の書類の継ぎ目に会社代表印を押印します。
5.法人設立の完了後、法人名義の口座を開設し資本金緒金額を個人名義から法人名義へと移します。

3.4 会社設立時に必要な登記について(書類作成、申請、登記簿謄本取得)

最終段階の登記申請に向けて、登記書類の準備をします。書類はすべてA4サイズで作成し製本します。★マークがついた書類は必ず提出する書類です。その他の書類については、場合によって提出が必要となります。

登記申請書類一覧
書類の種類記入する内容
★登記申請書・商号
・本店所在地
・登記の事由
・登記すべき事項
・課税標準金額(資本金の額)
・登録免許税
・添付書類一覧
・申請年月日
・署名
★収入印紙の貼り付け台紙収入印紙を貼り付け
★登記すべき事項を保存したCD-Rまたは記載した用紙定款で定められている事項
・商号
・本店
・公告をする方法
・目的
・資本金の額
・取締役/社員に関する事項
など
★定款作成した認証済みの定款
★払込証明書払込み証明書と通帳コピーの綴り
★印鑑届書様式の指示通りに記入
★代表取締役/代表社員の印鑑証明書印鑑届書に添付
発起人/代表社員の決定書・本店所在地を決定した旨
・設立時代表取締役/代表社員を決定した旨
・発起人/代表社員全員分の署名捺印
設立時代表取締役選定書設立時代表取締役を選定し、選定者が就任を承諾した旨
就任承諾書代表取締役/代表社員、監査役の就任を承諾した旨
役員の印鑑証明書就任承諾書に添付
調査報告書
財産引継書
資本金額の計上に関する証明書
記入例については法務局ホームページ申請様式の記入例をご確認ください
許可証許認可業種に応じた許可証
委任状代理人と定め、権限を委任した旨

登記申請に必要になるのが、収入印紙です。法務局内に登記申請書に貼る収入印紙が購入できる販売所があります。事前に郵便局で購入することも可能ですが、登記申請書に貼る印紙は、通常15万円と高価になるので、まずは法務局で書類をチェックしてもらい、提出する直前に販売所で購入してから貼ることがおすすめです。無駄にしないためにも、内容に不備はなく、このまま申請に進める!という状態で貼るようにしましょう。

郵送での登記申請も可能
会社設立は何かと時間と手間がかかり、忙しくて法務局に行く時間もないという人も多いかもしれません。登記申請は郵送でも可能です。
宛先は管轄の法務局にして、封筒の表にはしっかりと「登記申請書類在中」と記載して郵送しましょう。郵便の種類に指定はありません。普通郵便でも問題なく受理されます。しかし、安心なのは、書類が管轄の法務局にきちんと届いたことを確認できるように、書留または配達記録郵便などにしておくことです。

会社を登記する際に、代表取締役や代表社員の個人の印鑑証明書が必要となります。あらかじめ準備しておきましょう。

4.会社設立後にやるべきことは?

4.1 税務署へ申請する開業届の基本の提出方法

1. 法人設立届書
届出時期:設立後2ヶ月以内。
税務署と都道府県、市町村に法人設立届を提出します。これは各種税金を納めるために必要となります。 また、同時に青色申告の承認申請書も用意しておきましょう。これは義務ではありませんが税制上で大きなメリットを得られますので、必ず提出すべきでしょう。

2. 青色申告の承認申請書
届出時期:「設立から3ヶ月を経過した日」か「最初の事業年度終了の日」のどちらか早い日の前日まで。
申告には青色申告と白色申告があります。青色申告は、10年間赤字を繰り越す事が出来るなどのメリットがあります。 青色申告は会社設立後、3か月以内に出さなければならないので、期限を過ぎないように注意する必要があります。

3. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
届出時期:特例を受けようとする月の前月末まで。
従業員が10名未満の小規模な会社の場合、納付を年に2回(1月20日と7月10日)にする事ができる特例があります。 適用を受ける為には、申請書の提出が必要となります。毎月納めるのは面倒な事ですので、負担を軽減させる為にも申請した方が良いでしょう。

4. 給与支払事務所等の開設届出書
届出期限:給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内。
従業員等に給与を支払うために提出が必要な書類です。「開設年月日」「給与支払を開始する年月日」「届出の内容及び理由」などの記入欄があります。

5. 納税
年間の営業活動を明らかにして、きちんと納税をするための確定申告が必要です。
法人がしなければならない、確定申告は法人税等の確定申告と消費税の確定申告の2つにわけられます。

【法人税等の確定申告】
法人税の確定申告は、どの企業でも共通して行わなくてはならないものです。特別な理由もなく法人税の申告を怠ると、脱税にあたる可能性もあります。
なお、法人税の確定申告書は税務署に提出するものですが、ほかに都道府県に提出する申告書、市町村に提出する申告書があります。
都道府県宛の申告書、市町村宛の申告書、どちらも地方税の課税に使われるもので、税務署に提出する法人税の確定申告書をベースに作成します。

【消費税の確定申告】
消費税の確定申告は、消費税事業者の場合に必要になるものです。
消費税事業者とは、個人でも法人でも、売上1,000万円を超える事業者のこと。
消費税の確定申告は、法人税とは違い、前年ではなく、前々年度の売上高が基準になります。
前々年度の売上が1,000万円を超えると申告の必要がありますが、超えなければ申告の必要がありません。
売上高が1,000万円を前後する事業者の場合、申告の有無が変化するので注意するようにしましょう。
その他、細かいルールがあります。税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

4.2 法人銀行口座の開設

基本的に各銀行で口座開設時に必要となるものは以下のものになります。

・身分証明書
・口座を開設する為の依頼書
・登記簿謄本
・会社定款
・代表印
・使用する銀行印
・印鑑証明書

上のようなものが必要となってきます。 銀行によっては、他のものが必要であったりする場合もありますので、事前に問い合わせておく必要があるといえるでしょう。また、口座開設までには、銀行に申し込んでから1ヶ月以上かかる場合があります。主要な取引が始まるまでに早めに手続きを始めましょう。

4.3 社会保険・労働保険加入と加入後の事務手続き

会社設立時には資金の関係でといった理由で、加入していない会社が多いのですが、加入は義務づけられています。ちなみに、個人事業主の場合でも、従業員を5人以上雇用している場合は社会保険の加入が必要となります。手続きは最初にまとめて片付けてしまった方が後が楽なので、一気に終わらせてしまいましょう。

会社が加入する社会保険一覧と、社会保険・労働保険の事務業務年間スケジュールをまとめました。

会社が加入する社会保険
社会保険健康保険私傷病になったときの医療保険
厚生年金老齢厚生年金などの年金給付
介護保険会社で扱うのは保険料の徴収のみ
労働保険労働者災害補償保険業務上・通勤途上の災害・疾病補償
雇用保険失業手当
社会保険・労働保険 事務業務年間スケジュール
労働保険関連社会保険関連
4月・新入社員の入社手続き
・高年齢雇用保険免除の確認
・新入社員の入社手続き
・健康保険料率、介護保険料率の改定
5月・被扶養者状況リストの準備
6月・労働保険年度更新の準備・算定基礎届の準備
・賞与支払届の提出
※支給後5日以内
7月・労働保険年度更新の申告(~10 日)
・労働保険料の納付(~10 日)
・高齢者雇用状況報告書、障害者雇用
状況報告書の提出(~15 日)
・算定基礎届の提出(~10 日)
・4月昇給者の月変チェック(★2)
※新しい保険料による控除は8月から
・被扶養者状況リストの提出(~31 日)
8月・7月月変者の社会保険料の改定
9月
10月・労働保険料第2期の納付(~31 日)
※延納の場合
・定時決定による社会保険料の改定
・厚生年金保険料率の改定(★1)
11月
12月・賞与支払届の提出
※支給後5日以内
1月・労働保険料第3期の納付(~31 日)
※延納の場合
2月
3月・退職者の資格喪失手続 ・退職者の資格喪失手続

★1 :保険料を当月控除している会社は、健康保険及び介護保険の保険料率の改定は4月に、
厚生年金保険料率の改定と標準報酬月額の定時決定結果の反映は9月に行ってください。
★2 :標準報酬月額の変更は、昇給があった月から支払う3か月の給与で決定します。
上記の表では4月に昇給があった会社を例にしています。
4,5,6月に支払った給与を元に7月に標準報酬月額の随時改定を行い、8月給与から新しい保険料の控除開始。

【労働保険更新手続き】
労働保険は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算します。労働保険は、概算で保険料を納付して保険年度末に賃金総額が確定したあとに確定と概算の差額を精算する方法になっています。つまり、前年度の概算と確定の保険料の誤差を精算するための申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが必要となります。

【住民税改定】
住民税の額は5月下旬頃に市区町村から会社へ通知され、給与からの控除は6月から翌年5月までが1クールです。年税額を12で割り半端な額は6月分に加えるので、通常は6月分と7月以降分の額が異なります。

【算定基礎届の提出】
7月1日現在で雇用している従業員の健康保険と厚生年金の等級の決定を行います。7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間(4~6月)の報酬月額を「算定基礎届」により届出します。
決定し直された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)は固定され、納めていただく保険料額の計算の基礎となります。

【労働保険料納付】
雇用保険料は従業員の給与から控除しますが、労災保険料は会社が全額負担するので控除しません。会社がそれらの保険料を納付する時は、一括納付(7月10日まで)又は3回(7月10日、10月31日、1月31日まで)に分割します。

【年末調整】
一年間の給与から生命保険などを考慮して、年間の税金を計算します。毎月概算で給与から天引きしている源泉所得税との差額を従業員へ還付したり、徴収したりします。
この一年の給与の計算結果を従業員さんへお渡しします。これを源泉徴収票と言います。

【社会保険料の料率改定に注意】
健康保険料と介護保険料の料率は、毎年春に見直しが行われます。3月又は4月分から料率が変更になる場合がありますので、その時期の情報に注意しましょう。
「社会保険料の料率は春と秋に注意」と覚えておきましょう。

5.会社設立登記前後に用意しておきたいもの

会社設立後にあわてないためにも、設立登記の準備と合わせて用意したいものがいくつかあります。登記後すぐに営業・PR活動ができるように、以下のものは優先的に用意しておくと事業開始後、慌てないですむでしょう。
①企業ロゴ
②名刺
③ホームページ
④挨拶状
⑤会社概要チラシ
⑥営業資料
⑦経営管理体制

6.まとめ

ここまでで、会社設立に関する手続きは終わりです。
当然のことですが、会社を設立して開業することは決してゴールではありません。
法的な会社設立手続きを終え、早期に売上を立てるなど事業開始をスムーズにスタートできるようになります。
早めに準備を済ませるためにも専門家(税理士、社労士、司法書士)に相談したり、任せる事も懸命な選択と言えるでしょう。信頼できる専門家(税理士、社労士、司法書士)を探すことも重要です。