居抜き物件を利用した歯科医院の開業についてメリットと注意点を解説

  • 「歯科医院を開業するにあたり、居抜き物件を探したいがどのような手段がある?」
  • 「知り合いで開業している方が高齢のため閉業、居抜きで買い取るか迷っている。」
  • 「居抜き物件で開業するメリットと注意点を知りたい。」

このようなお悩みや疑問を抱えている歯科医院経営者の声を多く聞きます。
この記事では、居抜き物件を利用して、歯科医院開業をするメリットデメリット、開業までの手順、注意したいポイントを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.居抜き物件を活用した歯科医院の開業とは?

居抜き物件を活用した歯科医院の開業とは、既に歯科医院として使用されていた建物を、そのまま利用して自分の歯科医院を開業することです。
居抜き物件を活用することで、新築建築物を建てるよりも、建築費用や内装費用が抑えられるため、経営の負担を減らすことができます。
また、既に歯科医院として使用されていたため、設備や許認可手続きなどが整っている場合が多く、開業までの時間が短縮されるというメリットもあります。
ただし、居抜き物件を利用する場合でも、必ず内装や設備の改装が必要になるため、その費用も考慮する必要があります。

2.歯科医院におすすめ!居抜き物件のメリットとは?

2.1 費用削減できる

居抜き物件は、診療室や受付、待合室などの設備がすでに整っているため、新規に設備を用意する必要がありません。
そのため、資金的負担が少なくて済み、費用削減につながります。

2.2 早期開業できる

居抜き物件は設備が整っているため、新規開業に比べ、開業までの期間が短縮できます。
待合室や診療室などのリフォームや設備工事が不要なため、移転後すぐに診療を開始することができます。

2.3 既存の患者層の引継ぎ

歯科医院の居抜き物件は、既存の患者層が存在する可能性があります。
そのため、新規開業よりも既存の患者層を引き継ぐことができる可能性が高く、開業後の集客につながります。

2.4 地域情報の獲得できる

居抜き物件は、以前に入居していた歯科医院の周辺地域の情報を入手することができます。
そのため、周辺地域の医療ニーズや地域性、競合医療機関の情報を獲得することができ、適切な医療サービスを提供することができます。

3.歯科医院の居抜き物件を選ぶ際に考慮すべきデメリットとは?

3.1 既存の設備に修繕や改修が必要となる可能性がある

居抜き物件は前の歯科医院が使っていた設備や内装を引き継いでいるため、修繕や改修が必要となる可能性があります。前の歯科医院が利用していた期間によって設備が陳腐化していることがあるので注意が必要です。

3.2 レイアウトが制限される場合がある

居抜き物件は、前の歯科医院のレイアウトに合わせて設計されています。
歯科医院にとっては効率的なレイアウトは重要です。
レイアウトと合わない場合は、改装が必要になり、コストがかかる場合があります。

3.3 隣接テナントとの関係

隣接テナントが違う業種である場合、その業種によっては音や匂いが問題になることがあります。また、隣接テナントの医療機関と競合する場合もあるので事前に調査が必要です。

3.4 賃料や費用の問題

居抜き物件は、設備や内装が揃っているため、通常は相場よりも高い賃料が設定されている場合があります。

4.スムーズに進めるための歯科医院の居抜き物件手順

手順①:目的の明確化
居抜き物件を探す前に、まずは自分たちが求める歯科医院の規模や設備、希望するエリアなどを明確にすることが大切です。これにより、物件探しの範囲が絞られ、スムーズに探すことができます。


手順②:物件探し
居抜き物件の情報を収集します。物件探しは、不動産業者やインターネットの物件情報サイトを活用して情報を収集しましょう。物件探しの際には、立地や条件を細かく絞り込んで、複数の物件を比較検討することが大切です。


手順③:物件の内覧
物件を借りる前には必ず内覧を行い、実際の状況を確認することが重要です。内装や設備の状態、設備の更新履歴などを確認し、問題があれば修繕や改装を検討する必要があります。


手順④:契約条件の交渉
物件を決定したら、契約条件を交渉します。契約書には、賃料や敷金、更新料、改装費用などが記載されているため、細かく内容を確認し、条件の調整を行いましょう。
必要であれば、弁護士や不動産業者にアドバイスをもらいながら交渉を進めましょう。
契約条件が決定したら、契約書を作成します。契約書には、物件の詳細情報や契約条件が記載されます。契約書に納得したら、契約を締結しましょう。


手順⑤:改装工事
契約が完了したら、改装工事を進めます。
歯科医院に必要な設備を設置し、内装の修繕や改装を行います。
改装工事は、設計・見積もり・許認可申請・施工という一連の流れを行うことになるため、時間やコストに余裕をもって計画を進めましょう。


手順⑥:検査と許認可の申請
居抜き工事が終わったら、保健所などの検査を受けます。
必要に応じて、許認可の申請を行いましょう。


手順⑦:オープン準備と宣伝活動
改装工事が完了したら、設備の設置や清掃などを行い、オープンに向けて準備を進めます。
看板やパンフレットなどのデザイン、ウェブサイトの作成、スタッフの募集などを進めましょう。

5.居抜き物件の選び方と注意点

注意点①:立地選びは重要
歯科医院は患者が来やすい場所にあることが望ましいです。
交通の便がよく、駅やバス停からのアクセスが容易な場所が選ばれることが多いです。
また、近くに競合する歯科医院がないか、存在する場合でも自分たちの特色を出せるかを確認しましょう。


注意点②:診療に必要なスペースを確認する
歯科医院は患者を受け入れるだけでなく、医療機器や薬品の保管場所、医療スタッフの待機場所などが必要です。
そのため、居抜き物件の広さを確認し、診療に必要なスペースが確保できるかどうかをチェックすることが大切です。


注意点③:設備・備品を確認する
居抜き物件には既に設備や備品が揃っている場合がありますが、それらが歯科医院に適しているかどうかを確認する必要があります。
また、必要な設備や備品が不足している場合は、追加購入が必要になるため、その費用も考慮してください。


注意点④:建物の状態を確認する
居抜き物件は、前のテナントが使用していた建物をそのまま引き継ぐため、建物の状態には注意が必要です。建物の老朽化や、配管や電気系統の劣化などがある場合は、修繕や改修費用を見積もる必要があります。


注意点⑤:契約条件を確認する
居抜き物件を借りる際には、契約内容にも注目しましょう。
契約期間や家賃の値上げ条件、修繕費用や敷金・保証金の有無、退去時の手続きなどが含まれます。しっかりと確認し、不明点は質問しておくことが大切です。

さいごに

いかがでしたか?居抜き物件を利用して、歯科医院開業をするメリットデメリット、手順、注意したいポイントを解説しました。
居抜き物件を利用することには、新築物件に比べて比較的安価に物件を入手することができるというメリットがあります。ただし、建物や用地の法的な権利関係や都市計画法上の規制、周辺環境などを調査し、契約内容に問題がないかを確認することが大切です。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人