歯科医師がフリーランスで働くメリット・デメリットとは?フリーへの準備も解説!

近年、さまざまな企業で多様な働き方を求めている人が増加しています。働き方によって向き不向きがあるので多少異なりますが、フリーランスという働き方は組織・団体に縛られることなく自分のペースで働けるのでストレスが減少し、能力の発揮に繋がると考えている人が少なくありません。
歯科医師も同じように、フリーランスとして働いている方がいらっしゃいます。
今回は歯科医師でフリーランス(非常勤)として働くメリット・デメリット、そしてフリーになる前にどのような準備をしたらいいのかを解説していきます。

1.歯科医師フリーランスの働き方

フリーランスとは団体・組織と雇用契約を結ばず、個人で請け負うといった働き方のことです。そのため、企業から賃金を支払われるといった労働者に該当しないので「労働基準法」に適用することはありません。
歯科医師がフリーランスとして働きたいと思われている方も少なくありません。多くの歯科医師は業務委託という形で働いていることが多いのですが、この場合も労働基準法が適用されません。フリーランスはさまざまな働くパターンがあるので、自分にとってどういう働き方があっているのか検討してから選択しましょう。
ではここで、フリーランス歯科医師の働き方をみてみましょう。

  • 定期非常勤:決まった日数や時間で働くスタイルです。この場合は歯科医院との契約になりますが、時間外勤務や緊急業務などはなく比較的安定収入を得ることができます。
  • スポット勤務:スポット勤務は単発で働くスタイルですが、長期治療することは難しいです。学校や企業、施設などに出向き歯科検診を行ったり、常勤医師が一定期間不在になった時に代って業務を行うことがあります。
  • 定期的非常勤と不定期で勤務:決まった日時での勤務を確保しながら、他の歯科医院でもスポットで働く方法です。
  • 個人事業主として開業:フリーランスが法人化せず税務署に「開業届」を提出した場合は個人事業主と言いますが、独立して自宅や商業施設などで診療します。
  • オンライン診察:歯科医院でスポット契約を結びながら、空いた時間または時間を作って治療はせずリモートで患者さんの歯に関する相談に応じ、アドバイスを提供します。

2.フリーランスで働く歯科医師のメリット

ここでは、歯科医師がフリーランスとして働くメリットはどこにあるのかみていきます。


①自由度の高さ
フリーランスは組織に属さないため縛りがあまりなく、自分の都合に合わせた働き方が可能です。また、人間関係で悩むこともありません。常勤医師に比べ、圧倒的に自由度が高いので仕事とプライベートがバランスよく保たれることでしょう。


②高収入になる可能性
もともと歯科医師は専門分野の仕事である高収入を狙えますが、地域や契約形態によって差異はあるものの働いた分だけ収入を得られます。そのため、長時間または勤務日数を増やすことで収入は高くなります。


③さまざまな歯科医院を選択できる

歯科医師免許を取得していることで歯科、小児科歯科、矯正歯科、審美歯科などさまざまな分野での診療が可能です。ひとつの専門分野を極めながらスポットで他の分野で働くことができます。


④スキルアップに繋がる
さまざまな歯科医院と並行して働くことで、新たなスキルや経験が身に付くため自立性を促進します。また、さまざまな歯科医師から学ぶこともあるので単調になりにくいです。柔軟な対応と医師としてのモチベーション向上に繋がります。

3.フリーランスで働く歯科医師のデメリット

歯科医師がフリーランスで働くことは多くのメリットがある反面、デメリットもいくつかあります。

①収入が安定しない
フリーランスは働いた時間・日数だけ収入につながることがメリットと前項で解説しましたが、必ずしも仕事が継続的にあるとは限りません。仕事が空いてしまった場合は当然収入に繋がりません。また、体調を崩して長期休暇となってしまった場合には、勤務している歯科医院での十分な保障が受けられないことがあります。休んだ分の収入は得られないので、自発的に健康管理を行うようにしましょう。


②社会的信用度が低くなる可能性がある
毎月決められた給料があることを見込まれている常勤医に比べ、フリーランスは前項で述べたように不安定です。そのため月々の収入に大差が生じてしまうことがあります。その場合、住宅ローンなど金融機関に申し込む際に審査で不利になってしまいます。


③福利厚生の保障
フリーランスで働く場合の福利厚生は殆ど受けられることができません。また、常勤医は歯科医師向けセミナーなどがあった場合は医院からの料金負担になりますが、フリーランスは自身が負担しての参加になることが多いです。

4.フリーランスになる前の準備

歯科医師がフリーランスになる前にどのような準備をしたらいいのか解説します。
計画的に進めるようにしましょう。

①市場ニーズとスキルの再認識
フリーランスとして働くためには、自分のスキルや経験、資格などを再確認した上で市場のニーズがどのくらいあるのか調査します。また、強みや弱点なども把握しておくことで自分を売り込みやすくなります。


②目指す歯科医院の働き方
歯科医院での働き方にはいくつかの形態があります。歯科矯正・審美歯科・インプラントなど、自分がどのような形態で勤務したいのかあるいはできるのか決めておくことが大切です。


③社会保障・税務関係の準備
勤務医と違ってフリーランスの歯科医師国保の加入や、確定申告は自身が行います。税務申告に必要な知識を学び、不明な点は税理士などに相談するようにしましょう。


④ワークバランスの確保
勤務時間や日数を決めるときは自分のプライベートとバランスよくとるようにしましょう。
フリーランスとしての活動時間は計画的に進めると、効率の良いワークバランスの維持が可能です。


⑤健康管理
働けば働くほど収入に繋がるからといって休みを削ってまで働くと、ストレスや疲れが溜まる一方で健康に害を与えてしまいます。無理な計画はせず、健康管理を十分行うことでフリーランスとしての働き方で成功します。

さいごに

いかがでしたか。専門分野の仕事だからこそフリーランスとして働き、スキルと実績が活かされる歯科医師。自由度が高く、収入面も満足いくものであればメリットに繋がりますが、デメリットも存在します。フリーランスとして働いて良かったと思うためには、やるべき準備をしっかりすることで、メリットの比重も大きくなります。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人