歯医者の患者満足度向上~安心できる医師の対応と院内環境づくりがポイントに~

歯医者が安定経営を目指していく上で、患者の満足度が高いということはとても大切です。しかしながら、歯医者に対して苦手意識を持っている人が多くいらっしゃいます。
特にキーンという音に抵抗を感じ、治療は痛いというイメージを持っている人が少なくありません。歯医者は、このような苦手な患者さんの不安を取り除くことが必要とされ、来院することで満足できるような院内環境づくりをしなければなりません。
今回は、患者満足度を高めるためのポイント中心に解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。

1.患者が感じた満足度の高低の違い

歯医者は「痛い」「怖い」などネガティブなイメージを持っている人が少なくありません。中には一度の診断で納得いかず、他の歯医者で診てもらう「はしご受診」をしている人もいらっしゃいます。そうなると治療費の負担がかかり、時間のロスにも繋がります。もちろん歯医者にとっても決して良いことではありません。
そうならないためにも歯医者は患者さんに満足してもらうための取り組みが必要となります。歯医者に通院するかどうかの判断は満足度の高低によって決められることが多くあります。では、どのようなことに満足度の向上または低下を感じているのでしょうか。


●満足度の高い場合

  • 診察室、待合室の快適さと清潔さ
  • なぜ症状がでたのか患者さんが理解できるように丁寧に説明してくれる
  • 今後の治療内容(治療期間や費用・アドバイスなど)を分かりやすく説明してくる
  • 痛くない治療を心がけている
  • 歯科医師の人間性・相性が良い

●満足度が低い場合

  • 診察室、待合室が快適でない、掃除が行き届いてない、騒がしい
  • 歯科医師の診察で抵抗感(例:素手で治療、一方的な治療)
  • 症状や今後の治療についての説明が不十分、分かりづらい
  • 他のスタッフへの対応の悪さに違和感
  • 歯科医師の相性が悪い

患者さんが決めている満足の判断基準はさまざまですが、「歯科医は清潔であってほしい、適切な治療の説明やアドバイスを受けたい、痛くない治療をしてほしい」などの思いが多いです。満足度が高いということはが患者数を上げるということに繋がります。患者満足度の高低の差が無いことで安定した経営を確保するこができるでしょう。

2.患者満足度を高めるためのポイント

前項で多くの患者満足度の高低によってかかりつけの歯医者になるかどうか判断していることが分かりました。
ここでは、安心できる環境を患者さんに提供し、満足してもらえるためにはどのようなことが出来るのを解説していきます。

2.1 院内環境で好印象を与える

初診の患者さんは歯医者に期待感はあるものの、不安や恐れも抱いています。
通いやすく落ち着いて治療をしてもらうために設備や快適な環境の取り組みを行うことが大切です。先ずは、院内環境を整えることです。ここで、(歯科医院)環境を内部と外部のふたつに分け、以下のような環境づくりに着目していきます。


〈内部〉

  • 待合室やトイレなどの清潔さを保ことや照明を明るくする。
  • 絵画や生花などのディスプレイによる快適な空間つくり。
  • 高齢者などへの配慮(バリアフリー)、お子さん連れのためにキッズスペースの設置やトイレのおむつ交換場所を設けるなど。
  • 診察室は治療スペースを広くとる。
  • 最新機器の導入(新しい機器での治療法をすることで患者さんに安心感を与える)

〈外部〉

集患のために来院のきっかけづくりをした上で外に向けて発信します。

  • SNSの配信やホームページなどで認知度を高める。
  • 看板で誘導。チラシを作成しポスティングする。

外部は集患のための対策で、内部は来院した患者さんが直接感じる院内環境です。
外部によって得た期待感と内部で感じたときのギャップがなければ、患者さんの満足度の高さに繋がるということになります。

2.2 医師本人の対応力

歯科医師の対応で患者満足度は決まるとも言われています。
来院された患者には症状について丁寧に説明した上で、通院を要する場合にはどのような方法で治療をしていくのか分かりやすく伝えなければなりません。医師が説明したことに納得していない患者さんがいる場合は、いつでも質問してもらえるような体制をつくることも大切です。患者さんは医師の説明やアドバイスの仕方によって信頼できるかどうかの判断をしています。

2.3 待ち時間の短縮

一般的に歯医者は予約して行きますが、予約の時間になったら治療が始まるということは難しいですね。実は患者が医療機関全てにおいて、待ち時間に不満を持っている人が全体の47%もいると言われています。待ち時間の要因は治療時間の他に患者さんへの説明時間の長さにもあるようです。歯科医師は治療時間の枠を決めて予約を入れていることが多く、その時間内で説明やアドバイスなども伝えなければなりません。説明を短くすると伝え方が不十分であったり、長いと他の患者さんを待たせてしまい満足度が低くなったりしてしまいます。時間の使い方のバランスを保つことが重要となってきます。
要点をまとめた説明やアドバイスをするなど、改善することがポイントとなってくるようです。

2.4 コミュニケーションを図る

患者さんに満足してもらうためには、相手の立場に立ったコミュニケーションスキルが求められます。また、現場で働くスタッフと歯科医師の間でのコミュニケーションも必要とされています。

〈患者さんとのコミュニケーション〉
治療に伴うリスクを伝えた後は、患者さんの意見を聞くということも大切なコミュニケーションです。たとえば、コミュニケーション不足のため歯科医師の一方的な治療方法で思っていた費用より高く請求されたというケースもあります。幾つかの治療方針法がある場合は、その中から選択してもらうなどすると良いかもしれません。
カウセリングを行い、適切な提案(治療等)をしながらコミュニケーションを図ることでお互いの考えていることが一致するようになります。

〈スタッフと歯科医師のコミュニケーション〉
歯科医師によるコミュニケーションの相手は、もちろん歯科衛生士や受付スタッフ、歯科助手などもいらっしゃいます。院内コミュニケーションのことです。専門職であることは自己尊重性が高いことが多く、間違った方向にいくとコミュニケーションが不足してしまう傾向にあります。患者さんが来院した時は、常に院内で見られているという意識をすることでコミュニケーションスキルが高まります。

3.歯科医師に満足していること

患者満足度の高い歯医者とは、実は医師の技術面と同じぐらい信頼できるということです。患者さんが求めている治療がどのようなものかを考えながら治療内容についての説明ができる医師です。計画を立てて円滑なコミュニケーションができるかということが重要です。

引用:歯科医療に関する一般生活者意識調査(日本歯科医師会)

上記は歯科医師や歯科医院に対して満足している理由のアンケートです。
「治療が丁寧で上手だと思ったから(治療中の人48.6%)(治療経験者51.1%)
が最も多く、その他の理由を見てもほぼ同じように「予約通りに治療してもらえる・待ち時間がない(治療中の人32.7%)(治療経験者33.1%)」「治療前に治療方法を分かりやすく説明(治療中29.5%)(治療経験者34.2%となっています。
また、「日常のアドバイス」「わかりやすい説明」などの回答も見られました。
これらを見ても医師の技術力、丁寧さ、説明などが十分必要になってくることが分かります。患者さんは素人で治療に関してはよく分かりません。治療後に「痛みがとれない」「詰め物が直ぐとれた
「見た目の違和感」などで医師に対する技術の評価を決める傾向にあります。こうした中で満足するかしないか左右されることが多々あります。

患者さんを安心させて納得してもらえるような説明をすることで信頼感を与えることができます。求められる歯医者になることで、患者満足度の向上に繋がります。

さいごに

いかがでしたか。患者満足度の向上は歯科医師・歯科医院にとって非常に高い位置にあります。特に歯医者は口コミが多く、患者満足度が高くなれば人のつながりで来院頻度が増加します。また、予防歯科といったメンテナンスの期待値も高くなります。
ぜひ本記事で取り上げた満足度向上のためのポイントを押さえた取り組みを実行してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人