美容業界が考えるSDGs~持続可能な取り組み事例とそのメリットを紹介~

近年、業種業界問わずSDGsに対しての関心が高まり、前向きに取り組む企業が多くなりました。こうした中、美容業界においてもSDGsの取り組みは大きな重要ポイントとなり、課題に向けての意識の高まりをみせています。美容に関連した取り組みとSDGsの目標である項目を結び付け、何が出来るのか考えた上で実行に移すことが求められています。

本記事では、美容業界が社会課題の解決に目を向けるために、どのような取り組みができて、どんなメリットがあるのか見ていきたいと思います。ぜひ参考にして見てください。

1.SDGsの17の目標

ここ数年、SDGsという“言葉”をよく目にしたり、耳にしたりしているかと思います。
既に、多くの化粧品・美容業界でも個々が持続可能な取り組みを考え、活動しています。
ここでは、SDGsの17の目標について解説していきたいと思います。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」の略称です。
2016年から2030年までに社会、経済、環境による世界問題を解決していこうという開発目標のことです。2015年に国連サミットで、日本を含む国連加盟193か国のリーダー達によって問題解決を達成するために目標を挙げられました。

17の目標と169のターゲットで構成されています。

これらの目標を一人ひとりが意識し、行動することによって世界が変容することになるということです。
※詳細は外務省のホームページ「Japan SDGs Action Platform」からご参照ください。

2.美容業界が取り込めるSDGs

美容業界は美容院、化粧品、エステなど多種多様な専門的な要素が存在していますが、共通しているのがお客様の美をサポートしているということです。しかしその一方で、美容院ではゴミとなってしまう髪の毛や汚れがたくさんあり、シャンプー時の水量、ドライヤーなどの電気の使用量も多いです。また、化粧品産業は環境問題に関連するプラスチックなどの容器が多く使用されています。
このような環境に関する問題解決のために、どのような取り組みができるのか、そして他の目標解決においても何ができるのか考えていきたいと思います。

2.1 環境負荷の低減を目指す

美容院では、化学物質(合成界面活性剤等)が含まれたカラー剤やパーマ液、シャンプー(洗浄剤)を大量に流すため水が汚染してしまいます。その結果、水質汚染に繋がり地球環境に大きな影響を与えてしまうと考えられます。ここで、サステナブルな取り組みとして以下のことができます。

●環境や髪の健康に配慮した製品選び、エコ活動
<目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」>


薬剤を余らせないように計量したり、カラーなどで汚れた部分は水で流す前にふき取ってから流したりすると良いです。

また、植物由来の成分でできたオーガニックやヴィーガンといったカラー剤を使用することも取り組みのひとつです。安心・安全な製品で次世代にも繋げられる、人にやさしいカラー剤、シャンプーを提供することができます。健康や環境に配慮したサステナビリティを意識した製品だと言えるでしょう。
店販のシャンプーなどの容器は、プラスチックが多くあります。お客様が持参したボトルで量り売りをすることで、ゴミの削減にも繋がります。

その他、化粧品産業においても詰め替えタイプの商品販売などを積極的に取り組み、プラスチック削減へと繋げています。このような取り組みは、「価格や地球環境にもやさしい」という企業イメージが残ります。

2.2 美容業界の育成・働き方改革

美容業界のなかでも美容師は長時間労働というイメージがあります。夜遅くまで働き、決まった時間でお昼休憩の確保も難しいため「キツイ」という印象を持つ人が多いのではないでしょうか。このキツさは好きな仕事だけでは乗り越えることが難しいのが現状です。夢を与える仕事は自分自身も夢を持つことが大切です。
ここでは美容業界の働き方改革を見直すという意味でもSDGsの取り組みを検討してみても良いかもしれません。労働環境を整えることは、働き甲斐と人材の育成に大きな影響力を与えます。

●ステップアッに繋がる仕組み作りと人材育成
<目標8「働き甲斐も経済成長も」、目標4「質の高い教育をみんなに」>

目指すは労働環境の整備です。プライベートを充実させることで働く意欲が高くなります。さらに個々のレベルに合わせてステップアップできるような仕組み作りをすることも大切です。たとえば、部外講習を取り入れるなどして、スタッフ全員が技術を習得させて働き甲斐を感じてもらうことです。また、質の高い教育を与える環境づくりを取り入れることで、スタッフが成長し続けられるので離職率の低減にもつながります。

2.3 ヘアドネーションの活動

美容院がSDGsの取り組めることは多数ありますが、「髪の寄付」も挙げられます。
これをヘアドネーションといいます。先天性や心因性よる脱毛症などで髪を失った方や、ガンや病気を抱えている子供をはじめ、さまざまな方のために、寄付された髪の毛でウィッグを作って無償で提供するという仕組みです。

●悩みを抱えている人へ手助けをする
<目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標10「人や国の不平等をなくそう」>


美容院でカットした髪の毛を寄付できるのは、ヘアドネーションを扱う団体があり、そのなかで賛同しているサロンが多数存在しています。

※上記は一例で、他にもいくつかの団体があります。
ただし、寄付できる条件があるので各個人および美容サロンで把握しておきましょう。

  • 髪の長さ31センチ以上
  • カビや雑菌を防ぐため乾いた髪で行う
  • カット前は髪を濡らさない
  • 寄付の送付は美容院が代行して寄付の送付はできない(カットした髪はお客様に渡す)

2.4 社会的・文化的の差別は不要

近年、美容業界における「ジェンダーレス化」が進みつつあります。
SDGsは、女性が主要な化粧品業界や美容サロンなどでも差別することなく平等であることを目標としています。

●多様化する顧客ニーズおよび人材の活躍を支援
<目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標10「人や国の不平等をなくそう」>


ジェンダーレスやジェンダーフリーという言葉が深まる中、化粧品なども男性用化粧品などの商品が目に留まるようになりました。女性用・男性用などと区別することなく、どなたでも使用できる商品ということを通じてジェンダーによる平等を訴求しています。

また、各国間の格差を是正することを目標としているSDGs。
外国人の雇用を積極的に取り入れている美容業界も多くあります。特に化粧品業界は男女の区別なく、技術や接客力の高さを重視した雇用を取り入れています。社会的・文化的の差別はまったく不要と言えます。

3.SDGsに取り込むことのメリット

近年、SDGsに取り込む企業が増加していると先述しました。こうした中、1人でも多くの人が取り組むことで大きな力となり、世界環境への貢献に繋がっていくことがわかりました。その一方で、SDGsの参画意識が高まっているものの、具体的に行動に踏み出せないという企業(美容業界)も存在しています。
ここでは、SDGsの取り組みをすることで得られるメリットはどのようなものがあるのか見ていきたいと思います。


①美容サロンのイメージと信頼感が高まる
社会・環境問題による課題と向き合い、活動することで店舗や企業の責任を果たしているというイメージ・信頼感が高まります。また、具体的にどのような取り組みをしているのかSNSなどに発信していくことで、ブランディング力が強くなります。


②スタッフのモチベーションに大きな影響を与える
SDGsに取り組むことで、働くスタッフの美に対する意識が高まり、モチベーションの向上に繋がります。お客様は、美容サロンで働くスタッフの接客姿勢にとても敏感です。サービス業としてお客への対応が好印象であれば、改めて信頼できると認識し、売上向上にも期待が持てます。このようにモチベーションの向上は、仕事に対しての姿勢が非常に良くなります。


③美容業界の付加価値向上
美容業界は美のサポート・サービスをしていますが、SDGsの取り組みという付加価値を付け足すことで、信頼度が高くなるため選ばれる美容サロン、販売店になります。大きなメリットが生み出されると考えられます。

さいごに

いかがでしたか。SDGsの目標とターゲットは地球上で生きる人間にとって、どれも大事な項目になります。持続可能な開発目標である「社会」「環境」「経済」の3つが向上し、バランスのとれた社会を目指すことを目標としています。
美容業界においても、一人ひとりが身の回りで出来ることから始め、さらに活動を広めていけるようにと願っています。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人