飲食店のリニューアルで得られる効果【タイミングを知って再アピールを!】

リニューアルは、店舗の老朽化による改装あるいは業態転換など目的はさまざまです。
そしてまた、きっかけさえあればリニューアルするタイミングにも繋がります。例えば4月から表示価格の総額表示が義務化されますが、それに伴いメニューや販促ツールをリニューアルすることもできます。どちらにしても再アピールをチャンスとして捉え、効果が得られるリニューアルにすることが大事です。
今回は、リニューアルがどのような効果をもたらしてくれるのか成功事例を交えて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.リニューアルする前のサイクルを知る

リニューアルとは「再生・復活」という意味ですが、どの業界でもライフサイクルがあります。先ず開業から始まり「繁盛期」が訪れますが、やがて数年経ったところで売上の低迷が目立ち始め、リニューアルを考えるという流れです。開業期⇒発展途上期⇒繁盛期⇒安定期⇒衰退期というサイクルになります。
飲食店をオープンする前にこのようなサイクルがあるということを念頭に置くことで、後のリニューアル計画を考えるときに役に立てることができます。

・開業期⇒お店を開業すると「オープン景気」と言い、最初は殆どのお店が少しだけ繁盛します。しかし、半年ほど経つとオープン景気のピークが緩やかに減少し、お客様の新しいお店への興味が落ち着き始めます。

・発展途上期⇒オープン時期の来店客が固定化する時期です。この時期にどれだけの固定客が獲得できるか、次にやってくる繁盛期に大きく影響がでます。ここで料理や接客のクオリティを高め、リピートを促す施策を行うようにしましょう。

・繁盛期⇒いよいよ繁盛期ですが、この時期が飲食店にとって「旬」の時期です。発展途上期に行ってきた十分な施策が固定客化となって表れます。ここで注意しておかなければならないのが、ここでの売上を衰退期のために貯えておくことです。

・安定期⇒繁盛期に続き常連客が安定するようになり、売上の伸びも横ばいになってくる時期です。ここで大切なのは、再び固定客を増やすためにお店の体制を整えることです。

・衰退期⇒最後の衰退期ですが、多くのお店が通る時期(道)です。店舗の周辺に競合店ができたり店舗の老朽化が目立ってきたりと理由はさまざまですが、再生の時期に入ります。衰退期が長引きそのまま放置していると廃業に至ってしまう可能性があります。従ってこの時期に入ると早めに計画を立てリニューアルを実施し、再び開業期まで戻る必要があります。リニューアルは今までの経験を無駄にしないための再チャレンジでもあります。

2.リニューアルのタイミングを考えよう

衰退期にリニューアルの必要性を述べましたが、再生するきっかけは他にもあります。
ここではどんなタイミングでリニューアルを考え、効果を得るにはどのようにしたらいいのか解説します。

2.1 店舗の改装・増築

長年、店舗経営を続けていると老朽化によるメンテナンスやクリンリネスのリニューアルは避けられません。改装・増築は店内の見直しに良いチャンスでもあります。例えば厨房や店内でのスタッフの動線を修正するだけではなく、キッチンをオープン形式にするなどしてお客様に「魅せる」「楽しませる」を導入し工夫することです。そのほか最も重要なのがトイレの改修です。清掃を徹底していて構造上の問題がなければいいのですが、古くて狭く臭うなどがあった場合は、思い切って改修工事を行うことをお勧めします。トイレの居心地は再来店するかの判断基準になります。
店舗の改装(改修)や増築は必要に迫られて行うことが多いのですが、更なる工夫をすることで集客へと繋がります。

※リニューアルをするタイミングを解説しましたが、大がかりな改装などを行うと休業しなければなりません。その際、経営者はアルバイト従業員に対して休業補償を支払う必要があります。金額は、休業初日までに支払われた3か月以前までの平均賃金の6割以上と定められています。

2.2 業態転換

業態転換とは店舗事業を更なる成長のため、もしくは経営不振の打開策として実施されることがあります。長年経営していた老舗食堂が売上の低迷が続くため、業態転換を実施したというケースがあります。大手ファミリーレストランや居酒屋チェーン店が駅前に進出してきたため客離れの深刻化が続くなか、経営者は競合店にはないこだわりの食材(産地直送の○○など)を仕入れるようになり、老舗食堂は「○○をウリにした居酒屋」に業態転換をしてから低迷期の3倍までの売上アップで成功したという事例があります。単に業態転換したのではなく、ウリの商品を取り入れ再アピールの仕方によって成功したと思われます。時代の流れや客層のニーズを理解した上でのリニューアルは大いに期待がもてます。

2.3 メニューと販促ツールのリニューアル

冒頭にも触れましたが、4月から表示価格の総額表示が義務化されます。それに伴いメニュー内容やメニューブックの変更、看板やSNSなどの販促ツールのリニューアルは新たなアピールにはとても良いタイミングです。ここで3つの見直しを紹介します。

●注文数が少ないメニューを減らすことで、仕入れや在庫の改善に繋がります。
代わりに看板メニューあるいは売れ筋の良いメニューに一品加えた料理やボリュームをつけるなどの工夫をすると効果的です。更にメニューのネ―ミングを変えるのも良いでしょう。

●価格の表示変更を機にメニューブックやポスター、看板のデザインも一緒にリニューアルをします。例えばメニューブックやポスターなどを利用しての再アピールですが、健康志向の方のために野菜をメインにした「日替わりメニュー」「期間限定メニュー」などを提供し、人気があるメニューのみ続けるといった売上の様子をみていくのも良いです。また、ファサード(店頭、入口付近)の改善ですが、各種看板はお客様がお店を入店するかどうか見極める役割があります。入口付近に置く看板メニューは定期的なリニューアルをすることでお客様を飽きさせない戦略にもつながります。

●SNSなどには、リニューアルを記念してのキャンペーンを配信しましょう。コストがかからず効果的です。
・メルマガ、DM、SNSによるリニューアルキャンペーン【プレゼント】のお知らせ
・リニューアルを記念して特別メニューを1日限定10様まで
・リニューアル記念による料理もしくはドリンクのサービス(または割引)

単にリニューアル記念の配信をするだけではなく、お客様にとって満足感を得てもらえるようにアピールすることが大切です。

3.リニューアルで繁盛するためのヒント

店内のリニューアルを考えるきっかけは幾つかありますが、効果が得られないと費用をかけただけで無駄になってしまう可能があります。大がかりな改装工事をすると休業しなければなりませんし、その分の売上はゼロです。資金はしっかりと貯えておきましょう。ただし、衰退期を過ぎて何年も放置してからでは、資金不足どころか再生さえ手遅れになってしまいます。リニューアルのタイミング時期を知り、早めの対策が必要です。そしてリニューアルをする前には業種にこだわらず繁盛しているお店に直接入ってみてください。店内の構造や雰囲気、スタッフの接客態度を見て繁盛している理由が何かしら感じとれるはずです。
その後自店舗に戻り、繁盛していたお店を真似るのではなく自分のコンセプトに重ね合わせ、繁盛店で得たヒントを活かしながらリニューアルを実施することで効果が得られます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回はリニューアルについて解説しました。飲食店にはライフサイクルがありますが、その間さまざまな経験をしてリニューアル対策に辿り着くことをご理解していただけたでしょうか。特に改装や業態転換などは費用がかかり大きな賭けになってしまいます。しかし、明確な準備さえしっかりできていれば再生はピンチをチャンスとして捉えることができるでしょう。リニューアルのタイミングがきたら、どうか効果が得られるような再生を目指してください。

この記事を書いた人

広田 淳