キッチンカーの出店場所を選ぶために【仲介業者別に徹底比較!】

近年、新型コロナウィルス感染拡大のため屋外でビジネスができるキッチンカー(移動販売)の需要が急激に増加しています。また、苦境に立たされている飲食店が多いなか、店内で提供していた料理をテイクアウトとして、兼業しながらキッチンカ―を始動している飲食店経営者も多くいらっしゃいます。以前の記事で「キッチンカ―を開業するには~事前準備からメリット・デメリットまで」で「出店場所を探す方法」を解説しましたが、今回は引き続き、出店場所における管理会社等を中心に費用や特徴などを比較しながら解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.キッチンカーの出店場所選びのポイント

キッチンカ―の需要が高まっている現在、捉え方によってはチャンスでもあります。そのチャンスに乗るためには、固定店舗の立地条件が将来の経営を左右するようにキッチンカーでの出店場所選びもとても重要です。出店場所によっては、客層や売上が見込める時間帯が異なるので自分のコンセプトに合った場所選びをおすすめします。

①都市部やオフィス街などの小さなスペース
現在は新型コロナウィルスの影響でテレワークが増えたとはいえ、オフィスで働いている人もいます。以前に比べてランチ時の外食は控えるようになり、テイクアウトをしてオフィス内で昼食をとる人が増えています。

②大型マンションなどの集合住宅での出店
自宅での勤務が増えていることで、テイクアウトを求めている人が多いです。また、ファミリー層が多い大型マンションや団地に住む主婦層の間でも二―ズが高まっています。

③ショッピングモール・大型スーパー
大半の人が買い物の目的で集まるショッピングモール・スーパーなどでの出店は、大いに魅力的です。特に土日祝日は家族連れが多く来場するので、短時間での売上増が見込まれます。但し、平日の日中は人通りが少ないので、長時間の出店を覚悟する必要があります。

④地域のお祭り・フリマ・イベントなど
現状のコロナ禍での出店はイベントが開催しないので厳しいですが、人が集まる場所としては大いに売上アップに繋がります。完全に始動するまでにもう少し時間がかかりますが、過去の統計では、売上が1日数10万円(数日間で100万円)設かる場合があり、大勢の人に知ってもらえるチャンスでもあります。

2.出店場所を探すため各仲介業者を比較

・出店場所はどうやって見つければいいのか分からない
・キッチンカ―を購入しても出店場所が見つかるか不安


以上のような疑問が、移動販売のビジネスを検討されている方で一番多いと言われています。探し方は、出店場所の管理会社やスペース管理会社、イベント会社などがあり、また土地所有者から直接募集しているケースなどたくさんあります。ここでは管理会社を中心に特徴など交えて比較しながら紹介していきます。

2.1 mellow(メロー)

日本最大のモビリティビジネスに特化した、出店者と出店場所を貸す業者のマッチングを行っています。
●出店登録料:登録無料、登録はHPのお問い合わせフォームから登録
●出店説明会:定期的に開催
●出店料:売上の15%を計上、そのうち5%はビルオーナーへ渡る
●出店場所:首都圏、関西、福岡を中心に240ヶ所以上あり、都内でも約150スペース以上ある
●特 徴:1日(平日)平均170~180台が稼働し、競合店同士(同じメニュー)がかぶることはなく、開業サポートまで行い出店者の売上高を増加させた実績があります。また、災害時のフード支援ネットワークを発足させ、廃棄食糧を活用したフードトラックのプロデュースにも力を入れています。

2.2 ワークストア・トウキョウドゥ(ネオ屋台村)

オフィス街や大学構内など、主にランチタイムが多くネオ屋台村として出店します。

●出店登録料:登録無料、登録はHPのお問い合わせフォームから説明会参加後に登録
●出店説明会:月1回ペースで開催
●出店料:場所により変動があるが、売上の15%をベースにしている
●出店場所:東京を中心に30村以上あり、東京国際フォーラムやサンケイビルをはじめ、オフィス街、大学キャンパス、スタジアム等にも出店。
●特 徴:一般的に経営指導はしていないが、個性的なメニュー(海外の料理)が多いため人気を呼んでいます。毎年4月~11月まで月1回「ネオ屋台スーパーナイト」を開催しているため集客に繋がる可能性大です。(現在はコロナの影響で開催するか問い合わせが必要)

※1点注意しなければならないのが、ネオ屋台村では同じメニューがかぶることがないので、出店回数が週5回のときもあれば、週1回になってしまう可能性があります。

2.3 自由市場

ドンキ・ホーテグループ会社が運営する出店場所を貸したい、借りたい人の仲介をしているサイトです。

●出店登録料:登録無料、登録はHPの会員登録で情報入力後に本登録まで行う
●出店説明会:現時点は開催予定なし
●出店料:スペースによって異なり、少額だと2000円ぐらいからと良心的。
●出店場所:会員公開は約6万スペースあり、年間で26万回以上利用されている。出店場所は主に百貨店が多く、個人で所有している方のスペースもある。
●特 徴:キッチンカー事業者に、ドン・キホーテや郵便局の駐車場などの出店場所や情報を提供しているため複数の貸しスペースを曜日ごとに変えての利用が可能です。人気のあるスペースにはキャンセル待ちが可能で、空きが出た場合に案内されます。自分のライフスタイルに合った営業ができるのが魅力的です。

2.4 軒先ビジネス

スペース管理会社で、空きスペースを貸す人と借りたい人を結ぶマッチングサイトです。

●出店登録料:登録無料、登録は本人確認書類を提出後審査が通れば登録できる
●出店説明会:過去に開催あり(現在は問い合わせが必要)
●出店料:スペース料金のみ
●出店場所:全国2300ヶ所あり、登録利用者数10,000件でスペースがあればどこでも出店可能と思わせるほど多い。
 ・駐車場、空き地、更地、空き店舗など
 ・お店やショップの軒先、オフィス街、商業施設など
 ・公園前、商店街、公共の空間前など
●特 徴:短時間や1日単位でスペースが借りることができるため、別の仕事と兼業している人にとっては働きやすいです。前述したように空いたスペースは多岐にわたりで活用できるのは大きなメリットですが、全てがキッチンカ―(移動販売)用ではないことを把握しておきましょう。

3.出店場所を探す時の注意点

よく公園や道路で空きスペースを見かけることはありませんか。人通りが多く商売をするにはとても良い場所だから、そこで営業がしたいと思う方もいらっしゃいます。ここで注意しておかなければならないのが、許可を取らずに個人で道路に出店すると道路交通法違反になってしまうということです。また、公園も同じく勝手に出店してしまうと都市公園法違反になります。無許可で道路や公園に出店をすると、違反となり罰金や懲役刑に処せられ、民事訴訟になってしまうことがあるので注意しましょう。道路は地域を管轄する警察署の許可が必要で、公園も自治体の許可が必要となります。個人で出店場所を探して営業ができれば、出店料(仲介手数料)も発生せず好きな場所で出店できますが、必ず許可を得なければなりません。
個人で探した商業施設やスーパーの入り口付近などの出店場所の場合は、管理会社や土地所有者の管理人に企画資料を作成して交渉(プレゼン)しなければなりません。交渉の仕方によっては、さまざまな条件が合い出店させてもらえるかもしれません。ただし、許可をもらうのはハードルが高いので、きっちりとした資料作成をするようにしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。キッチンカ―(移動販売)の出店場所選びは売上が左右されるほどとても重要です。数ある有益なマッチングサイトのなかで、自分に合った業者に登録をしてみてはいかがでしょうか。さまざまな場所で、お客様や働く仲間との出会いによって新たな仕事の繋がりが生まれるかもしれません。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人