
・キッチンカーをオープンしたいが需要はある?現状はどうなのか?
・キッチンカーの開業に必要な準備や開業資金、出店場所を探す方法も知りたい。
・キッチンカーを運営するにあたってのメリット・デメリットを知りたい。
・開業に使える補助金・助成金はあるのか?
キッチンカーによる移動販売の開業を検討されているなかで、上記のような情報を知りたいという方が多くいらっしゃいます。今注目のキッチンカー(移動販売)は、固定店舗に比べ家賃を払う必要がなく、手軽に開業できるというイメージがあります。テイクアウト文化の定着とともにキッチンカーへの需要は引き続き高く、多様な出店スタイルが根づいています。この記事ではキッチンカー開業に伴い、必要な準備や開業資金、メリット・デメリット、さらに活用できる補助金・助成金制度まで解説していきます。是非ご参考にしてください。
もくじ
1.キッチンカーの需要と現状

近年、移動販売での飲食ビジネスは右肩上がりに増え続けていますが、実際どのように「需要はあるのか」、また「運営の現状」などをお伝えしていきます。
<需要はあるのか>
・テイクアウト文化の定着による安定した需要
コロナ禍(2020〜2022年)をきっかけにテイクアウト・デリバリー需要が急拡大しました。感染症収束後も「手軽に外食を楽しみたい」というニーズは根強く、キッチンカーはテイクアウトの営業手法のひとつとして今後も安定した需要が見込まれます。
・オフィス街から住宅街・イベント会場まで多様な出店先
かつてはオフィス街での出店が中心でしたが、公園・マルシェ・商業施設イベントなど出店場所は年々多様化しています。週末の住宅地や地域フェスへの出店も増えており、さまざまな集客機会が広がっています。
<運営の現状>
・キッチンカーの運営以外に別の仕事と兼業している率が全体の15%です。兼業しているなかでは、毎年夏限定の「かき氷やアイス専門店」や平日働いているサラリーマンが週末だけ運営しているというケースも増えています。キッチンカーならではの運営ができる魅力のひとつです。
・数年前は軽自動車や普通自動車が主流でしたが、1.5tや2tトラックなどの車両も増えて作業スペースなどの設備が充実してきました。また、現在の車両価格は安値傾向にあるので開業チャンスの時期でもあります。
・1年以内での廃業率が30%強(資金不足や未計画が原因)と高めなのが現状です。比較的簡単に開業できるとはいえ、安易な考えでオープンしても経営は続けられません。十分な資金を用意して、業界の現状をよく理解した上で明確な計画を立てれば廃業を避けることが可能です。
2.キッチンカーの出店場所を探す方法
いざ移動販売でのビジネスを始めようとしても、どこで出店すればいいのか分からないなど、場所探しが最初の難関だと言われています。実際に良い出店場所が見つけられず、わずか1年弱で廃業してしまったという事例もあります。ここでは出店場所を探すにはどんな方法があるのかを解説していきます。
①出店場所を貸し出す管理業者
出店場所を貸す業者と出店希望者の両者をつなぐマッチングサイトがあります。移動販売を複数営業している場所を一括で管理している業者があり、空きが出た際に募集しています。以下のようなサイトがあるので、登録して情報を得るのも良いでしょう。
・mellow (新車のフードトラックのリースも可能)
・出店情報ナビ (イベント主催者や商業施設担当者と出店者をつなぐサイト)
②インターネットやスペース管理会社で探す
近年、SNSでの情報収集が簡単に得られます。X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどを利用して「#キッチンカー」や「#移動販売」などで検索する方法があります。
また、出店可能な空きスペース等を管理している会社があり、イベントや土地の管理者(持ち主)が以下のようなサイトで空きスペースでの利用出店者の募集をしています。
・軒先新聞 (全国の出店空きスペースが掲載)
・軒先ビジネス (スペースをシェアする飲食店間借りサービス)
③商工会議所・観光協会などで探す
地域のお祭りや花火大会などの多くのイベントは、商工会議所や観光協会が管理に携わっています。こういった場所で出店するためには商工会議所や観光協会に登録が必要ですが、年会費が発生する場合があるので事前に問い合わせをしておきましょう。
また、登録することによって出店募集の案内を優先的に知らせてくれたりします。
④フランチャイズに加盟
フランチャイズに加盟することにより、出店場所の確保ができ知名度がある人気ブランドの看板を揚げての営業ができます。ロイヤリティーは殆どかかりませんが、毎月支払う会費が必要となる場合があるので、契約内容を十分に確認しておきましょう。
3.キッチンカー開業の準備

固定店舗より手軽に開業できるとはいえ、飲食ビジネスを始めるにはさまざまな準備が必要です。ここでは、開業に必要な資格や許可、資金などを解説します。
3.1 必要な資格と許可
キッチンカーを開業する際、移動販売を行う管轄の保健所(保健所管轄区域案内|厚生労働省)での営業許可が必要となります。車で移動できるといろんな地域で営業したいと思っている方もいますが、営業許可は営業する地域ごとに保健所に出向く必要があります。また、さまざまな地域での営業を希望すると一か所につき一万円以上の手数料がかかり、営業許可を取得しなければなりません。出来る限り出店する地域を決めて、一括する保健所からの営業許可を取得するほうが現実的です。その他、移動販売の場合でも食品衛生責任者の資格は必要です。
3.2 必要な設備
キッチンカーは食べ物を提供する商売ですから、当然車内にさまざまな設備は必須となります。以下は必要な設備ですが、特に仕込み場所については注意が必要です。
①洗面台シンク、排水タンク、給水タンク
②換気扇
③冷蔵庫・冷凍庫
④運転席とキッチンの仕切りをつける
⑤料理の仕込み場所⇒自宅からの仕込みは許可されません。また、仕込み(切る、混ぜるなどしての工程)がある場合はキッチンカー以外に営業許可のある建物で作業をしなければなりません。例えば知人の飲食店を営業時間外で厨房を借りる、又はキッチンのシェアサービスを利用するなど工夫をしましょう。もしくは、調理工程が省ける食材(冷凍食材やカット済みの野菜など)を使用することで、仕込み場所の必要がなくなります。
ただし、保健所によって仕込みの工程の概念が多少異なる場合があるので、事前に確認することをおすすめします。
3.3 必要な開業資金と運転資金
<開業資金>
キッチンカーを開業するためには、最初に必要となるのは当然ながら車です。車両のタイプによって100万円ほどの差がでます。これはフランチャイズに加盟していても同様です。
・軽トラック(バンタイプ)・・・150万~250万円
・中型・大型トラックを使用・・・250万~350万円
中古のトラックを購入して自分で改造し、費用をおさえることも可能です。
ベースになる車両代を含めて、必要な開業資金の相場は300万~500万円程度だと言われています。
<運転資金>
さらに開業後の運転資金は50万円程度(数カ月分)の用意をしておくとよいでしょう。
以下は一例です。
・駐車料・・・5万円(月額)
・保険料・・・4万~7万円(年間)
・車検代・・・5万~8万円(2年間)
・出店料・・・固定か変動の2通りあります。
固定⇒1日3,000円~1万円以上が目安ですが、出店場所や地域、平日か土日祝などによって異なります。
変動⇒売上の10~20%が目安です。売上が伸びてくると、出店料も必然的に高くなります。
4.キッチンカー 運営のメリット・デメリット

どの業種でも経営するにあたってメリット・デメリットが存在します。メリットは最大限に活かし、デメリットは最小限に抑えるよう心がけるようにしましょう。
●メリット
①固定家賃がかからないこと、固定店舗の開業資金は1000万円ほどですが、キッチンカーはその約半分(またはそれ以下)で済む。
②移動販売のため、お客様の居る場所に自ら出向くことができる。
③出店場所によって出店料が異なるため、出店先で売る商品価格を変えることが可能。
④SNSとの相性が良く、X(旧Twitter)やInstagramで出店場所をリアルタイム発信することで固定ファンの獲得につながりやすい。
●デメリット
①天候に左右されやすい。
②出店先の条件が良いと、他のキッチンカーに取られることが多く場所の確保が難しい。
③毎日同じ時間・場所での営業ができるとは限らないので、固定客ができにくい。
④車両のメンテナンスや車検費用が定期的に発生し、故障時は即日売上ゼロになるリスクがある。
5.キッチンカー開業に使える補助金・助成金制度(2026年最新情報)
開業コストを抑えるために、国や自治体が提供する補助金・助成金制度を積極的に活用しましょう。キッチンカーも「小規模事業者」として多くの制度の対象になります。申請には一定の準備期間が必要なため、開業計画の早い段階で確認しておくことをおすすめします。
5.1 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金(中小企業庁)は、小規模事業者が行う販路開拓・業務効率化の取り組みを支援する制度です。キッチンカーの場合、以下のような費用が補助対象となる場合があります。
・通常枠:補助上限50万円(補助率2/3)
・創業枠:補助上限200万円(創業から5年以内が対象)
補助対象となりうる費用例:SNS広告費・チラシ印刷費・ホームページ制作費・メニュー開発に関わる機材購入など
車両本体や設備の購入費は補助対象外となるため、対象経費を事前に商工会・商工会議所に確認することが重要です。
5.2 日本政策金融公庫の創業融資
補助金は「返さなくていい資金」ですが、用途が限定されるため、開業全体の資金調達には日本政策金融公庫の新規開業資金(融資)も有効です。無担保・低利率で最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで借入可能で、飲食業での自己資金が少ない方でも申請できる制度です。創業計画書の作成が必須となるため、税理士や商工会議所に相談しながら準備しましょう。
5.3 都道府県・市区町村の独自支援制度
国の補助金に加え、都道府県や市区町村が独自の支援制度を設けているケースがあります。例えば東京都では創業支援として「東京都創業NET」から各区の補助金情報を一括検索できます。地方でも「地域産業振興補助金」や「特産品開発支援」など、移動販売に使える制度が存在する場合があります。
補助金・助成金は申請期間が限られており、先着順や年度内予算終了で締め切りになることも多いため、開業計画を立てたらすぐに管轄の商工会議所・中小企業支援センターに相談することを強くおすすめします。
さいごに
いかがでしたでしょうか。この記事ではキッチンカー(移動販売)の開業準備からメリット・デメリット、さらに活用できる補助金・助成金制度まで解説しました。固定店舗より手軽に開業できるキッチンカーとはいえ、短期間での廃業率が高いのも現状です。自身が思い描く飲食ビジネスを始めたいと思うのは誰しもが思うことですが、明確なコンセプトを立てて数カ月分の資金を準備し、利用できる補助金・融資制度を最大限に活かすことが長期継続経営の近道です。
キッチンカーは自由度が高く、自分のライフスタイルに合わせられるビジネスです。ぜひ継続的な経営を目指してみませんか。
