近年、キャッシュレス決済を導入する店舗や企業が増えています。特に2020年以降コロナ禍の影響で非接触が求められ、さらに注目を集めています。その中で、美容室においても例外ではなく、顧客のニーズが高まっておりキャッシュレス決済を導入している店舗が多くなりました。そこで今回は、美容室でキャッシュレス決済を検討されている経営者の方に導入後のメリット・デメリットや決済サービスの種類などを紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.キャッシュレス決済の現状
2019年10月より消費税率の引上げに伴い2020年6月までの9か月間生産性向上のもとで実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業(消費者還元事業)」では、事業者側に決済手数料や端末機による補助の支援があり、消費者には決済金額の一部が還元されていました。そのため、キャッシュレス決済を導入する店舗全体の割合が約27%から36%にまで増加されました。現在は実施されていませんが、キャッシュレス決済導入は増え続けるだろうと言われています。
諸外国に比べ日本はキャッシュレス決済の浸透が遅れをとっていましが、数年前から徐々に導入率が上昇しています。政府による「2025年6月までに4割程度のキャッシュレス化の普及を目指す」と明言しているため、今後さらにキャッシュレス決済が浸透していくことになるでしょう。これに伴い美容業界での導入も増加する見込みだと言われています。
2.代表的なキャッシュレス決済の種類
前述したように生産性向上のもとで店舗がキャッシュレス決済を実施すれば消費者にとっても利便性向上に繋がります。その結果、消費者は美容室に行きやすくなり店舗は来店チャンスを逃がすことが少なくなります。
キャッシュレス決済のイメージはクレジットカードが多いのですが、スマートフォンの普及により決済手段としてデビットカードや電子マネー、スマートフォン決済などがあります。
〈クレジットカード〉
個人経営の小さなお店ではクレジットカードに対応していないところもありますが、利用者はさまざまなシーンで利用しています。決済は後払いになっています。
※キャッシュレス利用者の3割以上がクレジットカードに対応していない店舗は大きな機会損失をもたらしているという調査結果があります。→カード決済非対応が店舗経営の機会損失につながる(調査結果)
〈デビットカード〉
会計後すぐに引き落としができる即時払いの仕組みです。海外ではよく利用されていますが、日本での利用はあまり多くはありません。支払いと同時に顧客の口座から引き落としされる即時払いになります。
〈電子マネー〉
電子マネーは、PASMOやSuicaの交通系ICカードやクレジットカード系、QRコード決済系などがあります。カードやスマホにチャージして支払うときには専用端末にかざして決済します。タイプは前払いのプリペイド式や後払い、即時払いがあります。
〈スマートフォン決済〉
アプリをダウンロードしたスマホにQRコードやバーコードを店舗の機械で読み取り決済します。(スマホにあらかじめ決済アプリをダウンロードしておきます)または店舗が啓示したQRコードを顧客が読み込み決済することもあります。
3.美容室にお勧めのキャッシュレス決済サービス
キャッシュレス決済の導入を考えたとき「手数料は安く・あるいはかけたくない」「導入方法は簡単に」「顧客利用率が高い」など、どれをとっても重要な決め手のポイントになります。
ここでは美容室にとってお勧めのキャッシュレスシステムを紹介しながら特徴も解説していきます。
3.1 Pay Pay(QRコードタイプ)
現在のPay Payの登録ユーザーは4,000万人を超えています。(2021年6月時点)
顧客の利用率が非常に高く、集客向上にもつながります。
審査完了後にQRコードキットが届くので、それを組み立ててお店に置いておくだけで利用開始が可能です。専用端末機は不要でPC・タブレットなどがあればすぐに開始できます。
- 初期費用;1,980円→(PayPayマイストアライトプラン料金はキャンペーン適用で0円)
- 決済手数料:1.60%
- 月額料金:1,980円/店舗→0円(初回3か月目以降課金開始)
公式HP→ https://paypay.ne.jp/store/introduction/
3.2 楽天Pay(QRコードタイプ)
店舗導入率と利用率が高くアプリ決済(スマートフォン使用)をはじめ、クレジットカード・電子マネー決済も可能です。美容室で楽天銀行を利用すると365日自動入金され、最短で翌日入金となります。また、楽天Pay利用で高い得点があるので楽天会員が多いため、集客にも期待ができるでしょう。
- 初期費用:0円
- 決済手数料:3.24%
- 月額費用:0円
- 振込手数料:楽天銀行は無料、それ以外の金融機関は1回につき税込330円〉
公式HP→https://pay.rakuten.co.jp/business/
3.3 Airペイ(QRコード・電子マネー兼用)
Airペイはリクルートが運営しているキャッシュレス決済サービスです。ihoneまたはipad、交通系電子マネーなどが利用でき、専用のカードリーダー1台で決済ができます。画面が分かりやすく操作もシンプルなので馴染みやすく忙しい美容室での導入が増加しています。また、サポート体制も充実しているので安心できます。
- 初期費用:0円
- 決済手数料:3.24%もしくは3.74%
- 月額費用:0円
公式HP→https://airregi.jp/payment/
3.4 Square(QRコード・電子マネー兼用)
Squareは2013年にアメリカから日本に導入されたキャッシュレス決済サービスです。入金されるスピードが早く美容業界でも多く利用されています。クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどのキャッシュレス決済に対応しており、レシートの発行や暗証番号の入力も専用端末機1台で行えるのでとても便利です。
- 初期費用:0円
- 決済手数料:3.25%
- 月額費用:0円
公式HP→https://squareup.com/jp/ja/payments
4.美容室のキャッシュレス導入理由とメリット・デメリット
多くの美容業室が導入しているキャッシュレス決済はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。導入し続けている理由も含めてみていきましょう。
■ キャッシュレス導入理由
- キャッシュレス決済の利用者が多く対応するために導入
- レジ業務の時間短縮と効率化を図る
- お客様からの要望が多いため
- 集客につなげる、売上向上のため
導入した理由は、お客様の需要があるために応えることが多くみられます。また、業務の効率化を図るため積極的に導入した美容室も多く、集客・売上アップに繋がる理由として導入する美容室が見受けられます。
■ キャッシュレス決済導入のメリット
- レジ業務の効率化(現金を扱う手間を省くなど)、売上拡大につながる
- お客様の満足度向上、ポイント還元による顧客獲得
- 客単価の高い施術を選んでもらいやすい
業務効率化は導入理由と同様大きなメリットになります。また、キャッシュレス決済を導入することでお客様がポイント還元目的で来店する場合もあるので顧客獲得に繋がります。客単価の高い施術を選ばれることも大きなメリットで、手持ちの現金がなくてもキャッシュレスなのでより高いメニューを選んでもらえやすいということです。
■ キャッシュレス決済導入のデメリット
- 決済手数料などの負担が発生する
- 入金するまで時間がかかることがある
初期費用がかかるキャッシュレスシステムもありますが、デメリットの多くは決済手数料の負担が発生することです。また、現金決済の場合はすぐに入金されますが、キャッシュレス決済の場合、入金されるまでのタイムラグを要する場合もあります。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はキャッシュレス決済サービスの紹介と導入メリット・デメリットなどを紹介しました。今後益々現金を持たずに商品購入やサービス、そして美容室を利用する顧客が増えていくと予想されます。顧客満足向上および顧客獲得のため、数あるキャッシュレスシステムを比較しながらお店に合ったものを選んでいただけたらと思います。