マーケティングで期待できることとは?飲食店で基本的な手法を紹介

飲食店は新規参入の障壁が他業界に比べ低いので、多くの人が独立開業を目指しています。そのため競合店が多く、どのようにしたら生き残れるのか悩まれている経営者も多いのではないでしょうか。お店を長続きさせるためには売上を安定させなければなりません。
今回はその厳しい競争の中、生き残るためにマーケティングの必要性を解説し、手法を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.飲食店こそマーケティングが必要

競争率の高い飲食店で美味しい料理を提供しているだけでは他店との競争で勝ち残るのは厳しいかもしれません。生き残っていくためには、マーケティングという手法で成果を出すための戦略に取り組む必要があります。しかし、手法はどのようにすればいいのか、そしてなぜ必要なのかなど疑問に思われている飲食店経営者も多いことでしょう。

たとえば飲食店をオープンする際に、「ターゲット層のニーズ」「立地条件」「価格」など、お店作りに必要なコンセプトが必要になります。このコンセプトが明確でなければ曖昧になって確立された計画は立てられません。
「ターゲットを誰に向けているのか?」「ターゲット層のニーズはどんなものか」などを検討し明らかにしなければなりません。開業する時と同じように、安定した経営を行うためにはターゲットやニーズなどのマーケティングによる細分化をすることが重要です。人によってニーズの違いもあるため、マーケティングが必要とされる理由のひとつでもあります。マーケティングにより顧客のニーズを把握しておくことで、料理やサービスを適切な形で提供することができ、集客・売上にも繋がります。そのためマーケティングは積極的に取り組んでいったほうが良いと考えられます。

2.5P分析によるマーケティング活用法

飲食店におけるマーケティング活動でよく使われているのが「5P分析」です。
ターゲット層に向けた商品や価格、販促方法などを自店でどのような価値で提供すべきかを分析する手法のことです。この5Pとは、「product」「price」「place」「promotion」「people」の5つの構成要素から組み合わせ、(販売)強化を図ろうとするマーケティング戦略を練ります。ここでは、分析方法について解説していきます。

●product(商品)
飲食店でどのような料理(食材)やサービスで提供していくか戦略を練ります。
営業形態であるレストランやカフェ、居酒屋、テイクアウト専門店などによってターゲット層にあった料理をジャンル別に分け、見合った料金・サービスを決定します。例えばレストランの場合は、ファミリー層向けと高級店では料理の内容や値段、サービスが変わってきます。誰に向けたレストランなのか想定できればお店の方向性が明確になります。また、お店ならではのこだわりのある食材や味をどのようにして提供していくかも検討します。

●Price(価格)
飲食店における価格の設定をターゲット層の職業や年齢層などによって予想します。提供する料理やサービスの価値は適正か、客層による価格相場を競合店と比較し価格差があった場合はどうするべきかなどを検討します。

●Place(立地)
立地は店舗の家賃と見合った集客および利益を生み出すことができているかということです。店舗の場所は駅前立地、郊外型、地域密着型などありますが、その立地からメイン通りや裏通り、騒音対策ができているかなどのさまざまな角度から検討します。また、出店するエリアでターゲット層の確保ができるかなども検討します。

●promotion(販売促進)
顧客に浸透するような宣伝戦略を打ち出します。Web広告やチラシ、雑誌広告、ポスティングなどあらゆる手段がありますが、集客に効果的な方法を選択します。また、口コミを拡散させるにはどうしたら良いのかも検討しましょう。口コミによる拡散はSNS宣伝が多く、例えばインスタグラムによる写真を映えるように盛り付けを工夫するなども戦略方法のひとつになります。
宣伝を行った後に反響があった際には、どのような方法でどんな効果があったかを分析しましょう。結果が良くなかった時も同じようにどの方法で効果が得られなかったのか分析することで改善点のヒントになります。

●people(客層)
ターゲットとなる客層を絞り出します。来店日時や年齢層、性別、来店目的などをデータ化して割り出します。ターゲット層を決定した後の来店客の傾向を分析することでお店を運営する上での強化・改善すべきことが見えてきます。

これら5つの要素を分析することで客観的に捉えることができるため、飲食店にとって重要なマーケティング戦略になります。ぜひこのツールを活用してみてください。

3.競合店との比較(マーケティングリサーチ)

地域密着型で近隣同士が互いに助け合い、仲間意識が強い飲食店も多くあります。飲食店の近隣同士が情報交換など会話をしている場面を見かけたこともあるのではないでしょうか。しかしどんな関係性であれ、競合店の存在は良き仲間・ライバルとして捉えられているのです。同じ位置に立って経営する仲間(ライバル)が気になるのは当然のことです。
ここでは競合店のマーケティングリサーチを解説します。目的は競合店をリサーチすることで自店との違いがあった場合どんな戦略を練ればいいのか、また問題点を分析することでどのような改善策をとっていけばいいのか考えることができます。マーケティングリサーチは数字で表すことが難しい要素を割り出し、将来の戦略を考えることができます。

①外観マーケティングリサーチ

先ずは近隣の競合店の外観リサーチをします。

  • お店の入り口の広さ・通行中でも店舗に気づいてもらいやすいお店なのか
  • のぼりや看板はあるのか、また見やすい場所にあるのか
  • 離れた場所からでも装飾などで目立っている
  • 繁盛しているのか(外に行列が作られているかなど)

以上のようなチェックをして自店と比較してみましょう。ただし、長い時間外観をリサーチしていると店内の人に気づかれて不審者と思われてしまう場合があります。それは問題なので手短に数枚の写真を撮っておくと良いです。写真は分析をするときに利用できるので大きな役割を果たします。

②内観マーケティングリサーチ

次に、実際にお客としてライバル店へ行ってみましょう。店内でのリサーチは細かく分けて以下の4つのチェックポイントがあります。

● メニュー(料理)
料理の味や盛り付け、お店のこだわりメニューなどを確認します。メニュー表に目を通すときは見やすさや清潔感(シミや汚れ)などのチェックもします。また、オーダーしてから提供するまでの待ち時間もチェックしておきましょう。

価格
価格調査はとても重要です。同じようなメニューを提供しているのにライバル店のほうが低価格の場合、客足はライバル店に傾いてしまいます。価格差の度合いはお客様がどこまで価格を受容されるか分析してみましょう。また、クーポン(アプリ)なども扱っているのかチェックしておくと良いです。

接客の質
スタッフの身だしなみやオーダーの取り方、入出店時の対応は丁寧な接客ができているかをチェックします。このチェックはお客様が来店する上でとても重要になってきます。客観的に見ることで自店のスタッフ教育を改めることもできます。

レイアウト(動線)・トイレチェック
人の動き方を示す飲食店の動線はとても重要です。客動線とスタッフの作業動線は必ずチェックしてみてください。自店との比較で改める点が出てきた場合は改善策を練りましょう。また、トイレは清潔さを保っているかのチェックも行いましょう。そして客席とトイレの距離ですが、どの飲食店も美味しく料理を召し上がってほしいのに、パーテーションもなく席の近くにトイレがあると気になります。

また、店内の全体調査は入店後の直観を感じ取ったことを分析しても良いでしょう。

4.飲食店のマーケティング成果

5P分析や競合店との比較は、お店の基盤を作り上げていくという作業になります。非常に細かい分析になりますが、今まで見えなかった自店の強化・改善するべきことを把握できるようになります。また、客観的に見ることで自店の特徴やこだわり(或いはこだわり過ぎていないか)などの長所・短所に気づきを引き出すためにも役に立ちます。

最後に、お店に対して適正なマーケティング活動を実施することで次のような成果が表れます。

  • お店が一歩先を進んだ経営ができる
  • ターゲット層(人)との関係性の強化
  • 自店ならではのブランドを強化できる
  • ブランド力が確立することで集客・売上の拡大が可能
  • 飲食店の基本的な料理・価格・サービスの3つの重要要素のバランスがとれる

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は飲食店の基本的なマーケティング手法を紹介しましたが、それ以外でも多くの手法が存在します。その中から自店の目的に合った方法で実施してもらえれば思います。競合の多い飲食店を守り続けながら成果を生み出すためにはマーケティング活動は必要不可欠なことです。ぜひマーケティングを実施してみてください。

この記事を書いた人

広田 淳