【飲食店経営】食中毒が発生してしまった場合の対応と予防方法を解説

  • 「飲食店経営をしているが、食中毒を起こさないよう対策を知りたい。」
  • 「食中毒を起こしてしまったらまず何をすればいい?」
  • 「食中毒でお客様に被害を与えてしまった場合に対応できる保険はある?」

このようなお悩みや疑問を抱えている飲食店経営者の声を多く聞きます。
飲食店経営は、食中毒のリスクが常につきまといます。

この記事では、食中毒が発生してしまった場合の対応と、事前に防ぐための対策方法・加入しておきたい保険等を解説していきます。是非、参考にしてください。

1.飲食店経営で食中毒が発生した場合、まず何をする?

①お客様への対応
食中毒が発生したことを知るきっかけは、お客様から「食事をしてから下痢と嘔吐が止まらず食中毒ではないか?」という連絡が入る場合が最も多いといわれています。
このような連絡が入った場合、詳しく内容を確認し、事実確認をすることが大切です。

以下の項目は必ず確認しましょう。

  • 名前 連絡先
  • 来店した日時、人数、食事をした席
  • 食事をしたメニュー
  • 症状はどのような感じか
  • いつから症状があるのか
  • 病院で診てもらったか
  • 病院で診てもらった場合、いつ病院に行き、どのように診断されたか

※病院で診てもらっていない場合は、すぐに受診をおすすめしてください。

この時点では、食中毒と確定されたわけではありませんが、お客様の言うことに否定も肯定もしないで、丁寧な対応をすることが大切です。

②店舗の情報収集
食中毒の疑いがあると連絡があったお客様が来店した日時に勤務が入っていた従業員の体調を確認しましょう。また他にも同じ症状の報告がないかも確認しておくことが大切です。



③保健所への対応
食中毒であると確定したら、病院から保健所に通報され、保健所の立入調査が行われます。保健所の立入調査では、店内や食材の拭き取りを行い、以下の内容について調査されます。

  • 食中毒に罹ったお客様が来店した日時
  • 上記日時に来店した他のお客様から食中毒の報告はないか
  • 食中毒の原因が疑われる料理と調理方法
  • 食材の仕入れ先
  • 衛生管理、在庫管理の内容

④保健所による処分
保健所に食中毒であると断定した場合には、食品衛生法第60条に基づきお店に対して営業停止命令などの不利益処分が行われます。
不利益処分は、場合によって1日~14日程度の営業禁停止命令を受けることになります。

2.飲食店で起こりやすい食中毒の原因菌5つを解説

①腸管出血性大腸菌O157 細菌
腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。
原因食品と推定されたものは、国内では井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、シカ肉、サラダなどで多く報告されています。
抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者が感染すると重症となる場合もあります。



②アニサキス 寄生虫
生きたアニサキス幼虫が付いたままの海産魚介類を生食、あるいは冷凍や加熱が不十分な状態で食べると、アニサキスによる食中毒を引き起こす場合があります。
原因食品と推定されたものは、サバ、サンマ、アジ、イワシ、ヒラメ、サケ、カツオ、イカ等の海産魚介類の刺身、冷凍処理をしていないシメサバなどの加工品などで多く報告されています。
アニサキス幼虫はとても小さく、どこに潜んでいるかわかりません。よく噛めば大丈夫というわけでなありませんので注意が必要です。



③カンピロバクター 細菌
カンピロバクターは、食肉の腸内に生息している細菌です。
国内で発生している細菌性食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒です。
原因食品と推定されたものは、鶏肉が疑われるもの(鶏レバーやささみなどの刺身、鶏肉のタタキ、鶏わさなどの半生製品、加熱不足の調理品など)で多く報告されています。
酸素(空気)がわずかなところでも増殖し、少量の菌でも発症するとされています。



④ノロウイルスウイルス
ノロウイルスは、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こす、ウイルス性の食中毒です。
原因食品と推定されたものは、水やノロウイルスに汚染された食品、特にカキを含む二枚貝が多く報告されています。感染力が強く、集団感染のリスクが高い感染症です。


⑤サルモネラ属菌 細菌
サルモネラは、牛や豚や鶏などの家畜の腸内、河川・下水など自然界に広く生息していている細菌です。
原因食品と推定されたものは、鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多く報告されています。
保菌しているネズミや、犬・猫・カメなどのペット動物を介して食品を汚染する場合もあります。


【厚生労働省 食中毒発生事例・状況】

3.食中毒を防ぐための対処方法を解説

食中毒の発生時期は、春になり気温が暖かくなるにつれて多くなり、7月~9月にかけての夏場に最盛期を迎えるといわれています。
しかし、近年、あまり認知されていなかったノロウイルスが冬期に多発し、食中毒を防止するためには、年間を通じて徹底して食中毒対策を行うことが大切です。


対策①手指や食品、調理器具などの洗浄を徹底する
手指にはたくさんの細菌が付着しています。
細菌をつけないためには、手指や食品、調理器具などをしっかり洗浄しましょう。


対策②細菌を増やさないように温度管理を徹底する
細菌を増やさないためには、食品や料理を適切な温度で保存することが大切です。
細菌は、30℃前後で増殖しやすいといわれているため、10℃以下の低温、65℃以上の高温で細菌が抑制されます。


対策③加熱処理で殺菌する
細菌を殺菌するためには、十分に加熱することが大切です。
ほとんどの細菌は加熱によって死滅します。
調理中に細菌が付着した可能性のある調理器具などは、煮沸消毒や殺菌剤で消毒を行いましょう。

3.飲食店経営で加入しておきたい保険とは?

飲食店の経営には、食中毒のリスクに備えることが大切です。
飲食店経営でおすすめの保険・特約3つを解説します。


①生産物賠償責任保険(PL保険)
生産物賠償責任保険(PL保険)は、「製造・販売した商品」や「仕事の結果」が他人に損害を与えて損害賠償を請求された場合に、保険金が支払われる保険です。
飲食店で提供した料理で食中毒が発生し、お客様から損害賠償を請求された場合は、生産物賠償責任保険(PL保険)の補償が適用されます。


②食品営業賠償共済
食品営業賠償共済とは、公益社団法人日本食品衛生協会が提供する、食品営業者を対象とした共済です。
食中毒や異物混入といった飲食店で起こり得る事故が発生した際に、被害者への損害賠償金や賠償問題の訴訟費用などを補える共済金が支払われます。
【公益社団法人日本食品衛生協会】


③食中毒見舞金の特約をつけられる保険
食中毒見舞金の特約を付けられる保険は、食中毒が発生し営業停止処分を受けた場合に、見舞金が支払われるものです。
飲食店がすでに加入している保険に加える特約となるため、単独では加入することはできないので注意が必要です。

さいごに

いかがでしたか?飲食店で食中毒が発生してしまった場合の対応と予防、加入しておきたい保険を解説しました。
一度でも食中毒を発生してしまうと、お店が廃業してしまうリスクもあります。
食中毒を起こさないよう徹底した対策をしていくことが大切です。
この記事を参考にして、食中毒防止対策に取組みましょう。

飲食店経営で相談できる税理士が身近にいない場合、一度、BrancPort税理士法人にご相談ください。

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