飲食店が始める自販機ビジネスとは?【導入するための準備とメリット・デメリット】

今や人通りの多い場所に限らず、あらゆる所で自動販売機を見かけます。食品・飲料だけではなく、たばこや日用品雑貨、そして食券や切符を販売する券売機などもそのひとつです。日常生活で無くてはならないほど多種多様な自販機が存在しています。そんな自販機ビジネスは時間に関係なく無人で商品を販売できるので、安定した収益が得られるという方も多くいらっしゃいます。また、本業の傍ら副業として始めているという飲食店も増加しています。そこで今回は、飲食店が自販機ビジネスを始めるための導入準備やメリット・デメリットなど解説していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

1.自販機ビジネスとは

自販機ビジネスとは自分が所有する土地で自販機を設置し、商品を無人で販売することで売上から収益を得るビジネスです。運営方法は、自らが管理するタイプと運営会社(設置会社)に任せるタイプがあります。無人で時間を問わず商品を販売できるので効率がよく収益を得られる点では大きなメリットとも言えるでしょう。ただし、飲食店で両立しながら始める場合は、実店舗の運営とのバランスを考えた上で運営方法を選ぶようにしましょう。

自販機は24時間営業中なので電気代はかかりますが、2011年の東日本大震災以降「消費電力」の問題により省エネ技術が導入された自販機が採用されるようになりました。
過去10年以上前のビジネスモデルよりエネルギー消費量が減少したこともあり、飲食店にとっても参入しやすいと急増しています。

2.自販機ビジネスの導入準備と運営方法

飲食店経営の傍ら自販機ビジネスに参入している、あるいは始めようと検討中のオーナーも少なくありません。数多くの商品が自販機で販売され、しかも24時間いつでも購入ができるので消費者ニーズも高まっています。これから自販機ビジネスを始めようと考えている方に、導入準備と運営方法などを解説していきます。

2.1 営業許可と届出は必要?

自販機ビジネスを始めるには、調理機能や保存期間などあらゆる条件によって営業許可が必要なものと不要なものがあります。

〈許可が必要とする場合=調理機能を有し屋外に設置されたもの〉

  • (飲食店)営業許可が必要となるもの 例)電子レンジ付冷凍食品、給湯装置付カップ麺や弁当、ハンバーガー自販機など
  • 調理機能を有する食品は自販機によって調理されたものを販売する場合の営業許可 例)カップ式コーヒー自販機、カップ式清涼飲料自販機
  • 氷雪製造営業許可が必要な食品 例)氷自販機、かき氷自販機

〈届出が必要とするもの=調理機能を有し屋内に設置されたもの。冷蔵・冷凍による保管と常温保管であっても保存期間が短いもの〉

  • 乳類製品販売の届出が必要なもの 例)牛乳自販機
  • 食肉販売業の届出が必要なもの 例)冷凍包装済の食肉自販機

〈許可および届出が不要なもの=調理機能が無く常温保存が可能なもの〉

例)缶ジュース、ペットボトル、カップ麺(お湯を購入者自ら注ぐタイプのもの)


上記のように許可・届出が必要とするパターンがそれぞれ異なります。更に詳しく許可や届出に関して知りたいという方は管轄の保健所に相談することをお勧めします。

2.2 自販機の運営方法

自販機設置後の管理方法は「フルオペレーション」と「セミオペレーション」の二通りあります。どちらが自店にとって効率的・最適なのか検討してから選ぶようにしましょう。

  • フルオペレーション:フルオペレーションは、飲食店の近隣で空いたスペースを自販機専門の設置(管理)業者に場所を貸すというイメージです。清涼飲料水や酒類、食品などの自販機を設置することから設置後の商品補充、メンテナンス、空き缶の回収、トラブル対応などのオペレーション全てを設置業者に任せておくことができます。設置者(飲食店側)の料金負担は設置場所の提供と電気代、そして売上の一部を設置業者に販売手数料として支払うことになります。なお、販売手数料の相場は売値の約20%~30%が一般的です。
  • セミオペレーション:セミオペレーションはリース契約もしくは自販機を購入し、商品補充やメンテナンスなど全ての管理を購入者が行います。また、釣銭などのお金の管理、電気代、売上回収などの対応も求められます。しかし、売上が上がれば全て飲食店(運営者)が得られるので収益性が高くなります。

以上2通りのオペレーション方法がありますが「運営管理の負担軽減」もしくは「収益の独占」など、自店にとってどちらを重視するのか検討した上で決めるようにしましょう。

2.3 冷凍自販機の導入

実店舗で提供している商品を冷蔵あるいは冷凍自販機で販売している飲食店が多数存在しています。大手チェーン店の長崎ちゃんぽん「リンガーハット」では、店内で提供している看板メニューを冷凍自販機でも販売している一店舗です。お店と同じ料理を安く購入ができると、消費者からの需要が高いのも特徴のひとつです。

現在、冷蔵・冷凍の切り替えができる「ど冷えもんNEO」という自動販売機が非常に人気です。冷凍したラーメンや餃子、牛丼、デザート類(ケーキ)など多くの食品が自販機で販売可能です。薄型タイプもあるので場所が狭いという個人経営の飲食店でも設置可能です。
また、「ど冷えもんNEO」は、賞味期限を管理する機能もあり、期限を過ぎた商品は自動的に準備中モードに切り替わり、販売を停止することができるので非常に効率的な自販機となっています。

2.4 自販機のアプリでポイントカード・キャンペーン

今やスマホで商品を購入できる時代、更にポイントカード・キャンペーンなどの特典が得られる仕組みとなっています。自販機もその一つでますます進化を遂げています。たとえばスマホで自販機のQRコードを読み込み、商品についているバーコードをスキャンし、公式Lineなどにログインすればキャンペーンの応募が可能となります。 
ポイントに関しても、メーカー公式アプリ(無料)をダウンロードし、商品購入後にそのアプリを自販機にかざすだけでポイントが貯まるという仕組みになっています。ポイントを貯めてお得なクーポンサービスと交換ができるなど消費者の購買意欲を掻き立てる戦略となっています。
自販機は無人販売のため店内で提供する人員によるサービスは不要ですが、無人だからこそ消費者にお得感や楽しませるアイデアひとつで売上や集客に繋がっていくと言えるでしょう。

3.自販機ビジネスのメリット・デメリット

自販機ビジネスを検討している飲食店オーナーにとっては、どんなメリット・デメリットがあるのか気になりますね。ここではいろいろな角度から見て紹介していきます。

◆自販機設置のメリット

  • 24時間365日対応なので実店舗の営業終了後でも店内メニューと同じ味を提供できる。
  • 自販機を設置することでお店の認知度が高くなり、集客に繋がる
  • 店頭の空いているスペースで自販機設置が可能なので場所の有効活用ができる
  • 無人販売なので人件費がかからない
  • 食品ロスの削減に繋がる

狭い場所でも設置可能なので有効活用ができる上、実店舗への集客に繋がることも最大のメリットではないでしょうか。その他飲食店にとって食品ロス削減もとても重要なポイントとなります。

◆自販機設置のデメリット

  • 人気の少ない設置の場合、盗難によるセキュリティリスクの懸念がある
  • 自販機周りに空き缶のゴミが散らかる。(管理をこまめにしなくてはならない)

デメリットとしては無人販売による盗難リスクなどあります。盗難防止のため防犯カメラなどセキュリティシステムを設置したほうが良いでしょう。また、空き缶のゴミが散らかっていると、購買意欲が下がってしまうので注意しましょう。

4.飲食店が自販機ビジネスに参入する時の注意点

自販機ビジネスを始める際、注意するべきことが幾つかあります。

①セミオペレーションを選択したときの注意点ですが、飲食店で提供しているメニューと同じ食品を自販機で販売する場合、調理時間や在庫確認、賞味期限などの管理が必要となります。自販機ビジネスに必要な作業と実店舗の作業、両方の時間を要するためどちらかが負担にならないように注意しましょう。

②自販機の設置場所に関する注意点です。

  • 自販機の設置する場所周辺に障害がないか確認する(商品補充や修理するとき扉の開閉に問題はないかなど)
  • 店頭の頭上に看板などがある場合、自販機のサイズを考慮しなければならない
  • 商品ボタンが押しづらくないか(消費者の購入しやすさ)

自販機の設置は消費者が購入しやすくするため、先ずは設置周りの障害やスペースなどを十分考慮したうえで配置しましょう。設置場所や購入のしやすさはもちろん、興味を惹く商品によって売上は大きく変わります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は飲食店が両立できる自販機ビジネスの導入準備からメリットや注意点を解説しました。自販機ビジネスを始める目的はさまざまですが、実店舗が発展するための施策として検討してみるのも良いかもしれません。これからも進化し続ける自販機ビジネスは飲食店の活性化にも繋がることでしょう。

この記事を書いた人

広田 淳