今話題のセルフエステを開業するには?【メリットからトラブル対処法までを解説!】

セルフエステサロンは、ここ数年急速に成長しています。お客様自身で美容機器を使って施術できるという新たなビジネスの展開に注目を集めているため、セルフエステの開業を目指す人が増えています。なぜここまで注目されているのか探りながら、セルフエステのメリット・デメリットから開業後のトラブル対処法まで解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.セルフエステとは

通常のエステティックサロンは専門技術者であるエステティシャンがお客様のフェイシャルやボディ、脱毛、痩身などをハンドエステもしくは業務用マシンで施術を行い、あらゆる「美」をサービスとともに手技によって提供しています。
これに対してセルフエステは業務用機器をサロン内でお客様に貸し出し、自身で施術するという新しいビジネスのシステムになります。そのためサロンスタッフはエステティシャンのような技術は必要なく経営できるのが特徴でもあります。ただし、マシンの使い方をお客様にレクチャーをしなければならないので操作方法を習得し、施術後のケアは必要になります。その他の主な業務といえば受付から売上管理といった事務作業、マシン使用後の後片付けや掃除、マシンが故障した時の対応などです。
また、お客様自身で施術するため、操作方法での疑問や不安に思ったことがあった場合には解消できるような体制をつくることが必要です。

2.セルフエステのメリット・デメリット

セルフ型のサロンはお客様自身で施術しますが、サロン側ではどんなメリットがあるのか気になりますね。ここでは開業するにあたって知っておくべきメリット・デメリットを紹介していきます。

〈メリット〉

①省スペースで開業できる

エステサロンは、お客様に施術するときに最低でも1台の業務用ベッドが必要です。また、スタッフの人数に対して同数程度の業務用ベッドを配置しているサロンが多く、店舗スペースを考えると立地探しに時間を要すことがあります。セルフエステの大きな設備機器といえば、美容マシンやテーブル・椅子のみで業務用ベッドは必要ありません。そのため省スペースでも無理なく開業できるのでマンションの一室でも経営は可能です。また、全ての備品(タオルやジェルなど)を揃えても比較的安価で済むことも大きなメリットと言えるでしょう。

②新規参入しやすい
セルフエステの開業は資格や技術の必要がなく、未経験でも比較的参入しやすいのが特徴です。もし開業するのが不安であれば、フランチャイズに加盟すれば開業支援によるオペレーションの研修や成功のノウハウを学べる機会があるので、FCを活用しても良いでしょう。

③人件費を抑えられる
通常エステサロンは1店舗あたり平均4人のスタッフが常勤していることが多いですが、セルフエステは1.5人で運営が可能です。また、お客様自身で施術するため技術面でのプロフェッショナルなスタッフを採用しなくても難なく運営ができるシステムになっています。そのため給料に加算する技術手当などは必要なく、少人数で経営が成り立つので人件費が抑えられるという点では大きなメリットになります。

〈デメリット〉

①セルフでの施術による保証はされていない

セルフエステは、自分自身で施術するのでマシンの使用効果は確実に保証されているとは限りません。契約時にサロン側で効果は数回程度で表れるという説明をしていることが多いです。成果を上げるまでは自己責任とはいっても数回で成果がでるということを「言った、言わない」のトラブルに発展する可能性があります。

②個室数・マシン数によって回転率が落ちる
セルフエステはマシンの大きさや用途によってオープンスペースまたは個室で利用できます。予約無しで通えるので個室が空いていない、マシンが全て使用済などの問題が発生する可能性があります。マシンや個室数が少なすぎると回転率が落ちてしまい、売上に繋がらないので開業前にはどれくらいの個室やマシンが必要なのか検討しておく必要があります。

3.セルフエステが人気な理由

ここでは、今人気のセルフエステはどこに魅力を感じてお客様が通っているのか解説します。

  • エステサロンと同じ高機能・最先端マシンが低価格で利用ができ効果が得られる
  • 完全個室のプライベート空間のため一目を気にすることなく施術できる
  • 自分のペースで通えること、スタッフと話さなくても済む
  • 気になる部位だけ施術ができるので、集中して短時間で気軽に通える
  • ほとんどのサロンはカウンセリング不要なので過剰な勧誘が少ない

セルフエステはお客様にとって気軽に通えるという面が一番の魅力のようです。
また、自分で積極的にキレイになりたいと思っている人が年齢問わず増えてきているのもセルフエステが人気になった理由ではないでしょうか。

4.セルフエステ開業後のトラブル対処法

高機能・高品質のマシンを低価格で貸し出しができるサロンは、確かにお客様のニーズに応えています。しかし、お客様自身で施術をするからこそ間違った使用方法の解釈で効果が得られないなどのトラブルが発生しているのも事実です。ここではセルフエステについてのトラブル事例とその対処法・対策を解説します。

実は消費者によるセルフエステでの相談件数が増えています。そのため国民生活センターからの調べで消費者への注意喚起が発表されています。

〈施術時のトラブル事例〉

  • 美容機器を自分で操作したところ、顔や身体に不調が生じた
  • 痩身エステで熱傷を負ったが、サロン側では責任がないと言われた

初めての来店客や新しい美容マシンを導入したときは初回の1回のみサロン側で操作方法を説明します。2回目以降で同じマシンを使うときは説明しません。
施術による顔や身体の不調のトラブルは何度か通っている人に多くいらっしゃいます。マシンを使い慣れることで自身の判断で長時間身体に当てすぎたなどが原因で起こるトラブルです。2回目以降の施術を行う際には必ず動画またはペーパーによる施術方法をお客様に再チェックしてもらうことをお勧めします。そして美容機器の間違った操作をした場合に危害を及ぼしてしまう例を挙げて事前に伝えることが大切です。
セルフエステの規約等では美容機器等の操作は自己責任で行い、万が一故障などによる危害を生じた場合は「サロン側では責任を負い兼ねる」となっていることがほとんどです。サロン側ではお客様に規約等の説明を十分に理解していただいた上で、契約してもらうことがトラブルの回避方法になります。

〈契約・解除に関するトラブル〉

  • 無料体験をした際に「今日契約すれば入会金無料」と言われ長時間勧誘された
  • 解約をしたいと申請したが、3か月以上継続しなければ違約金が発生すると言われた

上記のように体験当日に契約することで入会金無料というのは、スポーツジムや英会話教室などにもよく使われています。このように入会することで店舗と利用客双方がメリットになるのはいいのですが、お客様が断っているにも関わらず過剰に勧誘してしまうとトラブルのもとになります。
また、入会金無料のため一旦は契約したものの、通える回数などは不明だったため解約を申し出たところ、3か月以上継続しないと違約金が発生すると言われたトラブルも少なくありません。契約時にはきちんと詳細内容を伝え、お客様が納得した上で同意書にサインをもらうことをお勧めします。

エステサロンでは賠償責任保険等に加入していることで施術ミスがあっても保険金の支払いはスムーズにいきます。しかし、セルフエステの場合は保険がなく、自らで施術するので法的賠償責任はお客様自身にあります。(※リフトアップに効果的なハイフの保険は対応可)

美容機器で危害を生じないように施術前の機器チェック(機器を実際動かしてチェックをするなど)は必ずしましょう。そして契約するための利用規約を作成し法的にも問題がないか確認することをお勧めします。

5.セルフエステの集客

セルフエステは低価格で気軽に通えるので特に都心の若い人の間で数年前から話題を集めました。そのきっかけが、これまでのあまり知られていなかったセルフエステの存在を大きく広告に打ち出した「じぶんdeエステ」が認知度を上げることに成功しました。(こちらはフランチャイズ契約で無理なく開業できるので参考にしてみてください)
多くのサロンがターゲットを絞り出し、特性を把握した上でSNSやチラシ、Web広告などのあらゆる手段を活用して集客方法を検討しています。集客に繋げるにはターゲット層が目に留まりやすい画像や文句(美容機器効果)などを分かりやすく掲載しなければなりません。先ずは集客サポートなどをしてくれるフランチャイズを活用するのも良いでしょう。

インスタグラムによる集客効果は特に若い女性ユーザーが多いです。
インスタグラムは視覚的に宣伝できるので、画像や動画でダイレクトにユーザーへサロンの魅力を伝えることができます。また、最新キャンペーンや質問コーナーなどを設け、ユーザーとのコミュニケーションを図ることで、安心できるサロンというイメージにも繋がります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は今話題のセルフエステのメリットからトラブル対処法、集客方法まで解説しました。セルフエステは新規参入しやすい事業とはいえ、施術後などによるトラブルも少なくありません。トラブルを回避するためにもセルフ施術であるビジネスを重視した戦略を考えることが開業成功への近道です。ぜひ自分の目指す経営スタイルでセルフエステを新しい形として開業してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人