ビールが美味しくなる3つのポイント【温度・グラス選び・注ぎ方で味に差がでる!】

1年を通してビールは美味しく飲めますが、わずかな工夫や手間をかけることで格別な味へと変化します。前回の記事【ビール好き必見!】メーカーの製造工程から自家製ビールの作り方まで解説で自家製ビールの作り方などを紹介しましたが、今回はビールを最高の状態で味わうために温度やグラス選び、注ぎ方のポイントを解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

1.ビールの機能と楽しさを感じるとき

ビールは爽やかな炭酸の刺激とホップの苦味や麦の甘味のすべてが融合された飲み物です。そこからコクが生まれ、ビール特有の苦味や酸味が感じられようになります。
実は、ビールを初めて飲む人の8割が「ビールは苦い」、「美味しさが感じられない」など苦手意識を持たれています。しかし、苦いと感じたビールは経験によってカバーができるのです。苦手意識を持っていた人の殆どが、何回も飲んでいくうちに苦みが癖になり美味しさに変わったと感じています。苦味よりキレ・コク・旨味が勝ってビール党に転身した人が多いようです。ここでは、そんな不思議な魅力を持つビールの機能と美味しさの決め手は何にあるのか探ってみました。

◆ビールの機能・楽しめる瞬間
①喉の渇きを潤す・・・仕事やスポーツな後の一杯で爽快感・幸せ感が得られる
②喉越し・・・喉を通す心地良さ、身体全体に満足感を与える
③食事を美味しくする・・・食欲を増進させる役割がある、社交の場でも活躍
④ゴクゴク飲める・・・すっきり感を味わえる、手軽に飲める
⑤苦味が美味しい・・・ストレスを感じた時に美味しく感じる(苦味成分には抗ストレス作用がある
⑥ホップの香り、泡を楽しめる・・・口に運んだ時に鼻孔で楽しめ、クリーミーな泡の美しさを楽しむことができる

以上がビールの機能や楽しみを感じる瞬間ですが、①と②の「喉」を潤すとともに心地よさを感じている、もしくは求めている人が多いようです。つまり、ビールは「舌」で味わうというより「喉」を通して味わい、身体に流し込むということになるでしょう。その他、ビールは「食」と「人」、そして「人同士」の関係を円滑にする役割があることも分かります。飲食店で飲む最初の一杯はビールで乾杯という習慣は、まだまだ残っているようです。

2.美味しいビールの飲み方

アルコールのなかでもビールは最も多く飲まれています。2杯目以降で他のお酒を飲み、再び最後の締めとしてビールに戻る人も多いようです。また、月に1回以上ビールを飲まれている人が全体(20歳以上の男女)の83.9%もいます。

(引用:ワインバザール調べ)

ここでは、多くの人に親しまれているビールをさらに美味しく飲むために3つのポイントを紹介します。

2.1 ビールが美味しい温度

ビールの温度は、種類や季節によって適温があります。よく夏にはキンキンに冷えたビールが美味しいと言われますが、実は冷やしすぎると「香り」や「味」が感じられなくなり、泡立ちも悪くなってしまいます。

●夏の温度⇒4~6℃。
特にラガー系はキレのあるスッキリした味わいで、喉ごしで楽しむタイプなので夏の暑い時期に適しています。
●冬の温度⇒6~8℃。
エール系はコクのある味と香りが特徴で、温度が少し高い方がホップの芳醇な香りと深みのある味へと発揮します。

2.2 グラス選びにもこだわりを

缶ビールはそのまま飲む人が多いと思いますが、グラスに注ぐことをおすすめします。缶のままで飲むと苦味がそのまま感じられ、泡を楽しむこともできません。グラスに注ぐと泡が立ち、炭酸ガスはほどよく抜けて口当たりがまろやかになります。グラスに移すだけで缶ビールが「こんなに美味しかったんだ!」と気付くはずです。また、味の個性はグラスによってさらに引き立てられるので、グラス選びにもこだわりを持つと良いでしょう。先ずは、グラスの素材や形などをみていきましょう。

●グラスの素材や形
ガラス・・・飲み口が薄いグラスは視覚で楽しめ、注ぐ時に泡と液体の調節ができるのがメリットです。香りや味がダイレクトに感じとれます。ジョッキグラスはゴクゴクと喉ごしで飲めみたい人におすすめです。また、安定感があり丈夫で持ち運びにも便利なので殆どの飲食店では使用しています。

●陶器・・・素焼きをしている陶器は表面がザラっとした凸凹があり、その凸凹がきめ細かいクリーミーな泡をつくってくれます。時間の経過とともに泡の変化が楽しめます。

●ステンレス・・・保冷性に優れたグラスで長時間経過しても冷たいビールを楽しむことができます。

●錫(すず)・・・飲み口が広がったグラスは、一口でゴクっと飲むと味と香りが同時に感じることができます。飲み口が丸くつぼまった形は、ビールの繊細な香りと奥深い味わいなど感じられます。お値段は少々高めですが、見た目も輝きを持っているので高級感があります。

ビールの種類によって味の違いがあるように、グラスによっても味わいが変化します。ビールの特徴に合わせグラスを変えて飲み比べをするのも良いでしょう。
参考まで⇒ビールグラスの選び方特集(飲食店用品.jp提供)
※グラスの洗い方には十分に注意しましょう。油分が残ったままビールを注ぐと泡が粗くなってすぐに消えてしまい、味も落ちてしまいます。

2.3 注ぎ方で味が変わる!

ビールの適温とグラス選びが味に影響を与えることが分かったところで、最後3つ目の注ぎ方のポイントを紹介します。コツさえマスターすれば美味しいビールが飲めます。先ず、一般的にビールの注ぎ方でよく知られているのが「3度注ぎ」です。泡だてながら3回に分けて注ぐというやり方です。

冷えたグラスをテーブルに置き、高い位置からゆっくり流し途中で勢いよく3分の1ぐらいまで注ぎます。ここでグラスを泡でいっぱいになりますが、しっかりと蓋の役割をしてくれます。
泡が落ち着いたらグラスの縁からゆっくりと流し込みます。泡がグラスの1cmぐらい盛り上がるところまで注いで再び待ちます。
最後に粗い泡が消えたら、泡が崩れないようにゆっくりとビールを足します。ここではビールと泡の割合が「7:3」になるように注ぎ、泡が盛り上がれば完成です。

3度注ぎは、飲み始めと飲み終わりの味の違いが楽しめます。3回に分けて注ぐことで炭酸ガスが抜けやすくなりますが、泡は持続するので香りとうま味を逃がさず時間の経過とともに苦みもほどよくなります。


敢えてビールの苦みを好む人もいらっしゃいます。特に個性のあるクラフトビールは苦みをそのまま楽しめるので泡を立てないように注ぐほうが美味しくなります。

グラスを斜め45度に持ち、瓶を注ぎ口に付けてゆっくりと流し込みます。
ビールを注ぎながら斜めに持ったグラスを静かに立てます。
立てたグラスの縁の近くでゆっくりと刺激を与えず注ぎます。

3.ビールが美味しいお店とは

最近では家飲みが増加していますが、飲食店で飲む生ビールはやっぱり格別です。新鮮なビールを提供できるのはお店ならではの強みです。美味しい生ビールを提供しているお店は以下のことを実施しています。

①ディスペンサー・ビールホースの毎日の洗浄(ビールサーバー)
ビールは栄養価が高く、ビールホースに微生物が繁殖しやすいため嫌な臭いを出します。洗浄を怠ると臭いでビール本来の香りや味が損なわれてしまうので毎日洗浄します。

②適正な炭酸ガス
炭酸ガスボンベは、生樽ビールに圧力かけて押し出す役割をしています。
ビールの温度に合わせた適正なガスの圧力を調整することで、気の抜けた水のようなビールを避けられます。

生樽の扱い・保管(静置冷却)に気をつける
生樽ビールに振動を与えると、炭酸ガスが分離して泡だらけのビールになってしまいます。保管場所は暑い場所に長時間保管しておくと、味の劣化やガスのコントロールが厳しくなるので厨房などの火気が多い場所は避けます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は美味しいビールを飲むための温度・グラス選び・注ぎ方のポイントを解説しました。現在コロナ禍により、家飲みが増えているため個々のお酒の知識や飲み方のレベルが上がったことと思います。そのような中で、久しぶりにお店に来店されたお客様に「外食ならではのビール」を味わってもらうため、ビールに焦点をあててみては如何でしょうか。

この記事を書いた人

広田 淳