美容サロンに適した営業時間と定休日~集客に繋がる決め方のポイントを解説~

美容サロンを開業するにあたり、資金調達から事業計画書、出店場所を決めるなど複数のステップをこなしていかなければなりません。その中でも「営業時間と定休日」の設定は大きな集客を左右し、売上にも影響されます。また、自分が経営者になると労働基準法に基づいたスタッフの勤務時間や休日も考えなければなりません。前回の記事「美容師の労働時間の実態~知っておきたい勤務時間のルール~」で労働時間について解説しましたが、今回は集客に効果的な営業時間・定休日を決める時のポイントを中心に解説していきます。ぜひ参考にしてください。

1.美容サロンの開店時間・閉店時間

美容サロンの開業前に準備することの一つが営業時間と定休日の設定です。
ここでは、美容サロンにおける1日あたりの平均営業時間を見ていきましょう。

※引用:厚生労働省 美容業 結果の概要

上記のグラフを見てみると「9~10時間未満」が44.4%と最も多く、次いで「10~11時間未満」が42.1%となっています。営業時間の平均は9.4時間という結果になりました。店舗によっては10時間を超えるところもありますが、少しでも営業時間を長くして競合店と差をつけたいということが伺えます。

また、開店時間と閉店時間は下記の通りとなっています。

※引用:厚生労働省 美容業 結果の概要

開店時間は「9時台」が最も多く71.1%、閉店時間は「18時台」が50.8%、次いで「20時台」が35.1%という結果です。開店9時台というのは開店前に1時間程度の準備をしてから10時にお店をオープンするという美容院も少なくありません。また、閉店時間の18時台というのは店舗によって異なりますが、予約の最終受付時間としている場合があります。(例:美容院のパーマの最終の予約受付が18時など)

2.美容院の定休日は火曜日が多い

関東方面の美容院は火曜日が定休日という店舗が多く、関西方面では月曜日定休の店舗が多くあります。実は、定休日がそれらの曜日に決まっているのには理由があったのです。

ここで豆知識!「理美容院はなぜ火曜日や月曜日に休みが多いのか。」
時代はさかのぼり、第二次世界大戦前後に日本における電力の需要供給のバランスが崩れたため電力不足になってしまいました。そのため電気の使用制限を設けましが、供給が追いつかず「休電日」を設定することになりました。そこで、理美容店で流行っていたパーマに使用する電気量が多いと、エリアごとに休電日の曜日を決められたことから始まったそうです。したがって関西方面の美容院は月曜、関東方面は火曜の休電日の取り組みが行われるようになりました。現在でもそのような過去からの定休日(休電日)を倣っている店舗が多くあります。

一週間のうちの繁忙期である土日祝を定休日にしている美容院は少ないでしょう。昨今では月曜に祝日が多くなりましたが、店舗によっては月曜定休日のため営業をしていない美容院もあります。祝日と重なった月曜が定休日であれば美容院で働くスタッフは、家族サービスができるというメリットはあります。一方で火曜に定休日を設けている場合は、月曜休業の店舗から顧客が流れてお客様の獲得に繋がる可能性があります。
定休日を決める曜日には、少なからずそれぞれのメリット・デメリットがあることが分かります。

3.営業時間・定休日を決める時のポイント

ここでは、美容サロンに適した営業時間と定休日を決めるためのポイントを解説していきます。

3.1 立地条件を検討

出店場所による客層や日時で変わる人通り多さなどを考慮して開店時間・閉店時間を決めるようにします。

  • 繁華街の出店・・・人が動き出す時間帯は午前10時以降と遅めで、特に昼過ぎから夕方までが美容院の予約が入りやすい時間帯です。閉店時間は夜遅くまで営業し、カットの最終受付20時で閉店21時という店舗が多いようです。(パーマやカラーは19時最終受付、22時閉店など)定休日は設けず年中無休が多く、スタッフは交代で休みを取ります。平日の日中は比較的静かですが、ウィークエンドに働いているサービス業のお客様が多く来店します。
  • 住宅街の出店・・・住宅街における客層は主婦層が多く、平日の生活始動時間が早いため9時開店20時閉店の美容院が見受けられます。また、お客様のニーズを受け夜間23時まで営業している美容院もあります。近隣で働く女性客をターゲットとしたスタイルの美容院です。このような場合、ほとんどが夜間のみ(あるいは早朝~昼まで)営業などの差別化を考えたスタイルになるでしょう。定休日は火曜(または月曜日)が多く、お客様にとってもわかりやすいのでリピートしやすいです。
  • テナント出店・・・テナントに入るサロンの営業時間は基本的に施設のルールに従います。また、定休日は設けていないことが多いです。施設内のため集客のしやすさが大きなメリットですが、閉店後の見習いスタッフによるカット練習などは難しくなります。

3.2 ターゲット層の行動をリサーチ

営業時間・定休日の設定は、集客数や売上に直結するので非常に重要です。その集客のカギを握るのがターゲット層を絞り込み、来店動向を把握することです。これは出店する立地に関連しますが、時間帯や曜日によって変化のあるターゲット層の行動をリサーチします。自店舗の周辺に商業施設が建ったなどの変化が生じた場合、客層や来店時間が変わる可能性もあります。そのような変化によって営業時間や定休日を検討することも必要です。また、ターゲット層・来店動向をリサーチすることで、より具体的な営業時間や定休日の設定がしやすくなります。

3.3 競合店をリサーチする

特に美容院は、ある地域によって競合店が多く集まっていることがあります。美容院は来店されるお客様に合わせた時間帯の営業になりますが、閉店時間を1時間遅くするなど競合店と差をつけることで集客に変化が見られることがあります。自店舗がお休みの際にライバル店を訪問し、営業している時間帯にどの程度のお客様が入店しているのかなどの外観から見てリサーチするのも良いでしょう。顧客視点として他店を見ると参考にもなります。また、定休日に関してはターゲット層や立地に左右されますが、競合店の定休日をリサーチしておくことも大切です。競合店の定休日に火曜日が多い場合、敢えてその曜日を営業するなどしても良いでしょう。また、月曜日の祝日が多くなってきた昨今、サービス業に携わっているお客様は火曜日に美容院を求めていることも多くなりました。競合店と違ったスタイルで営業するためには念入りなリサーチを行いましょう。

4.営業時間・定休日の設定後の改善

美容サロンを経営する上で集客は重要です。その集客力を上げるために営業時間と定休日を決めたけど、なかなか思い通りの経営ができないなど悩まれているサロンオーナーもいらっしゃいます。ここでは設定後の改善方法を紹介します。

【営業時間】
美容院をオーナー1人で運営する場合は、お客様の予約に合わせた時間帯のみの営業でも問題はありません。ところがスタッフを雇う場合は、労働基準法に基づいた営業時間を考えなければなりません。過重労働にならないように注意が必要です。例えば営業を10時間と設定した場合は、早番遅番の2部制のシフトにするなどの工夫が必要です。スタッフの過度のストレスが溜まればモチベーションが下がります。もともと美容院は長時間労働というイメージがありますが、出来る限り8時間労働を目指すようにしましょう。スタッフのモチベーションが上がれば集客に繋がり、売上アップにも期待が持てます。

【定休日】
一般的に美容院は平日の午前中は暇な時間帯が多いです。店舗の考え方や方向性によって異なりますが、暇な時間帯を有効的に使うようにすると良いです。見習いスタッフやパートなどを雇った際には閉店後の練習時間がどうしても必要となります。こうした場合、もし火曜日が定休日であれば隔週で水曜日の終日あるいは午前中のみを休業にして練習時間に充てるといったように工夫することも必要です。定休日が増えることで思い切った挑戦ではありますが、スタッフの成長が期待され、将来的にも集客に繋がります。

さいごに

いかがでしたか。美容サロンの開業に向けて営業時間と定休日の設定ポイントなどを解説しました。集客・売上に大きく影響されるため、立地によるターゲット層の把握をしておく必要があります。出店後に決めた営業時間と定休日に問題が生じてしまったら早めに改善策を練るようにしましょう。

この記事を書いた人

広田 淳