近年、癒しを求めてペットと過ごす時間が増えた、あるいは飼うようになったという人が多くなりました。それに伴いペットビジネスは市場への参入が拡大し、需要が高まっています。
ペット産業の中でもトリミングサロンは、ペットの健康や美容のために施術提供をしているので、非常に伸び盛りで重要なポジションと考えられでいます。
今回は、開業を検討されている人を中心にトリミングサロンの成功と失敗の違いなどを解説していきたいと思います。成功に近づくために、ぜひ参考にしてみてください。
1.トリミングサロンの利用状況
近年、ペットブームに伴いペットビジネスは様々な業種が入り混じり市場規模が拡大しています。ただし、競合店も多くなり経営戦略の策定をしなくては生き残れません。
店舗を持つどんな業界でも参入と廃業が繰り返されています。
廃業させないために、つまり成功するには自店(サロン)を利用してもらわないとビジネスは成り立たないということです。
ここでは、先ず顧客によるトリミングサロンの利用状況をみていきたいと思います。
先ずは、愛犬のカットにトリミングサロンを利用しているかのアンケートです。
以下の通り全体の62%が「はい」、38%が「はい」という回答。
トリミングサロンを利用している人が多いとはいえ、少ない数字とも言えますね。
※この回答のなかで小型犬と大型犬での利用率は異なります。
また、トリミングサロンを利用していない人について、カットやシャンプーはどうしているかの回答です。
愛犬のカットやシャンプーは自分でしているが73.8%で、何もしていないが20.4%、知人に依頼が5.8%でした。
カットやシャンプーは、出来る範囲で飼い主がしていることが多いことがわかりました。
次に、トリミングサロンの利用頻度はどのぐらいの頻度で行っているかの回答です。
月に1回が一番多く35.5%、次に2ヶ月に1回が29.2%、3ケ月以上(たまに利用)が20.4%という回答です。その他3週間以上が11.4%となっています。
これは、毛玉になりやすい犬などの種類によって来店頻度は異なるようです。
最後にトリミングサロンの満足度です。
満足が60.8%、大変満足が35.1%、不満が3.4%、大変不満が0.7%という結果に。
「満足している」と「大変満足」を合わせると95.9%の人が現在通っているトリミングサロンに満足しているということになります。満足している人は「安心できる」「愛犬の接し方が優しい」「技術が優れている」などが理由となっています。その一方で、不満と思っている人は「トリマーの技術の格差がある」「愛犬が行くのを嫌がる」「接客が悪い」など技術力の不安定さなど、何をされているのかわからないなどの回答が多いです。
※上記画像2~5参考(引用元)PR TIMES
2.トリミングサロンの成功例
成功しているトリミングサロンは、集客やサービス、アイデアなど様々な方法を試行錯誤しながら実行し経営を継続させています。ここでみていきたいのは、成功しているサロンは何をポイントとして押さえているのかということです。
★集客方法
- ターゲット層に合った広告宣伝
- 既存顧客の満足度を向上させることを継続している
- 他店にはないサービスや技術の提供
- 特に新規顧客には好印象を与える
店舗の顧客は新規顧客と既存顧客の二通りあります。
自店のオリジナリティをいかに売り込めるかによって集客が左右されます。
★質の高いサービスと技術
- 施術方法などの明確化(お客様を不安にさせないため)
- 特典やアフターケアのサービス展開
- トリマーの技術力向上のために定期的なセミナーを開催
お客さまに期待以上の提供を与えることでリピーターとなり、そして口コミが広がるといった好循環が生まれます。
★トリミングサロンの店内
- 内装デザインは防音対策や安全性を重視する
- 明るく清潔感を心がける(動物のニオイは近隣に迷惑をかけてしまうことがある)
- ペットがリラックスして施術を受けられる空間のデザイン
清潔感のあるサロンは好感がもてます。そして安心してペットを預けられるという信頼感が生まれます。
3.トリミングサロンの失敗例
成功店が行っていることや心がけているポイントを知ることは非常に大切です。
しかしながら、成功するには失敗してしまうポイントも把握しなければなりません。
▼時代に合った集客方法を活用しない
- 全てにおいてアクション無しの待ちの姿勢で集客を求めている
- ファン獲得の意識が薄い
集客は店舗を持つビジネスにおいて非常に重要です。今の時代SNS・ホームページなどで常に新しい情報を配信し、そして特典も取り入れていることを伝えなければサロンの印象は残りません。
▼サービスと技術不足
- サービスと技術力をウリにできないサロン(あるいは技術は良いのにサービスが悪い)
- 人材の育成スキルが低い
- ペットの雑な扱い・トラブル対応が悪い
実はトリマーの技術が優秀であっても接客サービスが適当だとお客様は二度と来店は無いと思っていたほうが良いでしょう。
ペットを乱暴に扱ってしまったり、トラブルがあった時の対応が悪く曖昧で終わるサロンは経営難に陥ることが多く見られます。また、人材の育成に力を入れないサロンは注意したほうが良いでしょう。
▼開業計画があまかった
- マーケティングの行いがなかった立地の場所選び
- 防音対策や床滑り対策などを見過ごしてしまった
店舗の立地選びは、どの業界でも開業後の売上に大きく影響します。そのため非常に重要ポイントとしてあげられるので人通りの人数や動き、競合店の有無などのマーケティングを行う必要があります。また、トリミングサロンを開業するためには、店内をどのように何をしなければいけないのか把握しておかなければなりません。失敗と気づいたときには修正できたとしても莫大な費用がかかる可能性があります。
4.顧客の定着が成功のはじまり
顧客には新規と常連がいますが、新規顧客は獲得するためにサロンの認知を促すような施策をとります。そして再来店してもらったお客様には、常連となってもらうために期待以上の技術やサービスでリピートを促す施策をとります。そして最後に定着させることです。
定着してもらうことは、経営をする上で非常に重要です。
①収益の安定性
顧客が定着すると売上も定着し、毎月の予算や事業計画などを立てやすくなる。
②口コミの拡散
定着することで、お客様の口コミが広がり信頼性と安心感を与える。人が人を呼ぶことで売上向上に繋がる。
③成長していくことの期待感
実は、働くトリマーにとってリピーターは心強いお客様なのです。長い付き合いからペットのことをよく分かっているので施術がしやすく、困ったことがあれば問題なくコミュニケーションがとれます。また、スタッフのモチベーションも上がり、サロンとともに成長していく過程が想像つくようになります。
④トリミングサロンの好イメージに繋がる
顧客が定着すると、イメージが良くなります。リピーターが多いということは「技術が安定している」「サービスの充実」「安心してペットを預けられる」といった集団心理が働き、前向きなイメージが拡がりを見せます。
さいごに
いかがでしたか。今回はトリミングサロンの成功と失敗を例として挙げました。
特に開業を決めたときに思うことは、「サロンを継続させる」「失敗はしないようにする」といった覚悟を決めてみましょう。そしてすべてを明確にし、顧客に伝えることです。
失敗例を避けるようにすれば成功(=継続)に近づくこと間違いないでしょう。