トリマーの離職率は高い!?辞めてしまう原因と防止対策を解説!

好きなペットに携われる仕事を目指し、労力と時間をかけて資格を取得しているトリマーは多数いらっしゃいます。しかしながら、実際働いてみると理想と現実のギャップなどさまざまな理由で離職を考える、あるいはすぐに辞めてしまうケースが少なくありません。
すぐに辞めていってしまう理由はどこにあるのでしょうか。

今回はトリマーが辞めてしまう理由と離職の防止対策などを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.ペットの市場規模

ペット業界全体において、トリミングサロンは約50%を占めていると言われています。トリミングサロンが半数近くも占めているということは、トリマーの需要も拡大していることがわかります。
生活に癒しを求めてペットを飼う人が増加傾向にありますが、そのなかでトリマーとしての作業の大半は、トリミングが必要な犬種が占めていることでしょうか。
需要(ペット)と供給(トリマー)のバランスが一致しているようにもみえますが、実際はどうでしょうか。ここでは、ペットの市場規模をみてみましょう。

出所:一般社団法人 ペットフード協会

上記の表をみると犬の飼育は減少し、猫は増加傾向にあります。
猫は室内で飼うことが多いためトリミングはあまり必要としませんが、犬は毛が伸び続ける犬種もいるため、お手入れが必要とします。
ペットの増加でトリマーの需要は高まっているようにみえますが、犬を飼う人は減少しています。トリマーは体力的にきついというイメージがありますが、犬の飼育数が減少している分、トリミング内容に時間をかけて技術の高さも求められています。
限られた作業をするだけではなく、更にスキルを身に付けていくことで、求められるトリマーの需要が高くなっていくことでしょう。

2.トリマーの離職理由

トリミングサロンで働き出しても何らかの理由ですぐに辞めてしまう人が多いのが現状です。ここでは、離職してしまう原因はどこにあるのか考えてみましょう。

2.1 労働環境によるストレス

労働環境のストレスは、多少の差はあってもどの業界でも生じています。
特にトリミングサロンでは、犬の鳴き声や噛みつき、暴れたりなどしてトリミングにかかれないといった状態になることがあります。そうなると作業が長時間になり、身体的にも負担がかかってしまいストレスに繋がってしまいます。

  • 長時間労働・・・犬が嫌がったりして作業ができない場合、長時間となりロスが生じてしまいます。このように長時間労働が常態化してしまうと休憩時間の短縮、身体への負担など全てが悪循環となるため離職に繋がってしまいます。
  • 重労働・・・大型犬をシャンプー台に乗せたり、暴れては保定したりと力のいる作業が多くあります。体力的にきついと感じてしまい継続するのが難しい判断に至ることがあります。
  • 収入面の不満・・・重労働で長時間作業の多いトリマーは収入の低さにも不満を抱えている人が多いです。地域によっての差はありますが、見合った賃金を求めているので離職を考える人が多いです。

2.2 複雑な人間関係

人間関係によるストレスは職場によって差はあるものの、どの業界にも生じているのではないでしょうか。トリミングサロンは、ほとんどが小規模で少人数の環境にあります。
同僚や上司に人間関係の悩みを相談することは容易ではなく、ひとりで抱え込んでしまうケースがあります。
その人間関係の悩みのひとつである原因は「八つ当たり」「嫉妬」などいじめに似たようなケースもあります。そのような行為や言動は技術向上を目的とせず、習性でトリマーをしている人が多いです。働く仲間との距離感を上手に保つことも解決のひとつかもしれません。

2.3 クレーム対応

トリミングサロンはサービス業のため、お客様からのクレームもあります。大事なペットをお預かりしてトリミングするということは、犬などの特徴を把握して怪我などにも注意しなければなりません。しかし、十分注意をしていても何らかの理由でミスは起こってしまうこともあり、もちろんクレーム対応にも追われるときもあります

  • カットの仕上がりが気に入らない
  • トリミング後にペットの体調が悪くなった
  • 接客が悪い、トリミングの説明が不十分であった

上記はほんの一部です。先ずはトリマーの技術が不十分だったり、過失があったかなどを確認しましょう。トリマーが辞めてしまう原因は、クレーム対応の解決策をとることが離職を防ぐことがあります。

3.トリマーの離職を防ぐ方法

ひとりのトリマーが辞めると、他のスタッフが通常の作業に加えて負担しなければなりません。忙しくなると休めない、長時間労働が続くとストレスが溜まり、辞めてしまうといった悪循環になってしまいます。
ここでは、トリマーの離職率を上げないための対策を解説します。

⓵長時間労働の見直し
通常、トリマーが1日にシャンプー・カットなどの作業を行うペット数は3~4頭が平均です。それ以上になると体力的にきつくなり、作業が雑になることがあります。特にハサミやバリカンを使用する際に集中力に欠けてしまうと、暴れるペットもいるため危険を伴うことがあります。また、人材不足が影響してひとりの作業が多く、十分な休憩時間もとれないといったこともあります。
課題を細かく見つけ出し、労働環境の整備をするようにしましょう。


②コミュニケーションの活性化
組織の中で働くということは、コミュニケーションをとってチームワークの活性化に繋げることが大切です。コミュニケーション不足になってしまうと、相手が指示する内容の理解度が低くなりミスが生じることが多くなってしまいます。ミスが生じることで、クレームや上司からの叱責を受けて離職という結果になることも少なくありません。チームワークは情報共用することで信頼関係が築き、仕事の効率化に繋がります。コミュニケーションがとれている組織は離職率が低いと思われます。

4.離職率が低いトリミングサロンとは

トリマーの離職率は高いと言われていますが、もちろん辞めない・辞めたくないと感じられる職場も存在しています。
スタッフが長く勤めているトリミングサロンには以下のような特徴があります。

  • スタッフがミスをしても上司を含むスタッフ全員でカバーする(フォローし合える)
  • 仕事面での士気が下がるネガティ発言はしない
  • 経営者を含むスタッフ間との信頼関係が構築できている
  • 経営者とスタッフ(トリマー)の風通しが良い
  • 定期的なミーティングを実施している(コミュニケーションの活性化)

好きな仕に就くことは誰もが願うことです。そのなかで働く環境が大きな影響を与えています。個々のモチベーションが高いほど技術やサービスが向上し、仕事が思った以上に楽しくなって成果の発揮に繋がります。これが離職に繋がらない条件ではないでしょうか。

さいごに

いかがでしたか。トリマーが職場を離れてしまう原因は幾つかあります。原因を知ることで改善策や防止対策を十分取り込むことができます。基本的にトリマーとなる人はトリミングサロンで好きな仕事に就いているので、離職率の高さを低くすることは、意外と容易にできるかもしれません。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人