「シフト作りの参考にしたいので、アルバイトが飲食店で働く希望条件を知りたい」
「飲食店をスタートさせて数人のアルバイトを雇ったがシフトの調整を何から始めていいのか分からない」
「シフトを管理するうえで、どんなことに注意したらいい?」
このようなお悩みを抱えている飲食店経営者あるいは店長が多くいらっしゃいます。
飲食店では多くのアルバイト・パートを採用していますが、希望する勤務日数や時間などの相談に応じてくれる店舗が多く、雇用する側と雇用される側の双方からみても時間を有効的に活用でき、好都合なことが多いです。しかしながら、そのシフト調整はパズルのような組み合わせで困難だという声もよく耳にします。シフト調整をどのようにしたらスムーズに行えるのか、シフト管理の注意点も含め解説していきます。
もくじ
1.アルバイト・パートが重視する働く条件
まず、店舗の人材不足はもちろんですが、繁忙期に備えて必要なスタッフ数を確保しなければなりません。その際、他のアルバイトとの役割を考え、バランスよく配置し店舗運営を滞りなく行うことが大切です。また、スタッフの急な勤務日の変更や体調不良による欠員などの対応ができる、固定制ではなく登録というようなかたちでランダムに働ける人材を確保しておくのも良いでしょう。
ではここで、アルバイト・パートはどのような条件で働きたいのかみていきましょう。
・学生や主婦・主夫が扶養範囲内で働きたい
アルバイトやパートで働く年収によって、税金や社会保険に影響がでてくるため年収を意識した抑える働き方を希望とする。以前の記事を参照ください⇒「年収の壁103万円、106万円、130万円、150万円の4段階を徹底解説!」
・副業としてのアルバイト・パート
他の仕事との掛け持ちで働くため、限られた日数・時間での稼働を希望する
・短期・短時間で働きたい
年末などの繁忙期のみ、またはランチタイムの数時間だけ働ける
・シニアで社会貢献したい
比較的、朝の早い時間で短時間を希望されることが多い
・その他のアルバイト・パート
正社員の条件と同じように社会保険などに加入し、労働時間も長時間の勤務を希望
飲食店を希望するアルバイトやパートは、立場や年齢によって希望条件が異なります。お店よってはアルバイトに任せる範囲や内容はさまざまです。スタッフの希望を通りやすくするためにも採用する人数に余裕を持たせると良いでしょう。
2.シフト表を作成するための流れ
アルバイトが多い飲食店にとっては、シフト調整をどのようにすり合わせようかと悩みはつきものです。アルバイト・パートの役割をバランスよく考え、毎月スケジュールを調整してシフト表を作成しなければなりません。そこで、シフト表を作成するための基本的な流れを紹介していきたいと思います。
2.1 スタッフの要望を聞く
まずシフト調整をするためには、アルバイトやパートに出勤可能日や時間の提出をしてもらいます。提出方法とは、共有しているカレンダーに書き込んでもらう、もしくはメールやlineなどを活用しても良いでしょう。伝える手段は口頭より、記録として残せる紙やメールなどのほうが良いです。スタッフの要望は出来る限り応じてあげることが理想的です。例えば学生のアルバイトの場合、テスト前の休みを優先させてあげるなどして生活リズムを考慮してあげることが大切です。
2.2 提出期限を決めておく
希望日時の提出は、実際の勤務日の2週間~1ヶ月前ぐらいに期限設定すればシフト表を作成する余裕があります。また、勤務可能日が未定で提出期限までに間に合わない場合は、最低でも勤務日の1週間前に提出してもらうことをお勧めします。
2.3 シフト表に人員を当てはめていく
アルバイト・パートの希望勤務日と時間の提出が済んだら、シフト表を作成して人員を当てはめていきましょう。客入りの動向をみて混雑する時間帯や週末などに人員を多めに配置するなどしながら調整します。また、アルバイトが希望するお休みや勤務日時が特定の日に集中してしまう可能性があります。そのシフトが原因でスタッフ同士のトラブルを招きかねないことを想定し、ローテーション制(順番制)にするなど工夫しましょう。
3.アルバイトのシフト調整は適切か?
人員をシフト表に当てはめた後、その組み合わせが適切に行われているか確認しなければなりません。たとえば飲食店は繁忙期と閑散期が必ずあります。その日の店舗状況を想定しながら、新人とベテランの組み合わせは適切に配置しているかなどの確認です。
・限られた時間内の人件費を考慮し、繁忙期はアルバイトを増やし閑散期は減らす
・アルバイト各自の希望は反映されているか(人材のモチベーション向上のため)
・仕事の難易度を考え、アルバイトの能力に応じて人員の配置を決める
・正社員とアルバイト・パートそれぞれの役割(レジやホール、洗いものなど)のバランスはとれているか、
・当日欠勤などがでた場合を想定し、補充人員の確保はできているか
以上のように、シフト調整には様々な要素が絡み、適切な人員を配置するのはとても難し
いことですが、すべて公平に割り当てられているか確認が必要です。
また店舗が円滑にまわすためにも適切な人員配置が求められます。
4.シフト管理で注意するポイント
シフトを管理することは、単なるお店が営業している時間にシフトで決められた通りに働いているかを管理するだけではありません。アルバイト・パートが多い飲食店は、全ての人員が納得して働けるシフトを作成しなければなりません。シフト作成者の独断で決めるのではなく、スタッフ達の合意のうえでのシフト作りが重要です。特に拘束時間の長い飲食店では、稼働時間に問題ないか確認しましょう。
①労働基準法で1日8時間、1週間40時間を超えていないか確認する(1週間40時間を超えた場合は残業扱いとなり割増賃金を支払う)
②労働時間6時間は最低45分、8時間は1時間の休憩時間を与えているか
③売上と人件費の割合を意識したシフト組みになっているか
以上のようなシフト管理をしつつ、店舗の運営をしなければなりません。お店を経営しながらシフトを管理することは大変なことですが、不規則な営業時間が多い飲食店では労働時間が守られていないこともあります。①と②のように労働時間が適正であるかを確認し、もし適正でない場合は、シフト表の見直しをしなければなりません。
さいごに
いかがでしたでしょうか。多くの飲食店経営者がシフト作りに時間を費やしているのが現状です。シフト制は変則的でより柔軟にアルバイトのスケジュールを希望通りに組み合わせられることがメリットです。そのメリットを活かすために日頃からスタッフとコミュニケーションをとることも必要ではないでしょうか。人間関係を構築していくことで、急な日時変更や欠員がでた場合の欠員の穴埋めを他のアルバイトスタッフなどにも頼みやすくなります。手間のかかるシフト調整ですが、信頼関係が築けていれば困難だったこともスムーズに対応できることでしょう。