近年、ペットブームに伴ってペット同伴可の飲食店の人気は急上昇しています。犬や猫はペットではなく、家族の一員という考えが高まっているようです。日本でのペット飼育数は年々増えており、飲食店でペット同伴可能な環境をつくることで、集客アップを狙うことができるチャンスです。
- 「ペット同伴可のカフェ・レストランにしたいが、どんな資格や許可が必要?」
- 「大好きな犬と関われる、趣味と実益を兼ねたペット同伴のカフェをはじめたい」
- 「ペット同伴可にするあたり、どんなことに気をつければよい?成功の秘訣を知りたい」
このようなお悩みを抱えている飲食店経営者、飲食店開業を目指す方が多くいらっしゃいます。
この記事では、飲食店でペット同伴するにはどのような資格や許可が必要か、気をつける注意点、集客アップの方法などを解説していきます。ご参考にしてみてください。
もくじ
1.飲食店でペット同伴OKに必要な資格・届出とは?
1.1 ペット同伴OKの飲食店に必要な資格を解説
ペット同伴可の飲食店は、通常の飲食店を営業するのと同様に「食品衛生責任者」の資格と、飲食店営業の許可が必要になります。ペットを同伴するにあたり、特別な資格や許可はありませんが、保健所ごとに別途基準やルールが決められ運用されているようです。
全国の各保健所では、以下のような基準ルールを求められる場合が多いです。
- ペット同伴可であることを明記すること
- 調理場と客席の間に扉や窓などで区切ること
- 客席に手洗い場を設置すること
- ペット用の食器を使う場合は、別の洗浄設備を設置すること
- ペットに食器、イス、机等に触れる等の非衛生的な行為をさせないこと
- 店内でペットのブラッシングを行わないこと
- 食品取扱者はペットに触れないこと
- 営業許可申請書にペット同伴可であることを記載すること
1.2 飲食店で看板犬(猫、鳥 他)をおく場合の届出とは?
お店に看板犬(猫、鳥)をおく場合には、第一種動物取扱業「展示」の登録が必要になります。
動物取扱業は7つの種別に分かれています。
- 販売:小売業者、卸売業者、販売目的の繁殖業者 等
- 保管:トリミング業者、ペットホテル業者、ペットのシッター 等
- 訓練:動物の訓練、調教業者 等
- 貸出:ペットレンタル業者、撮影モデル、映画等のタレント 等
- 展示:動物園、水族館、動物サーカス 等
- 競りあっせん業:会場を設けての動物オークション
- 譲受飼養業:老犬、老猫ホーム
【東京都で第一種動物取扱業 展示を登録手続きの手順】
第一種動物取扱業を登録するには、1名以上の常勤の動物取扱責任者と重要事項の説明等を行う職員を配置する必要があります。登録手続きの手順は以下の通りとなります
①必要書類
・第一種動物取扱業登録申請書
・動物の愛護及び管理に関する法律 第12条第1項第1号から第6号までに該当しないことを示す書類
・飼養施設を有する場合:飼養施設の平面図及び飼養施設の付近の見取図
・申請者が法人の場合:登記事項証明書 役員の氏名及び住所
・事業所及び飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類
・動物取扱責任者研修の修了証の写し
②申請手数料:15,000円
③申請方法
第一種動物取扱業の登録申請は、動物愛護相談センター本所( 世田谷区 )及び多摩支所( 日野市 )の窓口でのみ受け付けています。郵送など他の方法では登録申請を受け付けることが出来ませんのでご注意ください。
【申請先】
■23区内及び島しょ地域に事業所を置く法人または個人
東京都動物愛護相談センター業務担当
156-0056 世田谷区八幡山二丁目9番11号
電話 03-3302-3507
■多摩地域に事業所を置く法人または個人
東京都動物愛護相談センター多摩支所監視第一区担当
191-0021 日野市石田一丁目192番33号
電話 042-581-7435
④注意事項
登録後、動物取扱責任者の氏名等申請事項に変更が生じた場合には、届出が必要です。
第一種動物取扱業の廃止等の場合には、廃業等の届出が必要です。
登録は、5年ごとに更新しなければなりません。
2.ペット同伴で気をつける注意点!
2.1 お店のルールを設定する
お茶や食事をする店内に動物が入ることになるので、トラブルが起こらないように注意し、お店のルールを設定することが大切です。よくあるルール一例をご紹介します。
- テーブルにペットを乗せるのは禁止
- テラス席のみ入店可
- 店内に入る場合はマナーベルト、マナーオムツの着用
- 首輪、リード着用
- 人間用の食事、食器類はペットに与えない
ペットといっても種類や、大きさなどによりお店側の対応がかわります。「ペットなんでもOK」にせずに、まずは、ペットの種類や大きさなどを絞ってスタートすると大きなトラブルは防げるでしょう。
2.2 衛生面に配慮する
ペットを店内に入れるとなると、清掃はこまめに行う必要があります。舞い上がった抜け毛が料理に入ることを防ぐだけでなく、雑菌をを感染させる可能性もあります。ペット同伴のお客様が帰られた後は、その都度、清掃、アルコール消毒を行いましょう。また、ペットの臭いにも気をつける必要があります。糞尿対策は考えておく必要があります。
2.3 ペット同士のトラブル
飲食店に一緒に来店するようなペットは、基本的にお出かけにも慣れていて無駄に吠えたり、ケンカをしたりすることはまず考えずらいですが、それでも、ペット同士でケンカになりそうなときは、飼い主さんと相談して席を離すなど、お店側の対応策を考えておく必要があります。
3.集客アップの方法を解説!
3.1 ペット関連のサービスを展開する
ペット同伴可能な飲食店だけで経営するのもいいですが、せっかくペットの飼い主さん達が集まる場所なので、ペット関連のサービスを展開することも考えてみましょう。
例えば
- ペット関連の物販スペースを設ける
- トリミングサロンを併設する
- ドックランを併設する
3.2 ペット専用のメニューを用意する
ペット用のメニューを充実させることをおすすめします。健康に配慮したヘルシーなオーガニック食材を使用したメニューや見た目が可愛いメニューなど、他の飲食店とは違うこだわりを持つ事もアピールポイントになります。
3.3 コミュニティーサロンの開催
ペットと飼い主さん同士が集うコミュニティの場が流行っている話をよく聞きます。
毎週決まった曜日に近隣の犬好き同士が愛犬を連れて参加するコミュニティサロンを開催することで、リピーターを獲得できるでしょう。コミュニティーサロンの中で、定期的にイベント(しつけ教室、写真撮影会など)を開催することで、さらなる集客アップに繋がります。
さいごに
いかがでしたか?この記事では、ペット同伴可の飲食店を開店するために必要な資格や許可、気をつける注意点、集客をアップする方法などを解説しました。
ペット同伴OKの飲食店を開店する具体的なイメージが出来てきたのではないでしょうか。ペットブームの今、ペットと一緒にお茶や食事ができる飲食店は、本当に魅力的で年々ニーズが高まっています。ペットと飼い主さん達が支持してくれるようなポイントをしっかりと考えて組み込むことにより、集客アップ=売上アップに繋がり、成功する確率も上がるでしょう。
BrancPort税理士法人では、飲食業界経営についてのアドバイス・サポートもお引き受けいたします。
この記事を読んでもお悩みが解決できない場合は一度ご相談下さい。