- 「トリミングサロン開業するのにどんな資格が必要?」
- 「トリミングサロンを開業したいが、自己資金いくら有れば開業できる?」
- 「トリミングサロンをオープンするまでの流れを詳しく知りたい。」
このようなお悩みや疑問を抱えているトリミングサロンを独立開業を目指している方が多いかと思います。今回は、トリミングサロンで独立開業するための必要な資格とオープンするまでの流れを詳しく解説していきます。
もくじ
1.トリミングサロンを開業するのに必要な資格とは?
トリミングサロンを開業するには、「動物取扱責任者」の資格が必要です。動物取扱責任者は、トリミングサロンだけでなく、ペットショップやブリーダーの経営にも必要な資格です。動物取扱責任者の資格を取得するためには、以下の4つのうち、いずれかを満たす必要があります。
- 獣医師の免許を取得していること
- 愛玩動物看護師の免許を取得していること
- 常勤職員として6ケ月以上の実務経験+所定の学校を卒業※1
- 1年間以上の飼養経験+所定の学校を卒業※1
- 常勤職員として6ケ月以上の実務経験+所定の資格を取得※2
- 1年間以上の飼養経験+所定の資格を取得※2
※1特定の学校…動物取扱業にかかわる知識、技術について1年以上教育する専門学校
※2特定の資格…公平性、専門性のある団体が行った試験により資格
動物取扱責任者は、都道府県が主催する講習会を受講し、申請を行えば登録完了です。登録が完了すると「動物取扱業登録証」が交付されます。都道府県で開催されている講習会スケジュールは、月に1度程度です。動物取扱業登録証がないことには、開業することができません。直前に慌てて受講することのないよう早めに申請することをお勧めします。
【動物取扱責任者関連サイト】
東京都動物愛護相談センター
2.開業するまでにやるべきことを順序で解説
Step1 開業資金の調達
トリミングサロンを独立開業するための費用はどのくらい必要なのか。一般的に開業に必要な費用は大きく分けて「店舗物件に関する費用」「店舗設備費用」「運転資金」の3つになります。
■店舗物件に関する費用
店舗物件に関する費用は、店舗物件を契約する時に必要な費用です。
- 保証金(敷金)…店舗物件を借りるときに最も大きなコストが保証金です。支払いは賃料の6~12 ヶ月が相場です。貸主が賃料の滞納や過失による損傷などの修繕費を担保の目的のため金銭を預かります。保証金は賃貸借の解約時に償却分を差し引いた金額が返還されます。ほとんどの賃貸借契約書に『保証金の償却年○%を除き返還』、『解約時償却分○ヶ月分』という表示がされているので、契約時に確認しておきましょう。
- 礼金…契約時にオーナーに支払うお金で、賃料の1~2ヶ月分です。返還は無いです。
- 仲介手数料…物件紹介業者に支払う手数料で、賃料の1ヶ月分程度です。
- 造作譲渡料…前の店舗の内装や設備をそのまま使用できる居抜き物件で、前の借主に譲渡代金を支払います。料金は内装や設備などの状態や経過年数によって変動があります。
- 前家賃…契約日からその翌月分までの賃料を前払いとして支払うのが一般的です。
■店舗設備費用
店舗設備費用は、店舗における内外装や備品などにかかる費用です。居抜き物件や内装にあまり費用をかけないことで、費用を抑えることができます。
■運転資金
運転資金は日々運営していくうえで、必要な資金のことです。運転資金の内訳は仕入れ代、人件費(従業員の給与)、家賃、広告費、水道光熱費などです。トリミングサロンを開業してから半年間は利益が無くてもお店を継続させていくことを考慮し、目安として6カ月分の運転資金を準備しておくことが理想的です。
一般的なトリミングサロンの店舗であれば、100~500万円の範囲内で独立開業する店舗が多いようです。
Step2 店舗物件探し
店舗の物件選びは、100%希望通りの物件が見つかればいいのですが、なかなか合致しないのが現状です。そこで、先ずは希望通りの事業計画やコンセプトを作り、どんなお店にしたいのかをしっかり固めてから物件を探すことが重要です。
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Step3 動物取扱責任者の取得
まずは、動物取扱業を届け出る必要があります。都道府県で主催する講習会を受講し、申請を行います。申請先は各都道府県管轄の保健所などです。各都道府県の窓口をご確認下さい。
【東京都の問合せ先】
東京都動物愛護相談センター
Step4 開業の届け出
一般的な開業の手続き、会社設立の申請を行います。
詳しくは、【決定版】初心者でもわかる!会社設立の全手順徹底解説 をご参照下さい。
開業スタート!
3.トリミングサロンのリスク管理とは?開業前に把握しておく!
動物を取り扱う上で、どんなベテラントリマーでもトラブルやクレームが全くないということはありません。トリミングサロンでは、トラブルはあって当然だと思って大きなトラブルに発展しないように予防策や対応方法をしっかり把握しておくことがとても重要です。ここでは、よくあるトラブルと対応方法、予防策を解説していきます。
3.1 要望した仕上がりにならなかった
「毛を切りすぎた」「左右対称でない」など、お客様の要望した仕上がりにならなかった、というクレームは、よくあります。
【対応方法】
まずはお客様の要望した仕上がりにならなかったことに対して謝罪しましょう。次に、お客様の話をしっかり聞き、解決策を提案してください。内容にもよりますが、お客様がクレームを全て話した時点で満足し解決してしまうというケースもあります。
【予防策】
トリミング前にしっかりとカウンセリングを行うことが予防策につながります。お客様がイメージする仕上がりにズレがないようにペットのカタログ写真などでイメージを共有するのも一つの手です。
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3.2 トリミング中にペットにケガをさせてしまった
トリミングでは、ハサミや爪切りを使います。犬や猫が突然動いたりしてケガをさせてしまう可能性はゼロではありません。
【対応方法】
まずは、飼い主さんに連絡し、謝罪とケガに至った事情を説明しましょう。ケガの程度により動物病院に連れていくようにしてください。病院の治療費は全額負担することを飼い主さんに伝えましょう。
重度のケガの場合は、お見舞金などをお渡しすることも検討してください。
また、ケガの程度に関係なく、トリミング料金は無料でお金を受け取らないようにしましょう。どんな小さなケガとはいえ、飼い主さんの心情は良くありません。翌日にケガの状態を心配する連絡も入れましょう。
【予防策】
トリミングサロン向けの保険もあります。加入を検討し、安心につなげましょう。
保険適用例
・トリミング中にケガ・死亡させてしまった
・お預かりしたペットが逃げ出してしまった
さいごに
いかがでしたか?今回はトリミングサロンの独立開業に必要な資格や開業までの流れ、リスク管理を解説しました。これからトリミングサロンを独立開業をしたいと検討されている方は是非参考にしてください。
近年、ペットブームの影響で今後もトリミングサロンのニーズは増え続けていくと予測されます。一方で競合のトリミングサロンが増え、経営に失敗してしまうケースも多くあります。ニーズが高いからといって勢いで開業するのではなく、慎重に事業計画を立てて安定した経営を目指しましょう。