飲食店での忘れ物の対処はどうする?【トラブルを防ぐための正しい管理方法】

飲食店でお客様が帰られた後、片づけをしているときに忘れ物を見つけることがよくあります。特に年末年始の繁忙期になるとお客様の来店が増えて携帯電話や財布、カバンなどの貴重品からハンカチや傘といったものまで忘れ物が多くなります。忘れ物を見つけた際、対応に困ってしまうことが多々あるかと思います。
今回は飲食店での忘れ物が、後のトラブルにならないためにどう対処をしたら良いかなどを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.飲食店で忘れ物が多い理由

飲食店での忘れ物は忘年会・新年会シーズンといった1年で最も忙しく人が動き、その中でも特に金曜・土曜に来店されたお客様の忘れ物が増加しています。そして圧倒的に多いのが傘やタバコ、帽子、上着などで、1か月で平均にすると段ボール1箱分相当になると言われています。これはお店の規模によって異なりますが、1店舗あたりの割合になります。

平日の忘れ物は仕事でよく使われる業務関連のものが多く、手帳や会社の書類(資料)、かばん類などが多く見られます。しかし、これらは紛失すると困るものが多いのでお客様本人から早い段階で連絡が入って取りに来られる確立が高いです。入店後、大切な物には十分に注意を払っていてもアルコールが入ることで気が緩み、会計時にはうっかり忘れてしまったということがよくあります。お客様の荷物(目に見えるほどの物)は、従業員が意識的に目を向けることで見送りの際に気づくことが多いので、身の周りをチェックするように心掛けると良いでしょう。

現在、コロナ感染予防のためマスクを着用して来店されますが、店内では長時間マスクを外して飲食するので、そのままテーブルに置き忘れて帰ってしまうケースが多いです。マスクのストックを持ち歩いているお客様は忘れても取りに戻ることはありませんが、見つけた場合は捨てずに密閉できる袋に入れて2~3日ほど保管しておいたほうが良いでしょう。

2.飲食店での忘れ物の対処法

飲食店でお客様の忘れ物を見つけることが多い中、お店で取り組むべきことは3つあり、「保管する」「お客様の連絡を待つ」「警察に届ける」の3つの対処法です。では、それぞれどのように対処すればいいのかみていきましょう。

2.1 保管する

お客様の忘れ物においては「遺失物法」という法律によって取り扱いを定められています。遺失物法では、忘れ物があった場合には「遺失者に返還する」または「警察に届けなければならない」としています。忘れ物はハンカチ、傘といったものから携帯電話、財布などの貴重品まであります。いわゆる貴重品と呼ばれる財布や携帯電話などはお客様もすぐに気づき取りに来られることが多いので「遺失者に返還する」ことができます。ただし、連絡があっても直ぐに取りに来られない場合、もしくは連絡が無い場合は鍵がかかる場所で一定期間の保管をするようにしましょう。ここで注意しておかなければならないのは貴重品はもちろんですが、全ての忘れ物を保管することです。また、お店側で処分していいものか判断に困る物でも忘れ物の価値はお客様が決めるものなので間違っても直ぐに捨てないようにしましょう。なお、遺失物法で「警察に届けなければならない」とありますが、これは一定期間の保管後にお客様からの連絡がなかった場合に提出します。後程解説したいと思います。

2.2 お客様の連絡を待つ

店舗で忘れ物を一定期間保管される理由として、お客様からの連絡を待つことが優先されるからです。たとえハンカチやビニール傘など判断に困る物でもお客様にとっては大切な物とされている方もいらっしゃいます。数日後にお客様からの連絡があった際にトラブルにならないよう、お店側の判断ですぐに捨てないよう注意しましょう。
また、忘れ物の携帯電話が鳴った場合は店舗のルールによって異なりますが、なるべく出ないほうが良いでしょう。

2.3 警察に届ける

忘れ物を一定期間保管していたがお客様からの連絡がこなかった場合、処分することもできないしどうしたらいいのか対処に困りますね。特に携帯電話や財布といった貴重品は、一週間以内(数日間保管した後)に最寄りの警察または交番に届けることをお勧めします。そこで気を付けたいのが警察等に届けた後にお客様から連絡があった場合を想定し、忘れ物記録帳に記載しておくことです。そうすることで「○○警察署」に届けた旨、お客様に案内することができます。なお、警察に届ける場合の保管期間は3か月です。
(参照ください⇒落とし物や忘れ物の取り扱い

3.忘れ物によるトラブルを未然に防ぐ

飲食店では忘れ物が多いため、トラブルになりやすい状況にもあります。代表的な忘れ物するパターンとして幾つか挙げてみましした。

  • 客席やトイレなどの忘れ物
  • 預かっていた衣類などを従業員が間違えて別のお客様に渡してしまった
  • お客様本人が衣類や傘を間違えて選んで帰ってしまった
  • 従業員がお客様から預かり物を、お帰りの際に渡すのを忘れてしまった

以上が忘れ物をするパターンですが、どれもお客様が帰られた直後には忘れ物がないか必ずチェックが必要となります。トイレに関しては定期的に簡単な掃除(ゴミ捨てなど)をする際にポーチなどが置いたままになっていないかの点検をします。また、寒い季節になるとコートの預かり物が多くなります。必ず預かったものは番号などで区分けして、帰られるお客様に渡すときに本人の衣類であるか確認をしてもらうようにしましょう。

先ほど、2.3「警察に届ける」で忘れ物記録帳に記載するようにと解説しました。この忘れ物記録帳に記録しておくことでトラブルの防止にも繋がります。書き方は自由ですが、ここで記入方法を紹介したいと思います。

(一例)
  • 日時⇒20○○/〇/〇 〇時○○分
  • 忘れ物を見つけた場所⇒客席の番号など
  • 忘れ物の品物⇒黄色の財布
  • 状態・特徴⇒黄色で長方形、ファスナー付き  ※財布の中を開けるとトラブルになりやすいので避けたほうが良いです。しかし、どうしても開ける必要性がでてきた際には、必ず店舗責任者の下で二人以上の従業員で中身の状況を確認し金種別に記録を残します。
  • 担当者⇒記憶した者
  • 受領印⇒お客様が取りに来られた時にサインをもらうため

以上の記録を残すことでお客様から数日後に連絡があった場合、忘れ物をした本人だという証拠になります。また、警察に届けた後でも確認ができます。この忘れ物記録帳はスタッフ全員で共有し、お客様から問い合わせがあった場合にはスムーズに対応できるようにしましょう。そうすることでトラブルを未然に防ぐこともできます。

4.忘れ物の取り扱いには注意が必要

飲食店でお客様の忘れ物を紛失してしまったというケースがよくみられます。
紛失の原因は以下の通り3つあります。

  • 誤って処分してしまったケース
  • お客様からの預かり物を別のお客様に渡してしまったケース
  • 従業員が誤って忘れ物を持ち帰ってしまったケース

上記のように全て紛失してしまった場合、お客様に対して「損害賠償」する必要性がでてきます。特に注意が必要なのが財布、運転免許証、携帯電話、アクセサリー、高級ライター、ブランドバッグなどの取り扱い、そして最も間違えて渡してしまいやすい物がコートです。また、忘れ物を従業員が持ち帰って次の日に警察に届けるつもりだったが、忘れてしまった場合でも「窃盗罪」に問われる可能性があるので十分注意しましょう。
なお、財布や携帯電話はその日のうち、あるいは翌日の早い時間帯に忘れ物したお客様本人から連絡があることが多いです。貴重品を取りに来られたお客様には必ずお名前、電話番号、忘れた物を確認し、渡した証拠として受領印(サイン)をもらうようにしましょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。今回は飲食店での忘れ物の対処からトラブルを未然に防ぐための方法を解説しました。飲食店を経営していくには、お客様の忘れ物の対処はとても重要となります。いざというときのためにも是非参考にしていただけたらと思います。

この記事を書いた人

広田 淳