近年、美容業界の多様化が進むなか緩やかではありますが、市場規模で拡大傾向にあります。特に美容院は地域によって競合店が多く集まっていることがあります。
競合店同士が革新への道を導かせてくれる良きライバルとなることもあります。このようにライバル店が同じ接点を持つことで互いにメリットとなれば良いのですが、他店の存在が恐怖に変わり経営衰退という形になってしまうこともあります。
競合店に勝つには差別化を図ることが重要です。そこで今回は他店との差をつけるためのポイントなどを解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.美容院の差別化は何故必要?
差別化とは、同じカテゴリーに分類される企業・製品を比較した上で、自社(自店)をより優れた価値を作り出し明確に区分けすることを言います。しかしながら、お客様から見て2店舗は似ている、選ぶための決定打に欠けると思われると差別化はされていません。
より多くのお客様が来店してもらうために他店にはない自店の価値を表現していかなければなりません。そのためには差別化を図る活動を行わなければなりません。
では、ここで何故差別化が必要としているのかみていきましょう。
- 同じような店舗なら「あの美容院に行こう」と思われて選ばれなくなることもあるが、価値を高めることで自店舗を選んでもらえる
- 他店にはない表現力で印象付けることができるため、リピート率が高くなる
- 差別化を図るためにマーケティング活動を実施し、その結果有益な進化を遂げられる
美容院の価格やメニュー、営業時間など同じスタイルの美容院が多数あるなか、自分の店舗カラーを出すための他店との違いと強調しなければなりません。集客方法を独自の方法で発信したり、他にないサービスを打ち出すなど、どんな些細なことでも「個性を売る」ことが差別化を必要としているのではないでしょうか。
2.競合店の差別化を図るための方法
美容院の経営を持続させるためには競合店の差別化を図ることが競争戦略でもありますが、どのような方法でていけばいいのでしょうか。ここでは、差別化を図るポイントを解説していきます。
2.1 競合店との比較をする
差別化を図るということは他店との比較をすることが必要になりますが、競合店である美容院の存在をよく知ることも重要です。
先ずは以下のように他店との比較をしてみましょう。
- ホームページやインスタグラムなどSNSによる告知方法やキャンペーンなどの有無
- 実際に入店する場合は技術・接客サービスの在り方、店内の雰囲気、客層などを比較
- 他店と自店の「強み」「弱み」を分析する(=比較に繋がる)
- 決済方法の比較(お客様が求めている決済方法を優先しているか)
以上は大まかな実施行動ですが、他店との比較を行うことで自店の経営分析をすることができます。
2.2 同エリア内に出店している競合店の調査
次に同エリア内にはどのようなスタイルの美容院があるのか調査してみましょう。
競合店の調査ポイントは以下の通りです。
- 店舗の外観デザイン⇒デジカメなどで記録を残す
- 人の流れを観察する⇒時間帯(午前・午後・夕方)に分けてお客様の流れを観察する
- 美容院のスタイル(コンセプト)を把握する⇒カラーやカット、エクステなどの個別専門店なのかを認識
- 競合店の位置⇒1階または2階以上の店舗の違い(階数による看板やドア・窓のデザイン性を見る)
競合店が並ぶ同エリア内での調査は、外観から調査してみましょう。
特に新規顧客の場合は、WEBなどで店舗写真を確認してから入店しますが、実際店舗を目の前にしたら周りに他の美容院が多く、目移りして次回は「あの美容院に行ってみよう」と思う可能性があります。入店後の美容師による技術やサービスなどによってリピートするか否かは決まることもありますが、同じようなスタイルの美容院のなかでも際立つ店舗であることも大切です。
2.3 ブランディングを強調させる
ブランディングとは、ターゲットとしている顧客に店舗価値やイメージを高く評価してもらい、信頼と共感を得るためのマーケティング戦略のことです。
つまり「ブランディング」というお店の形を作り上げていくための活動のことです。
お客様が「こんなヘアサロンに行きたい」「髪の悩みやアドバイスを受けたい」と思ったときに「あの美容院に行こう」と迷いなく選んでもらえるような美容院になることがブランディング強化の結果でもあります。
ここではブランディングを強調させることのメリットをみてみましょう。
- ★美容院の認知度・価値が上がる
- ★価値を見出してもらえることで他店との価格競争から抜け出せる
- ★競合店との差がはっきりと分かるため選んでもらえる
- ★店舗にとって有効的なSNSの情報拡散に繋がる
2.4 付加価値(サービス)をつける
ここでは通常のサービスやメニューなどに付加価値(サービス)をつける取り組みを戦略ポイントとして紹介していきます。
- ★髪・頭皮ケアのアドバイス・・・通常は施術中にアドバイスをしますが、Lineなどで悩みやアドバイスをすることで言葉のみのアドバイスより文章(簡単に)として残るので効果的です。
- ★セットメニューに特化してみる・・・セットメニューはお客様にとってお得感がありますが、美容院側でも値上げ予定の定番メニューをセットメニューに取り入れることでお店の収益性を見込めます。
- ★美容院としての癒しを与える・・・カラーリングやパーマ施術の放置時間にマッサージチェアを取り入れる
美容室での付加価値を付けるということは、本来の技術やサービスなどの持つ価値に対して独自の価値を付与することです。付加価値を付けることで美容院価値が高まりリピート率も上がる可能性が大いにあります。
また、時代の変化とともにお客様のニーズに合わせたサービス、そして今後もずっと選ばれる美容院としての付加価値サービスをつけていくと良いでしょう。
2.5 他店との違いを前面に出す
最後に競合店との違いを前面に出していきましょう。他店との違いをアピールすることは非常に大切です。
- 夜間遅くまで営業している
- ダメージヘア改善のメニューを取り入れる
- 同エリアで出店している美容院のなかでは最安値で提供
上記は例ですが、無暗に他店との違いをアピールするのではなくお客様のニーズを考えた上で、他店との違いを全面アピールすると良いでしょう。
3.お客様の目線に立って考えてみよう
数多くある美容院のかなから選ばれるためにはどのような施策を立てれば良いのか悩まれている経営者も少なくありません。
大切なのはお客様目線に立って考えることが重要です。
この場合、美容師という立場を離れて自分が客として競合店に出向き、どういうことが必要で価値を感じるのか視察してみましょう。
- 客となった自分の要望にきちんと応えてくれているか
- 髪型やカラーの要望に対して美容師の好みを押し付けていないか
- 髪・頭皮に対する悩みの聴き方、アドバイスの内容など
- 新しい発見事はもちろん、足りないものは何か
- 店内空間の居心地の良さ(美容院との相性は椅子に座った時に決定付けることが多い)
自分自身が体験することで「美容師が自分の好みを押し付けている」「店内の空気感」「技術・接客が優れている」などを感じることが多々あります。
競争相手の在り方を自身と重ねてみるのも良いです。良いと思ったことは参考にし、さらに価値を上げることを検討してみましょう。
また、自分が客になって気づくことは、些細なことでも必ず記録として残しておくと良いです。
4.環境に配慮した美容院で差別化を
今までは主に競争に勝ち取るための戦略方法を紹介してきました。
ここでは、他業界でも実施している持続可能な目標SDGsの取り組みを紹介します。美容院でできることに焦点にあててみましょう。自店の取り組みは他店との明確な違いをアピールをすることができ、その独自性が顧客の支持を得られる可能性が高くなります。
たとえば、「オーガニックのカラー剤やシャンプー剤」「店内は全てLED照明」「ドライヤーの短時間」などがありますが、ホームページにこのような取り組みを発信します。
今最も注目度の高いSDGsテーマであるため、積極的に活動に取り組むことでブランドの価値が高まり、新規顧客も獲得できる可能性があります。
さいごに
いかがでしたか。競合店に勝つための差別化戦略のポイントを紹介しました。
オンリーワンの美容院を目指すことは容易ではありません。競合店とは違うスタイルの店舗をもう一店舗を出店するといった感覚でお店を作り上げていくと良いかもしれません。とはい無暗に行動は失敗のもと。競合店をよく視察して分析しながら差別化に取り組むことをお勧めします。