飲食店における迷惑行為防止対策の必要性~SNS炎上事例から考える~

  • 「飲食店で迷惑行為があった場合、どう対応したらいい?」
  • 「飲食店における迷惑行為の事例を知りたい」
  • 「迷惑行為を発見した時、大沙汰にしたくないが警察に被害届を出したほうがいい?」

このようなお悩みや不安を抱えている飲食店経営者の声を多く聞きます。
もし、自分の店で迷惑行為を発見したらどのように対応すべきか考えておくことが大切です。
最近あった迷惑行為の事例と予防対策を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.SNSで炎上被害にあった迷惑行為とは?

飲食店での迷惑行為は昔から問題視されていましたが、近年では迷惑行為をおさめた動画がSNSで拡散され、世間を騒がせるようになりました。
店内で迷惑行為を撮影して、自身のSNS上のTwitter、TikTok、Instagramなどに投稿した動画や画像が多数のユーザーの目に留まり拡散され、炎上事件と発展しています。
この影響により、お店は客の信頼を失い、最悪の場合、閉店せざるを得ないケースもあります。
今、飲食店では迷惑行為を防止するための対応が求められています。
迷惑行為が発生した場合に備え、リスクマネージメントを考えておくことが大切です。

2.従業員による迷惑行為の事例と対応

2.1 大手コンビニエンスストア

  • 内容:アイスクリームを販売する冷凍ケースの中に従業員が入って寝転がる動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応:冷蔵ケースに入った従業員を解雇。
  • 防止対策: 
  • 事実確認をした上で冷蔵ケースを撤去。
  • 迷惑行為をした従業員は経営者の息子だった為、契約条項に基づき該当店とのフランチャイズ契約を解約。
  • 全社員及び全国の加盟店に対し、お客様に安心安全な商品を提供する指導を徹底。

2.2 大手回転寿司チェーン店

  • 内容:切った魚をゴミ箱に投げ入れ、すぐに拾ってまな板に戻す動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応:撮影された食材はその場で廃棄処分しお客様に提供していないことを確認しているが、警察に被害届を提出。刑事民事の両面から訴訟を起こし厳正に対処。
  • 防止対策:
  • 従業員教育の徹底。

2.3 カラオケチェーン店

  • 内容:販売中のおでん鍋から箸を使ってしらたきを口に入れ、鍋の外に吐き出す様子を撮影した動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応;撮影に関わった従業員を解雇。警察に被害届を提出。刑事民事の両面から訴訟を起こし厳正に対処。
  • 防止対策:
  • 該当店舗のおでん鍋の洗浄と当面のおでん販売休止。
  • 再発防止に向け全加盟店の注意喚起、一層の品質管理体制の強化を一斉に調査。

3.客による迷惑行為の事例と対応

3.1 大手回転寿司チェーン店

  • 内容:未使用の湯飲みや卓上の醤油さしに直接口につけ元の位置に戻す動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応:警察に被害届を提出。刑事民事の両面から訴訟を起こし厳正に対処。
  • 防止対策:
  •  卓上に置いてある食器や調味料の交換希望があればスタッフが直接交換する
  •  レーンは注文した商品のみにする
  •  商品に触れないように席とレーンの間に透明アクリル板を設置

3.2 大手牛丼チェーン店

  • 内容:卓上に置いてある紅ショウガを直箸でかきこむ動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応:警察に被害届を提出。刑事民事の両面から訴訟を起こし厳正に対処。
  • 防止対策:
  •  事件があった店舗を特定し、席に置いてあるショウガを交換、調味料入れなどを洗浄。
  •  事件後も卓上に紅ショウガを置いているが、店内の様子確認を徹底する。

3.3 大手カラオケチェーン店

  • 内容:ソフトクリーム機器から直接口に入れる動画をSNSに投稿し大きく拡散された事件。
  • 対応:警察に被害届を提出。刑事民事の両面から訴訟を起こし厳正に対処。
  • 防止対策:
  • 被害店舗でのソフトクリームの使用は一旦中止し、点検および清浄を実施。
  • 全店を対象に聞きの洗浄を行い衛生管理の徹底する。

4.迷惑行為を未然に防ぐチェックリスト

4.1 従業員による迷惑行為防止チェックリスト

  • □ 防犯カメラの設置し常に監視している姿勢を周知する。
  • □ 就業時間中はスマートフォンを職場に持ち込ませない。
  • □ 採用時に迷惑行為を行わない旨を入れた契約書にサインしてもらう。
  • □ 就業中の行動規制など、従業員教育を徹底する。
  • □ 迷惑行為をした場合のリスクの重大性を理解させる。例:多額の賠償金発生、法的措置に出る

4.2 客による迷惑行為防止対策チェックリスト

  • □ 防犯カメラを設置し、死角にも目が行き届くように監視する。
  • □ セルフサービスを見直す。例:共用で使用する調味料、皿、箸などは注文を受けてから従業員が直接提供など。
  • □ 店内で掲示物を設置し注意喚起する。例:「迷惑行為を発見した場合、多額の賠償金が発生する場合があります」など。
  • □ 迷惑行為を発見した場合、法的措置に講じる姿勢を見せる。再発防止とお店の信頼回復にも繋がる。

さいごに

いかがでしたか?飲食店におけるSNS上での迷惑行為の事例や対防止策をご理解いただけたかと思います。
この記事にある予防対策を参考にして頂くことで、迷惑行為を防止することができますが、100%完全に防ぐことは難しいでしょう。
迷惑行為を発見した場合は、泣き寝入りをせずに、警察に被害届を出すなど、迅速かつ適切に対処することが大切です。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人