1店舗目の飲食店経営が軌道に乗ってきたら、次は2店舗目、3店舗目と多店舗展開を考え始める飲食店経営者の方が多いと思います。
- 「多店舗展開を実行した時のリスクを知りたい。」
- 「多店舗展開を実行するタイミングはいつ?」
- 「将来的に多店舗展開を計画しているが、どのくらいから準備しておけばいい?」
このようなお悩みや不安を抱えている飲食店経営者様の為に、多店舗展開すると、どのようなメリット・デメリットがあるのか、多店舗展開を実行するタイミングの判断基準などを紹介していきます。是非ご参考にしてみてください。
もくじ
1.多店舗展開のメリットを5つ紹介
多店舗展開を実行すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下、5つのメリットを紹介していきます。
①売上高が上がる
当然のことながら1店舗のみの売上高より2店舗、3店舗経営の方が売上高は上がります。
②お店の知名度が上がる
地域内の同じ名前のお店が増えれば、お客様の目に触れる機会も増えます。知名度も上がり、お客様の認識度も上がるでしょう。
③コストを抑えられる
大量仕入れにより仕入単価を低くしてもらうように交渉することができます。仕入単価が下がることで、利益率の向上に期待ができます。また、それぞれの店舗の忙しさに応じてスタッフの配置を変えたりすることもできるので、コストを抑えることができます。
④スタッフの成長を促す
オーナーは1人しかいないので、多店舗展開するにはオーナー以外のスタッフがマネージメントを行う必要がでてきます。アルバイト、正社員、副店長、店長と、組織図ができると、スタッフのキャリアアップの道筋がわかりやすくなり、モチベーションが上がります。それによってお店の業績向上も期待できるでしょう。
⑤各店舗で比較分析ができ、問題解決の糸口を見つけやすい
複数店舗があれば、業績が良い店舗、悪い店舗が出てくるでしょう。各店舗を比べることで問題を可視化でき、問題の早期解決の糸口となるでしょう。
2.多店舗展開のリスク・デメリットを2つ紹介
多店舗展開を実行したからといって、売上が必ず上がるわけではありません。メリットと併せてデメリットについても把握しておくことが重要です。多店舗展開で想定されるリスク・デメリットを2つ紹介します。
①多額の資金が必要となる
1店舗目開業の時にすでに経験済みですが、それなりの資金が必要です。業態にもよりますが、1店舗目と同じように数百万から必要となってくるでしょう。融資を受けて1店舗目を始めた場合、借入金の金額が増え返済金額が増えることになります。
②スタッフ育成・確保が今まで以上に必要となる
当然、自分以外の人間に任せることが多くなります。信頼して任せられるスタッフの育成・確保が必要となります。スタッフ不足の問題は飲食店経営者のよくある悩みの一つです。スタッフ不足によりお客様への対応などに不備があっては、経営にとって命とりになりかねませんので注意しましょう。
経営には常にメリット・デメリットがあり、それは表裏一体です。多店舗展開は成功すれば飛躍的に成長できます。しかしその分、失敗は許されません。絶対に成功できるのか、1店舗開業時よりもより慎重に判断することが重要です。
3.多店舗展開のタイミングを見極める4つの判断基準とは?
どのようなタイミングで多店舗展開を実行に移せばいいのでしょう?
多店舗展開を実行するタイミングを見極めることはとても重要です。判断基準は、以下4つあります。ポイントをしっかりと把握し、最善のタイミングを狙いましょう。
①お店が繁盛している
「ピーク時がほぼ満席である」、これが最低条件となるでしょう。ある程度安定して営業利益が計上できるようになったら、多店舗展開のタイミングとです。
②お店を任せられるスタッフが育った
経営者であるあなたの体は一つです。もし信頼できるスタッフがいないのであれば、2店舗、3店舗の経営は難しいでしょう。信頼して任せられるスタッフの育成・確保ができたならば、多店舗展開を考えるべきタイミングといえるでしょう。
③融資を受けられるようになった
金融機関は、融資することができるか客観的な目で判断します。追加融資を受けられるようになったということは、多店舗展開のタイミングと考えていいでしょう。
④自分自身に経営者としての自覚がでてきた
これが最も重要な条件ではないでしょうか。現場をある程度スタッフに任せて、自分は経営者として利益を出す仕組みを常に考える必要があります。
4.多店舗展開を失敗しないコツ
4.1 業務のマニュアルを作る
多店舗展開において各店舗の質を保つには業務マニュアルを作成することが重要です。接客の方法(例えば、いつも笑顔でお客様が来店したら大きい声で挨拶する等、)、調理(例えば、調理の手順、料理の盛り付け等)統一したマニュアルを作りましょう。マニュアルを作ることで新人教育もしやすくなり、効率化を図れます。
4.2 店舗運営は従業員と共有する
1店舗経営に比べ、多店舗経営ともなると、経営者はやるべきことが沢山発生します。代わりにお店をマネージメントできる人材を確保することが重要です。経営者が現場にいなくてもスムーズにお店を運営できる体制を作りましょう。
4.3 撤退のボーダーラインを決めておく
経営が悪化してすべての店舗閉店、と最悪の事態にならないように撤退のボーダーラインを決めておくことは重要です。例えば、赤字が〇〇ヶ月続いたら、赤字が〇〇万円になったら、など、撤退のタイミングを明確にしておきましょう。
4.4 店舗同士の交流をつくる
多店舗を運営する際、日ごろから店舗同士のつながりをつくることが大切です。店舗同士で競争させることにより、従業員の労働意識向上につながります。また、従業員の急病などにより人手が足りなくなってしまった時でも他の店舗で働いている従業員を派遣することもきるます。
さいごに
「多店舗展開しよう!」となった時、必ず確認して頂きたいことが「なぜ1店舗目が成功したのか?」です。お店の商品がヒットした要因は?お店のコンセプトはどう良かったのか?立地条件は良かった?など、1店舗目が成功した要因を言語化して、明確にしてみてください。頭の中でぼんやり思い浮かべるのではなく、文字に起こしてみることが重要です。多店舗展開に必ず役に立つはずです。
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