【飲食店経営】まかない導入はメリットがある!税務上の注意点も解説!

  • 「まかない制度を検討しているが、何を基準にしていいかわからない。」
  • 「まかないは、現物給与になるって本当?!」
  • 「まかないの価格設定はどうしたらいい?」 

このような疑問・お悩みを抱えている飲食店経営者様の話をよく聞きます。
今回は飲食店で提供する「まかない制度」について、メリットや税務上の注意点を解説していきます。ご参考にしてみて下さい。

1.まかないとは?

まかないとは、お店側が従業員に提供してくれる食事のことを指します。実際にお店で作られている料理を食べられるので、「まかない付き」をアピールポイントとして求人募集しているお店も多いかと思います。
一昔前までは、余った食材を使用し、無料でまかないを提供することができました。現在では、まかないの提供条件を理解しておかないと、「現物給与」として、税務署から指導を受けてしまう可能性があります。飲食店経営者として、理解しておきたい「まかない提供」について解説していきます。

2.まかないを提供するメリットとは?

まかない付きは従業員にとって魅力的な制度です。では、まかないを提供することで、どのようなメリットがあるのでしょう。以下、4つのメリットを紹介していきます。

2.1 人材不足問題解消に期待ができる!

飲食店経営にとって、人材不足問題は年々深刻化しています。まかないを提供することで、求人募集の際、アピールポイントになり得ます。少しでも食費を節約したいという従業員にとっては、とても魅力的な制度です。優秀な従業員確保に良い効果が期待できます。

2.2 食品・食材ロス削減対策になる!

食品・食材ロスは、世界的な問題となっています。日本でも食品・食材ロス問題に悩まされている飲食店経営者も多いと思います。余ってしまった食材をまかないとして活用できれば、食品・食材ロス削減対策になりますし、お店の利益にも繋がります。

2.3 お店の料理への理解が深まる!

まかないを食べることで、お店で提供されている料理がどのような味なのか?など、料理に関する理解が深くなります。調理を担当する従業員だけでなく、接客担当の従業員も「料理の味」をお客様へ伝えることができるようになります。お客様へスムーズに情報提供ができるようになると、お客様の満足度も上がり、リピート来店にも期待できます。

2.4 従業員の離職防止に繋がる!

まかないを食べるタイミングは、基本的に、ランチタイムやディナータイムのシフトの休憩時間が多いかと思います。従業員全員で一緒に食べる場合には、従業員同士のコミュニケーションが上手くとれることで、結束力が高くなり、お店の雰囲気も良くなるでしょう。また、お腹が減った時に美味しいまかないを食べることで、従業員の満足度が高くなり、仕事へのモチベーションが上がるでしょう。離職防止に繋がることが期待できます。

3.まかないを提供する時の注意点

まかないを提供するメリットをご紹介しましたが、注意が必要な点もあります。まず注意したいのは、まかないを無料で提供すると、従業員への給料とみなされて、課税対象となる可能性もあります。

まかないを給与として課税されないための条件
  • まかないの価格の半額以上を提供された側が負担していること
  • お店側が負担している金額が一人当たり月3,500円以下であること

詳しくは、国税庁ホームページの「No.2594 食事を支給したとき」をご参照下さい。
【国税庁HP 食事を支給したとき】参照

お店で作った場合には、まかないの材料費や調理にかかった費用が食事の価格になります。例えば、価格が600円かかった場合には、300円は従業員から徴収する必要があります。後になって課税される等のトラブルが起きないように、価格(原価)を確認しておきましょう。ただし、まかない毎に価格を確認して費用を徴収するのは時間と手間がかかり現実的ではありません。一律の価格(原価)を決めて、まかないを提供するようにしましょう。

4.お店でまかないを提供する時のルール

まかないを提供する際、お店ルールを明確しておくことが重要です。
具体的なまかないルールを決める際のポイントを紹介します。

【まかない提供ルールを作成するポイント】
  • いつ?:まかないを食べることができる時間帯を決めておく。
  • どこで?:まかないを食べることができる場所を決めておく。
  • どれだけ?:1日何食まで。1日〇時間以上勤務しないとまかないは出ない等 決めておく。
  • いくら?:1食〇〇円 ※原価の半分の金額を徴収する。
  • 支払いは?:給与天引き?現金支払い?等 決めておく。

まかない提供ルールを決める際は、詳細に決めていくことが大切です。
人により価値観が違うので、トラブルになりうる可能性もあります。また必要以上に経費がかかることもあります。しっかりとルールで定めておくことで、後々問題が発生することがないように、お互いに認識を統一しておきましょう。

さいごに

いかがでしたか?
まかない制度を導入すると、たくさんのメリットがあり、併せて注意すべき点もあるということがご理解頂けたかと思います。注意すべきポイントは、まかないの提供条件を理解しておかないと、「現物給与」として、税務署から指導を受けてしまう可能性もあるということです。税務調査が入って、「知らなかった」では済まされません。追徴課税されるような事態にならないように、専門家(顧問の税理士)にお任せすると適切なアドバイスをもらえます。一度、専門家(顧問の税理士)に相談してみることをお勧めします。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人