経営の見直しに必要な対策とは~早期経営改善計画を解説~

「早期経営改善計画」と聞くと、曖昧だけどある程度は理解しているという方もいらっしゃるかと思います。中小企業・小規模事業者において経営面でのさまざまな課題を税理士などの専門家と共に見つけ出し、改善(計画)方法を作ります。その改善方法を取引金融機関が検討した上で協力するというしくみになっています。今回は経営改善に取り組むために早期経営改善計画について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.早期経営改善計画の策定とは?

早期経営改善計画は歴史が浅く2017年から始まり、文字通り事業が不安定・リスケを繰り返す前に経営改善計画を立て、経営の安定を目指し47都道府県に設置された経営改善支援センターが費用を負担しています。(※リスケとは借入条件の変更を意味しています。返済額を当面の間減額ことや返済期限を延長するなどの変更を行うことです。)
また、早期に経営改善に取り組みたい中小企業・小規模事業者を対象に資金繰り管理や採算管理などの「経営改善計画の策定」を税理士等の専門家(認定支援機関)が作成し、金融機関とも共有する制度です。中小企業・小規模事業者には、計画策定から1年間のフォローアップをすることが前提となっています。
※尚、認定支援機関とは経営相談が受けられるための専門知識や実務経験が一定レベル以上、すなわち経営状況の指導などの実務経験を3年以上(経営革新や支援業務1年以上含む)ある、または同等のレベルであることが必須です。
支援の対象となるのは、以下のような中小企業・小規模事業者です。

・売上や資金繰りが不安定
・専門家から経営についてのアドバイスがほしい
・経営改善の進捗についてフォローアップを依頼したい
・自社の経営状況を客観的に把握したい


経営の現状は深刻ではないが、今後の経営に不安がみられる企業にもおすすめします。経営に不安な要素があれば、課題を見つけ出し早期に改善していかなければなりません。

2.利用申請から支払決定までの流れ

先ず初めに企業がイメージする「認定支援機関」という専門家を探し出し、自社(自店舗)の問題を相談します。なお、全国に多数の認定支援機関が認定されているので、お近くの認定支援機関を探すとよいでしょう。経営課題の解決のために認定支援機関が見つかったら利用申請の手続から始まります。

(引用:経営改善支援センターより)

<申請から支出までの流れ>
早期経営改善計画策定(利用申請書類等)をダウンロードし、記入例を参考にしながら記載します。(なお、令和2年9月に新型コロナウィルス感染症に対する特例措置導入型の内容が加えられました)
②申請者は金融機関に早期経営改善計画についての相談することをお勧めします。メインバンク又は準メインバンクの金融機関に相談するとよいでしょう。
③「利用申請書」は認定支援機関と金融機関と3者連名で経営改善支援センターに提出可能です。
④認定支援機関が早期経営改善計画を作成した後、申請者は金融機関に提出し受取書を受領します。その後、申請者は経営改善支援センターに早期経営改善計画を提出しますが、その際に金融機関に改善計画書を提出したことを確認できる書面(受取書)が必要です。
⑤経営改善支援センターは④で提出された書類を基に計画策定費用として認定支援機関に3分の2(補助上限額20万円)支払います。
⑥各専門家は早期経営改善計画の記載に基づき、中小企業・小規模事業者のモニタリングを実施します。尚、モニタリングは計画策定後1年経過した最初の決算時(第1回)に事業者が金融機関に報告します。その後、各専門家は経営改善支援センターに「モニタリング報告書」を提出します。
⑦経営改善支援センターは、モニタリング費用の3分の2(補助上限額5万円)を支払います。モニタリングの目的は申請者と認定支援機関が金融機関に達成状況・業績の説明をし、今後の事業方針や金融支援について共有することです。

3.早期経営改善計画のメリットとその効果

ここでは、早期経営改善計計画を活用したいと検討している企業のために、どんなメリットがあるのかをご紹介します。また、幾つかあるメリットに対してどんな効果をもたらしくれるのかもみていきましょう

メリット①⇒経営を見直すことで改善すべき課題の早期発見に繋がり、分析ができる。
経営策定効果⇒例えば企業(店舗)で売上が減少している状況から、適正な原価管理を怠り利益率なども意識していない経営だったことに気がついた。このような売上減少の要因をきちんと見極め、売上の増加施策を構築しなければならないという課題が発見できる。

メリット②⇒資金繰りが安易であることに気づく
経営策定効果⇒早期経営改善計画を作成することで経営の基本となる資金繰りが安易だった、明確に把握していなかったことが見つかり、早めに解決策が出せることで経営改善に大きなプラスになる。

メリット③⇒早期経営改善計画を金融機関に提出した結果、事業の将来像を確認してもらえる
経営策定効果⇒今後、金融支援が必要になった際の確認等は難なく進行できる。つまり、事業所と金融機関との話し合いがスムーズに行える。

メリット④⇒認定支援機関の計画策定から1年間のフォローアップが可能
効果例⇒認定支援機関は改善計画の作成だけの支援ではなく、事業所へのフォローアップすることで改善の実施がスムーズに行える。

以上のようなメリット・策定効果がみられます。早期経営改善計画を利用して税理士などの専門家などの支援により本業に専念できたこと、金融機関とのコミュニケーションが活発化され銀行からの支援に繋がったという例もあります。

さいごに

今回は早期経営改善計画について解説しました。事業所の経営で不安定な要素があることに気が付いたら早期に改善していかなければなりません。つまり、深刻な状態になってからでは打つ手がない状態になり兼ねないということです。企業(自店舗)の経営を今一度見つめ直した上で、もし課題を発見したら健全な経営を目指すためにも専門家からの経営アドバイスやフォローアップなどを必要とした「早期経営改善計画策定支援」という制度を利用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

広田 淳