飲食店の業務効率化を図るためにできること~各オペレーションの改善ポイントを紹介~

飲食店では、お客様を迎える準備から始まり、料理を提供し最後に会計までを行います。店内の動きが如何に無駄を省き、スムーズな流れをつくるためには、業務オペレーションの効率化をすることです。飲食店は最適なオペレーションをもたらすことで、集客・売上に導いてくれます。
今回は、店舗オペレーションの効率化を図るための改善ポイントなどを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.飲食店においてのオペレーションとは

飲食店のオペレーションとは、食材の仕入れからお客様への料理提供、接客、会計、仕入れ、その他店舗運営に関わる全ての流れをマニュアル化し、その手順に沿った作業をする、いわゆる業務フローのことを指します。

オペレーションの種類は大きく分けて、「フロア」「キッチン」「バックヤード」の3つあります。先ずはそれぞれの業務をみていきたいと思います。


◇フロア(ホール)

  • お客様のお出迎え、席を案内する
  • 注文をとり、キッチンに注文内容を伝える
  • 料理の提供(お店によっては盛り付けなども担当)
  • 空いたお皿などを下げる(食器を洗うこともある)
  • レジ対応(最後にレジ締め)
  • テーブルにある食器を片付け、整える

フロアは、料理を提供するタイミングやスピードなどにプラスして正確さを求められています。フロア全体を見渡し、お客様の動線をコントロールすることが非常に大切です。

◇キッチン

  • 食材の仕入れから下準備(仕込み)
  • オーダーの入ったメニューを手順通りに調理する
  • 新メニューなどの考案

注文があったメニューを素早く、効率よく調理しなければなりません。キッチンは、味はもちろんスピード感や盛り付けなど見た目を整えることも大事です。

◇バックヤード

  • 食材の発注・仕入れ、在庫管理
  • 売上の記録、集計、分析
  • 新メニューの開発、検討
  • スタッフ育成などの人材管理

主に店長や店舗マネージャーがこれらの作業を実施していることが多く、個人店では経営者が多く管理しています。

2.各分担別オペレーションの効率化

飲食店におけるオペレーションの効率化とは、プロセス業務を細分化しそれぞれの工程を最適化することを目的としています。各種において、オペレーションの効率化はお店を成長させ、継続していく上で必要不可欠なのです。
ではここで効率化を図るためのオペレーションとはどのようにしていけばいいのかみていきましょう。

2.1 フロア

フロアオペレーションは主に接客サービスに重点を置き、お店の「顔」となる役割になっています。ホール担当の接客でお店の品質がわかるほど重要なポジションにあります。影響力のあるフロアオペレーションですが、以下のような効率的な業務を実施することで、更に店内の流れがスムーズになります。

  • ホール担当の役割分担と接客マニュアルの共有化
  • フロアによる動線を確保(客席間も含む)
  • サービス内容を簡素化にする→ドリンクやカトラリーなどをセルフサービスにする
  • モバイルオーダーやキャッシュレス決済の対応

フロアは店内に欠かせないポジションです。ホールの動線を確立したり、モバイルオーダーにすることでオーダーミスを防ぐなど時間短縮になることで効率の良い店内の仕組み作りになります。

2.2 キッチン

食材の発注、下準備から調理までという流れがキッチンの業務です。食材の品質を落とさず、的確に調理し、美しく盛り付けるまでを迅速に作業できるかが大切です。如何に効率的にできるかが問われます。

  • キッチン担当による動線の見直しすることで効率的な動きが可能
  • 調理に時間がかかるメニューの見直し
  • 仕込み方法の見直しで調理完成の時間短縮
  • キッチン担当の分担役割を決め、連帯感をもつ
  • 調理スペースの確保と衛生面を考慮した動きやすい作業着

「調理時間の短縮」「調理スペースの確保」「作業の分担」などの取り組みで、お客様へより良いサービスの提供につながります。

2.3 バックヤード

バックヤードはお客様と接することはほとんどなく業務をこなします。店舗運営には重要な存在で、裏方として店舗を支えるため、オペレーションの効率化は必須といって良いでしょう。

  • 食材などの在庫状況の把握とコストの無駄を発生させないようにする
  • 「シフト管理」「在庫管理」「予約管理」などのITツール・システム活用
  • 設備機器メンテナンスや故障などを早めに対応してもらう(耐用年数の把握など)

シフト管理や売上管理などはITツールを活用することでミスが防ぎ、業務短縮化につながります。また、キッチンとホールの最適なオペレーションを進行することも、店内を効率化させる重要な業務です。

3.オペレーションの改善ポイント

店舗オペレーションは将来的に継続させていけるかどうかの重要な要素です。
改善すべきポイントを実施することで、店内全体が良い方向に向かっていきます。
では、オペレーションの改善ポイントをあげてみましょう。


★業務マニュアル化

各担当別に業務マニュアルを作成にオペレーションの効率化につなげましょう。ポイントとしては以下のように進めると良いでしょう。

マニュアルの共有化
他のスタッフがどのような作業をしているのか把握することで全体の動きがスムーズになります。

〇定期的なマニュアルの見直し
一度作成したマニュアルは定期的に見直すことで、改善ポイントが追加されます。

〇マニュアルに頼り過ぎない
マニュアルは基本的な業務の指針です。マニュアル通りにいかいな状況も発生することもあるので、機転を利かさなければならない場面もあり、柔軟な対応が求められます。また、全てをマニュアル通りに行うよりも臨機応変な対応が好まれることがあります。


★.現場の意見交換によるフィードバック
現場の意見は非常に大切です。いち早く気づくことができるので、改善点や不足などを反映させることで、オペレーションの改善に繋がります。新しい情報があった際は、常に更新し不明点があれば聞いておける体制にしておくことで、より実用的なマニュアル内容になります。


わかりやすく記載することも大切で、シンプルに明確に何をすればいいのか伝えなければなりません。ホールで例えると、「電子レンジの使用時間→何を○○分」「会計→テーブル会またはレジ会計」など端的にすると良いでしょう。

4.オペレーションの改善効果

飲食店によるオペレーションの改善は状況に応じて、改善が必要となってきます。
オペレーション改善の取り組みを実施することで以下のような効果が現れます。

〇集客・売上向上効果
競合店の多い飲食店では、効率的なオペレーションを構築することで他のお店と比べて優位性を保つことが可能です。競合との差別化を実施すれば集客につながり売上の向上に期待が集まります。

〇スタッフのモチベーションアップ
担当分野のマニュアルによって業務がスムーズに行われ、作業の短縮にもなるので、スタッフのストレスが減りモチベーションアップに繋がります。

〇コスト削減
在庫や仕入れなどの見直しで無駄な仕入れを省くことができたり、多忙なときとアイドルタイムの人員を効率的に配置することでコストの削減に期待が持てます。

〇顧客満足度の向上
効率的なオペレーションはサービスの質が良くなり、料理提供のスピードが改善されます。また、オーダーミスや料理提供の間違いが無くなり、クレームが減ります。
顧客満足度の向上は、先述したスタッフのモチベーション向上にも繋がります。

さいごに

いかがでしたか。飲食店には大きく分けてホール、キッチン、バックヤードに分けられて、それぞれのオペレーション化が確立されています。改善ポイントは常にアップし、出来る限りマニュアルに沿っていくことで効率化が図れます。オペレーションの取り組みは自店舗を高めるためには必要不可欠なツールと言っても良いでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人