
1.焼酎とは、どんなお酒?
お酒は下記の通り、3つの分類に分けられています。
分 類 | 酒(一例) |
蒸留酒 | 焼酎、ウィスキー、テキーラ、ウォッカ、ジン、ブランデ― |
醸造酒 | 日本酒、ビール、ワイン |
混成酒 | みりん、リキュール、合成清酒 |
焼酎はアルコール度数が高い位置にあり、20~25度のものが最も多いようですが、なかには50度といったものもあります。
※ちなみにウィスキーやテキーラ、ウォッカなどのアルコール度数は35~55度でかなり高いです。また、焼酎は蒸留が終わった時点で糖質がゼロになるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
2.焼酎の分類
焼酎は大きくわけて甲類(連続式蒸留)と乙類(単式蒸留)の2つに分けられ、それぞれの製造方法が異なります。味わいも違うので様々な特徴を活かした飲み方をお勧めします。また、その他に甲類・乙類をブレンドした甲乙混和焼酎というものもありますが、今回は代表的な甲類と乙類の製造方法や特徴などをご紹介したいと思います。
2.1 甲類焼酎の蒸留方法と特徴
甲類は連続式蒸留機を用いて、原料を糖化し発酵して生まれる醪(もろみ)を連続して蒸留を行う方法で、純度の高いアルコールとなり、ここに加水してアルコール度数を36度未満になるまで下げます。連続的に蒸留ができるため、大量に造れるので値段もリーズナブルで気軽に楽しんでいただける焼酎です。甲類の特徴はピュアな味でクセがないので酎ハイやサワーといった香りや味を足した飲み方に向いています。もちろんロックやストレートで焼酎本来の味わいを楽しむのもいいでしょう。
2.2 乙類焼酎の蒸留方法と特徴
乙類は芋や穀類の単式蒸留機で一回のみの蒸留を行う方法で、アルコール度数が約45度の焼酎になり、熟成後に加水してアルコール度数を調節します。連続とは違い一度の蒸留のため、大量生産には不向きで価格も上がります。「本格焼酎」と呼ばれ、麦や芋など原料そのものの成分や旨味が生きているのが特徴です。素材の香りがしっかりと残るのでロック、お湯割り、水割りなどがおすすめです。
3.焼酎の飲み方
3.1 定番編

- ストレート
ストレーは焼酎本来の香りや味をそのまま堪能できる飲み方です。
【作り方】
ストレートは常温や冷蔵庫で冷やしても美味しくいただけます。また、アルコール度数が40度以上の焼酎を冷凍庫に入れると、とろりとした飲み口になります。 - ロック
飲み始めはストレートのように強みのある味ですが、時間の経過とともに氷が溶けて焼酎と混じりあい優しい味になります。
【作り方】
大きめのロックアイスをロックグラスに入れ、焼酎を氷に沿うようにゆっくり注ぎます。マドラーで氷と焼酎を全体に馴染ませるように10回ぐらいゆっくりかき回します。ポイントは大きめの氷です。表面積が大きいので氷が溶けにくく、焼酎本来の味が長時間楽しめます。 - 水割り
焼酎があまり得意でない方でも水割りにすることによって、アルコールが抑えられマイルドになり飲みやすくなります。お好みでレモンや梅干しなどを入れてみるのもいいでしょう。酸味を加えることによって旨味と甘みがグッと引き立ちます。
【作り方】
氷をたくさん入れたグラスに焼酎を先に注ぎます。焼酎とお水の割合は6:4ぐらいが一般的ですが、お好みで調節してもいいでしょう。 - お湯割り
特に芋焼酎をお湯で割ることによって、強い香りが湯気とともにふわっと立ち上がり、心身ともにリラックスさせてくれます。
【作り方】
耐熱グラスなどにお湯(70℃程度)を先に注ぐのがポイントです。焼酎とお湯の割合は、水割りと同じく6;4がベストですが、これもお好みで調節して、香りや味の変化を楽しめます。マドラーは使用しなくても自然と混ざりあいます。 - 前割り
焼酎を水で割って数日間寝かせるという飲み方です。水が焼酎本来の香りや味を十分引き立し、数倍も美味しくなると言われています。また、クセのある芋焼酎の香りが苦手な方でも軽減され、柔らかくまろやかな口当たりになります。
【作り方】
ボトル容器に焼酎と水(5:5程度)を入れて一晩から10日間ほど常温または冷蔵庫で寝かせます。水は軟水をお薦めします。また、焼酎と水をあえて1:3ぐらいの割合にしてアルコールを薄めにして、夏の暑い時期にキンキンに冷やしてストレートで飲んでも美味しいです。ポイントは、より柔らかな口当たりになるまで一週間ぐらいかかるので、お酒の飲みごろを少し待ってみましょう。
3.2 アレンジ編

- ソーダ割り
焼酎とソーダの比率は4:6がベストですが、お好みによって割合を調節して味を楽しんでいただけたらと思います。
【作り方】
グラスにたっぷり氷を入れたあと焼酎を注ぎ、次にソーダをゆっくり注ぎます。マドラーで氷を持ちあげるように1~2回軽く混ぜます。蜂蜜を小さじ一杯程度とカットレモンを入れると、甘酸っぱさが焼酎とマッチして美味しさがワンランクアップします。
ポイントは、ソーダを入れる前の焼酎と氷をよくかき混ぜ冷やしておくことです。 - 昆布茶のお湯割り
ウ―ロン茶、緑茶などは定番ですが、昆布茶のお湯割りもおすすめです。本格焼酎と昆布の旨味の相性がとてもよく、昆布を入れることによってまろやかな口当たりになります。
【作り方】
耐熱グラスなどに切り出し昆布1cm角(2枚程度)を入れ、お湯、焼酎の順に注いだら完成です。そこに梅干しを入れても美味しいです。 - トマトジュースの焼酎割り
ウォッカをベースにしてトマトジュースで割った「ブラッディ・マリー」ですが、焼酎をベースにした飲み方にします。特に個性的な香りがする芋焼酎にトマトとの相性が抜群です。
【作り方】
氷の入ったグラスにトマトジュースと焼酎を1:1の割合で注ぎ、スパイスとして軽くブラックペッパーをふりかけて完成です。お好みでタバスコやセロリソルトなどを少量入れても美味しくなります。濃厚な芳醇の香りのする泡盛と割っても、まろやかな味わいになりとても美味しいです。
4.焼酎の魅力
三大原料でもある芋、麦、米といった焼酎を始め、その他にも特徴を活かした味や香りを楽しめる焼酎がたくさんあります。個性的な味と香りのする乙類焼酎は、いろんな種類(銘柄)の飲み比べが楽しめ、クセの少ない甲類焼酎はお気に入りの割り方で楽しむことができます。また、二日酔いになりにくく寝付きをよくする効果もあり、翌朝の酔い覚めがいいと言われています。
焼酎は、自分で自由自在に香りや味わいの化をつけることができ、口当たりで楽しめる魅力いっぱいの万能酒ではないでしょうか。
さいごに
お酒好きにはもちろん、あまり飲めない方でも果汁やソーダなどで割ることで口にしやすいお酒です。是非ご紹介した飲み方をヒントにして、様々な焼酎を飲み比べ、自分のお気に入りの飲み方を見つけてみてはいかがでしょうか。