初めて美容院に来店されたお客様に担当した美容師は、2回目以降も担当することが多いかと思います。信頼できる美容師であれば、同じ美容師に任せたいと思っているお客様も少なくありません。むしろ担当制がありがたいのではないでしょうか。
しかし、実のところ担当美容師を変えてほしいという依頼を受けたスタッフが存在していることも事実です。
ここでは、担当の変え依頼をされる原因や解決策などを解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
1.美容院の担当制度について
お客様が通い続けている美容院では、ほとんどが同じ美容師を指名していることが多いです。指名をしてくれる限り担当制は変わりません。
お客様と美容師の両方からみた担当制度の視点をみてみたいと思います。
〈お客様からのみた良い点〉
- 好みのスタイルや髪質を把握しているので安心感がある。
- 人見知りのお客様の場合は担当が変わってしまうとストレスが溜まるので、気軽に何でも伝えられるのが担当制の良いところ。
〈お客様からみた悪い点〉
- 担当美容師と親しくなると、気分転換で他の美容師にカットなどお願いしたくても言いづらくなる。
- 長年担当してもらうと接客がイメージチェンジができなくなる
〈美容師からみた良い点〉
- お客様の好みのテイスト、髪の質感などが把握できているので直観で要望に応えられる。
- 信頼関係が築けるのでアドバイスがしやすくなる。
〈美容師からみた悪い点〉
- 一度不安を持たせてしまうと、担当替えの依頼または他店に流れてしまう
- 担当者が多忙な場合はお客様を待たせてしまう
美容師の担当制度は、お客様に満足してもらえるためのシステムでもあります。
ただし、一度不安な思いをさせてしまったり、担当美容師が辞めてしまう等があった際には
他店に流れてしまう可能性があります。
本来、担当を持つということはメリットのほうが多いのですが、問題等があった際には原因を突き詰めて対策をとるようにしましょう。
2.お客様が苦手とする美容師
お客様のなかでは、美容師との相性が悪いと感じたり、苦手意識を持ってしまうことがあります。ここでは苦手と感じる原因がどこにあるのかみてみましょう。担当制度を十分に活かすためには把握した上で業務に挑むことが大切です。
2.1 コミュニケーションに対する不満
サービス業である美容師は、お客様と向き合っている時間が長い職業です。
タブレットの雑誌などを提供しても読まないお客様には、コミュニケーションを取る必要性を感じ、会話を見つけだそうとしている美容師が多いのではないでしょうか。
しかし、このコミュニケーションが下記のようなことに不満を感じてしまうお客様がいらっしゃいます。
- 施術中に手を止めて会話に夢中になる、お喋りがすぎる
- 隣席の会話や笑い声がうるさい(常連客と美容師の双方が会話に夢中になる)
- 会話の内容が心地よくない
- 喋りがながく、自慢話を聞かされる
声のトーンや話す話し方(内容含)に少し意識することで改善することもあります。
苦手とされない美容師はコミュニケーション上手なことが多いかもしれません。
2.2 要望をはっきり聞かない
数年通い続けている担当美容師に任せてはいるものの、たまにはイメージチェンジしたいというお客様もいらっしゃいます。椅子に座ったお客様の要望をあまり聞かずに施術が始まってしまい、自分がしたいヘアスタイルを伝えるタイミングを逃してしまったということがあります。
- カットの長さは聞くが、どのようなカットタイルにするのかは聞かない。
- カラーやパーマの際、あまり要望を聞かずに自分好みを優先し施術を始める
- 担当美容師が多忙の際には、じっくり要望を聞かない
2.3 担当が長くなると雑になる
長年通っている担当美容師の対応が雑になってきたと感じるお客様がいらっしゃいます。ここではどんな時に雑になったと思ったかのアンケート結果を見ていきたいと思います。
上記の表で、雑に感じたことは「待たされることが多くなった」34名が一番多く、次に「施術に手を抜かれるようになった」25名、「言葉使いや接客が悪くなった」19名、次いで「カウンセリンが適当になった」12名となっています。
親しくなると態度や言葉使いなど全てにおいて適当になってしまったと思われているようです。
2.4 接客力または技術力がない
会話や気遣いなどの接客力は申し分ないのに、技術に不満だというお客様や技術力はあるのに接客が下手というケースもあります。
- 担当美容師が心地よい接客なので通っているが、技術力不足のためイメチェンしたいけど言えない。
- 技術は上手だが、接客で不快な思いをしてしまうことが多々ある。
お客様によって求めるのが接客か技術か、どちらかの方の比重を置いていることもあります。しかしながら、どちらも極めることが大事なことです。
不満を抱えながらも通っているお客様がいる場合、もっと良い条件に合う美容院が見つかると他店に流れていってしまうことがあります。
3.担当美容師を変更したくなる理由
通常何年も同じ美容院に通っているお客様は、店内の雰囲気や価格、接客、技術に満足していると捉えられます。しかしながら、突然美容師を変えてほしいと依頼をされた人もいることも事実です。
担当美容師を変えたくなる理由は人によってさまざまですが、どのような要因があるのかみてみましょう。
▼技術力が価値(料金)に伴わない
- 期待していたヘアスタイルやカラーではない
- 数か月後でカットの技術力がわかってしまう(技術力不足による不満)
- サービスが料金と見合わない
▼担当美容師の予約がとれない
- 希望する美容師の予約がなかなかとれないので、担当者の都合に合わせなくてはならない
- 予約時間に入店したのに待たされる
- 電話がつながらない、希望予約日を断られた
▼マンネリ化
- 慣れてしまい、美容院および美容師に飽きてしまった
- ヘアスタイルやメニューのマンネリ化
▼他に魅力的な美容院を見つけた
- 家の近所に出店した美容院にいってみたら良かった
- 他の美容院への口コミ評判がよかった
▼美容師の対応
- お客様によって対応・態度を変える
- ブランクのあった美容院へ再来したら、よそよそしくなっていた
4.数年先も担当でいられる美容師になるには
担当美容師を変えたくなるきっかけはさまざまです。
前述したように美容師の「接客や技術の不満」「マンネリ化からの脱出」もあれば、「引っ越しのため通えなくなった」「担当が辞めてしまった」などあります。
大きく分けると以下の3つの替えるタイミンギがあります。
- 担当の美容師の独立を含む退職や移動
- お客様の都合
- 美容師または美容院側に問題がある
なるべくひとりのお客様を長く担当していくためには、以下のような事項に注意してみましょう。
- ★美容院を辞めて独立、あるいは移動などした場合には、担当していたお客様に伝えるようにしましょう。その後の判断はお客様に委ねることにします。注)美容院によっては辞めることを伝えるのは許可しないと契約書に記入されていることもあります。
- ★ お客様から担当の変更依頼があったり、来店しなくなったりした場合、なぜこのような状況になったのか原因を考えることです。思い当たることがあったら見直しをすること、次につながる対策をとるようにしましょう。家庭や仕事の事情で来られなくなった際には、お客様から言い出すことが多いです。
さいごに
いかがでしたか。美容院では、担当美容師を突然変更してほしいとお客様から依頼されることもあります。原因はお客様の都合や美容師の接客・技術などがありますが、長年担当していた場合はマンネリ化からの脱出願望もあるようです。初めてもしくは2回目の担当であった場合は、必ず原因があるはず。一人でも多くのお客様に接し、喜んでもらえるようなサービスと技術を提供することを心がけるようにしましょう。