店舗を構えている経営者は、無断キャンセルで悩まされた経験があるのではないでしょうか。「キャンセル料を設定はしているが美容業界の相場が気になる」「キャンセルによる取り決めをしたい」など、さまざまなキャンセル防止策として試行錯誤している経営者がいらっしゃいます。
今回は美容業界であるエステサロンやネイルサロン、美容院などのキャンセル発生時の料金設定方法やキャンセルポリシーの作り方などを解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
1.キャンセル料は何故設定するのか?!
予約のキャンセルは美容業界をはじめ、飲食店やクリニック、ホテル、旅行業界などさまざまな業種で発生しています。また、キャンセルする側にも種類があり、体調不良や仕事・家庭の事情によって止むを得ない場合もあれば、厄介な無断キャンセルもあります。
店舗側は予約されたお客様のために時間と人材を確保している以上、他のお客様の来店はお断りしているので特に無断キャンセルは避けてほしいものですね。
ここで紹介したいのが予約キャンセルに関する実施調査です。
上記の調査結果でわかることは、美容業界において「予約キャンセルしやすい」が2015年より2021年のほうか微増しています。これはWebによる予約数が増加した結果、簡単にキャンセルしやすいということになるのかもしれません。
また、「予約キャンセルの際に気まずくなるポイント」で、現在は60%以上の方が施術者に迷惑がかかるという結果になりました。その他、50%以上(2021年結果)の方がキャンセル料を支払わなくてはならないことが気になっているようです。
お店のホームページや美容ポータルサイトの予約サイトで以下のような文章があります。「前日・当日キャンセルをされる場合はキャンセル料を頂いています。ご了承をお願いします」この文章に「了承しました」あるいは「同意する」を選択することで初めて契約(予約)を結びます。
店舗規定に従ったキャンセル料の発生に同意してもらうことで、無断キャンセルは少なくなります。また、キャンセル料を設定するということは、お店が無断キャンセルをするという方は当店の来店は遠慮してほしいといった願いもあるためにも感じられます。
2.キャンセル料の決め方
キャンセル料の請求において「本当に請求できるの?」「無断キャンセルで請求できないのでは?」など疑問・不安に思っている経営者も多いのではないでしょうか。
実際のところ、キャンセル料を設定しても請求しないという店舗もあります。
ここではキャンセル料の決め方を解説していきたいと思います。
2.1 キャンセルの基本料金
キャンセルを減らすためにも料金の設定は必要ですが、どのくらいの料金を設定すればいいのか迷ってしまうという方もいらっしゃいます。
キャンセル料の発生日から予約当日までの料金は2割~5割が多いようです。
例)「キャンセルがなければ得られたであろう利益」×「当日来店されるだろお客様数」
また、ホームページやLine、インスタグラムなどで予約を受付する場合は、必ず○○日までは施術料の○○%のキャンセル料が発生する旨記入することが大切です。
〈追記〉キャンセル料の消費税は不課税として取り扱われることが殆どです。
詳しくは→国税庁 N36253キャンセル料
2.2 キャンセル料の期間設定
キャンセル料の発生期間は、トラブルを防ぐため明確に記入しなければなりません。
そもそも予約とは、施術時間と人材をお客様のために用意してサービス・施術を提供するという前提の約束事です。予約とは法的には契約とも言います。この契約を何らかの理由でお客様が日時変更あるいは取り消しをするのであれば、いつまでに連絡すればいいのかキャンセル料の発生有無をお知らせする必要があります。
以下はキャンセル料発生までの期間の設定です。
- 予約前日キャンセルの場合➡施術料の20%
- 予約当日のキャンセルされる場合➡施術料の30%
- 無断キャンセルンの場合➡施術料の50~60%
※無断キャンセルは100%の料金を設定しているサロンもあります)
キャンセル料は前日予約キャンセルから発生することが多く、2日前までは無料にします。キャンセル料の発生時期は段階的に分けて記入するようにしましょう。
2.3 キャンセル料の回収方法
ドタキャンなどを防ぐためにキャンセル料の設定をしますが、料金の設定をしても実際のところ請求は難しいのでは?と思われている美容業界の経営者が多いです。
回収方法はキャンセルしたお客様に連絡する方法が多いのですが、以下の回収代行も備わっているシステムを活用してみても良いでしょう。
■リピッテビューティー
Line上で予約から決済まで完結するサービス
キャンセル料の発生時に無理なく回収を代行し、キャンセル防止に繋げるシステム
■ノーキャンドットコム
弁護士が運営している回収代行
成果報酬型なので回収完了後に依頼主の費用が発生するシステム
3.キャンセルポリシーの作り方
キャンセル料の請求に必要なのがキャンセルポリシーです。
このキャンセルポリシーとは、お客様が施術の予約された時に日時の変更またはキャンセルする際の取り決めを書面またはデジタルにて明記したものです。予約時にお客様の同意して頂くことでキャンセルなどがあった場合、スムーズに対応が可能となります。
美容業界においてのキャンセルポリシーの書き方は以下の事項を記入しておくと良いでしょう。
- キャンセル料が発生する・しない期間を明確にする
- キャンセル料に関する料金を具体的に記入する
- 予約日の遅刻について連絡方法を明記(○○分を超えた場合は来店されないとみなすなども記入)
- 感染症や災害などに見舞われた際の対応について
無断キャンセルを未然に防ぐためのキャンセルポリシーは必ず用意しておきましょう。
キャンセルする際の対応は店舗によって多少異なるかもしれませんが、注意事項(規則)を伝え同意を得ることが大切です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。美容業界に特化したシステムを中心にネット予約が増加している昨今、気軽に予約がとれるといった利便性がある一方で、キャンセルも簡単にできます。
更に数か所の店舗での予約も可能なので、キャンセルするのを忘れたなども少なくありません。店舗の損失に繋がるキャンセルは、お客様にリスクを与えてしまうことを伝えなければなりません。そのためにキャンセル料の設定・キャンセルポリシーの作成を明確に記入し無断キャンセルを未然に防ぐことです。
ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。