- 「歯科医院のキャンセル率、損失はどのくらいか知りたい」
- 「予約キャンセルがあった時の対応策を教えて欲しい」
- 「歯科医院でキャンセル料を請求することはできる?」
このようなお悩みや疑問を抱えている歯科医院経営者の声を多く聞きます。
この記事では、予約キャンセル率を減少する対策について徹底的に解説していきます。
是非参考にしてみてください。
もくじ
1.歯科医院の予約キャンセルによる経営損失は?
歯科医院の予約キャンセル率は、10~15%と言われています。
例えば、患者様1名にあたり治療費平均5,000円とすると1日30件予約がある歯科医院の場合、キャンセル率10%=15,000円/1日。1日15,000円、月間(20日診察)にすると300,000円もの損失が発生することになります。
予約キャンセルの損失は歯科医院経営に大きな影響を与えます。歯科医院にとって予約キャンセルを防止する対策は取り組むべき課題といえるでしょう。
2.なぜ患者さんは気軽に予約をキャンセルしてしまうのか。
予約キャンセルされやすい業種は飲食店が最も多く、次いで診療クリニックも多い業界といわれています。キャンセルの理由は、大きく分けて以下の4つです。患者さんが予約をキャンセルしてしまう理由を知ることは防止対策の第一歩になります。
2.1 予約忘れ、予約の日時を勘違いしていた
予約を入れたいたことをうっかり忘れていたり、予約日時の勘違いしている患者さんは一定数いらっしゃいます。予約の日時を診察券の裏側に手書きで記載しても予約の日時を忘れてしまう方が多いようです。
2.2 治療の意味を感じなくなった
歯の痛みや不具合で来院したのに突然来なくなってしまう患者さんがいます。まだ治療が完治していないのに、歯の痛みがなくなると治療の意味を感じられなくなり来院の意欲が減ってしまうようです。
2.3 歯科医院に行くのが嫌になった
歯の治療は1回の通院で終わるということはまずありません。治療の進み具合が感じられず、歯科医院に行くのが嫌になり予約キャンセルに繋がるようです。
2.4 病気やケガが原因
病気やケガが原因で予約キャンセルしてしまうこともあります。この原因に関しては予防策はありません。防ぐことは難しいでしょう。
3.予約キャンセルの事前防止対策と事後防止対策を解説
予約キャンセルの防止対策には、事前対策と事後対策があります。どちらも大切な対策ですので、積極的に取り組んでいきましょう。
3.1 予約キャンセル事前防止対策
■リマインドをする
診察券の裏側に手書きで予約日時を記載するだけでは、忘れてしまう方が多いようです。ショートメッセージ、LINE、メールなどを活用して、予約前日にリマインドメッセージでお知らせすると予約忘れによるキャンセルを大幅に減少させることができるでしょう。
最近では、オンラインの予約システムを導入している歯科医院も多いようです。オンラインの予約システムは、受付スタッフの作業負担が軽減し、人的ミスも防げるので導入の検討をオススメします。
■治療の説明は丁寧にする
予約時に次回の治療内容について患者さんに説明するようにしましょう。治療を途中で中断しまうリスクを伝えると来院意識が高くなります。治療の大切さを理解してもらい継続して通院してもらうように促すことが大切です。
■予約通りに来院した患者さんにお礼の言葉を伝える
そんな言葉だけで防止につながる?と思う方もいますが、意外に高い効果が期待できます。
感謝の気持ちを伝えることで患者さんの予約を守る意識が高くなります。
また、患者さんと受付スタッフとの良いコミュニケーションがとれることも気持ちよく来院してもらえるようになります。
例
「予約の時間にご来院いただき。ありがとうございます。スタッフ一同とても助かっております。」等
3.2 予約キャンセル事後対策
■キャンセルの電話があった時の対応
キャンセルの電話があった時に、「はい、わかりました」とだけで電話を切ってはいけません。気軽にキャンセルできる歯科医院という印象をもたれてしまう危険性があります。この場合、患者さんを心配しているという思いと治療を中断するリスクを伝え、次回の予約を取るようにしましょう。
■無断キャンセルの患者さんへ電話連絡する
予約の時間から15分~20分経った時点で、患者さんへ電話連絡してください。連絡がついた時は、その電話で次回の予約を取るようにしましょう。連絡がつかない場合でも、翌日に再度、電話連絡することが大切です。
■キャンセル待ちの患者さんに連絡をする
歯のクリーニングやホワイトンイングなど、治療を急がない患者さんに対し、キャンセル待ちを受付けましょう。突然、予約キャンセルがあった場合、キャンセル待ちの患者さんに連絡することで、損失を軽減することができます。
4.キャンセル料を請求することはできる?
歯科医院でキャンセル料を請求することは法律上可能です。キャンセル料は、消費者契約法第九条「消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効」により定められています。
だたし、法律上可能だからといって、実際にキャンセル料を請求すると、「そんなの聞いたことない」「そんなの知らない」とトラブルに発展することがあります。キャンセル料を請求する場合は、事前に患者さんの合意を得る必要があります。患者さんの合意を得るために事前に以下のような対策を取りましょう。
■予約時にキャンセル料について説明し、同意書にサインしてもらう
キャンセル料は患者さんの合意を得ていることが証明できて初めて請求することができます。請求時に大きなトラブルになることを防ぐために書面にサインしてもらいましょう。
■キャンセル料についての説明をHPに掲載、院内に掲示する
キャンセル料について院内やHPに掲載しておくことも大切です。患者さんの目にとまる場所に告知することにより、キャンセル料について、十分に説明をしていた証拠となります。
■キャンセル料は妥当といえる範囲で設定する
キャンセル料は妥当といえる範囲で設定します。予約キャンセルがなかった場合の診療で得られたであろう診察報酬を算出しましょう。
また、キャンセルポリシーを作ることをおすすめします。
例
前日のキャンセル料 〇〇円
当日のキャンセル料 〇〇円
無断キャンセルの場合 〇〇円
さいごに
いかがでしたか?歯科医院で予約キャンセル防止対策を解説しました。
予約キャンセルは歯科医院を経営する上で損失は大きく、真剣に取り組みたい問題の1つです。
この記事を参考に予約キャンセル防止対策にしっかり取り組みましょう。