ひとり美容室を開業したい人必見!【メリット・デメリットを徹底比較】

近年、ひとり美容室を経営したいという人が増加しています。その背景には「人間関係の煩わしさから解放したい」「自分の思い通りの美容室を開業したい」などの思いがあるようです。自分が思い描く経営実現に向けたビジネススタイルで表現できることが魅力のひとつではないでしょうか。しかしその一方で、個人経営だからこそ抱える問題も少なからず存在しています。そこで今回は、ひとり美容室のメリット・デメリットを知っていただくために比較をしながら解説をしていきます。ぜひ参考にしてみてください。

1.来店客が求めるひとり美容室

美容室で数年働いていると、いつかは独立したいという美容師が多いのではないでしょうか。美容師が複数在席している美容室は、シャンプーやパーマ・カラーなどの施術をアシスタントがサポートするのでスタイリストは多くのお客様を担当することができます。ところが、ひとり美容室はカットから仕上げ、接客サービスまで全て一人で担当しなければなりません。そのためお客様一人一人の要望などを管理(記憶)しながら施術や接客などを行います。このようなひとり美容室に敢えて来店するお客様も多くいらっしゃいます。

来店目的は以下のようなことが考えられます。

『会話が苦手なお客様』
美容室に来店するお客様のなかには、美容師との会話が苦手と感じている人も少なくありません。カットから仕上げまでの工程を複数のスタッフが行い、そのたびに変わる会話が面倒だという理由でプライベートサロンに通うようになったという人もいらっしゃいます。ひとり美容室はスタイリスト(オーナー)が全て担当しているので、会話を避けたいと思っているお客様と接していると直観で感じ取れます。そのため会話を控えてくれるのでお客様は安心ができるようです。また、最初は会話が苦手だったが通っていくうちに二人しかいない空間に居心地の良さを感じ、スタイリストとの会話が楽しくなったというお客様もいらっしゃいます。

『リラックスする、プライバシーが守られている』
ひとり美容室は一人一人のお客様と向き合うことができ、距離が近くなるので信頼関係が築きやすくなります。一人の美容師が全て担当してくれるので、お客様は安心して髪の悩みなどを相談することができます。自分一人しかいない空間のため、お店はプライベートサロンという雰囲気が気に入り通っているお客様もいらっしゃいます。また、周囲に他のお客様やスタッフがいないのでプライバシーが守られているので安心できるという人も多いです。

2.ひとり美容室のメリット

近年、小規模な美容室が増加していますが、先ずはひとり美容室のメリットを解説していきたいと思います。どのようなメリットがあるのか知ることができれば今後の美容室を経営するうえで非常に役に立ちます。

2.1 自由度が高い

ひとり美容室は自分の思い通りのスタイルで経営ができるので非常に自由度が高いです。中大規模の美容室では「お客様を最初から最後まで一人で担当したい」と思っていても難しいでしょう。しかし、ひとり美容室はカウセリングから最後の仕上げまで関われることができます。お客様を一人で担当できるため長時間接していることでスムーズに要望を聞くことができ、美容師としての技術力を発揮しやすくなります。また、将来的にはネイルサロンやエステサロンといった多角方面の展開へも能力次第では実行可能です。自分のペースで経営ができるのは大きな魅力でしょう。

2.2 人間関係の問題がない

自分一人だけで経営するので職場の人間関係で悩むことがなく、モチベーションも保ちやすくなります。大抵は仕事の効率化を図るため人を雇うことが多いのですが、人間関係での問題を抱えるケースが多々あります。たとえば雇った人材の技術・接客スキルが見込めないなどの問題が生じるなど。そのような問題を避けるための一つの理由として個人でサロンを開業する人も少なくありません。

2.3 低資金で開業ができる

一人で美容室の開業を考えたとき、気になるのが開業資金です。店舗の家賃や椅子・シャンプー台などの設置数・値段によって異なりますが、約300万円前後で開業することが可能です。決して高過ぎない資金で開業できるのがメリットです。
美容室は、費用の大半である店舗賃料や人件費が占めています。ひとり美容室であれば店舗面積が狭い物件でも可能なため賃料を低く設定できます。自分一人だけなので人件費もかかりません。また、固定客が多いため一定の売上を見込める可能性が高くなります。そのため経営の持続が可能となり、開業数年後の状況に応じてシャンプー台や椅子などを増やしていくことができます。

3.ひとり美容室のデメリット

メリットを解説しましたが、その裏には幾つかのデメリットも存在しています。

3.1 自分の代わりがいない

複数在籍している美容室であれば一人が急病などでお休みしても他のスタッフが代わりに担当してくれます。しかし、ひとり美容室は体調不良などで休むとお店を休業しなければなりません。自分の代わりがいないということがデメリットではないでしょうか。体調不良でも休業しないようにと無理にお店をオープンしても体調を悪化させお客様にも悪影響を与えてしまいます。

3.2 孤独感・リスクを一人で背負う

「こんな美容室にしたい」という思いを抱きながら動き始めているときは楽しくもありますが、様々な問題に直面することもあります。たとえば経営で行き詰ったときに相談相手がいない、決め事の参考材料としての意見が聞けないなど全ての決断は主観的なものになってしまいます。自分一人で意思決定をしなければならないのは当然とはいえ、不安と孤独が押し寄せてきます。また、大きな「店舗成長が見込めなくなった」「固定客の失客」などのリスクも全て一人で負うことになります。そのような心の問題も存在しているということを覚悟しておいたほうが良いでしょう。

3.3 限られた人数での施術

ひとり美容室は全ての工程を自分一人で行い、更に店舗面積も狭く一席または多くて二席しか設置していないので客数は必然的に少なくなります。予約内容(施術)によって異なりますが、たとえば1日の労働時間を9時間として、カットやシャンプーの施術は各1時間、パーマ・カラーは2時間の設定をすると、平均の客数は1日5~6人程度になると考えられます。どんなには早く施術ができても限界があります。無理に売上を伸ばそうとして予約をたくさん入れてしまうとお客様を待たせてしまい、お店側が与える印象も良くありません。一人一人のお客様と向き合うためには客数を減らさざるをえないでしょう。

4.ひとり美容室経営に向いている人

美容室を将来開業したいけど「果たして自分は向いているのか?」と悩まれている人も少なくありません。美容室の独立は技術力があれば開業できますが、経営を継続させることが難しいと言われています。ここでは経営者としてのポジションが向いている人の特徴をみていきます。

  • 技術や接客スキルは勿論、数字に強い人
  • 施術から接客まで全て自分だけで行いたい人
  • 行動力があり、発想力が豊かな人
  • 変化を恐れず新しいことにチャレンジできる人

今までの実践で養った技術と接客スキルを上手く活かしながら新しいことへの挑戦を厭わない人、そして数字で物事を考えられる人が向いているのではないでしょうか。美容師のなかで芸術性を持ち合わせている人もいますが、アーティストタイプは数字を嫌う人が少なくありません。そのような場合は、美容師に備わっている直観力を働かせるという重要な能力を発揮させ、数字に関することは税理士などの専門家に任せて店舗の強化を図るためにタッグを組むと良いでしょう。

さいごに

いかがでしたでしょうか。ひとり美容室は自分の好きなようにお店づくりができること、そしてお客様との距離が近いので信頼関係も築きやすいのが魅力的です。しかし、孤立に陥りやすくなり、体力的・精神的にもきつくなることもあります。メリットは上手く活用し、デメリットは如何に抑えられるかで自分流の店舗づくりができるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

広田 淳