歯科開業医・勤務医の年収差は?成功している開業医の共通点を解説

  • 「開業医と勤務医の年収がどのくらい差があるのか具体的に知りたい」
  • 「自分の理想の治療を追求したいので、自分の歯科医院を開業したい」
  • 「歯科医院を開業しているが、思うように収入が増えない」

このような疑問やお悩みを抱えている歯科医師の声を多く聞きます。

この記事では、歯科医院の経営実態、開業医と勤務医の年収比較、成功している歯科医院の共通点を解説していきます。歯科医院を開業しようと検討している方・開業したのになかなか経営が軌道にのらない方は、是非参考にしてください。

1.歯科医院経営は難しい?業界の現状を解説

厚生労働省が報告した「2022年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、歯科医院数は67,755S施設、その中で、開設施設が1,333施設、廃止施設が1,410施設という結果が報告されています。
この結果を見ると、開業する歯科医院と同じくらいの数の歯科医院が廃業しているということがわかります。廃業の理由として「院長の高齢化で後継者不在」もありますが、「経営悪化による存続が困難」という原因も多くあります。歯科医院は開業すれば成功するわけではありません。
歯科医院を開業するにあたって、「経営は想像以上に厳しい」という現状を知っておくことはとても大切です。

2.歯科医院を開業するベストのタイミングは?

歯科医師は、歯科医師を目指す時点で、将来、独立・開業を考えている方がとても多い職種です。
「歯科医院を開業する年齢、ベストタイミングはいつなのか?」
厚生労働省による「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、歯科医院開業の割合は、20代 1%、30代 17%、40代 53%、50代 73%という結果が報告されています。

この結果を見ると、30代に開業を検討し始めて、40代~50代あたりに開業する歯科医師が多いということがわかります。

歯科医院を開業を決断した目安は、以下の3つが最も多いといわれています。


① 歯科医師経験・治療技術に自信を持てた
歯科医院を開業する前に、勤務医として経験を積む歯科医師がほとんどです。一般的には、勤務医として働き始めて3年間で基礎的な治療技術が習得できるといわれています。そのため、3年間しっかり勤務したあたりで、治療技術に自信を持ち、開業を決断する医師が多いです。


② 開業資金が貯まった・目途がたった
一般的に歯科医院開業には、5000万円以上の資金が必要とされています。金融機関からの融資、補助金・助成金を活用して資金調達するのが一般的ですが、1000万円程度の自己資金を用意しておいたほうが融資を受ける審査に有利になります。そのため、開業資金が貯まり、目途がたったタイミングで開業を決断する医師が多いです。


③ ライフスタイルの変化
結婚、出産、住居購入など、ライフスタイルの変化がある時に、将来のプランを含めて生活の基盤を整えておこうと開業を決断する歯科医師が多いです。


このような目安を考えると、早い時期から開業の為の準備しておけば、20代や30代でも開業をスタートすることも難しくありません。そして、若いうちに開業した方が早く経営の起動にのるという傾向があります。
開業するベストなタイミングは人それぞれですが、将来的に開業を考えているようであれば、なるべく早いうちから準備を進めておくべきでしょう。

3.歯科医師の年収は?開業医と勤務医で比較解説

厚生労働省による最新の「医療経済実態調査(医療機関等調査)」によると、個人開業している歯科医院の損益差額は、1,420万円という結果が報告されています。
また、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、勤務歯科医の年収は、平均811万円という結果が報告されています。

開業医は勤務医に比べ、倍近くの収入を得られるという結果が報告されています。金額だけを比較すると開業医の方が儲かっているように思えますが、歯科医院を経営する費用を含めると実際の手取り金額は勤務医より低い場合もあります。開業医は多額の費用をかかえているため、何がどのくらい必要となるのかしっかりと計画することが重要です。

4.成功している歯科医院の共通点とは?4つの共通点を解説

共通ポイント①治療技術 
最新の治療技術・知識を学び続けている。自費診療を豊富に取り入れ、患者さんのニーズに応えている。


共通ポイント②コミュニケーション 
スタッフ間はもちろん、患者さんとの間でも円滑なコミュニケーションがとれている。笑顔の多い院内である。


共通ポイント③マーケティング 
集患のためのHP制作、SNS運営など、患者さんが知りたい情報が発信できている。

あわせて読みたい記事
「歯科医院でSNSアカウントは必要?メリットデメリット/注意点を解説」


共通ポイント④人材マネージメント 
優秀なスタッフが長く働きたいと思うような職場作りができている。

あわせて読みたい記事
「歯科衛生士の離職率が高い原因とは?長く働いてもらうポイントを解説」

さいごに

いかがでしたか?歯科医院の経営実態、勤務医と開業医の年収比較、成功している歯科医院の共通点がご理解頂けたかと思います。
歯科医院は歯科医師免許を持っていれば開業できますが、治療技術だけで生き残っていくのは難しいのが現実です。この記事を参考にしていただき、成功している歯科医院経営を目指しましょう。

歯科業界に強いBrancPort税理士法人は、開業から経営までのサポートを行っています。お気軽にご相談下さい。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人