付加価値サービスとは?美容院で「あると嬉しいサービス」を紹介

美容院の顧客満足度を向上させるには、技術力や接客力を身につけることは当然のことですが、さらにリピーターとなってもらうには、付加価値サービスを加えなければなりません。
ここでは「また来たい」と思わせるために、あると嬉しいサービスを紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.美容院で求められる付加価値サービス

付加価値サービスとは、企業・店舗などで決まった対価の商品やサービスに対して、特別に付け加えた価値のことを言います。オリジナリティのある付加価値を実現化することで価値の向上を目指すことができます。

美容院では付加価値サービスをつけることで、お客様が持つ印象に著しく変化が現れます。付加対価サービスにどれだけ美容院が対応しているかということが重要なポイントとなります。ここでは技術や価格以外でお客様が美容院に求めていることは何か、下記のアンケートの結果を見ていきたいと思います。

引用:ファンくる「美容室に求めることについての意識調査」

技術や価格以外でお客様が求めていることは、美容師の「提案・アドバイス」が全体的に最も多く、次いで「人の雰囲気による心地よさ」、「施術のスピード」となっています。
また、「コミュニケーション」は最も少なく、あまり美容院に求めていないということがわかりました。
最近は美容師との会話(コミュニケーション)は控えたいというお客様が多いのですが、髪の悩みなどのアドバイスや提案は求めていることがわかりました。その他、リラックス効果のある心地よい空間や美容師の雰囲気(人柄の良さ)を求めているということがわかりました。

2.美容院の付加価値サービス事例

美容師は、接客と技術両方のホスピタリティの精神が重要です。このホスピタリティとは、美容師として人間力と技術力のことですが、これらを言動としてお客様に伝える必要があります。実際に付加価値のあるサービスを体験してもらうことでお客様に伝わり、「また来たい」と思ってくれることが大切です。ここでは、付加価値サービスの事例を紹介します。

2.1 ヘッド・肩周りマッサージ

ヘッド・肩周りマッサージは頭皮環境を整えるアイテムのひとつであり、長時間座っていたお客様のリラックスタイムを設けることです。ヘッドマッサージはシャンプー後に行っていることが多く、椅子へ戻ってからは肩周りのマッサージサービスをします。非常に喜ばれるサービスではありますが、気を付けてほしいことがいくつかあります

  • 洗髪時間内としてマッサージを取り入れる(忙しい場合には省いている店舗がある)
  • マッサージが苦手のお客様もいるため、行う前には同意を得る
  • リラックス効果を得るための強すぎるマッサージはNG

上記の事柄に注意しながら実施してみてはいかがでしょうか。この付加サービスを導入することで、お客様への心遣いができる美容院という印象を受け、リピート率が高くなることでしょう。

2.2 眉カット

眉をワックスやカラーなどの施術でデザイン性を特化した専門の眉毛サロンがあります。
その眉毛サロンに3週間から1か月毎に通っている方がいらっしゃいますが、あまりデザインを求めていないけどキレイにしたいという人も多くいらっしゃいます。
自分ではなかなか思い通りに眉カットができないという方には、美容院の眉カットサービスはとても喜ばれます。
男女共にヘアスタイルに合った眉カットをしてくれるサービスは、自分でできるメンテナンスの参考になるので嬉しいというお様が増えています。もちろん料金制なのですが、他の施術とセットにすることでお客様の「あると嬉しい付加価値サービス」に十分応えているサービスです。
また、料金は他の施術とセットになるため、非常に安く設定していることが多いです。
※美容師の眉カットは「合法」となります。

2.3 体験サービス

体験サービスは、美容院で販売している商品を実際に試してもらいます。
お客様の悩みや知りたいことを伺ったうえで、アドバイスしながら実践してもらうサービスです。体験することで商品が気に入り購入してくれる可能性があります。

  • ◆洗髪のときは髪質に応じたシャンプー・トリートメントを体験してもらう
  • ◆ドライヤーの当て方の説明(お客様が実践する講座のようにしても良い)
  • ◆仕上げのスタイリング剤を使用するときは、髪の悩み解消できる商品や香り・質感で選び好みの商品を試してもらう

2.4 ドリンクサービス

美容院でのドリンクサービスは既に一般サービスとして定着しています。
特にカラーリングやパーマといった施術後の放置時間が長い時には、リラックスタイムとして効果的に過ごしてもらうためにドリンクサービスを提供しています。
この提供の仕方には、以下のことを配慮したサービスをしてみましょう。

  • ◆最低3種類の飲み物を用意する:お客様の好みの飲み物または苦手なものがあるので、コーヒー、紅茶、ジュース(ハーブティーや水等も可)などが良いでしょう。また、ホットかアイスの選択肢があると良いです。
  • ◆個包装になったチョコレートまたはビスケットなどをドリンクに添える:お菓子は1個程度でいいので、ドリンクに添えるだけで好印象になります。
  • ◆提供するタイミングを配慮する:カラーリングやパーマの放置時間にドリンクを提供することが多いのですが、施術に入る前の待ち時間や来店直後なども検討すると良いです。特に予約したにも関わらず待たせてしまう時間はお客様にとってイラつくばかりです。ドリンクサービスで気持ちを和らいでもらいましょう。

2.5 フリーWi-Fi

施術中にスマホを見ているお客様が意外と多いのではないでしょうか。
店内にフリーWi-Fiを開放するだけで顧客満足度が上がります。また、店内のタブレット(視聴)サービス、タブレット決済などにも幅広く使用できます。
このサービスを導入する際には、入り口または鏡付近(目に付く場所)にWi-Fi設置の案内の張り紙しておくと良いでしょう。

2.6 携帯の充電

美容院でお客様の携帯電話の充電が出来るか否か聞いたことがあると耳にしたことがあります。ある美容院は快く充電させてくれたようですが、お断りする美容院もあります。
フリーWi-Fiと同じく、入り口もしくは鏡付近に充電可能という案内の張り紙を張っておきましょう。
お客様が困っている時にモバイルバッテリーの貸し出しやコンセントを自由に利用できるサービスは、あると嬉しいことがひとつ増えます。

3.付加価値サービスで差別化

美容院の店舗数は2022年時点で、全国269.889店舗(厚生労働省より「衛生行政報告例」あり、コンビニより多い数字となっています。
競合店の多い美容業界はどのようにして生き残れるのかが今後の課題のひとつでもあります。ここでは、前述したサービスをグレードアップして、どのようにして他店との差別化を図れるのか解説したいと思います。

⓵セットメニューに工夫
セットメニューとは文字通り、単品メニューを組み合わせた施術を行うことで価格が割安になるサービスメニューです
最近ではオーガニックやノンケミカルといった髪や頭皮に優しい商品が多くなりました。アレルギー体質のお客様にも安心して使用できる商品は非常に喜ばれます。(ただし、カラー剤などはパッチテストが必要)
これらの刺激が少ないカラー剤やシャンプー剤などを「カット+ノンケミカルカラー剤」などをメニューに取り入れるようにします。
しかし、単に取り入れるより初回は割引価格セットメニューとして提供するなど工夫する必要があります。
サンプルを差し上げても効果的です。他店にはないサービスと感じてくれます。


②限定メニュー
期間や数量の限定メニューは飲食店や旅行ツアーなどあらゆるサービス業で導入しています。人は「限定」という言葉で購買意欲を促し、決意させてしまう最も戦略的な表現です。
では、美容院にとって差別化を図るための限定メニューはどういうものでしょうか。

  • 数量や期間限定のお得なキャンペーンメニュー
  • 閑散期限定(時間帯や曜日など)だけ割安で施術が受けられる
  • 来店日に次回の予約を入れた方限定で料金が〇%オフになる

上記のように数量・期間の限定メニューは特別感を与えることで、お店の強みが活かされます。他店との違いを見つけ出し、お客様の欲求に応えられている限定メニューを実施してみましょう。

さいごに

いかがでしたか。お客様が「また来たい」と思わせるためには、人間力と接客力を磨くことを前提とした上で、付加価値サービスをつけることがとても重要です。この付加価値を活かした結果がリピートに繋がるので、是非とも喜ばれるサービスを提供すると良いでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人